狼姫咆哮シンフォギア〜世界を駆ける神狼〜   作:エドアルド

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滅神の槍〈グングニル〉

 

牙の体を抱きしめ泣き腫らしていた響はその姿を変えていた。

響のガングニールのシンフォギアには似ているが違う。二の腕や太もも腹部、肩などシンフォギアには無かったプロテクターが追加されそれは黄金に輝いている。今までと同じ箇所にあるプロテクターも黄金が少しだけ付いていた。

顔には顔横を護るようにプロテクターが追加されている。

その姿はまるで天に燦然と輝く太陽の様だ。

 

聖遺物複合型滅神装束〈グングニル〉

それが響が纏っているものの名前。シンフォギア、ファーストローブ、鎧型の完全聖遺物を参考に作られたその名の通り対神を想定して作られたもの。

それを纏った響は凄まじい圧を放っている。

今の響はネフィリムにとって涎を垂らす程のご馳走なのだが、ネフィリムは今の響を見て後退る。

そしてそのグングニルの最大の特徴が

 

「ヴィジャヤ」

 

響がそう言った瞬間、響の体に稲妻が宿る。

そして次の瞬間にはネフィリムの腹に響の足がめり込んでいた。

 

「ガアッ!?」

 

その一撃はネフィリムを容易に吹き飛ばす。

 

「ロムルス」

 

そして次に響が言葉を発せばネフィリムは突如として地面から現れた樹木にその体を縛られる。

ネフィリムなら樹木程度すぐに破壊できる。しかし、ネフィリムの腕力を持ってしてもその樹木は身動ぎすらしなかった。

 

「ブリューナク」

 

次にそう言葉を発すれば響の手には一本の灼熱の槍が顕現する。響はそれを槍投げのようにネフィリムに投げる。

すると槍は稲妻となりネフィリムの頭を消し飛ばした。

 

呆気なく完全聖遺物であるネフィリムは活動を停止した。

 

グングニル、その特徴。それは聖遺物複合型という点。グングニルを作る際には複数の聖遺物。それも完全聖遺物が使われていた。

 

そもそも聖遺物はアヌンナキの作った物ではあるが、果たしてそれが一点ものなのだろうか?

それこそ試作品や廃棄品、量産品。考えれば複数あってもおかしくは無い。それに聖遺物に関しては世界すら超えるものもあるのだ。それならば聖遺物、それも完全聖遺物を複数手に入れる事はできるのだ。

 

そしてそれを惜しみなく使いグングニルは製造された。牙が知っている強大な敵を薙ぎ払う最強の矛として。

まあ、牙は扱う事が出来なかったのだが。それを扱えた響のその精神強度は凄まじいものだ。

 

まさに強靭!無敵!最強!玉砕!粉砕!大喝采!なのだがそれがいけなかったのだろう。

響に凶槍が迫る。それは奏のアームドギアだった。

 

しかし、響はその凶槍を黄金の手甲で受け止める。それだけで完全に威力を殺しその一撃を無力化した。

 

奏はそのままアームドギアを引き、響にアームドギアの連撃を叩き込むが響は全て片手で相殺し受け止める。

 

この絶対なる防御性能の正体はカヴァーチャとクンダーラ。英雄カルナが太陽神スーリヤにより与えられたとする黄金の鎧と耳飾りである。その防御能力は神ですら破壊は困難とされるほど。これがある限りカルナを打ち倒せるものはいないという。

 

そして奏の連撃を受け止めた響は奏のアームドギアを掴み取りその動きを封じる。そしてアームドギアを引っ張り奏がアームドギアにつられ響に近づいた瞬間、奏の腹部に響の肘が突き刺さり奏は吹き飛ばされる

 

まるでスーパーボールのように跳んでいく奏だが、空中で姿勢を整え着地するとすぐさまにアームドギアを新しく生成し構える。

 

そしてフォニックゲインをアームドギアに収束させる。そうすればアームドギアは形を変えていく。奏の槍型のアームドギアは中央が割れまるで砲身のように見える。いや、文字通り砲身なのだ。

アームドギアに収束されたフォニックゲインが眩い光と共に砲身に充填される。

 

それに対して響は動きすらしない。

 

奏でのアームドギアに充填されたエネルギーは臨界点を超え解き放たれる。

 

Ruin ∞ Scream

 

エネルギーの奔流は響を呑み込むが、エネルギーが途切れれば現れたのは無傷の響であった。

 

その姿を見た奏はアームドギアを更に生成しアームドギア同士を合体、巨大化させ更なる技を繰り出そうとする。

 

しかし、響はさすがにその一撃を出させる事はしなかった。ネフィリムの時と同じように稲妻を纏った響は奏に瞬きの間に接近、手を触れるとその身に纏った稲妻を奏に流し込む。

 

ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛

 

絶叫を上げながら奏は倒れる。そしてダメージが許容量を超えたのかギアが解除される。

 

響は奏を抱き上げようと近付くが、途中で立ち止まる。

そして後ろを振り返ると血を流して倒れていた筈の牙が立っている。

響の性格上、無事であった牙に対して駆け寄るはずなのだが黙って立ち上がった牙を見つめる。そして

 

「誰?」

 

そう牙に問い掛ける。

すると牙は突然笑い出す。

 

「アッハハハハハハ!!よく見抜いたな小娘」

 

そう言って牙の口は弧を描く。

牙の口から発せられた言葉は牙の声と重なるように謎の声が響いていた。

 

「まあ、良い。久しぶりの外だ。楽しませてくれよ小娘」

 

そう言って牙。いや、牙を乗っ取った何者かは響に襲いかかった。

 

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