ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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回想 W―ディテクター編 ⅩⅩⅩⅠ 破壊の機竜(キラードロイド)

 

〜レイside〜

 

オタクロスによって指令コンピューターがブリタニア時計台の最上階にあることが分かり、スコットランドヤードからブリタニア時計台へとやって来た。

ブリタニア時計台の最上階に行くとすでに、ヒロたちがDエッグの展開したエネルギーフィールド膜の内で誰かと戦っていた。

だが、その相手はスレイブプレイヤーの森上ケイタではなく、第三者。

不思議に思いつつも指令コンピューターを止めるために最上層に着いた僕は、そこで[アキレス・ディード]と遭遇。

そして―――

 

 

 

「っ!」

 

速いっ!?

突如現れた機械仕掛けの黒い竜による行動に目を見開く。

ギリギリのところで避ける[エレボス]。

相手の性能は未知数。

下手に接近戦を仕掛けるのは愚策。

そう判断して、武装を近接戦闘の双剣『ノワール』と『ブラン』から遠距離戦の双銃『ヘブンブラスター』二丁に切り替える。

この『ヘブンブラスター』は以前マダム・ブルホーンから貰ったものだ。

片手銃より双銃のほうが扱い慣れているため、双銃をサブとして装備させて状況に応じて使い分けてる。

黒い竜は距離があったのにすぐに距離を詰めてきた。

派手にやったら指令コンピューターに使われてるこのコンピューターが壊れる恐れがある。

アキレス・ディードはこの場を既に離脱したのか、何処からか監視しているのか姿は見当たらない。

例え被害が出ないようにDエッグを展開しても、Dエッグのバトルフィールドでは収まりきらないはずだ。

いや、そもそもDエッグで捕えられるかすら分からない。

 

「このっ!」

 

距離を取って黒い竜の装甲を撃ち抜くが、全くダメージは通ってない。

 

「硬い!」

 

ダメージはまだ一度も喰らってないが、あの速さに装甲の硬さから、攻撃力も高いことが想定出来る。

 

「これならどう!」

 

武器を双銃の『ヘブンブラスター』から、主武装の双剣『ノワール』と『ブラン』に切り替え。

 

「必殺ファンクション!!【アタックファンクション!バーチカル・スクエア―改!!】」

 

4連撃の斬撃を飛ばす。

蒼いエフェクトを纏った斬撃が黒い竜の装甲に決まるが。

 

「っちぃ!必殺ファンクションでも大したダメージを与えられない!?」

 

大して効いているとは思えない。

なら―――!!

 

「弱点を見つけるまで!」

 

再び双銃に切り替えて弾丸を放つ。

だが、その前に―――。

 

「っ!!」

 

黒い竜が、両手の巨大な銃から紫の光弾を放ってきた。

咄嗟にその場を離れ直撃を避けるエレボスと、横に飛んで射程から逃れる僕。

 

「ヤバい!アイツのパワーで暴れられたら元も子もない!」

 

避けて光弾が直撃したところは小さな窪みが出来ている。

 

「アイツの動きを予測して動かないと!」

 

だが、残り時間まであと10分もない。

その時間で未知の性能を持つアイツを倒せるかどうかと言われると不可能に近い。

けど―――

 

「そんなんで諦める僕じゃないよね・・・・・・!」

 

ニッ、と不敵な笑みを浮かべて呟く。

今出来ることをする。

クレバーな撤退なんぞ犬に喰わせとけ、だ!

再び双銃で黒い竜を攻撃する。

黒い竜はただ攻撃してくるだけで避けるような動作はしない。

もしかしたから"避ける"というアルゴリズムが組み込まれていないだけなのかもしれないが。

小さなダメージでも、積もれば相手の動きは阻害できる。

ここに来る前にレオンさんからある物を渡されているが、それはできれば今は使いたくない。

可能なら撤退する時に使いたい。

そう思いつつ、ヒットアンドアウェイの戦法で攻撃してしばらく経ち。

 

 

「―――ヒロ、ユウヤ、ジェシカ!!」

 

「みなさん!」

 

「無事で良かった!」

 

 

と、そんな声が聞こえてきた。

どうやら兄さんも着いたらしい。

その声を聞いたのか、黒い竜は視線を下の層に向けそっちへ向けると、大きな奇声のような雄叫びを上げエレボスを尻尾の刃で下の層の方へと吹き飛ばした。

 

「なにっ!?」

 

そのまま黒い竜は飛び降りて兄さんたちのいる所へと降りた。

 

「ちっ!」

 

僕も追いかけるように手摺りに手を着いて、下へと飛び降りる。

 

