薄明の騎士達   作:猪のような

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プロスペラめちゃくちゃ怖いっすねぇ。サビーナさんがアーシアンと判明した今!結果的に色々な部分が変わってしまう!うわぁぁぁぁぁぁん!変更に次ぐ変更!果たしてこの物語はどうなってしまうのか!因みに今回でプリマ君のヒロインが分かります。それではどうぞ。


第三話 ようこそ!アウローラ寮…あれ?

 

 

 

 

「で、今日はクロユリが一緒じゃないんだ」

 

「そう!別に一人でも普通に生活出来るから良いけどさ、そんなグエルがスレッタさんに取られたくらいで……まぁ、クロユリにとっては重要か…」

 

スレッタとグエルの決闘&プロポーズ騒動の翌日、プリマは学校の食堂でシャディク、サビーナ、エナオの三人と共に食事をしていた。

 

「彼がグエル・ジェタークに向けている感情の大きさ私達には推し量れないわ」

 

「ああ、まるでグエル・ジェタークと戦う為に生活している様だ」

 

「ホント、僕も驚いているんだ。クロユリの中でグエルがあそこまで大事なものになるなんて…」

 

そういうプリマの表情は何時もより穏やかで嬉しそうだった。

 

「あ!そういえばこの四人だけで集まるのホントに久しぶりじゃない!?」

 

「いきなり話題変えたねぇ」

 

「だが確かに、この四人だけで集まる機会は無かったからな」

 

「主にプリマの側に何時もクロユリが居るからだけど」

 

「ふふっ、いぇーい、仲良し三年パイロット組〜!」

 

プリマは記念なのか端末で四人が収まるように写真を撮る。そんなプリマに呆れた笑顔を浮かべながら三人は写真に収まった。

 

「その中にはクロユリは入っていないのかい?」

 

「ん?だってクロユリはエナオとサビーナの事あんま好きじゃないみたいだからね〜、あ、僕は三人の事大好きだよ!」

 

「「ん゛ん゛っ!!」」

 

「どしたの二人とも!?」

 

プリマに大好きと言われた瞬間、サビーナとエナオが胸を抑えて苦しむ。

 

「い、いや、なんでもない」

 

「ええ、ちょっと飲み物が変なとこに入っただけ」

 

「そ、そうなの?」

 

「あはは、そういえば今日はずっと一人なのかい?」

 

「え、うん。クロユリは少し一人して欲しいって言ってたからね」

 

「代わりに一緒に居られる奴はいないのかい?」

 

「無理無理、ウチの寮は皆マイペースで個性的で自由なんだから、積極的に人のお世話するのなんて、クロユリとノイラくらいだよ。で、ノイラほら…」

 

プリマが目線を移動させて三人もそれを追うようにある方向を見ると、大量の女子生徒に囲まれ、それをキラキラとした笑顔で対応している背の高い美形の生徒が居た。

 

「アレだし」

 

「確かにアレじゃプリマの世話どころじゃないな…」

 

「……なら、今日は私がプリマと一緒にいてあげる」

 

「なっ!?」

 

エナオの発言にサビーナは動揺を表し、プリマは少し驚きながらも嬉しそうにしながら…

 

「え、いいの!?やった〜!」

 

と、喜んでいる。すると…

 

「待て、その役割は私がやろう」

 

サビーナが対抗する様に名乗りを上げた。二人はお互いをキッと睨み合い、まるで火花が散るかのように視線を交わす。

 

「あなたはシャディクの右腕でしょう、そっちを優先したら?」

 

「今日は特にやる事は無い。そうだな、シャディク?」

 

「え、あ、うん」

 

「というわけだ」

 

「ちっ…」

 

その後も二人は互いに譲らず、どちらがプリマと一緒に過ごすか言い争っていると、プリマはシャディクの耳元に顔を近付ける。

 

「二人って喧嘩するくらいに仲悪かったっけ?」

 

「いや?コレは…アレだよ、喧嘩するほど仲が良いってやつ。二人ともお互いの事はしっかり認めてるよ」

 

「そっかそっか!ならさー!」

 

プリマは言い争っている二人の方を見ると…

 

「今日は三人で過ごそう!」

 

「「は?」」

 

「あはは、君らしいなぁ」

 

「勿論、二人が良ければ、だけど!」

 

プリマの言葉はポカンとした表情を浮かべやがて顔を見合わせてため息を吐くと。

 

