美人クラス委員長が俺の終わった高校生活を変えようとしてくる   作:Brahma

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第8話 ラノベを拾われた。わたしの高校生活終った(泣)?

星ヶ崎瑠璃side

教室の引き戸をあける。

なにやらざわざわしている。

「どうしたの?みんな」

柊さんが声をかけてくれる。

坂戸さんたちのグループの女子たちはにやにやしながらこそこそ小声で話している。

わたしは、床に落ちて口の開いた自分のリュックに気が付いた。

「それ私のなんだけど」と話かける。

すると坂戸さんは、小ばかにするようなにやにやした表情で、

「ごめーん、星ヶ崎さあん、ちょっと椅子につまづいちゃったんだけどさあ」

わざとらしく間延びした声で話すしてくる。やにわに何かをもって高く手を挙げる。この間買ったラノベだ。

「あ...。」

っといったまま、背中に冷や汗が流れる。それ以上声が出ない。

坂戸さんがくすくす笑いながら

「中身をひろってたらさ、こんなのがあったんだよねえ」

というと彼女のグループの女子たちがはやしたてる。

「めっちゃ、ウケるよねえ、なにこれ?」

「これってラノベってやつでしょ?」

「星ヶ崎さん、超オタクじゃん」

わたしは、グループの女子たちにちらり目をやるが無言だ。わかってはいた。でも友達じゃないの?どうして何も言ってくれないの?と感じた。

「それは...違うから...」

絞り出すようにつぶやくのがやっとだった。

坂戸さんたちは勝ち誇ったようにまくしたててきた。

「はあ?何が違うの?あんたのリュックからでてきたんだけど?」

「自分のでしょ?シラ切るのやめときなって。無駄だから。」

「こんなの好きなんて意外とか思ったけど、考えてみれば金髪ツインテかあ、オタサーの姫だよね。」

へらへらわらいながら小ばかにした口調で攻め立ててくる。

顔からは血の気がひいていた。

「じゃあさあ、これ音読してみなよ。」

「え...」

「そうそう、音読、音読、お~んどく、お~んどく」

「立派な声優じゃん、あこがれてるんでしょ?ちょうどいいじゃん」

「動画とって流そうよ」

「いいねえ」

だまっている柊さんたちの表情が怖い。侮蔑する様なばかにするような微妙な空気。私たちをだましていたの?という空気。こんなことにかかわりたくないという空気。あまり好意的でない雰囲気までただよわせている。わたしには味方がいないことを思い知らされる。わたしの高校生活終わった?明日からどうしよう。

そのとき、椅子が後ろへ下がるようなガタッというかなり大きな音が教室中に響く。

立ち上がったのは七村だった。そして七村は驚くべきことを口にした。

「あ~それなんだけどさ、俺のラノベなんじゃないかな?」

意外な人物の意外な発言に教室が静まり返る。

この場面、先日読んでアニメ化された『乙女ゲー世界はモブに厳しいけどたくましく生きることにした』の主人公キリオが悪役令嬢アイリーナを助ける場面にそっくりと一瞬思ったがそれ以上は思考がとまって声が出ない。

「は?」

と坂戸さんのあきれが大部分と驚きとひょうしぬけが加わったような声。

「そのラノベ俺のなんだよ。ほらこのリュックそっくりだろう。」

七村は自分のリュックを持ち上げてみせる。色合いから何からわたしのものにそっくりだ。なにかわたしはわらいがこみあげてきた。ラノベや同人誌を買い集めるためのオタク仕様のリュック。なんとまあそっくりなものだ。ああ裏地が挿絵やアニメイラストじゃなくてよかった。

「実はさ、最近ラノベがなくなっていて困ってたんだ。リュックがそっくりだったから掃除の前に間違えてつっこんじゃったらしい。それが星ヶ崎のだったことが今わかったってわけだ。」

「こないだ、星ヶ崎に「きも」っていわれたこともあって、ラノベのよさをわかれよって思ったけど。まあ、星ヶ崎にしたら間違って入ってたらさすがにどうしたらいいかわからないよなあ。すまん」

七村がそういって頭を下げてくる。坂戸さんはおもしろいように動揺し始める。

「えっと、なな??お前マジでいってんの?」

坂戸さんは自分が圧倒的に有利だったのに、一瞬で無実の罪やいいがかりをつけた悪役になったことを感じ取り青ざめはじめた。七村は追い打ちをかける。

「ああ、もちろんマジだぞ。ネタバレしていいなら内容を教えてやってもいい。」

え、あれもう読んじゃったの?早すぎない?

「えっと、星ヶ崎さん、あいつの言ってること本当なの?」

柊さんたちグループのみんなだけでなく、坂戸さんたちのグループの子たちも聞いてくる。

「星ヶ崎よ、お前はリア充だからラノベをバカにするんだろうが、ちょうどいい機会だ。しばらく貸したままにしておいてやるからそれを読んでラノベの素晴らしさを思い知るがいい。」

わたしは、内心の心の微妙な変化を悟られないように泣きそうな表情を保つ。

味方になってくれなかった柊さんたちにはもうちょっと気を使ってほしい。

七村が視線で語りかけてくる。おそらく話し合わせろという感じだ。

「もう、わたしが迷惑するんだからね。ここに名前書いてあるでしょ。」

わたしは、助かったうれしさを押さえて、リュックの名前を指差した。

 

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