「下がれヒロ!ユウヤ!」

 

スタンっ!と着地音を鳴らして黒い竜とヒロとユウヤの間に降り立つ。

 

「レイさん!?」

 

「れ、レイ君!?」

 

 

驚く声を出すヒロとユウヤ。

 

「れ、レイ!?上に居たのか!?」

 

目を大きく開いて驚いた表情を浮かべる兄さん。

降り立って後ろを確認すると、兄さんたちの他に何故か風摩キリトもいた。

状況から察するに、森上ケイタを倒したのは風摩キリトで、さっきまでヒロたちと戦っていたのも彼のようだ。

 

「風摩キリト、何故あんたがここにいる!?」

 

「っ!山野レイ・・・・・・!」

 

僕の問いに驚いたように目を見開く風摩キリト。

そこへ、遮るように雄叫びを上げる黒い竜。

 

「【キラードロイド】・・・・・・!!」

 

黒い竜を見た風摩キリトは警戒心を露わにして言う。

 

「キラードロイド?」

 

黒い竜に向かってそう言う風摩キリト。

黒い竜・・・・・・キラードロイドは立ち塞がるようにして行く手を阻む。

 

「時間が無い!ヒロとユウヤは上にある指令コンピューターを止めて来て!コイツが邪魔して止められなかったから!!」

 

「わ、分かりました!」

 

「わかった!」

 

「ジェシカは森上ケイタを!」

 

「ええ!」

 

「兄さん!ジン!ラン!手を貸せ!!」

 

「ああ![エルシオン]!!」

 

「わかった![トリトーン]!!」

 

「うん![ミネルバ]!!」

 

すぐに指示を出す。

風摩キリトが何故ここにいるのか問い詰めたいが、今は無視する。

兄さんたちのLBXが出撃し、キラードロイドの前に降り立ちエレボスと並ぶ。

 

「3人とも、予め言っておく。アレはLBXじゃない!」

 

「LBXじゃない!?」

 

「ああ。誰かが操作してる訳でもない、完全なオートメーション化されてる何かだ!」

 

さっきまで戦っていて感じた感想を言う。

そこへ、兄さんの端末に父さんから通信が来て父さんが撤退を進言するが、撤退なんて出来るものじゃない。

兄さんが父さんにそう告げると、突然キラードロイドが高々に飛び上がり、胸部装甲を広げオレンジ色の眩い光を発した。

思わず目を細めて光を遮る。

次の瞬間、僕たちはキラードロイドが展開したと思わしきDエッグに似たバトルフィールドに取り込まれていた。

八面体の大きなフィールドに、半透明のエネルギーフィールド膜。

フィールドは薄暗く、荒廃して廃れた都市。

 

「これは・・・・・・!」

 

突然展開されて取り込まれたバトルフィールドに驚愕する。

 

「3人とも、アレの性能は未知数だけど、スピード、防御、攻撃力、どれもLBXの数十倍だ。下手に攻撃は受けるな!」

 

「「「了解!」」」

 

「ジェシカは森上ケイタをヒロとユウヤと一緒にエレベーターの方まで下がって何時でも撤退出来るように!」

 

『了解よ!』

 

これでもし僕らが負けてもすぐに撤退できる。

指示し終えると、キラードロイドは相変わらずの素早い速度で迫ってきた。

 

「っ!」

 

瞬時に避けるエレボスだが、エルシオン、トリトーン、ミネルバは反応が遅れて翼剣の振り下ろしをまともに受け、吹き飛ばされる。

 

「速い!」

 

「なんてチカラだ・・・・・・!」

 

「レイのいうとおりなんて速さにパワーなの!?」

 

キラードロイドの速度と攻撃力を見て驚愕する兄さんたち。

 

「僕が引きつけるから、兄さんたちは側面から攻撃して!無理に連続攻撃しなくていい!ヒットアンドアウェイ重視!!」

 

「「「了解!!」」」

 

兄さんたちに指示を出しつつ、エレボスを操作してエレボスの構える双銃『ヘブンブラスター』から弾丸をばら撒く。

兄さんたちの攻撃がしやすいようヘイトをコッチに向けてるけど、一つミスったり気を抜いたら殺られる。

放たれた弾丸はキラードロイドの両手の銃や、脚部、翼剣にヒットするが、やはりダメージは大して通ってない。

キラードロイドへの戦術、戦略を立てるがどれも効果が無いと感じる。

何処か弱点さえ見つけられれば良いのだが。

兄さんたちもそれぞれ攻撃していくが、これといってダメージは与えられてない。

 