「分かった、今日はそれでいこう」

 

「私もそれで構わないわ」

 

と言って納得した。プリマがうんうんと頷く。そして…

 

「じゃあ車椅子はどっちが押すんだい?」

 

シャディクが、消えかけていた火に油を注いだ。この後、再び言い争いを始め、結果サビーナはこの前押したのでエナオが押す事になったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、スレッタ・マーキュリーはある問題に直面していた。MSの課題に必要なメカニックとサポーターを探しているのだが、上手くいかず、難航しているのである。

 

「ごめん、ジェターク寮に睨まれたくないから…」

 

「あっ…」

 

今もまた、頼んだ生徒に断られてしまい、ションボリしていると…

 

「スレッタさん、何してたの?」

 

そこにニカ達地球寮の女子達が現れ、スレッタに声を掛ける。

 

「あ、ニカさん…あの、メカニックとスポッターを探してて…」

 

「ああ、実習の追試ね」

 

「ニカさん、メカニック科ですよね…お、お願い出来ませんか?」

 

ニカはスレッタを助けてくれた生徒であり、スレッタもこの人なら…と思っていた。

 

「私達、アーシアンですけど…」

 

「地球生まれ、って事ですよね?」

 

「いえ、言葉の意味じゃなくて…」

 

スレッタは世間の事を全く知らず、故にスペーシアンとアーシアンの格差やそれによる差別に関しても殆ど知らない。ニカもスレッタの様な人物なら手伝いたかったのだが…

 

「ごめんなさい。私も後輩の追試を手伝わなくちゃいけなくて…」

 

「そ、そうですか…」

 

スレッタは明らかに落ち込んでしまい、どうしようか考えていると、ニカが「でも」と呟く。

 

「私は手伝えないけど…紹介なら出来るよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は大きく変わり、ジェターク社のCEOであるヴィム・ジェタークの執務室。そこでヴィム・ジェタークはある客人を迎えていた…

 

「それで…なんの用だ。アウローラ社CEO…レゼル・アウローラ」

 

「突然の訪問にも関わらず、受け入れ感謝致します。ヴィム・ジェタークCEO」

 

ヴィムの目の前に立っているのは、アウローラ・インフィニティ・フリーダムの代表取締役であり、プリマの父親であるレゼル・アウローラであった。

 

「それで、今回伺った理由に関してですが。渡したい物があって参りました」

 

「渡したい物…?」

 

「はい…先日のエアリアルとの決闘、私も映像ではありますが、拝見させて頂きました」

 

「っ!!」

 

「あの機体に関して少々調べさせて頂きまして…確か…ダリルバルデと、言いましたか」

 

「貴様…!」

 

「意思拡張AIを利用し、エアリアルと同様にドローンを操る事が出来る機体…ええ、素晴らしい機体です」

 

「どうやって知った!?」

 

「すみませんが、企業秘密です」

 

「ちっ…あの女といい…まぁいい…それで?それと今回の件に何の関係が?」

 

「コレは私個人の意見ですが…あの決闘の敗因はAIが裏目に出た…詳しく言えば、AIとグエル・ジェターク氏の折り合いが上手く付かなかったことかと思っております」

 

「ほう?」

 

「もし、AIがグエル氏の動きに完璧とは言えずとも、ある程度合わせられる物であったのならば…あの決闘、ジェターク側が勝つ可能性は十分にあったと、私は考えました。そこで…」

 

レゼルは懐からUSBメモリを取り出し、机の上に置く。

 

「何だコレは?」

 

「我が社が開発したサポートAI…とでも言えばよろしいでしょうか…少なくとも、意思拡張AIよりは優れた物だと自負しております」

 

「まさか…ダリルバルデにコレを使えと?」

 

「出来れば…の話です。そちらは無償で差し上げます。使い方は自由ですが…廃棄したり、データを消してしまうのはやめて頂きたい」

 

「何故だ?」

 

「バックアップはとっていますが…言ってしまえば…それは赤ん坊なのです」

 

「何?」

 

「生きている、と言った方が正しいでしょうか…知識はあるがそれまで…感情に関しては少ないですが発芽している様な感じです」

 

「馬鹿な…!AIが感情だと…!?そんな技術をどうやって…!」

 

「それもまた、企業秘密です。では、私は失礼致します…ああ、そうだ、一つ言っておきたい事が」

 

「……何だ」

 

