おはようございます。夜叉烏です。
NZ75ちゃん、弄り甲斐のあるキャラだなぁ~と思いまして。
作者のYouTube
(https://www.youtube.com/channel/UCUn4CBwIg1kM4rdr-AkW3Cg/videos)
取り敢えず俺は、焚火で温めておいたトマトパスタの缶詰――一応触れる程度には冷ましてある――を、遅れてやってきたM82A1のお仲間に差し出した。
パスタの缶詰など人生で初めて食べるが、これが中々美味い。前世の友人から「もうお前イタリア人になれよ」とまで言われるほどのパスタ好きな俺を唸らせるほどだ。
間違いない。これを製造したのはイタリア人だな!(確信)
「うぐぐ…貰うわ。…美味しい」
「あら、ありがとうね~」
「アタシにも食わせろ!」
腹が減っていたのだろう、MK48とK11の娘が特に怪しむことなく受け取り、M870は悔しそうにしながらも缶詰を手に取って頬張る。
全く、メスガキを黙らせるのは最高の気分だぜ!
「お、お前等ッ!何躊躇なく受け取っている!?毒でも入れられてたらどうするんだッ!!」
「人形に毒盛ったとして効くのか?」
「お前は黙ってろッ!!私は要らないからな!?」
俺がウルフキック擬きで吹っ飛ばしたNZ75――CZ75と思ったが、M82A1によると違うらしい。紛らわしいことこの上ない――は、警戒を露わにして怒声を上げる。
「そう言うなら口の端から垂れてる涎をどうにかしろ」
「うあ…ッ!?き、気のせい!気のせいだッ!!」
ヤバい。この娘弄るの滅茶苦茶楽しい。
『何か一発ギャグやって』って言ったらクソ真面目に滑るギャグをやっちゃうんだろうなぁ。ほほえま~~。
「や、やめろッ…そんな目で私を見るなぁ…ッ!!///」
「あら~、可愛いわね~ノリンコちゃん❤」
「缶詰にしては美味いわよ、これ。さっさと食べちゃいなさいよ」
「い、要らない…ッ!!」
強情だなぁ。戦術人形も生体パーツの維持がどうとかの理由で食事が必要だって聞いたぞ?
さっきからお腹も鳴ってるし、食べさせた方がいいだろう。
「よし、そこのMK48!あいつを羽交い絞めにしろぃッ!」
「は~い♪」
「んなッ!?おい何してるMK48!?てか、何であいつの命令を聞いてるんだッ!?」
今日会ったばかり、しかも敵同士だったとは思えないほどの連携により、NZ75はMK48に呆気なく両手両足を封じられ、拘束されてしまった。
見事な手際である。
「そしてそこのショットガン!…M870か?美味しそうな料理を目の前まで近づけるんだ!」
「はいはい。ほらNZ75、さっさと食べちゃいなさいよ~」
「う…ッ!うわぁぁぁ…!」
保存食とて、最前線で命を懸けて戦う彼女たちからすればご馳走に等しい。
それに、彼女たちは今まで走り回り、ついさっき俺にボコボコにされた身だ。
間違いなく心身共に疲れてるだろうし、そんな状態で美味い飯を目の前に突き出されたらどうなるか…。
「た…食べる、からッ!食べるから離せぇ…ッ!!」
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「というわけで、俺はグリフィンに雇われることにしたわけだ」
「雇われる前に一発殴らせろッ!!」
NZ75が右拳を思い切り俺の腹へ突き立てるが、鋼鉄の如く鍛え上げられた身体はほんの少し身じろぎしただけで、逆にNZ75の右手が悲鳴を上げた。
「~~…ッ!?!?」
小柄な少女の一撃とて、戦術人形の挙撃は下手すれば肋骨を数本へし折り、内臓を破裂させかねない威力を持つ。
しかし、俺にはまるで効かず、逆に痛いのを貰う――正確には自滅――羽目になってしまった。
「つくづく、おっさんの身体が可笑しすぎて笑うしかねぇよ」
右手を抑えて地を転がるNZ75を見ながら、K11が言った。
「あ?俺そんなおっさんか?今年で21だぞ」
ここがよく分からないポイント。
原作のマーカスは38歳なのだが、前世大学生である俺が憑依した今のマーカスは21歳の身体だった。
そのくせ、38歳まで生きたマーカスの記憶や経験を引き継いでいる。ついでに身体能力も。
ここに来た時、家の鏡に映った、フードと覆面を取った自分の顔を見てそれに気づいた。
なんでこんな面倒くさいことをしたんだ、俺を憑依させた誰かさん???
