ヲタク流、オラリオの生き方。   作:ケモミミ推し

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第九話「決着」

 

インファントドラゴンの主な攻撃方法は、踏みつけ、嚙み付き、尻尾による殴打。そして一番警戒すべきは、中距離かつ広範囲を巻き込む炎の吐息(ファイアブレス)

 

強烈な近接攻撃を嫌って距離を取れば容赦なく吐いてくる上に、火妖精の護布(サラマンダーウール)がない現状では完全に即死攻撃だ。まずはあの炎を封じる必要がある。

 

 

作戦の最優先事項は、火の特性から鑑みた炎熱対策。

 

次に、脚部破壊による機動力の削減。

 

そして、位置関係を意識した立ち回り。

 

それから…

 

 

 

散発的に生まれる思考を、急速に繋ぎ合わせていく。

眼前の竜は今にも襲い掛かろうと鼻息を揺らしているにもかかわらず、警戒を切らさずも冷静に作戦を練ることができているのは、その飛び抜けた度胸のためか。

 

引き延ばされた数秒の思考の末。

やがて、一つの突飛なアイデアが出来上がった。

 

 

「よし......いっちょ試してみるかぁ!!!」

 

 

吹っ切れた俺は、思いついた作戦を実行できるある場所に向けて走り出す。

それと同時に、そびえ立つ竜は猛々しい咆哮をまき散らし、

 

次々に建物を粉砕しながら行進を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、奴のブレスを封じる。

 

そのために、まずは目的地までの道を思い出さなければ。この前聖地巡礼しといて良かったーマジで!!

 

 

目的地までの最短ルートをはじき出し、後ろに迫るバケモンに踏み潰されぬよう必死で大通りを駆け抜ける。

住民も音を聞いて避けてくれるし、その音で応援が来てくれるかもしれない。

 

 

 

そんなこんなで作戦の要である目的地...

 

()()に到着した。

 

小舟が行き交う浅い運河に飛び込むと膝下まで浸かるが、動けないことはない。

 

ここならあれができる。

 

と、ここで俺はようやくインファントドラゴンと向き合った。

数分間に渡り振り向きもせず逃げ回っていた俺に辟易していたのか、追いついた竜は早速その顎の中に炎を溜め込んでいた。

 

_ブレスの予備動作(プレモーション)!_

 

そう意識するや否や、両手で握った斧槍を大きく振りかぶり...

 

「ッせぇぇぇぇい!!!」

 

()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

衝撃が伝わった水面は吹き飛び、彼我の間に水のカーテンが形成される。

その瞬間、竜の炎が解き放たれた。

 

 

水のカーテンはあっさりと蒸発し、炎が眼前に迫る。

巻き上げた水飛沫程度で竜種のブレスが受け止められる訳がなかった。

 

 

 

 

しかし炎が通り過ぎた時には、()()()()()()()()()()()

 

ブレスによって発生した大量の水蒸気に紛れて、目の前の竜へと接近していく。

水飛沫と蒸気によって視界が塞がれ、ブレスの軌道がズレたのだ。

 

 

竜がそれに気づく頃には、男は竜の股の下をくぐり抜けていた。狙いは長い尻尾。本体に比べて低い位置にある()()に手をかけ、一本の道となった坂を駆け上がる。

 

(これならブレスも踏みつけも怖くない!)

 

背中を踏みつけられた竜は身をよじり振り落としにくるが、バランスを崩す前に空高く跳ぶ。

 

 

足りない力は知識と度胸でカバーする。

 

「それが......冒険者だオラァァァァァァ!!!!!!」

 

 

 

雄叫びと共に、首を上げた竜の脳天に斧槍の刃を叩き付ける。

 

「グオォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」

 

さすがに無防備な頭に食らった一撃は痛かったのか、川に転げ落ちた俺にも聞こえる爆音の咆哮が浴びせられた。

 

「うグッ、ゲホッゴホッ......」

 

水を飲みながらも何とか素早く起き上がったが、奴はまだ倒れていない。むしろ、頭に刺さった斧槍のおかげか貫禄も殺意もえらいことになっている。

加えて、体力もいい加減キツくなってきた。

 

「クソッ、ここまでか...」

 

 

 

 

 

 

 

「全員、突撃!!!!」

 

その刹那、オレンジを基調とした服を着た集団が竜目掛けて突撃をかけ始めた。

 

「来てくれたか...ガネーシャファミリア!」

 

一人で奴を倒すのが難しいとは考えていた。だからこそ、少しでも目出つように広い場所かつ街道から近いここを選んだ。さすが、「都市の憲兵」と呼ばれるだけはある!

