ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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回想 W―ディテクター編 ⅩⅩⅩVI 華麗なるプレイヤーたち

 

~レイside~

 

ヒロとユウヤがコスプレLBXバトル大会【BCエクストラス】。通称【ビッグシティエクストラス】に参加することになって2日後。

ついに2人が参加するBCエクストラス開催当日となった。

僕たちはBCエクストラスの開催される場所、Nシティーのギークストリートにあるビッグシティエクストラスドームに来ていた。

ちなみにBCエクストラスは、このドーム会場。【ビッグシティエクストラスドーム】で行われるからBCエクストラスと呼ばれてるとか。

正直、安直過ぎるネーミングセンスと思わざるを得ないが・・・・・・。

コスプレLBX大会と言うだけあり、色々な人が男女問わずコスプレをしている姿が見える。

 

「メアたちがいたら僕も巻き込まれそうだなぁ~」

 

思わず苦笑しながら見ていく。

魔女やRPG、戦隊モノ・・・・・・などなど、いろんな種類のコスプレがある。

そして、コスプレをしてる人を撮影している人もお約束通りいる。

なんていうか、ちょっと頭が痛い。

A国でもこんなにいるとは・・・・・・。

いや、まあ、身近にその伝道師たる第一人者がいるんだけどね?

 

「うわぁ。みんな本当にコスプレだ」

 

唖然とするラン。

 

「いやー、凄い出来ですね」

 

「これがビッグシティエクストラス!」

 

対して興奮してるヒロとユウヤ。

で。

 

「略してBCエクストラス・・・・・・」

 

なんか疲れたように気だるそうなジェシカ。

いや、まぁ、うん。判る。

中に入り、大会の行われるステージを観る。

ステージは扇状に観客席があり、左右の高台にガラスの張られた待合室みたいなものがある。

そして、奥にはバトルステージと出場者の出入りする扉が左右に一つずつ。

観客席にはすでにたくさんの人がいて、その中にはコスプレのままの人もいる。

 

「あのステージでバトルするのか」

 

「コスプレしてね・・・・・・はぁ・・・・・・」

 

ほぉ、と感嘆する兄さんに、どんよりしているジェシカ。

ジェシカはため息を吐くとそのまま反転して。

 

「あれ?ジェシカさん?」

 

「わたし帰る。ここ空気薄いから」

 

と告げて重そうな身体を引きずるみたいな足取りで去っていった。

 

「まあ、気持ちは分かるけどね」

 

「あははは・・・・・・」

 

立ち去るジェシカを見ながら同情するランに苦笑する僕。

 

「まあ、コスプレだしね。いや、それを言ったらアルテミス後のパーティーで着たタキシードとかドレスとかも同じなんだけど・・・・・・」

 

正直、コスプレも正装も同じのような感じがしてならない。

コスプレイヤーにとってはコスプレが正装で、パーティーとかだとタキシードやドレスが正装って感じで。

そう思ってると。

 

「っ!?」

 

「レイ?」

 

「レイさん?どうかしましたか?」

 

「いや、今なんか覚えのある気配を感じたんだけど」

 

不思議そうに見てくる兄さんたちにそう答える。

誰かとは分からないけども、なんか知ってる覚えの気配を感じた。

 

「気の所為・・・・・・か?いや、待てよ」

 

気の所為かと思ったが、ん?とふと頭をよぎった。

 

「ねぇ、オタクロスって何処にいるか知ってる?」

 

「え?」

 

「あたしは知らないよ?」

 

「僕も知りません」

 

「そう言えば今朝は見かけなかったね」

 

「・・・・・・」

 

僕の質問に兄さんたちはそう言う。

こんなオタクにとっての祭典をあのオタクロスが見逃すはずが無い。

ということは・・・・・・

 

「まさか・・・・・・」

 

なんかとてつもなくイヤーな予感がする。

一波乱起きそうな予感。

嫌な予感に面倒くさくなりつつもそれを頭の隅に置いておくことにする。

 

