狼姫咆哮シンフォギア〜世界を駆ける神狼〜   作:エドアルド

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進ム二人

 

嘆き喘ぎ涙を零す。

いつだってそうだ。私は失うばかりで何も守れてない、救えてない。守られてばかりで救われてばかりで何も返せてない。弱いから、取りこぼす。弱いから、思い通りにいかない。弱いから、大切なものを無くしていく。

 

私の手の中であったかな血を流すお姉ちゃん。私の大切な家族、大切なお星様。愛をくれたのも喜びをくれたのもお姉ちゃん。いつも私に教えてくれる。私を幸せにしてくれる。

 

なのに私は叫んで嘆くことしか出来ない。無力でお馬鹿な私。力を手に入れたつもりでも弱くて弱くて大きな背中に守られて。ただ祈るしかない自分。ああ、なんて無様で情けない。

 

お姉ちゃんが傷つく時に私はその背に隠れて並び立つことなんて出来ていなかった。出来ていたつもりでいた。なんておめでたいのだろう。

 

お姉ちゃんが帰って来てもう離さないと誓ったのにもう何処にも行かせないと誓ったのに。なんなんだ私はら惨めで滑稽で塵芥にすら劣る。

 

口先だけのおマヌケさん。か弱い守られるばかりの子供。それが私それが立花 響という人間。

 

ああ、情けない情けない。

どれだけお姉ちゃんを傷つけた下手人を恨んでも何も出来やしない。

 

弱い弱い、だから力が欲しいもっともっと、神様だって殺してみせる力が欲しい!!こんなに弱くて情けない私を殺したい!!今の自分を殺してもっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと強く!!

 

どんなに願っても叶わないけど願わずにはいられない!力があれば失わない!力があればお姉ちゃんの背中を見ることも無い!力があれば救える!力があればお姉ちゃんの隣に立てる!!力があれば!!力が!力が欲しい!!

 

ふとそんな時私の真っ赤な視界に輝きが映る。真っ赤な血の中で輝く黄色の光が見える。

 

ああ、力だ。ちからだ、力だ、チカラダ、力だ!!

 

私はそれを握る。黄色のペンダントだ、シンフォギアにも似てるけど違う。手に取るだけで確信する。シンフォギアよりも強い。とっても強い。

 

ああ、これだ!これが欲しかった!!力だ絶対的な力!!

 

衝動に任せて口ずさむ。私を変える歌を弱い私をコロスウタヲ!!

 

Balwisyall Nescell gungnir exterminait tron(もう奪わせない、阻むものは鏖殺しよう)

 

ワタシノカラダヲヨロイガツツム。ソシテコエガキコエル。

「お前に私が使えるか」「力を見せろ」「相応しくない」「弱いな弱い」「力に身を任せろ」「お前は破滅する」

 

ウルサイ。ウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイうるさい!!

 

黙って従え!!黙ってよこせ!!黙って使われろ!!

私は屈さない!!私は負けない!!私はもう弱いままでいる訳にはいかないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

そう叫ぶと声は聞こえなくなった。そして私に力が宿る。

全身に力が滾る。心臓が破裂するかのように鼓動を刻む。歌が私を包む。

わかる、これの使い方が。わかるどうすれば良いのか。

 

これからよろしくねグングニル。

 

 

 

 

 

 

********************

 

 

 

 

 

 

 

やっちゃったな。

 

薄れゆく意識の中でそう思う。響の為とはいえこうも無様を晒すとは。

ああ、泣かないで響。お姉ちゃんは死なないから。響がいる限り残してはいかないから。

 

でもいつも響には悲しい想いをさせてばかりだ。せっかく力を手に入れた筈なのに。せっかく同じ土台に立てた筈なのに。

どうしてこんなにも思い通りにいかないのだろう。

知識はある、情報もある。なのにどうしても上手くいかない。まだ足りないのか?まだ弱いのが?

ああ、足りない足りない。

 

最善だと思っても、最善では無くて。安心出来るはずが安心出来なくて。

なんて情けないなんて無様だ。強くなったつもりでいた。力を手に入れたつもりでいた。でも足りないとても足りない。

 

そして一番私に足りないのは勇気だった。自信だった。覚悟だった。

 

―――そう思わない?

 

『 人の子の事など知らぬ』

 

―――貴方を押さえ付けて歩み寄る事をしなかった。

―――貴方が怖かった。

―――貴方を蔑ろにした

 

『 で?どうするのだ?』

 

―――成長するの。私の為に響の為に。だから力を貸して

 

『 ……小娘にしては及第点としておこう。だが、手加減はせん。我を従わせるか、それとも食われるか。お前次第だ。』

 

―――そう、それだけ聞ければ十分よ

 

『 生意気な小娘だ』

 

そうして私は蝕まれる

 

―――よろしくねフェンリル

 

『 せいぜい足掻けよ?ルル・アメル。立花 牙』

 

―――逆に食べてあげる

 

そう言って私の意識は途絶えた




精神強化の牙と
力を手に入れた響
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