狼姫咆哮シンフォギア〜世界を駆ける神狼〜   作:エドアルド

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永遠の絆

 

カ・ディンギル跡地の戦闘でキャロルはクリスを相手にしていた。

キャロルとクリスの攻防はキャロルの防戦一方で進んでいた。それもそのはず、完全聖遺物であるTHE DISASTERすらも圧倒した攻撃力と密度なのだ。

 

THE DISASTERとは違い守る対象もおらずに自由に動けるキャロルはTHE DISASTERのように攻撃をつけ続けることは無いのだが、暴走しようともクリスの高い銃の腕前がキャロルを逃がさない。

 

キャロルの動きを読む様に繰り出される弾幕に対してキャロルは錬金術による防御を行うが直ぐに破られる始末。

かと言ってより強度を高く、より魔法陣の数を増やそうとするとエネルギーが足りない。しかし、エネルギーを得る為に歌う事をしてしまえばクリスに更なる燃料を投下すると同義。

この状態でエクスドライブにでもなられたらたまったものではない。

 

そしてかつてキャロルが行っていた記憶の焼却によるエネルギーの獲得はキャロル自身が禁じ手として封じていた。

牙によって道を正された時キャロルは決めたのだ、自身の歩んだ軌跡を消す事はしない。決してこれから忘れる事はしない。それは、また道を踏み外してしまう要因になり得るから。

 

故に今のキャロルは防戦一方でいた。だが、この事態はキャロルが想定していた通りの事態だ。

 

「わかっていたとはいえ、とんだじゃじゃ馬だな!!」

 

まあ、わかっていてもきついものがあるのだが。

 

「やはり使うか。力を貸してくれパパ」

 

そう言ってキャロルが懐から取り出したのは一つの宝石だった。

 

 

 

 

 

 

 

突然だが宝石言葉を知っているだろうか。宝石言葉とはまあ、花言葉と同じようなものだ。花が宝石に置き変わっただけ。

 

そんな宝石言葉だが色々とある。例えばアクアマリンだと聡明、勇敢。アメジストだと誠実、高貴。となっている。

 

そしてキャロルの取り出した宝石はダイヤモンド。金の細工が施されている。

 

それはキャロルが数百年ぶりに父イザークと暮らした家へと帰った際に隠し部屋から見つけた、イザークが生前錬金術により作っていたキャロルへの贈り物である。

 

ダイヤモンドの宝石言葉は純潔・清浄無垢・純愛があるがもう1つある。それが()()()()

これはイザークからキャロルへの愛情の証なのだ。

もちろん錬金術師でもあるイザークが愛娘であるキャロルへと贈るダイヤモンドがただのダイヤモンドなはずは無い。

 

そのダイヤモンドには術式が刻まれていた。一つは思い出の転写、イザーク自身の思い出を込めたものであった。それによりキャロルは擬似的ではあるが父イザークとの再会を果たす事が出来た。

まあ、それを話すのは今では無いが。

そしてダイヤモンドに刻まれた二つ目の術式は哲学による概念付与。

ダイヤモンドの別名は金剛石。そして金剛の意味は最も硬い金属。ダイヤモンドはこの世で最も硬い金属であるという人々の想いを利用し。ダイヤモンドの持ち主、つまりはキャロルに対して絶対的な防御を誇るお守りとして機能するのだ。

 

まさにイザークのキャロルに対する愛情の結晶である。

 

 

そしてキャロルはそのダイヤモンドに使われる術式を利用する事でラピスのファウストローブを新たな形へと錬成する。

 

その姿はまさにダイヤモンド。銀と銀に彩られた華美な装飾。そしてファウストローブのあちこちに散りばめられたダイヤモンド。キャロルの頭上で輝く王冠。

キャロルのファウストローブは太陽の光を反射し虹色に輝いている。

 

ラピスのファウストローブ、その新たな姿。

 

type Aichemic diamond

 

父と子の絆の証である。

 

 

 

 

 

「先程までのオレと同じと思うなよ!!」

 

そう言ったと同時にキャロルは攻勢に出る。今までは防ぎ切れなかったクリスの攻撃を魔法陣で受け止める。

これに対してクリスは大量のミサイルを展開し大火力の一撃で持って打ち破ろうとするが。

 

「言ったはずだ、先程と同じと思うなと!!」

 

キャロルの手には風と炎の二元素の魔法陣が重なる様に展開されていた。そしてクリスのミサイルが発射されると同時にキャロルから青い炎の竜巻が放たれ、激突する。

キャロルとクリスの攻撃のぶつかり合い。勝ったのはキャロルだ。

ミサイルの爆煙を突き破りキャロルの青い炎の竜巻がクリスに迫り。着弾、爆炎を巻き上げる。

 

爆炎が晴れればそこにはボロボロだが、まだ立っているクリスがいた。

クリスは自身のアームドギアを一瞬の内に再構築、自身を包むシェルターとして展開したがそのシェルターも一瞬のうちに崩れ去る。

本来であるならばこの攻撃は防げたものである。

 

しかし、ここでキャロルのダイヤモンドに刻まれた術式の効果がいきてくる。その防御概念付与の術式効果を攻撃にも転化する事で打ち砕かれる事の無い最強の攻撃として機能するのだ。

故に攻撃の威力関係無しにあらゆる障害を打ち破り敵の防御を上回り破壊する一撃と化す。

 

対策としては原作世界の翼がソードブレイカーを破った時のようにダイヤモンドが持つ概念を打ち破る概念を手に入れるしかない。

 

そんな一撃をギリギリとはいえ耐えたのはクリスの執念故だろう。

だが

 

「これで終わりだ!!」

 

キャロルが展開した新たな術式。

それは虹色の光を形成し、クリスへと迫る。

 

brilliance dispersion

 

それに対してクリスは力を振り絞りアームドギアを形成する。形成されたのは巨大なカノン砲。空中にいるキャロルとその攻撃を撃ち抜かんとクリスの究極の一が放たれる。

 

Pierce Life

 

二つの攻撃は拮抗、しかしそれも一瞬。クリスの一撃が砕かれキャロルの攻撃がクリスを襲う。

虹色の極光が発現しクリスが飲み込まれる。

 

キャロルの一撃の跡地を見ればダイヤモンドの結晶に包まれていた。その中でギアを解除されたクリスが倒れ込んでいた。

それを見てキャロルはため息を吐く。

 

「まったく、手間をかけさせる」

 

そう言った後、未だに激しい戦いを伺わせる音を響かせる、カ・ディンギル跡地最大の戦闘地を見る。

 

「早く起きてこいよ、牙」

 

そう言ってキャロルはクリスを回収しカ・ディンギル跡地をあとにする。

 

 

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