「はぁー。じゃあ兄さん、僕はちょっと行くところがあるから」

 

「え?あ、うん」

 

「ヒロ、ユウヤ。頑張ってね」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

そう告げ僕は兄さんたちから別れた。

 

「さてと。お仕事頑張りますか~」

 

軽く伸びをして僕は通路の奥へと消えていった。

 

~レイside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~バンside~

 

レイがまたしても何処かに行ってしまったが、俺たちは開会式が始まるまで観客席の一角で始まるのを待つことになった。

しばらくして会場の明かりが薄暗くなり、ステージを二つの紫の光がカッ!と壇上を照らしだした。

ステージには将棋の駒のような着ぐるみ?らしきものを着た人がマイクを持って立っていた。

 

 

「みなさん!BCエクストラスへようこそ!!(わたくし)、この大会の司会進行を務めさせていただきます、角馬王将でございます!」

 

 

どうやら彼が今大会の司会者らしい。

って、あの人去年のアキハバラキングダムでも司会進行してなかったか?

うろ覚えな記憶を思い出しふと思う。

思い出している中、司会者が言葉を発する。

 

 

「BCエクストラス。それは、二人一組で戦うLBXバトルトーナメント!参加条件はコスプレをすること!これはバトルの強さも然ることながら・・・・・・コスプレそのものの完成度が求められた、世界唯一の大会なのです!つまり!コスプレの完成度が高ければ・・・・・・!!」

 

 

会場のあちこちから喚声の声が湧き上がる。

 

 

「完成度が低ければ・・・・・・!!」

 

 

今度は逆にブーイングの嵐があちこちから溢れ出てきた。

 

 

「そう!このブーイングの中で戦わなければならないのです!」

 

 

「そうなんだ・・・・・・」

 

司会者の言葉に初観戦の俺たちはかなり引いていた。

現にランは言葉に出して呟いてるし。

なんていうか、まさにヒロのような人の大会だと思った。

 

 

「なお、コスプレの変更は自由!LBXの変更も可能!そして、戦いを制し頂点に立ったチームには優勝賞品として、世界最大の容量を誇るコアメモリ【マイスターX3】と、完全オーダーメイド超高級コスプレ衣装二人分が贈呈されます!!」

 

 

「賞品にまでコスプレ衣装・・・・・・」

 

「さ、さすがコスプレLBX大会・・・・・・凄いね」

 

賞品にまでコスプレ衣装とはさすがの一言に尽きる。

 

「ねぇ、ユウヤ。本当にやるの?」

 

「楽しそうだからね。それに、もしかしたらこの大会で僕は新しい自分を見つけられるかもしれないし」

 

「ぇ・・・・・・み、見つける場所間違ってるような気がするけど・・・・・・」

 

ユウヤの言葉に口角がピクピクしているラン。

もしレイがいたら本当にユウヤの事心配しそう。

苦笑しながらそう思ってると。

 

 

「そしてさらになんと!!今回は特別ゲストをお呼びしております!!」

 

 

と司会者が告げた。

 

「特別ゲスト?」

 

「・・・・・・ジン、なんかデジャブを感じる」

 

「僕も同意見だ」

 

周囲から困惑する声が上がる。

そんな中俺はとてつもない既視感を覚えた。

より具体的に言うなら、【アングラテキサス】と同じような感覚だ。

そう思いながらステージを観る。

 

 

「ご紹介致しましょう!!【アキハバラランキングバトル】現序列1位にして、欧州地区(ヨーロッパエリア)最高峰のLBX大会『ブリュンヒルド』を制覇し欧州地区チャンピオンの称号を得、今年の『アルテミス』ファイナリスト!!【黒閃の双剣】―――いえ、我々には【恐皇帝(シェキナー)】の異名の方が良いでしょう!様々な実績を持つLBXプレイヤー!!」

 

 

