てか日間ランキング22位という事実に白目を剥きかけた。いきなりすぎてビビりました。しかし、嬉しい事です。あと少しでお気に入りも400人間が超えそうですし
「何の用だ、フェンリル」
二課仮設本部にて厳重な警備が敷かれている一室に私は来ていた。そして
「あなたと話がしたくてね、フィーネ」
魂だけとなったフィーネに会いに来た。フィーネの処遇について二課では決めあぐねているのだ。やった事は許される事じゃない。しかし、技術者としては優秀だから失うのも惜しい。だからと言って解放してもまた何かしらやらかす可能性が高い。そんなこんなで決めあぐねている
「私と?私は話す事など無いがな」
「エンキ……」
「貴様!どこであの御方の名前を!?」
まぁ、エンキの名前を出せば早いよね。なんせフィーネの愛しの人だし
「私はねフィーネ。あなた、今エンキに会えたとして。エンキはあんたを迎えてくれると思う?」
「何を言って…………」
「私はエンキの事を少ししか知らない。でもあの人が優しい人だとは知っている。ルル・アメルを愛していた事も」
その命をかけてシェム・ハを打倒したこと、命の灯火が消えようとしてもなお、ルル・アメルを思い、バラルの呪詛を発動した事。何より彼は死ぬ間際にフィーネに伝えられない事を謝っていた。そんな彼がルル・アメルである私達人類を愛してないはずがない
「だけど、あんたは多くの人々を不幸にし自分一人の願いの為に多くの犠牲を敷いてきた」
「…や……ろ」
「そんなあんたにエンキは良くやったと褒めるようなやつなのか?愛していたルル・アメルが不幸になって喜ぶ奴なのか?」
「……めろ……」
「エンキは何の言葉も無しに人々が並び立とうとしただけでバラルの塔を破壊し呪詛をかける男なのか?」
「……やめ……」
「お前の知っているエンキは人をルル・アメルを愛していなかったかのか?」
「やめろ!やめろ!やめろ!!
あの御方は!優しい人だった!いつも私達を愛してくれていた!私達の成長を喜んでくれる御方だった!私が愛したあの御方は……エンキ様は……私達の光だった……」
そう言ってフィーネは沈黙する
「うん、やっぱり。エンキは優しい私達ルル・アメルの神様だね」
今やこの世界に生きる私にとってもカストディアンであるアヌンナキの一人エンキは私達の神様、親だ。
「……私は……どうすれば良いんだ。あの御方に合わせる顔など…今の私には」
「償えば良い」
「……は……?」
そう、簡単だ。償えば良いのだ。それに
「あなたは多くの不幸を招いてきた。しかし同時にあなたのおかげで人々はここまで進化してこれた」
パラダイムシフト、時代の大きな転換期にフィーネは立ち会って来たと言った。それは即ちフィーネが居たからこそ今の文明があると考えられる。
「あなたの技術は人々の文明を確実に押し上げてきた。それがあなたの思惑とは違くても、確かにあなたの恩恵は人々を育て上げた」
「だが……私が与えた技術は戦争を呼んだ」
「フィーネ、私は技術を包丁だと思う」
「包丁だと?」
「そう、包丁は食材を切るためにある。そしてその切った食材は料理になり人々の糧となる。しかし、一方で包丁は人を殺めることの出来る凶器でもある。包丁は人を幸せにする事もあれば人を不幸にもする。しかし、それは結局物だ。それを扱う人間がその使い道を決める。技術も同じ、扱う人によってそれは姿を変える。」
「包丁か、言い得て妙だが。その通りだな」
ホント、結局全ての物は扱う人次第。薬が毒になるように、毒が薬になるように。扱う人物がそれを毒にするか薬にするかの違いだ。ちなみに私の好きな言葉に『刃物を握る手で人を幸せに出来るのは料理人だけだ』というものがある。天道語録は偉大である
「フィーネ、あなたは罪人だ。私は罪人には償いが必要だと考える。だが、罪人に対する死は一種の逃げと私は感じる」
そうだ、前世の事を覚えてる私だからこそわかる。あまねく全ての魂はいつか再びこの世に転生する。前世の事を忘れて。それでは罪人の死刑はかつての生での罪を精算できていない。地獄などがあるならまた違って来るのだろうけど、生憎と天国や地獄を通った覚えは無いからね。まぁ、あくまで私の考えだ。他の考えのを持つものもいるだろう。人はみんな違うのだから
「……お前は私に何をさせたい」
「言っただろう、償いだ。あなたの力で人を不幸にした分幸福にして欲しい。それに罪を償えばエンキに会った時少しでも胸を張れるんじゃないか?」
