暴走し、辺りに石化の暴威を振りまくセレナ。その相手をするのは三体のオートスコアラー。
レイア・ダラーヒム。
ガリィ・トゥーマン。
ミカ・ジャウカーン。
の三体のオートスコアラーがセレナの相手をしていた。
その戦況はオートスコアラー達にか傾いていた。というのもセレナの攻撃は石化の光線と大盾による物理攻撃である。
そもそもセレナのギアであるアイギスは盾のアームドギア。セレナ自身も直接の戦闘よりも防御による支援が彼女の役割。
それに対してオートスコアラー達は全員が装者達と互角かそれ以上の力を持っている。さらに今のオートスコアラー達は完全聖遺物ワルキューレ達を解析した事によりその技術を流用する事で格段にその力をあげた。
その結果
セレナの大盾の攻撃は避けられ弾かれる。石化の光線もガリィの水の錬金術により屈折されあらぬ方向へ。
逆にレイアのコインによる射撃がセレナを撃ち、ミカの攻撃がセレナを吹き飛ばし、ガリィにより翻弄される。
だが、それでもセレナは倒れない。
「ちっ、無駄に硬いですね」
「前よりもずっと硬いんだゾ!」
「派手に手強い」
防御特化のシンフォギアであるセレナのアイギスは盾。そしてセレナ自身も人を傷つける事は好きでは無く、でも力は守る為のものとして欲していた。
セレナの本質は守る事、それは例え暴走しようとも変わらない。
その結果が今のセレナだ。
確かに戦況はオートスコアラー達に傾いている。だがそれはあくまでセレナの本質が守りであるからこそ。
有利であってもセレナを地に付ける事は今のオートスコアラー達では無理だ。
そうオートスコアラー達では
「ま、硬いのは知ってた事ですし〜、そろそろアレが効いてくる頃ですから」
「地味な勝ち方だが仕方がない」
「もう少し遊んでいたかったけどマスターの命令は絶対なんだゾ!」
もう終わりという雰囲気をだすオートスコアラー達に向けて攻撃すべくセレナは歩を進めた。しかし、二歩目を出すこと無く地面に膝をつけた。
「あなたが装者である限り適合係数の低下による弱体化は必至。正気のあんたなら気づけたんだろうけど。今のあんたじゃ無理無理」
セレナが膝をついたその理由は、セレナの周り漂う赤い霧。それは
「いやぁにしても凄い効き目ですね。Anti_LiNKE」
Anti_LiNKE、装者の適合係数を下げる薬だ。セレナが装者である以上適合係数が低くなればシンフォギアを纏っていられない。
それでもセレナは立ち上がろうとするがついに倒れギアが解除された。
「さて、お仕事終了ですね。帰りましょ」
「派手に帰還だ」
「マスターに褒めてもらうんだゾ!」
ミカがセレナを担ぎ三体のオートスコアラー達はその場を去る。
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大太刀と剣がぶつかり合う度に大太刀は砕け散る。それは翼とファラの戦闘が始まって幾度目かの出来事だった。
幾度、翼の持つ大太刀を砕いても翼は新たに大太刀を新たに作り振る。
もはや翼は大太刀が砕けることを承知で戦闘を行っていた。
「まったく、やっかいですね」
そして今はファラたった一人で戦っていた。
というのも翼の蒼炎が原因だった。幾らリベルタスの第一部隊や弦十郎が翼相手に戦える実力があったとしても炎という力を防ぐ術を持っていなかった。
炎は確実に第一部隊や弦十郎を蝕んだ。
それ故にファラは第一部隊と弦十郎を下がらせて戦っていた。
無論、ファラも無策では無かった。ファラもAnti_LiNKEを用いて翼の弱体化を狙ったのだが。翼が放つ蒼炎の熱により一瞬にして蒸発してしまい、翼に届く事は無かった。
故に翼とファラの戦闘は拮抗、停滞していた。
ファラは他の三体のオートスコアラー達と同じくワルキューレの技術を流用し強化されていた。かつてのファラよりもより強くより速くなっている。
それでも今の翼とは力が拮抗していた。
例えソードブレイカーという哲学兵装を持っていたとしても大太刀を砕いても蒼炎による追撃がファラを襲う。それが、翼とファラを拮抗させている原因。
蒼炎さえなければ早々に大太刀を砕き、翼を切り伏せる事が出来たのだろうが、今は関係の無い事だ。
が、それでもファラは立ち向かう。マスターの命令だからだ。
それにファラは既に翼を攻略する策を思いついていた。
ファラは剣を握る反対の手に緑色の魔法陣を浮かび上がらせる。ファラの持つ力は風元素の錬金術。
それにより彼女は手元にある二つ元素を集めた。
そもそも風とは空気の流れである。空気の中にあるのは酸素や窒素、二酸化炭素。様々な気体がある。風を操るファラはその気体もある程度自由に操作することができる。
そんなファラが集めたのは水素と酸素。
それを翼の蒼炎を纏う大太刀目掛けて放つ。翼はそれを迎え撃とうと大太刀にエネルギーを回す。それに伴い蒼炎は燃え盛る。
しかしそれは悪手以外の何物でもない。
ところで水素爆発を知っているだろうか。酸素濃度が5%以上、水素濃度が4%以上混ざった気体に点火すると起こる爆発の事だ。
そう、
さてそんな水素と酸素が燃え盛る蒼炎に近付いている。
それ即ち
大太刀を中心に発生した爆発は容易く翼を飲み込んだ。砕けた大太刀の破片は四方に飛び散り、むろん翼にも襲いかかる。
全身を爆発とアームドギアによる破片の弾丸に襲われた翼はギアを解除され、倒れ伏した。
「今度はまともなアナタと手合わせしてみたいですね」
ファラはそういうと倒れた翼を担ぎその場を後にする。