作者すらこの先の展開を予測できねぇ
セレナ・カデンツァヴナ・イヴにとって立花 牙とは?
そう聞かれれば彼女はこう答えるだろう。命の恩人で大切な友人そして家族だと。
セレナはかつて米国であったネフィリムの起動実験にて絶唱を歌いネフィリムを食い止めた。しかし、燃え盛る研究所で瓦礫に押し潰され死ぬところだった。だがそこを救ったのは牙だった。
たとえ瓦礫に押しつぶされなくてもあの状況では絶唱のバックファイヤにより衰弱死していただろう。
その後牙の元に身を置く事になったが最初はギクシャクしていた。それでも険悪にならなかったのは命の恩人であり優しい人だとセレナが感じたからだろう。
1ヶ月ほど過ごせば二人の間にあったどこかギクシャクしていた空気も消え友人のように接する事ができた。
その後数年間一緒に生活しいつしかセレナや牙のと同じ聖遺物の実験にされたという人々が集まりその境遇故か新たな家族のように過ごして来た。
もちろんレセプターチルドレンのみんなを忘れた訳では無い。だが、リベルタスの人々ももはや家族と言えるまでに仲を深めたのだ。
そんな恩人であり家族である牙が倒れている。
彼女いや、リベルタスの面々からすればこの程度で牙が死ぬ事は無いのは知っている。だが理性を押しのけて感情が爆発する。
セレナは他者を傷つける事を嫌う。しかし、それは傷つけられないとは同意義では無い。セレナも人、怒りもすれば嫉妬する事だってある。
だから心優しい彼女でも沸き上がる黒い感情に支配されてしまった。
そうしてセレナのシンフォギアも変化する。白く輝いていたギアは反転、黒く染まる。
ギアのプロテクターは変形し重厚な全身鎧に姿を変える。
アームドギアも黒く染まり盾も大盾になり、蛇の意匠が組み込まれる。中央の宝玉は大きさをましより強く輝く。
おもむろに手を突き出したセレナの前に大盾が浮遊する。そして大盾の宝玉にエネルギーが集約される。
そしてひときわ強く光輝けば大盾からビームが発射される。
【Disappointment Stone】
そのビームに触れたノイズや木々は瞬く間に石となり砕け散った。
この時心優しいはずのセレナの力は相手に絶対的な恐怖を与えるものとなった。
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「ぐぅぅぅぅ!?」
「なん…なんですか……これは!?」
「頭が…割れそう……」
パンドラの箱による影響はF.I.Sの三人にも出ていた。しかし、他の装者達とは違いギアが変化することは無く、負の感情が彼女達を苦しめていた。
何故マリア、切歌、調の三人だけがギアの変化がないかと言えば正規適合者かどうかだろう。
時限式である彼女達はシンフォギアの性能を十分に引き出しているとは言えないだろう。その力の扱いの違いが彼女達を苦しませるだけに留めていた。
そして
「グゥッ!?」
「アガッ!?」
京香と雫の二人にも影響を及ぼしていた。二人は聖遺物との融合症例、無論パンドラの箱の影響を受けていた。
しかし、雫の体から蒼炎が吹き出し二人を包むと次第に二人を蝕んでいた負の感情は消えていった。
「だいじょうぶですか?ハァ……姐さん」
「大丈夫だ。助かった」
雫の蒼炎は燃やすという事に特化しているそれは聖遺物の影響ですらだ。しかし、それでも完全には消せていなかった。
「少し融合進みましたかね」
「この位なら影響はなかろう。しかし、不味い事になったの」
そう言って二人は暴走を始めている装者達を見つめる。
「姉御がやられたのも不味いっすよね。死なないって事はわかってるけど怒りが込み上げてきますね」
「恐らくはパンドラの箱とやらの影響かの。目に見えないというのも厄介だ。それに暫くすれば姉御……いや、彼奴が目覚めるぞ。最悪まきこまれる」
そう言って二人は牙と響を見つめる。
そんな中一人だけ無事な人物がいた。未来だ。
未来のシンフォギアであるシェンショウジンは対聖遺物では最強でもあるその力によりパンドラの箱による影響を免れていた。
しかし彼女は動けないでいた。
だが無理もないだろう彼女がいくら装者になったといっても今まで争い事とは無縁であったのだ。いくらダイレクトフィードバックシステムにより戦闘自体はできてもその精神までは戦人ではなかいのだから。
目の前で倒れた親友の姉、そして泣き崩れる親友、暴走した装者達。このような状況で行動できる程彼女の精神は大人では無いのだ。
ただただ未来は立ち尽くすしか出来なかった。
****************
リベルタス本部では蜂の巣をつついたような大騒ぎが起きていた。そんな中で指揮を執る人物がいた。キャロルだ。
「急いで第一から第八部隊を出撃させろ!!」
「ヴィマーナ旗艦を除き出撃可能です!」
「よし!カ・ディンギル跡地に一番近いテレポートジェムはどこだ!」
「距離にして10km地点です!」
「ヴィマーナの戦艦級第一から第三までと母艦級に積め!」
「了解です!」
「グレイプニルの準備完了しました!」
「第一部隊に持たせろ!」
「了解!」
「デュランダルエンジンスタート!何時でも行けます!」
「Anti_LiNKEの準備整いました!」
「急いで部隊に配備しろ!」
キャロルが次々と指示を出し着々と事態は進む。
そんな時、本部に警告音が鳴り響く。
「こんな時に!何があった!!」
「そんな……グングニルが起動……しました」
「何故あれが!?今は何処にある!」
「反応はカ・ディンギル跡地です!」
「まさか!」
そう言ってカ・ディンギル跡地を移しているモニターにキャロルが目を移すと。そこにはシンフォギアのようなものを纏った響が立っていた。
「牙のバカが!!よりにもよって立花 響が適合しただと!あのじゃじゃ馬を押さえつけたのか!?立花 響のバイタルは!」
「異常無し……いえ!爆発的にフォニックゲインが高まっています!」
「グングニルの起動率100%!全機能フルオープンです!」
「あそこにいる全員が死ぬぞ!!クソッ!!準備を急げ!」
「「「「「「了解!!」」」」」」
「間に合ってくれよ!」
事態は進む思わぬ方向へと
とりあえずこの世界の装者達は全員OTONA並にはナリソウダナ、ᐠ( ᐛ )ᐟハハッ