「響くんが……」
「…死ぬ」
牙のこのままでは響が死ぬ事になるという発言に一同は驚愕する
「……私が、死ぬ?」
響も信じられないというふうな顔をしている。そんな中、牙はコンソールに近づきUSBメモリを差し込み操作する。するとモニターに写真が写る
「これは響のレントゲン写真」
「……なんだこりゃぁ?」
クリスが思わず声を上げる。それもそうだろう普通なら映ることの無い謎の物体が響の心臓を中心に根を張る様に広がっていた
「これは少し前に響の健康診断としてリベルタスで精密検査したもの。これは響の心臓にあるガングニールの破片、その侵食具合よ」
「ガングニール…」
響は胸にあるガングニールによりシンフォギア装者になっている。しかし、それは聖遺物と融合しているからだ
「このままガングニールの侵食が進めば響は生きた聖遺物になる。もっとも完全に聖遺物へと変化した場合最早それが響と言えるかは到底無理だろうけどね」
「立花とガングニールが一つに……」
「……くそっ!!」
しかし
「それはもちろんこのまま進めばの話」
「そう言えば!シェンショウジンが響に必要だって」
その言葉に一同はハッとする
「聖遺物シェンショウジンの特性は聖遺物由来の力を分解、あるべきカタチを映し出す「凶祓い」の力」
「聖遺物の…」
「分解…」
シェンショウジンはシンフォギア殺しとも呼ばれる
「しかし、立花 牙。今の立花 響のガングニールを消し去るには人一人を消し飛ばせる威力が必要になる。とうてい立花 響が生き残れるとは」
問題はそこにある。いくら最弱、聖遺物特化と言って常人を殺す事など簡単に出来る
「そこは未来ちゃんにかかってるわ」
「私、ですか」
牙の言葉に未来は表情が強ばる。
そして突然牙はシンフォギアを纏う。それに一同が驚くも次の瞬間更にシンフォギアが変化する。鎧武者とでも言えば良いのか牙姿の変わったシンフォギアを纏った
「これは心象変化、シンフォギアが装着者の思いに応じて姿形、能力までもを変える機能。アームドギアですらその形を変える」
そう言う牙は腰からまるで牙が連なったような刀を抜き放つ
「シンフォギアは、シンフォギア装者の肉体的・精神的成長に従ってシステムロックが段階的に解除されるけど、装者の心象や外部からの影響によって特定分野に特化した形状・機能を獲得することがある 。心象変化はまさにそれになる。」
「確かにその機能を使えば立花 響を傷付ける事無くガングニールのみを消し去る事も出来るだろう。しかし、生半可な心や覚悟では無理だ。ましてや小日向 未来は戦う事もなかった一般人とてもじゃないが無理が……」
「それは違うよフィーネ。未来ちゃんは響に対して愛がある」
「その愛が真実であればまぁ不可能ではないな」
小日向 未来の立花 響に対する愛は超重力等と呼ばれる程に重く。シンフォギア装者になった最初の歌も各方面から重いと言われる程に響への矢印がでかい。
「えっと、つまりは未来くんが響くんを強く救いたいと思えばシンフォギアはそれに応え響くんは救われるという事か?」
「まぁ端的に言えばそうね」
わかりやすく言えばそうなる。結局の所は愛なので
「私の想いが……」
「という訳でコレ」
そう言って牙が取り出したのは赤いペンダント。そう、シンフォギア装者達がつけてるものと同じ
「えっ?これって……」
『はぁぁぁぁぁぁあ!?』
思わずその場にいる全員が叫ぶ。それもそうだろう突然シンフォギアをポンと出すのだから
「なっ!シェンショウジンは私達が持ってるはずなのに」
「どういう事デスか!?」
「え?これ?いやそもそもシンフォギアを作るには聖遺物の欠片があれば良い訳だからね。複数作る事は可能なの」
シンフォギアは元々聖遺物の欠片からその力を引き出す装置だ
「だがその欠片は何処から……まさか!」
「多分のそのまさかだと思うよ」
「お前、セレナ・カデンツァヴナ・イヴを救助したついでに聖遺物をF.I.Sから持ち出したな!あの事件で聖遺物が無くなっていたり欠片の数が合わなかったのはお前のせいか!」
「イグザクトリー!」
牙はセレナを助ける際にF.I.Sより聖遺物を持ち出していたのだ。いわば火事場泥棒。その事に気付いたフィーネは声をあげた
「お姉ちゃん……」
響からもジト目をくらう牙
「いやぁ、F.I.Sは色々と黒かったし行きがけの駄賃として貰ったのよ。中々においしかったわ」
悪びれる様子も無くそう語る。まぁ、そのおかげで一部の実験が滞りレセプターチルドレンが原作よりも生き残っているのだが、牙達の知るところではない
「さぁ、早くすませましょう」
「お姉ちゃん、でもそれじゃあ私、戦え無くなる」
響はガングニールが無くなる事で戦えなくなる事を牙に言う。それは否定の言葉だ
「この馬鹿!!お前早くガングニールを取り除かないと死んじまうんだぞ!」
「そうだ、立花!お前が死ぬ事などあってはならない!」
もちろん他の人物達がそんな事を許しはしない。死ぬ事がわかっているのに響に戦闘を続けて欲しいなんて考える人間はこの場にいない
「でも!」
「響、安心して。確かに一時的に戦えなくはなるけど。問題は無いわ」
牙そう語る。実際、牙には考えがあった
「……でも」
「響、私は響を失う事なんてしたくないの。お願いだから」
牙は真っ直ぐ響の目を見つめて語りかける。
「……うん」
それに観念したのか響は頷いた