ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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回想 W―ディテクター編 ⅩL 幽冥と月VS夜

 

~レイside~

 

「[ニュクス]!!」

 

「疾く来たれ―――[エレボス]!!」

 

「行くよ―――[アルテミス]!!」

 

ディテクターによってスレイブプレイヤーとされたキヨカの展開した、Dエッグのエネルギー球に取り込まれた僕とルナは、バトルフィールドを挟んでそれぞれのLBXをジオラマ内に投下された。

キヨカのニュクスも、ルナのアルテミスも始めて見たLBXだ。

ジオラマのバトルフィールドは空に浮かぶ天空の城の中にある荘厳とした空中庭園。花びらが風に舞う美しいステージをモチーフとしたバトルフィールドだ。

僕のエレボスとルナのアルテミス。

キヨカのニュクスと、それに追随する[ジョーカー]と[アマゾネス]と対峙する。

 

「ルナはアマゾネスとジョーカーをお願い。僕はキヨカを!」

 

「任せて!」

 

バトルの火蓋が切って落とされるのと同時に、エレボスはニュクスに、アルテミスはアマゾネスとジョーカーへと向かって行った。

アルテミスのフレームはストライダーフレームらしく、速度が速い。

エレボスに匹敵するほどだ。

そして、ニュクスも恐らくアルテミスと同じフレームらしく、元々のキヨカのスキルも相まって速い。

エレボスの右手の黒剣『ノワール』と、ニュクスの漆黒の鎌がぶつかり、斬り結ぶ。

 

「(予想していたけど、メティスよりもパワーが高い!?)」

 

キヨカの新たなLBXニュクスは、メティスよりも攻撃力、速度が高い。

 

「(アマゾネスとジョーカーも、高スペックにまで調整・改造されている・・・・・・こんなこと出来るなんて・・・・・・!!)」

 

普通に考えてここまで出来る技術者なんて世界に何人もいない。

斬り結びから下がって、一気に加速し左の『ブラン』を突き出す。

それをニュクスは漆黒の鎌の持ち手で受け止め、そのまま受け流す。

受け流すと同時に、鎌の尖端で貫こうとしてくるが、『ノワール』で軌道をずらす。

軌道がずれた鎌は地面の花々を切り裂き、裂かれた花が空中に散る。

 

「ちっ!」

 

マズイ!他のことに気を取られていたらすぐに殺られる。

今の斬り合いでそう確信した。

もちろん、戦いと戦況確認の同時並行(マルチタスク)しながらの行動は出来る。

けど、意識はキヨカに向けてないと、あっという間に足元をすくわれる。

キヨカの実力を知っているからこそ気が抜けない。

今はまだ互いに本気を出てない、様子見な感じだけど・・・・・・

 

「っ!(動きが変わった!)」

 

今度は直接来ず、翻弄した動きで仕掛けてきた。

もし闇夜の中など、暗いフィールドだったら何処に居るのかすらも判らず、ニュクスの漆黒の鎌で切り裂かれていたに違いない。

そもそもニュクスとは、エレボスやアルテミスと同じくギリシャ神話の神の1柱で、エレボスと同様原初の神で、夜の女神だ。

そして、【ニュクス】とはギリシア語で【夜】の意味し、夜が神格化したものだ。

エレボスとは兄妹で、夫婦であったとも言われている。

そのエレボスとニュクスがこうしてLBXとはぶつかり合うとは・・・・・・

正直不思議な感じだ。

翻弄した動きで横から迫り来る鎌を『ノワール』で弾き、ニュクスを蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされたニュクスは空中で回転し、スタンっと地面に降り立つ。

 

「(厄介だな・・・・・・)」

 

互いに癖や動きを知り尽くしている。

スレイブプレイヤーだからと言ってもこれが変わらない可能性も否めない。

 

「ルナ、そっちは大丈夫!?」

 

「うん!でもこのLBXたちの動き、まるでメアとキヨカみたい」

 

「なに?」

 

メアとキヨカみたい?

ルナのその言葉に僕は、え?となる。

確かにメアのLBX[アテナ]の前はアマゾネスだし、キヨカのメティスの前はジョーカーだ。

その初期と同型のLBXがここに居て、しかも動きがメアやキヨカみたい・・・・・・

恐らく追随機は自動運転による自動操縦。

けど、予め仕込まれたプログラムによる動きも与えられているなら・・・・・・

いくらディテクターでもメアとキヨカの初期のLBXを知り、その動きをプログラムしてLBXに組み込むことなんて・・・・・・!