バババババッ!とライトが次々と点灯し、ステージの一角を照らし出す。

 

 

「山野レイさんです!!」

 

 

カッ!と音を鳴らして何時もの黒いズボンに白い服と黒衣のコートではなく、両手に白手袋をして黒のタキシードを着て、眼鏡を掛けたレイが照らされた。

 

「れ、レイ!?」

 

「レイさん!?」

 

「あ~・・・・・・予感的中・・・・・・」

 

驚くランとヒロに対して、俺はもう諦めていた。

 

「え、待ってください!シェ、【恐皇帝(シェキナー)】って・・・・・・え!?レイさんがあの(・・)【恐皇帝】なんですか!?僕らの界隈で噂となっている!!」

 

「【恐皇帝】・・・・・・って?」

 

「アキハバラで。いえ、僕らオタク界隈で知れ渡ってる有名なLBXプレイヤーですよ!なんでも、アキハバラランキングバトルを最速最短で序列1位にまで駆け上がったとか!!他にも、公衆の面前で、お説教をしたとか色々な噂がありますけど!」

 

「それがレイなの?」

 

ヒロとランの会話に頭が痛くなった。

何せ―――

 

「(全部レイがやったことなんだよなぁ)」

 

だからである。

公衆の面前でお説教ってのは、多分アキハバラキングダムでオタクロスにしたことだろう。

そう言えばアレ、結構衆目の中でやってたんだっけ?

このことを知っているジンは遠い目をしていて、やれやれ、とため息を吐きつつもレイを見て苦笑する。

そんな俺の心情を他所にレイはニコニコと微笑みながら中央へ歩く。

 

 

「みなさんこんにちは~!ご紹介に預かりました、山野レイです!よろしくお願いしま~す!!」

 

 

レイの挨拶に会場中から喚声が湧き上がる。

その中にはキャー!や、レイく~ん!などという、まるでアイドルに掛けるような声もあった。

 

 

「初めてのコスプレで少々ぎこちないですが、解説としてこの大会を盛り上げるために頑張ろうと思います!みなさん、よろしくお願いしま~す!!」

 

 

片目を瞑り左手を上げるレイ。

なんていうか・・・・・・

 

「バン。レイってアイドルとかって訳じゃないよね?」

 

「あはははは・・・・・・」

 

「もう今更だな」

 

諦めモードの俺とジン。

なにせもう割れんばかりの拍手喝采に喚声。

兄として弟が遠い場所に行ってしまった感じがしてならない。

いや、レイはレイなんだけど・・・・・・。

 

 

「それではこれより、出場チームのエントリーを受け付けます!我こそはという方は奮ってご参加下さいね!!」

 

 

片目を瞑って右手の人差し指を口元に当ててエントリー受付を知らせるレイ。

もうやり慣れてるなぁ。

 

「行きましょうユウヤさん!」

 

「うん!2人で必ず優勝しよう!」

 

「はい!」

 

ヒロとユウヤは席を立ってエントリーをしに行き。

 

「・・・・・・どうするあたしたち?」

 

「応援するさ。2人共、あんなに張り切ってるんだしね!」

 

「はぁ~・・・・・・」

 

俺、ラン、ジンの3人は参加せずに観戦することにした。

まぁ、ユウヤが何かとはいえああやって活き活きしていてくれるのはいい事だしね。

去年のアルテミスでの事を思い出してそう思った。

 

~バンside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~レイside~

 

エントリー受付を知らせ、しばしの休息。

僕は大会関係者の休憩室で司会進行をする角間王将さんといた。

にしても、いやー、この間いきなりBCエクストラスの実況をしてくれないかって頼まれた時は面食らったなぁ。

 

「山野さん。この度の申し付け、誠にありがとうございます!」

 

「いえ。気にしないで下さい角間さん」

 

白手袋を外し、上着を脱いで角間さんと話す。

角間さんの将棋の駒の着ぐるみ・・・・・・でいいのかな?