「もしそのAIをダリルバルデに載せた際には、是非パイロットはグエル氏に任せて頂きたいのです」

 

「グエルに?」

 

「はい…彼は素晴らしい人間です。あのクロユリがあそこまで夢中になる人物なのですから…きっとそのAIも、グエル氏であれば、上手くやっていけるでしょう…では、失礼致します」

 

レゼルはそう言って今度こそ執務室から退室した。ヴィムは暫くAIが入ったUSBメモリを見つめると、電話を取り…

 

「技術主任を呼べ。ダリルバルデに関して、話したい事がある」

 

そう言いながらUSBメモリを手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…どうしよう…」

 

そして場所は戻ってスレッタ・マーキュリー。ニカの紹介で地球寮に赴き、サポートメンバーを募集したが途中でチュアチュリー・パンランチの所為で追いやられ、再び悩んでいた。

 

「…あ、そう言えば…」

 

スレッタはグエルとの決闘の後でリリエに会った時の事を思い出す。

 

『こっ、ここここここ、これ!わ、私の連絡先です!ぷ、プリマさんと話す気になったり、こ、困った事が、あ、あれば、い、いつでも連絡、く、ください!』

 

と言って連絡先を交換した事を思い出し、端末を取り出すと恐る恐るリリエに電話する。

 

pr「はい、リリエ・バートですぅ!」

 

(早いっ!?)「あ、す、スレッタ・マーキュリーです」

 

リリエの余りにも早い電話対応にスレッタは驚きながらも、リリエに用件を伝える。

 

「わ、分かりました…で、でしたら是非、ウチの寮に来てください…!」

 

「えっと…リリエさんの寮って、何処にあるんですか?」

 

「あ、案内します!今、何処ですか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ、ここが私達の寮です…」

 

「ち、地球寮の何倍も大きい…!」

 

リリエから案内されてやって来たアウローラ寮の大きさにスレッタは驚きながらも、二人は寮へと入って行った。そして寮のMS格納庫に向かうと…

 

「ロン!!」

 

「馬鹿なぁぁぁぁ!?」

 

「国士無双や!」

 

「うわぁぁぁぁ!?」

 

「ふっ、バカめ、そんな甘い牌が通るかよ」

 

「大人しく流せば良いものを…」

 

「じゃ、明日の昼食お前の奢りな」

 

「う、うぅ…」

 

 

 

「見ろ!この俺の華麗なドライビングテクニックあ」

 

「思いっきりショトカミスってて草」

 

「そして俺は成功して一位に繰り出す」

 

「ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

「てぇてぇ…」

 

「てぇてぇよな…」

 

「サビーナ×プリマ…」

「エナオ×プリマ…

 

「「………あ?」」

 

「デュエル開始ぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 

何かもう、色々とカオスだった。

 

「え、えっと…」

 

「み、皆さん!ちょっと良いですか!?」

 

リリエの呼び掛けに応じ、騒いでいた生徒達が二人の方を向く。

 

「リリエじゃん、隣に居るのは…誰?」

 

「何か狸っぽいな!」

 

「てか、あの制服ってホルダーの制服じゃね?」

 

「え、マジ?」

 

「ホルダーって何?」

 

「えそっから?」

 

「あ、あの子アレだよ!水星から来たって言う…」

 

「ああ、あの人アレでしょ、グエルに告白された凄く強いパイロット」

 

「「「「ちょっとその話詳しく」」」」

 

リリエは不味い、このままではスレッタのサポーター探しどころでは無くなると感じ、口を開く。

 

「だ、誰か、スレッタさんの追試のメカニックとスポッター、やってくれませんか!?」

 

「メカニックとスポッター探しに来たの?」

 

「は、はい!」

 

「だってさ〜」

 

「めんどくさいから俺パスね」

 

「俺もヤダ、他の事に時間使いたい」

 

「好感度不足ですね、出直してください」

 

どうやらアウローラ寮の面々は乗り気ではなく、スレッタはここもダメか…となり、リリエがあわあわし始めると…

 

「おや、その子は水星からの編入生ちゃんかい?リリエ」

 

二人の背後から声が聞こえ、振り向くと、そこには美形高身長なイケメン生徒が居た。

 

「あ、の、ノイラ先輩…!あの、こちら、スレッタ・マーキュリーさんです!」

 

「あ、はい!スレッタ・マーキュリー、です…!」

 