 

「っ!ホント強いなキヨカは!!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

僕の賛辞にキヨカは無表情でCCMを動かす。

あぁ。ホント、嫌になる。

 

「気に入らない」

 

その言葉が口から出る。

こんなキヨカとの戦い、面白くもないし楽しくもない。

何より僕自身が気に入らないし、嫌になる。

 

「絶対に助ける!」

 

キヨカのニュクスの動きを予測してこちらもエレボスを動かす。

ルナの方は、アルテミスを巧みに動かし、アマゾネスとジョーカーを相手していた。

槍系の薙刀型の武装で盾は装備してないけど、刃先と石突き、持ち手やリーチを利用して1対2の状況でも立ち回っている。

しかも相手の動きを見切っている。

アルテミスその物の強さもあるだろうが、何よりルナの順応性が高い。

何時渡されたのか分からないけど、アルテミスを自分の手足のように動かす。

薙刀型の槍は、突くよりも斬るという方に適している。

もちろん、突くや打撃も出来るが、そもそも薙刀とは『薙ぎ切る』というのが特徴の武器だ。

ストライダーフレームは防御力が低いがその分、敏捷性が高い。

そのため、武装は軽めの槍や剣系の細剣(レイピア)、銃と言ったものが多い。

まぁ、中にキヨカやダイキさんといったストライダーフレームにハンマー系を装備している人もいるけど。

攻撃力もナイトフレームやブロウラーフレームと較べれば若干低い。

だが、それを補うのがプレイヤー自身の技量だ。

そしてルナも薙刀という武装を理解して戦っている。

 

「・・・・・・・・・・」

 

だから、こんなキヨカの戦い方や、キヨカの意志を愚弄するディテクターのやり方が許せない

すでに互いの双剣と鎌が幾度となくぶつかりあってる。

ぶつかりあい、今のキヨカの戦術が解ってきた。

 

「今度はこっちが・・・・・・!」

 

一気にエレボスの速度を上げ、ニュクスに肉薄する。

そのまま振り抜きざまに二閃。

一閃ではなく、『ノワール』と『ブラン』同時に振り抜いて二閃する。

けど、その二閃をニュクスは咄嗟に身をずらしてダメージを軽微にした。

ニュクスはそのまま近くにある西洋風の東屋、ガゼボの柱に向かって飛び、その勢いをそのままに柱に足を付けてエレボスへと勢いよく飛んできた。

 

「っく・・・・・!」

 

瞬時に受け止めるが、ニュクスはそのまま、まるで道化師(ピエロ)の曲芸の様に空中で一回転し、エレボスの背後に降り立つ。

降り立つや、そのまま足払いを仕掛けエレボスのバランスが崩れた所を斬りかかってくる。

けど、すぐに反応してバランスが悪い中『ブラン』でギリギリのところで受け止め、受け止めた勢いを利用してその場から距離を取る。

距離を取りつつ、『ノワール』を投擲よろしく投げ付け牽制をする。

投げ付けられた『ノワール』をニュクスは漆黒の鎌で弾き返す。

ダメージを与えることが目的だった訳では無いので、弾き飛ばされた『ノワール』を回収して体勢を立て直す。

立て直すや一気に攻勢に出る。

ぶつかり合い、飛び上がって空中での剣戟。

鎌の遠心力を利用した攻撃に翻弄されながらも、先読みをしてなんとか捌きカウンターを食らわしていく。

ズサーッ!と音を立てて後退して行くニュクスの前に、ルナの相手していたアマゾネスとジョーカーが合流し立ち塞がる。

 

「大丈夫レイ?」

 

「うん。そっちは?」

 

「大丈夫。でも、強い」

 

ルナも手こずっているようで苦虫を噛み潰したような顔を浮かべてる。

 

「さて・・・・・・どうしようかね・・・・・・」

 

時間も余りないし、これ以上長引かせる訳にはいかない。

まるで女王のように漆黒の鎌を振るうニュクス。

アマゾネスの武装はメアと同じく細剣(レイピア)。ジョーカーはニュクスと同じく(サイス)

正直この状況を打破するにはちょっとキツイ。

この後のことも考えるとアレは使いたくないし。

となると、残すはコレだけだ。

 

「・・・・・・ルナ、久しぶりにやろう」

 

「!了解・・・・・・やろっか」

 

僕の一言で解ったのか頷いて返すルナ。

双剣と薙刀を構え背中合わせになるエレボスのアルテミス。

 

「「・・・・・・・・・・っ!」」

 

一気にその場を蹴り、アルテミスと連携して攻めていく。

ニュクスとアマゾネス、ジョーカーの攻撃を互いに庇い合い、背中合わせで戦う。

ニュクスとアルテミス。エレボスとアマゾネス、ジョーカーとの場面になったりなるが、交互に攻める。

アマゾネスの細剣のジョーカーの鎌をそれぞれの剣で受け止め、そのまま跳ね上げアマゾネスを今まさにアルテミスへ、鎌を振り下ろそうとしていたニュクスにぶつけようとするが、ニュクスは咄嗟に振り下ろそうとした鎌を止め射程から下がる。