「なんて硬さなんだ・・・・・・」

 

兄さんが悪態を吐くのも当然だ。

ランとジンも歯痒そうな顔をしている。

 

「なら―――!」

 

エレボスの構える双銃からダダダダン!と立て続けに弾丸が放たれ、ピンポイントに狙った一箇所。

右膝関節部を一点集中(ワンホールショット)で狙う。

 

「―――――――――!!」

 

奇声を上げるキラードロイド。

キラードロイドはそのまま両銃から紫の光弾を乱雑に放ってくる。

近くの建物の影に隠れて光弾を躱して、そのまま建物の陰を利用して移動する。

エレボスの姿を見失ったからか、今度は攻撃してきたジンのトリトーンを攻撃する。

攻撃して、避けたトリトーンを右の銃で吹き飛ばすキラードロイド。

咄嗟にハンマーの『シーホースアンカー』の持ち手で防ぐが一撃の威力が高い為、トリトーンはバランスを崩す。

バランスを崩したすきを逃さず、両手の銃でトリトーンを狙い撃とうとするキラードロイド。

 

「させるかっ!」

 

走りながら武器を双剣に切り替えて、今度は左足の膝関節部を攻撃する。

瞬時に攻撃対象を僕に移して、紫の光弾を放ってくる。

 

「ジン、距離を取れ!」

 

「すまない!」

 

崩したバランスからすぐに戻り、距離を取るトリトーン。

5発程度なら大丈夫だろうが、そう何度もキラードロイドの攻撃は受けられない。

何より、この戦いの前に、ヤツの尻尾の剣で攻撃されてLPは減少している。

ギリギリのところで光弾を避け、左膝関節部のカバーパットらしき部分を切りつける。

兄さんたちがいるし、この場面を打開するには・・・・・・

 

「兄さん、ラン!特殊モードを使え!!」

 

「っ!分かった!ラン!」

 

「うん!」

 

すぐに兄さんとランがCCMを操作し。

 

「【ナイトモード!!】」

 

「【バーニングモード!!】」

 

エルシオンは【ナイトモード】、ミネルバは【バーニングモード】を発動させた。

それと同時に、兄さんとランのCCMが特殊モード発動時でお馴染みの変形をし、兄さんのCCMは剣のようなホロウインドウが現れ、CCM自体が剣のような形になり、ランのCCMはCCM上部に炎のようなホロウインドウが現れ、CCM全体が炎の形になる。

それぞれのLBXも、エルシオンは金色のエフェクトに。

ミネルバは赤金色のエフェクトに覆われる。

エルシオンの【ナイトモード】は防御力を、ミネルバの【バーニングモード】は攻撃力を飛躍的に上げる特殊モードだ。

特殊モードのため、効果時間は一定時間だが・・・・・・。

特殊モードの効果はすぐに現れた。

今度はエルシオンに狙いを定め、紫の光弾を放つキラードロイド。

キラードロイドの攻撃を、エルシオンは防御態勢を取る。

放たれた紫の光弾は、エルシオン自身に直撃する寸前に、エルシオンを球状に囲む障壁によって防がれ、紫の光弾を鏡のように反射した。

反射された光弾は、巻き戻しのように放ったキラードロイドへと返っていき、キラードロイドに直撃する。

エルシオンの【ナイトモード】の特性は防御に優れており、ありとあらゆる攻撃を防ぐ。

遠距離攻撃は反射。弾かれ、近接攻撃はほぼ無効化される、という何でもありの防御特化のモードなのだ。

 

「これが、【ナイトモード】か」

 

感嘆するジン。

僕は知っているから大して驚かんが、ジンも前機の[ゼノン]には【オルタナティブモード】があり特殊モードの有用性は知っているため感嘆を漏らす。

そして、ランのミネルバの特殊モード【バーニングモード】は―――

 

「効いている」

 

「さすが【バーニングモード】!」

 

ミネルバの【バーニングモード】はエルシオンの【ナイトモード】とは反対の、攻撃特化。

キラードロイドを『ミネルバクロー』で攻撃するミネルバの攻撃は一撃一撃が高く、キラードロイドが仰け反るほどだ。

これなら―――

 

「ジン!ラン!」

 

「ああ!」

 

「うん!」

 

「「「必殺ファンクション!!」」」

 

「【アタックファンクション!真―ヴォーパル・ストライク!!】」

 

「【アタックファンクション!オーシャンブラスト!!】」

 

「【アタックファンクション!蒼拳乱撃!!】」

 

