美人クラス委員長が俺の終わった高校生活を変えようとしてくる   作:Brahma

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第22話 美少女の家に来てなぜかチャラ男の兄さんとお話しする羽目になったのだが?

星ヶ崎は陽キャだし、かかわりたくないタイプだった。あの事件だまっていたらクラスメートに内緒で親しくなるようなことはなかっただろう。しかしお兄さんも似たタイプだったとは…。血は争えんということか…

陽キャとは話すのがつらいし、近くにいるだけで精神的に摩耗する。まあ相手が陰キャでも共通の話題が思いつかなければ互いに黙りこくった状態だから同じかもしれないが。

意を決して扉をそうっとあけていく。チャラ男くんが怪訝そうな顔をして、小さく鼻を鳴らし、

「どうしたんだ?とにかく俺が瑠璃の兄の紅也だ。よろし…。」

バタン

「ちょ、またなんで閉めてるの?」

「やっぱ、この話はやっぱなかったことに」

「往生際悪すぎるよ!?美少女でチャラい私とは話せてるじゃん。女の子と話すのに比べればハードル低いじゃん。」

「いやぼっちには、チャラい系なら男女関係ないって再認識させられているんだよ。」

「そんな無駄な再認識いらないから!?」

「しかもお兄さん年上の陽キャだぞ。何から話したらいいんだよ。怖すぎるんだもん!?」

「だもんとかパニック状態で語尾がおかしくなってるよ?七村」

ついに扉が開いてお兄さん本人が出てきた。

「さっきから開けたり閉めたりどうなってるんだ?クイズ番組や格付けチェックではずれの部屋にフェイントするあれか?」

お兄さんは、俺のほかに白峰がいるのを確認すると、

「七村君だけじゃなかったんだな。俺は瑠璃の兄の紅也です。よろしく。」

「あ、あの….星ヶ崎さんと同じクラスの七村、七村穂高です。」

「わたしも同じクラスの白峰です。」

「ああ、よろしく。」

紅也さんが手を伸ばすと星ヶ崎はそれを払う。

「どうしたんだ?瑠璃?」

「お兄ちゃん、それは今二人にとってまずいから。七村はお兄ちゃんを誤解するし、委員長には直接の用はないでしょ。」

「あ~彼女はクラス委員長か」

「美人で成績優秀。公平で面倒見がいい、といったところか。」

「へえ、お兄ちゃん、わかるんだ。」

「はじめ七村君のカノジョかなとおもったけどなんとなく恋人っぽくないなと思ってて、瑠璃が委員長って言ったからすべてわかったよ。」

「まあ、七村君、そんな硬くなることないから。しかし、瑠璃が友達連れてくるのは久しぶりだな。小学校以来か?」

「家に連れてくるのはあまりなかったかもね。てかお兄ちゃん今日は七村のことでしょ。」

「そうだな。女子を部屋に入れるのはあまりよくないな。」

「じゃあ、わたしは、委員長と私の部屋へ行くから、お兄ちゃんは七村とすきにやってよ。」

「そうか、助かる。七村君とは二人っきりで話したいと思っていたんだ。」

「?それはどういう?」

「さーて俺の部屋へ行こうぜ。」

ぐいぐい押されて部屋に押し込まれる。

「すまんな。椅子がひとつしかなくて。そこにでもすわってくれ。」

ローテーブルの近くにクッションがあり、ローテーブルをはさんでお兄さんと向かい合う形になる。」

「え~っと、星ヶ崎さん」

「それって誰のことだ?」

「あ…。」

俺はあんぐりと口をあけてしまう。

お兄さんは、にやりと微笑み、人差し指を左右にふって「チッチッ」と左右に振り、

「おいおい、この家には今『星ヶ崎さん』が二人いるんだぜ。」

「この部屋には星ヶ崎さんだけですよね。」

するとお兄さん、扉をあけて

「おーい、瑠璃、七村君が呼んでるぞ。どうしても話したいことがあるそうだ。」

というかこれよくラノベにあるやつだ。

数秒後に妹のほうがやってきて

「これ、七村君用でしょ。」

「おお、さんきゅーな。それからお前と委員長さんも冷蔵庫にあるやつ自由に飲んでいいからな。冷えたビールもあるし。」

「最後のはダメでしょ。わたしら未成年だし。」

星ヶ崎は、ドンマイといわんばかりにお兄さんの肩越しに俺に対し苦笑をむける。

扉が閉まって、お兄さんがもどってくる。

「これ七村君の分」

「ありがとうございます。」

コーラを開けてのどに流し込む。

「というわけで、俺のことは、紅也さんでも紅也でも好きに呼んでくれてかまわない。」

「さっきのは、もしかして?」

「おお、気が付いてくれたか。『ここには同じ苗字の人間がたくさんいるのだが?』と言って相手に無理やり下の名前で呼ばせるやつ。妹の友人が来たらやりたいことランキング三指にはいるやつだ。」

「あとの二つはなんですか?」

「まあまあ、俺のことは紅也さんとでも呼んでくれ。年上は呼び捨てにしにくいだろうし。」

「紅也さん…。」

「じゃあ俺は君のことを穂高と呼ぼうかな。」

「あ、はあ…。」

いつの間にか名前で呼ばれるようになってしまった。紅也さんの顔面偏差値なら女の子はうれしいかもしれないが俺は男だし、特に何の感慨もない。

「まあ、見ての通り、俺もラノベ、漫画、アニメは大好きだから硬くならないでくれるとうれしいかな。」

「は、はあ…。」

これだけイケメンだとテニサーとか軽音サークルとかで女性関係の修羅場つくっててもおかしくないなあと思いつつ、見回すと、部屋の隅には黒いギターケース、またテニスラケットが置いてあるのが目に入る。

「あのさ穂高」

「なんです?」

「なんかむちゃくちゃ失礼なこと考えてないか?」

紅也さんが苦笑しながらきいてくる。

まさか軽音サークルで後輩を毒牙にかけワンナウト、テニサーで同じくツーアウトとか言うわけにはいかない。証拠があるわけでもなし。

「いやいや気のせいですよ。気のせい。」

「まあいいか。本題にはいろう。穂高はラノベ書いてるんだよな?」

「まあ一応」

「俺は書くところまではいってないけど、一度くらいは知り合いが書いたラノベ読んでみたかったんだよな。上から目線でアドバイスするのが夢でさ」

「質が悪いっすね。いきなりの話だったら見せないところだ。」

「まあ、まあ、ちょっとはたくさん作品を読んでいる俺の審美眼を信じてくれよ。それに創作には第三者の視点が大事なのは穂高もよくわかってるだろう?」

「それでは、おねがいします。」

「任せろ」

美少女クラスメートのお兄さんにラノベ原稿を読んでもらっている。お父さんとお風呂に入るのとどっちが気まずいのだろうかと考えてしまう。

俺は紅也さんが読み終えるまで、ぼうってしてるしかない。

そうこうしているうちに、30分ほど過ぎただろうか...

「ふう、読み終わった。」

「ありがとうございます。ちなみに感想とかどうですか?」

「そうだな…。」

「えーとまあなんというか」

紅也さんは机にあったラノベのうち、やにわに一冊をとりあげた。

 

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