…まぁ、21歳からいきなり38歳のおっさん一歩手前の身体にされて、俺の寿命から17年が一瞬で奪われるようなことはなかったんだ。良しとしよう。
「「「…え?」」」
場が凍った。
「あぁ、顔隠してるからわからなかったか?」
俺は覆面をずり下げ、顔を完全に露出させた。原作のマーカスが若返ったかのようなイケメン顔が姿を現す。
「うわ、え…?」
「あら~…」
「へ…?///」
「おいおい…」
未だ蹲るNZ75を除く人形全員、驚きの表情でこっちをジッと見つめてくる。照れるからやめてくれ。
あと赤くなってるM82A1ちゃん可愛い。
案外初心なのかな?御神体…元聖職関係とのことだし、禁欲的なことも経験しているのかもしれない。
「…いやいや、おかしいだろ!まぁ、異世界のアメリカから来たってのもおかしいけど…それは一旦置いといて!」
因みに、俺がこことは別の世界で、アメリカ陸軍ハーメルン大隊の第3中隊長を務めていたことは、既に話していた。
K11が捲し立てるように言い、自由に動かせる左腕で何とかフォークを使いこなしてパスタを口に運び、飲み込むと、続きを話し始める。
「21で大尉って、まぁグリフィンにもその位の指揮官もいるけど…正規軍じゃそんなの有り得ないだろ!?」
…まぁ、普通そうだよな。
マーカスは本来38歳なのだ。それなら大尉という階級も納得できるが、今の俺は21歳である。
「…話すと長くなる。お前たちの指揮官のところでゆっくり話してやるよ。どうせ、向こうに着いたら出自位は聞かれるだろうし」
「…わかったよ」
少し不満そうだったが、K11は納得して下がった。
…そういえば、この娘たちって何でこんなところにいたんだ?
俺の射殺は任務に入っていないはずだ。だって俺は今のところ、グリフィンに目を付けられるような活動はしていない。
つまり、俺の射殺はついでであり、本命の任務があるのでは…?
「…お前たち、何か任務中だったりするのか?」
「「「…あ」」」
異口同音に漏れる言葉。
…いや、そんな大事なこと忘れんなよッ!?こんなのが俺の部下だったら全員バレットの錆にしてるぞ!?
「忘れてたのかよ…NZ75、如何にも真面目そうなお前がいながら」
「う、五月蠅いッ!何で私が全部悪いみたいになってるんだ!?」
NZ75弄りのノルマ達成…と。
すると、M82A1が俺に説明してくれた。
「その、S08地区を占拠中の鉄血部隊に対する威力偵察を行う任務を帯びているんです」
「うん。君は君で何故に部外者へ作戦バラしちゃうのかな?」
「…あ、いや、その」
「セキュリティガバガバかッ!?」
心を許していたみたいだけど、俺は部外者に過ぎない。作戦をこうも簡単にバラすとは、あってはならないことだろう。
M82A1ちゃん、結構天然なのかな…?
…いや、しかし良いことを聞けた。
この作戦に俺が参加し、実績を残し、戦力として"使える"ことがグリフィンの上層部に伝われば、俺を雇ってくれる可能性が高まる。
「…聞いてしまった以上部外者じゃなくなった。俺もその作戦を手伝わせてもらう」
迷いはなかった。
使用弾薬を14.5ミリ弾にしたり、より長い銃身に換装したりしたいけど、それだとバレットっぽさが失われちゃうかなぁ…。