「初めまして、アウローラ寮の3年、メカニック科のノイラ・ノーゼだよ。よろしくね、スレッタちゃん」

 

ピカッーっと後光を発しているかの様な雰囲気を出しながら手を差し出すノイラに対してスレッタは恐る恐る手を差し出し、握手する。

 

「あ、そ、そうだ!ノイラ先輩、スレッタさん、今、追試の為にメカニックとスポッター探してて…」

 

「ああ、それで来たのかい?で…君達〜、少しは編入生ちゃんに優しくしたらどうだ〜い!」

 

「俺ら基本的にパイロット科の4人と自分とノイラさん以外はどうでも良いんで」

 

「「「「うんうん」」」」

 

「だと思った…ごめんね、スレッタさん、あの子達って皆自分のやりたい事に夢中だから」

 

「あ、いえ全然…!」

 

「良ければだけど、メカニックなら私がやってあげるよ」

 

「ほ、ホントですか!?」

 

「うん。スレッタさんとも是非、仲良くしたいしね」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

ノイラの協力を得る事に成功し、スレッタが喜んでいると…

 

「あ、ノイラさんまた女の子誑かしてる」

 

「え、男も誑かしてるじゃん」

 

「アレは心がメスにされてるから女の子なんだよ」

 

「なるほど」

 

「君達〜?もうバレンタインのチョコは欲しく無いのかな〜?」

 

「すみませんでした!」

 

「それだけは勘弁してください!」

 

「ノイラ様最高!お前もノイラ様最高と言いなさい!」

 

「ノイラ様最高!」

 

息の合ったアウローラ寮生の言葉にスレッタは困惑する。

 

「全く…じゃあ後はスポッターだね」

 

「ど、どうしましょうか…」

 

「うーん…あ、そうだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───で、そいつにサポーター任せる訳?」

 

「は、はい…あの、ノイラさんが、スポッターはミオリネさんにやってもらおうって…」

 

「花婿ちゃんの為にお願い出来ないかな、ミオリネさん」

 

スレッタとノイラの二人はミオリネにスポッターをやってもらえるように頼みに来ていた。

 

「はぁ…別に良いわよ。てかホントなら、私一人で十分なのよ…!」

 

「あはは、そんな事言わないでおくれよ、ミオリネさん」

 

「アウローラ社は怪し過ぎるのよ!エアリアルの廃棄処分に明確に反対した企業…アンタ達の目的は、エアリアルでしょう?」

 

「えっ!?」

 

「うーん…私はともかく、プリマや会社の人はそうかもしれないね」

 

「ええっ!?」

 

二人のやり取りにスレッタは驚きが連続でやってくる。

 

「けど、私は本当にスレッタさんの力になりたいだけなんだ」

 

「……はぁ…まぁ、アンタはそういう奴よね…分かったわよ」

 

「ありがとう、ミオリネさん」

 

こうして、スレッタの追試の為にノイラとミオリネの二人がサポーターとして協力する事になったのだった…

 

「あ、部屋はもう少し綺麗にしていた方が良いと思うよ」

 

「うるっさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして訪れた追試当日。

 

「いい?ノイラがいるけど私は素人なんだから、課題をクリアするのはアンタの仕事!」

 

「は、はい!」

 

「あまり緊張しなくていいよ。スレッタさんはMSの操縦は凄く上手だから」

 

「分かりました…!あ…」

 

スレッタ達がMSのコックピットに乗る為の足場に向かうと、そこには同じく追試を受けに来たチュアチュリー・パンランチと、サポーターのニカとウーノが居た。

 

「お姫様と王子様に助けてもらうんならウチらの地球寮に来てんじゃねぇよ、クソスペーシアン」

 

「チュチュ、だからアレは…」

 

チュチュの言葉にスレッタが怯えているとミオリネが前に出る。

 

「地球寮の子?」

 

「文句あっか?」

 

「スペーシアンってだけでクソ呼ばわり?あなたもアーシアンを差別する連中と変わらないのね」

 

「っ、てめぇ!」

 

ミオリネの言葉にチュチュは怒りを露わにし、ミオリネに詰め寄ろうとすると…

 

「はい、そこまで。今はお互い、追試に集中するべきだろう?ミオリネの言葉には同意するけど、ここで言い合っても意味は無いからね」

 

ノイラが両者の間に入り、場を鎮めると放送が入り、追試の始まりを告げた。

 