それがかなり気になるけど、それはスルーするとして。

 

「コスプレなんてはじめてなんで、かなり衣装に踊らされてるような気がするんですけどね」

 

苦笑しながら今の自分の格好を見る。

黒のタキシードに黒縁の伊達メガネ。

所謂、中世ヨーロッパの貴族のような格好だ。

なんのコスプレなのかは知らないけど・・・・・・正直、自分に似つかわしくない格好だと思う。

まぁ、メアたちに着せ替え人形宜しく、何度もされたからなぁ。

通された部屋に自分に合うのがこれしか無かったからこれを選んだのだが、何故かメイド服とかもあったのには目が点になった。

 

「(メイド服なんか着たら絶対女子と間違わられる・・・・・・!!)」

 

いや、すでにメアたちの着せ替え人形にされた時に女装させられたりしているのだが・・・・・・。

そう遠い目をして思い懐かしんでいると、部屋に受付スタッフがやって来て参加者のチームが記されたデータを渡してきた。

参加チームは全部で16。

それなりのチームが参加している。

 

「えーと・・・・・・」

 

出場者のデータを看ていく。

看ていたのだが、途中で止まった。

何故なら―――

 

「ひ、ヒロ!?なんでユウヤじゃないの!?」

 

出場チームの一つ、『宇宙英雄センシマン』チームの片方がセンシマン(?)でいいのかな?よく分からないがセンシマンのコスプレをしたヒロだったからだ。

しかも相方はユウヤではなく、全く知らない人。

となるとユウヤは何処に?!となるのだが・・・・・・

 

「じ、『地獄の復讐軍団』・・・・・・」

 

一番最後にユウヤの姿があった。

そしてこちらも相方は全く知らない人。

参加登録する際、名前は別に本名ではなくハンドルネームやリングネームでも構わないのがBCエクストラスだ。

ちなみにアルテミスに参加する際に登録されるのは基本的には本名であるのだが、去年父さんがどうやって【マスクドJ】で登録したのかは疑問である。まあ、恐らくハッキングしてだろうけど。

あ、オタレッドことユジンさんたちの場合は大会には本名で登録し、リングネームたるオタレッドを出場ネームにしているため、放送ではこっちの出場ネームで呼ばれるらしい。

とまあ、閑話休題して。

今の問題はなんで一緒に優勝しよう、と言っていた2人が別々のチームになっているかである!

一体何があったのか知るためユウヤに連絡をする。

連絡すると。

 

『はい』

 

「ゆ、ユウヤ?」

 

若干不機嫌な声のユウヤが出た。

 

『あ、レイ君。どうしたの?』

 

「いや、どうしたのって言うか、一体何があったの!?」

 

『・・・・・・ヒロくんが約束を破った』

 

「いや、そういう事じゃなくて!」

 

怒り心頭のユウヤにツッコミをする。

 

『ユウヤさん、そろそろですよ』

 

『うん。頑張ろうアリスくん!じゃあ、そういう事だから』

 

「いや、何がぁ!?」

 

プツン、と切れた通話にツッコミをする。

 

「ユウヤ~・・・・・・」

 

ぇ~・・・・・・っとため息を吐く。

 

「山野さん?どうかしましたか?」

 

「あ、いえ。大丈夫、です・・・・・・」

 

不思議そうに見てくる角間さんに苦笑いを浮かべて答える。

 

「(今回のBCエクストラス。一波乱どころか、二波乱も起こりそうだなぁ・・・・・・)」

 

