美人クラス委員長が俺の終わった高校生活を変えようとしてくる 作:Brahma
「ほかの男とは出かけない空が、七村さんとは、動物園やファミレスで何度か会っていると聞いたので。」
「花見辻、お前そんなにかわいいのに誰とも付き合っていないのか?」
「それよ。だれかと付き合っているとなったら大騒ぎになりそうだから。ほら真白の場合、美人で成績優秀で人格的にも親切となったら、だれも言わないけど絶対モテているはず。だけどだれかと付き合ってるとなっても、なんとなく大騒ぎにはならないですみそうな感じでしょ。」
「そうだな...わたしの場合は、そうならないかもしれないな。」
白峰は、あごに手を当てて考え込む。
「ぶっちゃけ七村くんが真白の彼氏でも、クラスで一番話しかけてる女子だったし、あ~そうなのかですんじゃう感じ。真白以外でも図書委員に清楚でかわいい娘がいても密かに憧れているだけで目立たない、いつのまにか彼氏がいたんだ~ですんじゃうような感じ。会社とかで黒髪で清楚で美人だけど真面目そうなOLを射とめてもあまり大騒ぎにならないみたいな。わたしの場合、それとは違って、学校中で芸能人みたいに注目されてるから下手に動けないのよ。」
「そうです。そんなにかわいい空が学校の校舎内じゃないけど、唯一親しげにしているのが七村さんなのです。」
「う~ん、わけわからないな。」
「なるほど...。」
「どうしたんだ、星ヶ崎」
「ほら家へ来て、七村、お兄ちゃんのこと避けようとしたじゃん。オタクっぽくないって。うちのお兄ちゃん、モテすぎるから大学内じゃあまり自由じゃないの。だからオタク趣味は、外で楽しんでる。それと同じで、空は、七村が恋愛対象じゃないから気兼ねなくつきあえるんでしょう?」
「あ~そうか、おじいちゃんや小学生に親しくできる感じか。ありがとう星ヶ崎さん、どうして七村くんのまえでリラックスできるかわかった気がする。」
「恋愛対象じゃないとかかなり失礼な感じだが、七村君にとっても気が楽なんだろうな。」
「白峰」
「なんだ?」
「動物園に行くとき、「君が人間関係を築くうえでこれを乗り越えたら無敵だという人物」と言って花見辻をつれてきたけど、花見辻にとって俺は恋愛対象じゃないし、俺もぼっちでいたいからそもそも「乗り越え」なきゃいけない人間関係なんか発生しようがなかったんじゃないか。」
「いや、実はわたしもそう思った。おじいさんや小学生に親しげに話すような感覚ということはまったく緊張関係や恋愛関係が発生しえない。どうりであんなに動物園で二人ともリラックスしていたわけだ。」
「ということで角谷、お前が考えるようなことや心配するようなことは、何もない。」
俺はここぞとばかりドヤ顔、う~ん違うな(キリッっていうやつか...をしてみせる。
「わかりました。だけどもうひとつ気になるのは星ヶ崎さんのことです。」
「あ...はい。」
「どうして加害者の七村さんと被害者の星ヶ崎さんが一緒に勉強会してるんですか?」
「えっとだな、実は俺、この勉強会に来るつもりはなかった。」
「??どういう意味ですか?」
「白峰にさそわれて来てみたら星ヶ崎がいたんだ。おまえだって呼ばれていないのに来ただろうが?」
「違います。空についていってたら勉強会やっていたんです。」
「てかそれってストーカーじゃないのか?」
「それはおいておいて」
「いやなんで「それはおいておいて」なんだよ」
「私が訊きたいのは、星ヶ崎さんがなんでいやがっていないのかです。」
そのときだった。
「あの、それは違うの」
星ヶ崎だった。なにかを決心したような強い口調だ。
星ヶ崎がボックス席の前で立ち上がり、右手を胸にあてて俺たちを見つめる。
「七村、いままでほんとうにありがとう。」
「星ヶ崎!?」
「あのね、実は、坂戸さんというクラスメートが、つまずいてわたしのリュックの中身こぼしちゃったらラノベが出てきて大騒ぎになって、柊さんたちの仲良しグループにもみられてわたしは大ピンチだったの。そこでわたしのリュックと七村のリュックがそっくりだったから、七村が掃除中に間違えてラノベをわたしのリュックに入れたと言ってくれた。だまっていれば七村の今のうわさはたたなかったのに。それでわたしのラノベ好きはクラスにばれないですんだ。これを知っているのは、七村本人のほかは、委員長と空ちゃんだけ。これが本当のことなの。いままで隠していてごめんなさい。」
「なるほど...今の話のほうが筋が通っていますね...。」
「だから七村は、わたしをかばったせいで変な噂がたっちゃったの。悪いのはぜんぶわたしなの。」
「星ヶ崎が悪いんじゃない。あんな判断してしまった俺の自業自得なんだ。」
「さっき、空は、七村さんとは、おじいさんや小学生みたいに恋愛関係になりえない、七村さんも孤独を好むようなこと言ってましたけどファミレスのボックス席で勉強会するとかけっこう親しくないですか?」
「う~ん、でも二人っきりというのはなかったし、今七村くんのとなりにいるのは、真白、というか白峰さん。あんなに距離が近くても彼氏彼女じゃなくてクラス委員とクラスメートの関係でしかないのにわたしが七村くんと知り合い以上の関係であるわけがないじゃない。」
今度は角谷が気の毒そうに俺を見て
「七村さん、ドンマイです。」
とか言ってくる。誤解?が解けたのはうれしいけど、もしかして俺振られたことにされてる?
「角谷、お前勘違いしているし、勝手に振られたことになってる俺の気持ちはドンマイどこじゃすまないぞ。」
「ちゃんと説明しなくてごめんね。
「いえ、わたしの気持にひっかかっていたものが取れたようでスッキリしました。」
おいおい俺の気持ちはスルーかよ。
「謝罪ついでで申し訳ないけど、わたしたちのこと、とくに七村くんと星ヶ崎さんの件は内緒にしてほしいの。」
「はい、わかりました。誰にも言いません。それから七村さん、うわさの真偽を確かめずにすみません。」
「俺は、どうせぼっちだからと誤解を解こうとしていないから気にしなくていい。」
「知らなかったこととはいえひどいことを言ってしまいすみませんでした。」
「もういいから頭あげてくれ。」
「日向、せっかくだから勉強していかない?学年10位以内がここには3人いるんだから」
「え、いいんですか?勉強するなんて久しぶりです。」
しかし、角谷を交えて勉強会をはじめると4人は青くなった。
「あの~「ほうぶつせん」ってなんですか?」
(え...こんなこともわかっていないの??)
(どうしよう...)
(どこから教えたら...)
「角谷、もしかしたら中間はどのくらいだった?」
「えっと...実は」
下から10位以内とか....
「お前、花見辻追いかける前にやることあるだろ!」
「日向...」
「空、ごめ~ん」
「部活以外勉強しろ、まじこのままじゃヤバいぞ...。」
「はい...。」
さっきの勢いはどこへやら角谷らしくない弱弱しい返事が聞こえた。