ランを基点に、僕とジンの必殺ファンクションがキラードロイドへと放たれる。

エレボスから深紅の光条が放たれ、トリトーンからは激しい水の奔流が、ミネルバからは4発の蒼いエフェクトの気弾が放たれ、それぞれキラードロイドへと命中する。

必殺ファンクションが命中したキラードロイドは、まるで痛みを叫ぶように奇声を上げ、トリトーンへと右翼の剣を振り下ろした。

 

「ジン!」

 

「っく!」

 

咄嗟にトリトーンを護ろうとエルシオンが前に出るが、キラードロイドの攻撃はエルシオンとトリトーン両機を巻き込んだ。

攻撃を喰らった2機はそれぞれ右脚を斬られ、同時に蒼いエフェクトを発してブレイクオーバーとなった。

 

「なっ!?」

 

「なんてヤツだ・・・・・・!」

 

まさかの一撃でブレイクオーバー。

しかもエルシオンに限っては防御力が飛躍的に上がってる特殊モード【ナイトモード】発動中だったのだ。

それなのに・・・・・・。

だが、逆に言い換えれば、特殊モード発動中の防御力でさえも貫く近接攻撃ということになる。

そして、もう一つ。

【ナイトモード】の遠距離攻撃反射は有効だということがわかった。

 

「合わせろラン!!」

 

「わかった!」

 

すぐにその場を離れてエレボスとミネルバの左右からの攻撃を仕掛ける。

 

「――――――――――!!」

 

左右同時の攻撃を食らい奇声を発するキラードロイドはそのままミネルバへ尻尾の剣を薙いだ。

 

「ミネルバ!」

 

咄嗟にミネルバは防御するが、キラードロイドの剣はミネルバの右腕を切り飛ばし、ミネルバをエルシオンとトリトーン同様ブレイクオーバーさせた。

 

「っく!」

 

奥歯を噛み締め、キラードロイドと対峙する。

次の瞬間、キラードロイドは再度紫の光弾を放ちエレボスを攻撃する。

ギリギリのところで避けるが、さっきより弾幕が多い。

光弾を喰らったフィールドに設置されてる建造物が次々と倒壊し、廃墟を加速させていく。

先を読んで動くが、先読みが出来ない。

右翼の剣を攻撃するが、キラードロイドはそのままエレボスを叩き飛ばすように翼剣で吹っ飛ばす。

瞬時に体勢を整えるが、その隙すら与えずに今度は尻尾の剣を左回転で薙いできた。

すぐにCCMを操作してエレボスを動かして、『ノワール』と『ブラン』で滑らせるようにして防ぐ。

一周したキラードロイドはそのまま両手の銃で紫の光弾をエレボスに向けて放つ。

避ける間もなく放たれた光弾に双剣のクロスガードで受けるが、一撃一撃の威力が高い為、数発受けただけで後ろに吹き飛ばされ、エルシオンたちと同様蒼いエフェクトを発してブレイクオーバーした。

 

「エレボス!」

 

ブレイクオーバーしたエレボスの両腕は耐えられなかったのか、両腕とも破損している。

エレボスがブレイクオーバーすると、キラードロイドが展開したと思わしきフィールドは、Dエッグの時と同じように消え、取り囲んでいたエネルギー膜も無くなった。

けど、これで―――

 

「みなさん急いで!」

 

「ここから出るのよ!」

 

「わかった!」

 

すでにジェシカたちは気絶している森上ケイタとともにエレベーターに乗り込んでいた。

僕らもそれぞれLBXと破損したパーツを回収してエレベーターの方へ向う。

だがそれを阻むかのようにキラードロイドが、ガシャガシャ、と音を立てて走ってくる。

このままだと追い付かれる!

兄さんたちがエレベーターに乗り込んだのを確認して。

 

「みんな眼と耳を塞げ!」

 

バッグからレオンさんに渡された物を取り出し、ソレのピンを外してキラードロイドへと投げる。

投げると同時に僕もエレベーターに乗り込み、一番下のボタンを押す。

僕がボタンを押してエレベーターが動き両耳に両手を当てたのと、投げたソレが起動するのはほぼ同時だった。

投げたソレから眩い閃光と、爆発したようなバンッ!という音が発せられた。

数秒後目を開けて両耳から手を退ける。

無事に脱出出来たようで、上からキラードロイドの奇声が僅かに聞こえる。

 

「ふぅ・・・・・・なんとか脱出出来たか」

 

まだ耳が少しキーンと耳鳴りがするが問題ない。

兄さんたちも目を開けて両手を耳から外していた。

少ししてチーン、という音ともに1階のエントランスロビーに着き、僕たちはそのままブリタニア時計台から外に出る。

外に出るとマングースの運転する車があり、コブラが扉を開けて待っていた。

 