はぁ~、とため息を吐いてそう思った。

そしてついにBCエクストラスの予選開始となった。

予選はそれぞれAブロックとBブロックの二組に分かれ、それぞれ8チームが決勝を賭けて戦う。

Aブロックのチームは、ヒロのいる宇宙英雄センシマンチームを初めに、マジカルシスターブラザーズ。

アクセルブレイカーズ。

チームオーバーラン。

地球防衛隊チーム。

ロッソヴォルクス。

チームバラバラ。

世界桜花組。

Bブロックのチームは、ユウヤのいる地獄の復讐軍団チームを初めに、黄昏の竜騎士チーム。

ネオエナジーズ。

クルセイドブラザーズ。

カクゲーラバーズ。

フェアボーイチーム。

チームO・T・A

突入野郎αチーム。

以上16チームとなっている。

ちなみに、一回戦の試合順はAブロック第一試合がアクセルブレイカーズVSチームオーバーラン。

第二試合は地球防衛隊チームVSロッソヴォルクス。

第三試合はチームバラバラVS世界桜花組。

第四試合がマジカルシスターブラザーズVS宇宙英雄センシマンチーム。

Bブロック第一試合は黄昏の竜騎士VS地獄の復讐軍団チーム。

第二試合がネオエナジーズVSクルセイドブラザーズ。

第三試合がカクゲーラバーズVSフェアボーイチーム。

そして、第四試合がチームO・T・A VS突入野郎αチーム。

となっている。

この中で唯一、実力が見えないのがチームO・T・Aだ。

提出された参加登録にはチーム名と、リングネームしか書かれておらずその素性は一切不明。

まあ、戦いを見れば解るだろうけど。

ま、今はそれは置いおいて―――

 

「それでは只今より、BCエクストラス予選Aブロック第一試合を始めます!」

 

僕は僕のやることをやるとしますか!

ブロック試合を始めることを宣告し、僕は僕の仕事を務めることにした。

それからしばらく経ち―――

 

「―――劣勢が続くBCエクストラスも、予選Aブロック第三試合までが終了して、続いて第四試合が行われます!」

 

すでに第三試合まで終了していた。

次はヒロの宇宙英雄センシマンチームの試合だ。

 

「赤コーナー、宇宙英雄センシマンチーム!!」

 

司会者の角間さんが言うと、兄さんたちから見て右手側の扉からセンシマンのコスプレをしたヒロと、その相方の女性が登場した。

 

 

「「とう!」」

 

「真っ赤な拳に勇気をこめて、起こせ爆熱ビッグバン!宇宙英雄センシマン!銀河を超えて只今参上!」

 

「センシマンの正義は私の正義!センシガールはいつでも一緒よ!」

 

 

掛け声とともに飛び出し、向上の台詞を言うヒロと相方の女性。

なんていうか、即席のチームとは思えないほど息の合った2人だ。

 

「青コーナー、マジカルシスターブラザーズ!!」

 

続いて反対側の扉から魔法少女の格好をした男。

というより、オッサン2人が現れた。

 

 

「「ダァァァァイ!」」

 

 

出てくるなり理解出来ない言葉を発して。

どう考えても台詞ですらないと思う。

しかも案の定観客からはブーイングの嵐。

はっきり言おう、見るに堪えないと。

そう思ってると。

 

「山野さん、両チームのコスプレ衣装をどう見るでしょうか?」

 

角間さんが僕に訊ねてきた。

 

「そうですね。宇宙英雄センシマンチームは観客の歓声から視ても高評価ですし、素人の僕から見てもとても良いと思います。ですが、マジカルシスターブラザーズについてははっきり言って見るに堪えないとしか言えないですね。あんな魔法少女いるわけないでしょうに、です」

 

「マジカルシスターブラザーズに中々辛辣なコメント!それについては私も同感です!」

 

未だに鳴り止まないマジカルシスターブラザーズへのブーイングの嵐。

 

「Aブロック第四試合、レディー?!」

 

 

「[ペルセウス]!」

 

「[クノイチ]!」

 

「[ブルド改]!」

 

「[ブルド]!」

 

 

それぞれのLBXがジオラマのフィールドに投下される。

フィールドは高台ステージで武装はそれぞれ、ペルセウスは何時もの双剣で、クノイチは双銃。

対するブルド改は斧系のハンマーで、ブルドはミサイル系のランチャーだ。

 

「バトルスタート!!」

 

角間さんの試合開始の宣言とともに先に動き出したのはマジカルシスターブラザーズのブルド改だ。

ほんの少し遅れて宇宙英雄センシマンチームのペルセウスとクノイチも動き出す。

一気に距離を詰めるブルド改にペルセウスが向かい撃つ。

 

 

「マジカルスティック!」

 

 

なんかよくわからない台詞・・・・・・?台詞でいいのか?