「LP041スレッタ・マーキュリー」

 

「はい!」

 

スレッタの追試が始まり、最初はミオリネがサポートをして順調に進んでいたのだが…

 

「あれ?」

 

「ちょっと、何で止まるのよ!」

 

「それが、メインサイトが真っ暗になっちゃいまして…」

 

「真っ暗?」

 

突然視界が黒に染まり、スレッタのデミ・トレーナーが動きを止めてしまう。

 

「教官。機体トラブルです、試験の中断をお願いします」

 

「ダメだ、事前点検も課題の一つだ」

 

「ちっ……」

 

結局、時間切れになってしまい、スレッタはリトライする事になってしまった。

 

「ミオリネさん、何かトラブル?」

 

「何かメインサイトが真っ暗になったって…」

 

「真っ暗に……?」

 

「あ、遅効性遮蔽スプレー!ウチのチュチュもそれで追試になったの!」

 

換装エリアでニカと共にスレッタを待っていたノイラはトラブルの事を聞き顔を顰める。

 

「ごめん、私の落ち度だ。スレッタさんは今戻ってるの?」

 

「ええ、これからリトライよ」

 

「分かった」

 

その後も何度もリトライするが、やはり厳しく、換装エリアに辿り着けずに終わってしまう…すると…

 

「…ミオリネさん、今、戻ってる途中?」

 

「そうだけど…何?」

 

「ニカさん、遮蔽スプレーって簡単に取れるかな」

 

「え、あ、拭けば普通に取れるよ」

 

「そっか、ありがとう。ミオリネさん、遅効性遮蔽スプレーだけど、私がなんとかしてみる」

 

「は?何とかするって…」

 

「自分の失敗は自分の働きで取り戻す」

 

ノイラそう言って電動スクーターに乗り、スレッタの方へと向かった。

 

「スレッタさん、聞こえる?」

 

「あ、の、ノイラさん!わ、私…!」

 

「大丈夫、落ち着いて。これから再スタートだよね?」

 

「は、はい…」

 

「良い案を思いついたんだ……教官、一つよろしいでしょうか」

 

「何だ?」

 

「コックピットを開いた状態で課題に挑むのは認められますか?」

 

「何……?分かった、良いだろう」

 

「ありがとうございます……スレッタさん!コックピット開いて!」

 

「は、はい!」

 

「後、コックピットから降りたり登ったりする用のロープあるでしょ!アレぶら下げておいて!」

 

「わ、分かりました!」

 

「ちょっと、何する気アンタ!?」

 

「取り敢えず真っ暗な視界よりはコックピットが開いてた方が良いでしょ、けど、この後の兵装を換装してターゲットを狙い撃つ課題では照準システムや自動修正が必要になる。メインサイトが使い物にならなきゃどっちにしろクリア出来ない!」

 

「ま、まさかアンタ…!」

 

「そのまさかだよ!私が直接スプレーを拭いて取るのさ!」

 

再び試験が始まり、スレッタはコックピットを開いたままミオリネの指示通りに進む。すると…

 

「あ、ノイラさん…!」

 

「そのまま向かって来て!大丈夫、潰されるようなヘマはしないよ!」

 

正面から真っ直ぐスクーターに乗ってやって来たノイラの姿を確認する。ノイラとデミ・トレーナーの距離が近づき、デミ・トレーナーの股下をノイラが迫ったタイミングでノイラは飛び移り、コックピットから伸びているロープに捕まる。

 

「スレッタさん、ロープ上げて!」

 

「は、はい!」

 

ロープと共にコックピットに上がり、上がった勢いのまま一瞬目が合ったスレッタにウインクを決めつつ、ノイラはデミ・トレーナーの頭部までやって来た。

 

「の、ノイラさん、大丈夫ですか!?」

 

「私は気にしないで、ミオリネの指示をちゃんと聞いて!」

 

「は、はい!」

 

ノイラは布を取り出して懸命に、デミ・トレーナーの走る際の揺れに注意を払いながら塗料を拭いていく、そして…

 

「よし…!コレでどうだ…!」

 

拭き終えてサッと下に降りて、コックピットに乗り込む。

 

「ごめん、失礼するよ!」

 

「は、はい!」

 

「コックピット閉じて、メインサイト見てみて。多分大丈夫だと思う」

 

「分かりました!」

 