「コブラさん!」

 

「早く乗れ!」

 

コブラの言うとおり、素早く車に乗り込みブリタニア時計台を後にする。

車が発進してすぐに―――

 

「レイ、最後のアレ。何投げたんだ?」

 

と兄さんが訊いてきた。

 

「ん?閃光音響弾だよ」

 

「せ、閃光音響弾?」

 

「それってフラッシュバンのこと?」

 

怪訝な顔をする兄さんに、ジェシカがもしかしてと言いながら訊いた。

 

「うん。スタングレネードの一種だよ。目を眩ませる閃光と耳をつんざく爆発によって数秒のあいだ全感覚を麻痺させる手榴弾の一種。ここに来る前に渡されたんだ。何かあった時のためにって」

 

そう。

レオンさんから、何かあった時のためにと、この閃光音響弾を渡されていたのだ。

使い方とかは紳羅さんから聞いたりして知っていたしね。

幾ら相手が機械だろうと、閃光で見えなかったり、音がつんざくほどの爆発音ならしばらくの間は動けないだろうしね。

 

「閃光音響弾って・・・・・・」

 

なんかコブラがマジか?って顔浮かべてる。

そこへ車を運転するマングースが

 

「それよりも、エラい目にあったなぁ」

 

と言った。

 

「はい」

 

すでにみんな疲労困憊だ。

あんな相手と遭遇するなんて誰も予想できない。

 

「ソイツがスレイブプレイヤーか?」

 

「森上ケイタ。友達なんだ」

 

コブラの言葉に兄さんが森上ケイタを心配そうに見つめて言う。

 

「とにかく病院に連れていこう」

 

「マングース、僕の言う病院に連れて行って。すでに手配してもらってるから」

 

「おう」

 

「すでに手配って・・・・・・」

 

唖然とした表情で僕を見るコブラに。

 

「スコットランドヤードの知り合いにお願いした。あの閃光音響弾もその人から渡されたものだし」

 

と片目を瞑って告げる。

 

「レイって、ほんと知り合いが多いわね〜。呆れるぐらい」

 

「あははは。普通レイ君の歳では有り得ないんだけどね」

 

ジェシカとユウヤが失礼な事言ってる気がする。

2人の言葉をスルーして、マングースにレオンさんから言われた病院を教える。

 

「それにしても、最後のアイツもディテクターのLBX・・・・・・なのかな?あ、でも、レイがLBXじゃないって言ってたか・・・・・・」

 

「風摩キリトが、キラードロイドって言っていたけど・・・・・・」

 

「キラードロイド・・・・・・」

 

「あの人、何か知っているんでしょうか?」

 

「そうなると、オメガダインが絡んでる事になる」

 

「恐ろしいヤツだった」

 

「だが、特殊モードの効果は確認出来た。エルシオンとミネルバ。そして[ペルセウス]が加わればかなりの戦力になるはずだ」

 

「でも、それでアイツに勝てるのかな・・・・・・」

 

兄さんの呟きに車の中に沈黙が訪れる。

 

「勝てるか、じゃない。勝つんだ」

 

「レイ?」

 

視線が僕に集まる中、僕は窓から外を見て言う。

 

「もしアイツがまた立ち塞がるなら、今度こそ倒す。いや、勝つ。勝たなきゃ先に進めない」

 

「それはそうだけど・・・・・・」

 

ジェシカが不安がるように言う。

まぁ、それもそうか。

あんなとてつもない攻撃力に防御力、速度。

普通なら諦めの一言しか出ない。

けど、僕は諦めが悪いからね。

諦めるというのは、もう止めたんだ。

 

「今はとにかく、LBXを修理しないと。ヤツについてはそれからでもいい」

 

そう言うと僕は端末を開いてレオンさんにメールを送る。

十数分後、僕言った病院に着き、森上ケイタは待っていたストレッチャーに乗せられて検査に送られた。

 

「それじゃあ僕は後で帰るから、兄さんたちは先に帰ってて」

 

「え、でも・・・・・・」

 

「買い物もまだなんだから仕方ないでしょ?あ、コブラ。エレボスを父さんに渡しておいて。修理のほうお願いって」

 

「ああ、わかった」

 

「じゃあよろしくね」

 

車を降りて、走って行くのを見送る。

さてと。

 

「レオンさんたちに合流しますか」

 

そう呟いて、レオンさんのいる病院へと入っていった。

 

 

 

 

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