を、発してペルセウスを攻撃するブルド改。

ブルド改のハンマーを防ぐペルセウス。

反撃をするペルセウスだが、ブルド改もハンマーで上手く防ぐ。

重量系のブルド改と近接武器で攻撃力の高いハンマーに、ペルセウスは少し押され気味だ。

 

 

「センチメンタルハンマー!」

 

 

ヒロほ相方の女性のLBXクノイチは、マジカルシスターブラザーズのもう1人の方のLBXブルドのミサイル系ランチャーと戦っていた。

こと、此方も遠距離武器で攻撃力の高いランチャーを避けるだけで精一杯のクノイチ。

正直、あんなコスプレだが、LBXの腕はそれなりにあるようだ。

腕は(・・)だけど。

 

 

「乱暴ね、いきなり」

 

「そもそも、そんな魔法少女いるわけありません!」

 

 

ヒロたちも苦言を呈している。

そう、それなりにあるのだが、乱暴すぎるのだ。

しかも力任せな感じが否めない。

ヒロたちの言葉にマジカルシスターブラザーズの2人は。

 

 

「ふっ。コスプレなんてどうでもいいのさ!」

 

「俺たちは、商品の【マイスターX3】が欲しいだけだ」

 

 

と告げた。

 

 

「ぇ。そんな目的で出てるんですか!」

 

 

唖然とするヒロに、会場中から溢れんばかりのブーイング。

もはや嵐どころか、天変地異を引き起こしそうな声量だ。

 

「コスプレが蔑ろにされた!!マジカルシスターブラザーズに会場からブーイングの嵐!!」

 

「さすがに、今の発言は看過できないものでしょう」

 

角間さんの実況に、僕が解説する。

今の発言は、コスプレが好きな人たちに対する暴言。

看過できるものでは無い。

いや、まあ、そういう奴がいる、というのは判るけど・・・・・・。

・・・・・・・・・・判るんだけどね~・・・・・・。

ブーイングなんか耳に入らない、とでも感じのマジカルシスターブラザーズの2人に、ヒロは敵意をあらわにしている。

まあ、ヒロだけじゃなくてその上の待合室にいる他の参加者たちも、今にも掴みかかりそうな気配をしている。

マジカルシスターブラザーズの2人、この後生きて帰れるのかな・・・・・・。

そう思いながらステージを視る。

ステージ上では、ヒロの相方の女性、センシガール(でいいのかな?)のコスプレ衣装の人がヒロを諌めていた。

ヒロも彼女の一言で落ち着きを取り戻したのか、いつもの顔付きでマジカルシスターブラザーズのLBXへと反撃に転じた。

ペルセウスを援護するようにクノイチの双銃から放たれる弾丸。

放たれた弾丸は、ブルドから撃たれたミサイルを的確に撃ち抜き、ペルセウスに当たる前に撃沈させる。

 

「凄い!クノイチの的確な援護により、ペルセウスにはキズ一つ付かない!!」

 

「ミサイルを的確に撃ち抜いていることから、彼女の射撃能力はかなり高いですね。それに、前衛のペルセウスに当てずに後方からの援護。即席のチームとは思えないほどです」

 

角間さんの実況に、冷静に解説する。

驚愕するブルドのプレイヤー。

ペルセウスはそのままブルドを二刀の下に斬り伏せ、ブルドをブレイクオーバーさせた。

そのまま続けて、脚部のキャタピラをフルスロットルして迫るブルド改をクノイチが射撃で撹乱。

ギリギリのところで避けているが、脚部をキャタピラにしているパンツァーフレームの弱点が出てる。

 