ぎゅうぎゅう詰めになりながらもスレッタはコックピット閉じててメインサイトを見ると、若干痕は残っているが、メインサイトの視界が十分に得られていた。

 

「だ、大丈夫です!」

 

「よし!」

 

「良くやったわ、後は換装エリアよ!注意して!」

 

地雷を回避して換装エリアにやって来た二人。スレッタは先ずコックピットを開ける。

 

「ほ、ホント大丈夫ですか!?」

 

「平気平気!私が飛んだら直ぐに武装変更出来る様に準備してね!」

 

ノイラが飛び降りてシステムを操作する場所に着地する。そしてすぐさまコンソールを操作して武装を換装する。

 

「照準システムリンク確認、自動修正問題無し、行って!」

 

「はい!!」

 

デミ・トレーナーが駆け出していき、ノイラはその後ろ姿を見てふうっ…っとため息を吐きながら手で額の汗を拭う。そして、スレッタが目標をしっかりと攻撃する様子を遠目ではあるがしっかりと確認したのだった。

 

 

 

 

 

「ノ゛イ゛ラ゛ざぁぁぁぁぁん゛!!」

 

「うわ、スレッタちゃん大丈夫!?」

 

ノイラが途中で乗り捨てたスクーターを回収しながら戻って来ると、先に戻っていたスレッタが泣きながら駆け寄って来た…何故か頬に殴られた後があるが。

 

「こ、これ、どうしたんだい?」

 

「スレッタが戻って泣きながら色々叫んでたら地球寮のあの子と、スプレーをデミ・トレーナーにやった奴等が喧嘩を始めたのよ。で、スレッタは止めようとしたら巻き込まれたの」

 

「な、何があったんだい、それ…?」

 

「うぐっ、ひっぐ…わ、私…あの時、もう、諦めそうになってて…けど…ノイラさんが何とかするって言ってくれて、本当に助けてくれて…わ、私、ノイラさんがサポーターで、本当に良かったです!」

 

「あはは…もしかしてそれを言いたかったから待っててくれたのかい?」

 

「は、はい!」

 

「うん、ありがとう。取り敢えず早く手当しよう、ほら」

 

ノイラがスレッタの手を引いて行くと、ミオリネも後に続く。

 

「ノイラ」

 

「ん、何?ミオリネさん」

 

「その…今回は助かったわ、ありがとう」

 

「…ふふっ、どういたしまして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、チュチュちゃんは再試験なんだねー」

 

「うっせぇ!ったく、テメーのせいだかんな!」

 

「す、すみません…」

 

「ん〜!でも久しぶりにスッキリした!」

 

「え?」

 

「それもそうだね、暴力はあまり好きじゃないけど、今回は良しとしよう」

 

「え?」

 

チュチュが喧嘩を起こした事に関してどこかスッキリした表情のニカとノイラ、するとニカが…

 

「ねぇスレッタさん、良かったら地球寮に来ない?」

 

「えっ?」

 

「に、ニカ…?」

 

「ニカ姉!?」

 

ニカの勧誘にその場にいる面々が驚いていると…

 

「ちょっとちょっと、スレッタさんは私達アウローラ寮に行くからね。ね、スレッタさん」

 

「えっ!?」

 

「スレッタさん、どっちに行くの?」

 

「ほら、私達、一緒に頑張った仲だろう?」

 

「え、えっ〜とぉ〜…」

 

二つの寮からの勧誘にスレッタが戸惑っていると…

 

「スレッタ、アウローラ寮はやめときなさい」

 

「ミオリネさんっ!?共に試験に挑んだ仲間の寮をなんだと思っているのかな!?」

 

「アンタはともかく他が不安過ぎるのよ!とにかくアウローラ寮は却下よ却下!」

 

「そ、そんなっ…!!」

 

ミオリネの鶴の一言によって、スレッタが地球寮に行くのが決定したのだった…

 

そして、思いっきりノイラと一緒にスレッタも寮に来るだろうなぁと思って歓迎会を開こうとしていたプリマだったが、落ち込みながら一人で帰って来たノイラを見て絶望したのはまた別のお話し…

 

 

 




はい、三年メカニック科のノイラ・ノーゼ"ちゃん"です。はい、ちゃんですからね!ここ重要ですよ!作者の性癖の一つは高身長イケメン女子ですからね!カッコいいは全てを解決するんです!ていうかここまでアウローラ面子の決闘描写とか無いの不味いですかね?それではまた次回〜
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