 

「そこの君!早く離れろ!」

「助かります!さすがに一人じゃキツかった!」

「な...アレを一人で抑えていたのか!?」

 

抑えていたっていうか、追いかけっこをしていただけなんだよな。とりあえず、後は本職に任せることにしよう。

 

 

 

 

 

 

その後、奇跡的に無傷でインファントドラゴンから逃げおおせた俺は、ガネーシャファミリアの人達に「レベル1であいつに喧嘩売ったのか?すげぇなお前!」とか「なおさら無茶しちゃ駄目じゃない!!」とか色々言われたが、安堵感と疲労感の極地にいたせいでよく覚えていない。

とりあえず奴の頭に刺した斧槍は返してもらっていた。

 

その日の夜のことは、飯も食わずに寝たからかあまり良く覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、右京!神様ー!右京が帰ってきましたよ!」

「何〜!?よし右京君、ここに直れ!こっちは色々と聞きたいことが山盛りなんだよ!」

 

「あー...」

 

朦朧としつつ何とか家に帰り着いた右京の受け答えは、それはもう酷いものだった。

 

「いったいどこに行っていたんだい!」

「...川でドラゴンと戦ってました」

 

「け、怪我はないんだね?」

「多分...」

 

「じゃあ、そこの隅にいた小さい子は誰なんだい!事情は聞いたけど、勝手に連れ込んじゃ駄目じゃないか!一応はファミリアの拠点なんだぜ?」

「...そんな大層なもんじゃないでしょうよ」

 

「もーーー!!!!ちゃんと答えるんだーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、知能を取り戻した俺はようやく昨日起こったことのの説明と、新しくサポーターとして雇ったラーマを紹介した。

 

「なるほど、事情はよくわかったけど...」

「ご迷惑おかけ致しました...」

「そうだよ右京!右京が帰ってこないから、この子もずっと怖がってたんだよ!」

「いや、お前がいるから大丈夫かなって」

「帰ってこないから、心配しました...」

「...遅れてごめん」

 

子供に泣かれちゃ、謝るしかないよな。

 

 

「ええっとそれで...。右京君、彼女をどうするつもりなんだい?」

「どう、とは?」

「これからのことさ。」

 

女神の声が真剣な雰囲気を帯びる。

 

「彼女はサポーターをやっていたそうだけど、これからもダンジョンに行くのかい?」

「あぁ、そういう話だったしな。」

「...ベルくんにすら相談してないのに?」

「ウッ」

 

 

そこからはヘスティア様に色々と説教を食らった。

本当にダンジョンで戦っていけるのか。なにもダンジョンに行かなくても、彼女の働いている屋台で雇ってもらえるかもしれないこと。

 

「もちろん、屋台よりダンジョンに行ったほうが稼げるとはおもうけどね。なにも無理をしてダンジョンに行く必要は無いんじゃないかな?」

 

それに関しては、本当にぐうの音も出ない。

 

 

「...でも、僕は大歓迎ですよ!ちょうどサポーターが欲しいって話してたところだし..!」

 

どうやらベルは乗り気のようだ。その様子をじっと見つめていた彼女は頷き、

 

「なるほど、君たちの気持ちは分かったよ。後は...」

 

少し離れた位置で小さくなっているラーマに目を向ける。

 

「君がどうしたいか、だね。」

「わ、私は...」

 

 

迷うような仕草を見せつつ、それでも尚毅然とした顔で

 

「私も、皆さんのお役に立ちたいです」

「...何より、お父さんとお母さんが教えてくれたことを、無駄にしたくないです!」

 

と、言い切ってみせた。

 

「...それなら、僕から言うことはないね。」

「なら...!」

 

 

「あぁ、ようこそヘスティアファミリアへ!」

「歓迎するぞ、盛大にな!」

「これからよろしくね、ラーマ!」

 

「...はい!」

 

「よし、そうと決まれば早速恩恵(ファルナ)を刻もうか!おっと、男の子は見ちゃ駄目だぜ!」

「じゃあ、少し出ときます」

 

そう言って、団長と共に地上階まで出る。

 

 

 

 

 

「良かったね、ラーマのこと」

「おう、良いサポーターが見つかって何よりだ。」

「明日からは3人でダンジョンに行くんだよね?」

「いや?」

「え?」

 

ニヤリと笑う。

 

「しばらくは俺とラーマの二人で動くから、そこんとこよろしく。」

「え、どうして?」

「あの子をサポーターにすると決めるのはまだ早い。まだ幼いし、育て方次第じゃいくらでも強くなれるはず。」

「...?まだ早いって...」

 

自分自身で試行錯誤して強くなりながら、そこで得たノウハウを教える。その間はサポーターとして経験値(エクセリア)を稼がせる。隙を生じぬ二段構え計画だ。

 

「とは言っても、やっぱりサポーターは欲しいよな。だからベル、お前には現役のサポーターを見つけてきて欲しいんだ。」

「僕がサポーターを?」

「おう、バベル前の噴水のところで武器の代わりにリュック背負った奴らがいるはずだ。そういう奴らは大抵、冒険者と組んでダンジョンに潜りたがってるサポーターだから...」

 

などとサポーターについてベルに言い聞かせる。ラーマをサポーターに、と考えたときは「ヤベぇ!リリ助のこと忘れてた!」と焦ったが、これでベルがリリ助を連れてくる...はずだ。大丈夫だよな?

 

 

 

「お〜い、終わったから降りておいで〜!」

 

ラーマの改宗(コンバージョン)が終わったらしい。何か面白いスキルか、せめて基礎アビリティが育ってればいいけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、改宗時ステイタス

 

ラーマ・ノニト

 

Lv.1

 

STR I 65

VIT I 48

DEX I 8

AGI I 31

MAG I 0

 

MAGIC:

SKILL:

 

 

 

 




どうも、膨大な課題と神アニメに忙殺されていた投稿者です。すまねぇ!(五体投地)

だってdアニメストア強すぎるし...スキップとローファーが尊すぎるんじゃ...魂が浄化される...


次はもう少し早く上げられると嬉しい!ほな!

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