「……そうか、そうだな。なら、私は償いをしよう。どうせ、私に時間はたくさんあるのだからな」
フィーネは間違いを起こして来た。しかし、その罪を受け入れ償う程にはまだ人であったようだ
「よし!じゃあ決まりだね。次に会う時には新しい体持ってきてあげるから」
「あぁ、よろしく頼む。フェンリル…いや、立花 牙」
私はその部屋を出て、自分の研究室に向かう事にした
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数日後二課仮設本部司令室
その場には二課の職員及び装者達が集まっていた
「急に招集なんて何かあったのか?」
「せっかく一段落したのにまた何かあったら嫌になるぜ」
「今回の招集は牙くんからの要請だ」
弦十郎の言葉にその場いるみんなは首を傾げる
「まぁ、牙ならめんどくさい事では無いか」
「でもなんなんだろう?」
みんなが色々と話している時に扉が開き今回招集をかけた牙がやって来た
「みんな集まってる?」
「お姉ちゃんが最後だよ」
「おっと、それはすまないね。なら早速本題に入っても良さそうだ」
「それで我々を招集したのはなぜだ?」
その言葉に対して私は
「見た方が早いから呼ぶね。入って来ていーよ」
「呼ぶ?」
呼ぶという言葉に集まった面々が誰か来るのかと思っていると。扉から入って来たのは二人だった
「はーい!みんなの櫻井了子です!」
「フィーネだ。数日ぶりだな」
フィーネと櫻井了子の二人だった
「「「「「「「「「えぇぇ!?」」」」」」」」」
みんなは驚いて声をあげる。そりゃそうだ魂だけだったはずの二人がいるんだから
「牙くん、一体これは?」
弦十郎の問い掛けに対して私は
「見たまんま、了子さんとフィーネに肉体をあげました」
「……そうか。しかし了子くんはともかくフィーネは……」
「それについては私から言おう」
フィーネが弦十郎の言葉を遮り言葉を発する
「まず最初に謝らせて欲しい。すまなかった!」
フィーネはそう言うと頭を下げた。その事にみんなは驚く
「私が犯した過ちは謝って済むことでは無い事は重々承知している。故に私の働きにてその償いをしたい。許さなくていい憎んでくれても良い、だが償いだけはさせて欲しい!このとおりだ」
フィーネは深く深く頭を下げて言う
「……頭あげてくれフィーネ、その申し出を受けよう。お前達はどうだ?」
弦十郎が他の面々にフィーネをどうするか聞く
「私は別に良い。本人が本当に償う気があるのなら。結果論だけど地球そのものがどうこうなった訳じゃないし」
響がそう言い
「あたしはあんたに色々酷い事をされた。でも、あんたが償うって言うならあたしの償いも手伝ってもらうからな」
クリスがそう言い
「あたしはあんたが憎い」
奏にはかつての遺跡での事を事前に話していた
「あたしの家族を奪ったあんたが憎い殺したいぐらい。でも、牙が言ってたんだ『憎むのも良い復讐も良い、だが家族を言い訳に使うなよ。過去は変えられないなら今どうするかだ、それに復讐も良いけど、今お前にあるものを捨てる事になりかねないぞ』てな。それでも気付いたんだあたしは昔を引きずりすぎていた。あたしは気付かされたんだ今をちゃんと見てなかったんだ。あたしはもう過去に決着をつけたんだ。多分だけどな……」
「……奏」
「あー、なんかややこしい事言ったけど。あたしはあんたを許さない。けど、殺しもしない。償いをしたいなら勝手にしてくれ。……それだけだ」
奏はまだ気持ちの整理がちゃんとついてないんだろう。私が真実を伝えた時も荒れていた。憎い、けど憎めない程に奏はフィーネとの時を重ねてしまっただろう。フィーネが明確な悪ならもっと違う考えも出来たんだろうけど
「……私は櫻井女史、いやフィーネの事は受け入れられない。だが、本人がその罪を償うと本気で思っているなら。受け入れよう」
次に翼がそういった
「反省もしてるみたいですし」
「私達には直接の被害もなかった事ですし」
職員の面々も苦笑いをしながらフィーネを受け入れる姿勢を見せた
「……ありがとう」
フィーネはそう呟いて顔をあげた
「改めて、ようこそ二課へ。フィーネ、了子くん」
「あぁ、よろしく頼む」
「これからもよろしくね弦十郎くん」
この日新たに二課に本当の意味で仲間が増えた
人の心を上手く描写するのは難しいなぁ