「脚部をキャタピラにしているブルドなどは、どんな地形でも動けるアドバンテージがありますが、小回りが利きにくい、や、急には止まれない、という弱点があるんですよね」

 

「ほう。車と同じということですね?」

 

「ええ。車も、フルスピードで走っているのを急には止まれないのと同じで、脚部をキャタピラにしているブルドなどは、フルスロットルで走ると小回りも利きにくいんです。現にブルド改はクノイチから放たれる弾丸をギリギリのところで避けています」

 

僕が解説するや、ついにクノイチから放たれた弾丸の一発が、ブルド改の装備しているハンマーを吹き飛ばした。

武器を弾き飛ばされ、無防備となった所をすり抜けざまにペルセウスが一閃。

ブルド改もブレイクオーバーさせた。

 

「決まったぁ!!見事なコンビプレイを見せた宇宙英雄センシマンチーム、マジカルシスターブラザーズを撃破!!」

 

 

「とう!完全!」

 

「「勝利!!」」

 

 

ステージから飛び下りポーズを取る2人に、観客席から溢れんばかりの拍手喝采が浴びせられる。

まるでヒーローショーのような戦いぶりだ。

まぁ、ヒーローショーとか見たことないんだけど。

まあ、それはそれとして。

 

「(即席のチームとしては息の合ったチームプレイだったね。前衛後衛が分けられていて、それぞれがサポートをする・・・・・・。優勝候補の一角だな)」

 

Aブロックの戦いを観てそう思った。

相手をよく知っているユウヤとなら、優勝候補筆頭だっただろうが、今のヒロの相方はユウヤじゃない。

なのにも関わらず、息の合ったチームプレイを見せた。

恐らく、Aブロックを勝ち抜けるのはヒロたちだろう。

まあ、アルテミスファイナリストのヒロがいるし、と内心苦笑を浮かべるが。

 

「以上で予選Aブロック一回戦が終了しました!続いては予選Bブロック一回戦を行います!!」

 

僕が告げると、歓声が上がる。

予選Aブロックで盛り上がった熱が、さらに上がってる。

 

「予選Bブロックの初戦を飾るのはこの2チーム!赤コーナー、地獄の復讐軍団チーム!!」

 

Bブロック一回戦、第一試合を飾るのはユウヤのいる地獄の復讐軍団チーム。

一体どんなチームになるのか楽しみだ。

 

~レイside out~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~Outer side~

 

 

レイたちがBCエクストラスに参加・観戦している頃。

 

 

 

「―――・・・・・・本当に大丈夫なんですか?」

 

「ああ。ヤツらに対抗するためには、もう私たちだけでは無理だ」

 

 

人知れない場所で2人の人物が会話をしていた。

 

 

「いや、そういう意味の大丈夫、じゃなくて・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・多分」

 

「いや、滅茶苦茶震えてるじゃないですか!!」

 

 

ガクガク震える人物にツッコミを入れる人物。

そこに。

 

 

「まぁ、それは大人しくされるしかないですよ―――」

 

 

もう1人人物が現れる。

 

 

「―――」

 

「―――。だって、仕方ないよ。これまでのこと知ったら絶対、というか100%怒るもん」

 

「あー、まあ、確かに・・・・・・」

 

「まあ、私たちも手加減してもらえるよう言いますけど、たぶん効果ないかなぁ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・(ガクガクブルブル)そ、そうだな。あ、甘んじて、受け入れよう」

 

「・・・・・・なんていうか家庭内ヒエラルキー分かりすぎるな」

 

「うん」

 

 

震える1人に、呆れ半分苦笑半分の2人。

少しして。

 

 

「時間だ。2人とも、頼んだぞ」

 

「おう」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう少しで会えるね、レーくん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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