が、それは予測していた通りで。

 

「ルナ!」

 

「うん!」

 

体勢を崩したアマゾネスをアルテミスが薙刀で切りつけ、ジョーカーは一回転して跳ね上げた方とは反対の剣でエレボスが胴体を切り裂く。

今の一太刀で、アマゾネスはアルテミスに。ジョーカーはエレボスによってブレイクオーバーとなり、破壊された。

 

「これで残すはニュクスだけ!」

 

「一気に決めるよ!」

 

「うん!」

 

左右から挟み撃ちでニュクスに攻勢する。

薙いできた鎌を『ノワール』で受け止め、『ブラン』で跳ね上げ、胴体をがら空きにするが、ニュクスはその跳ね上げられた勢いを利用して、反対側から薙刀を振るうアルテミスへ鎌を振り下ろし、薙刀が当たる直前で受け止めた。

ガギンッ!と音が響き、鍔迫り合いが起こる。

薙刀を両手で握ったアルテミスは鍔迫り合いから滑らすように流し、ニュクスの勢いを崩し、崩れたその間を狙ってエレボスが『ノワール』でニュクスの胴体を強攻撃の突きで吹き飛ばした。

突き飛ばされたニュクスは蓄積したダメージがで動きが鈍くなり、小さなスパークを発して動きが止まる。

 

「今だ!」

 

「ええ!」

 

「「合体必殺ファンクション!!」」

 

動きが止まった瞬間を狙い、同時に必殺ファンクションを発動させる。

 

「「【アタックファンクション!!アストラム・ノクターン!!!】」」

 

それぞれ黒と白。蒼銀のライトエフェクトが武装を輝かせ、一気にニュクスに接近し、絶え間ない連携による連続攻撃を放つ。

夜の中輝く数多の星々の如く、一撃一撃が眩く輝く。

数多の攻撃の後、最後は夜を切り裂く彗星を彷彿とさせる一撃。

いや、二つの光条がニュクスを貫き、ニュクスの背後にそれぞれエレボスが『ノワール』を、アルテミスが薙刀貫いた姿勢で現れる。

貫かれたニュクスは爆発音を響かせながら、蒼白いエフェクトを発光させてその場に倒れる。

どうやら倒すことが出来たようだ。

 

「っ!キヨカ!!」

 

ニュクスがブレイクオーバーすると同時に、首元のチョーカーから小さなスパークが走り、ポウン!という音ともにチョーカーが外れる。

チョーカーが外れ、その場に倒れるキヨカをギリギリのところで受け止める。

すぐに僕らを閉じこめていたDエッグのエネルギー球が解かれ、飛行船の中に元にもどる。

 

「ルナ、司令コンピューターをお願い!」

 

「任せて!」

 

ルナに司令コンピューターの解除を頼み、腕の中で気絶しているキヨカを介抱する。

 

「―――ワクチンプログラム、インストール!!」

 

操縦席のコンピューターにアルテミスを置き、ルナがワクチンプログラムをインストールする。

しばらくして、艦内を照らすライトが赤から青になり、頭上の不気味なテールランプの赤から、正常化を知らせる青に変わった。

 

「正常化完了しました」

 

ルナがそうCCMに向かって告げると、CCMから他の所にいるみんなの声も聞こえてきた。

どうやら残り4つの司令コンピューターも正常化出来たようだ。

時間を見るとちょうど午後18時。

超ギリギリだった。

間に合って良かったという気持ち反面、危なかったという気持ちでいっぱいだ。

そんな気持ちの中、今戦ったニュクスやアマゾネス、ジョーカーについて考える。

特に、ニュクスなんかはキヨカ専用とチューニングされていた。

LBXをキヨカ自身に合わせるなんて、並大抵の技術者では不可能だ。

よく知ってなければならないほどだ。

それはアマゾネスとジョーカーにも言える。

メアとキヨカの初期のLBXについてはともかく、動きが2人にそっくりだった。

予めてそうプログラムされていたとしか思えない。

そして、この全ての条件に当てはまる技術者なんて、僕の知ってる中だとたった1人しかいない。

だが、理解出来ないし、色々疑問が出るし、これは僕の知っている中で、だけだ。

だが―――

 

「・・・・・・っ」

 

「っ、キヨカ。大丈夫?」

 

腕の中で気絶しているキヨカが少し身動ぎする。

脈は問題ない。

スレイブ化された影響で他の人と同じように気を失ってるのだろう。

一体何時からスレイブプレイヤーにされていたのか分からないが・・・・・・

 

「レイ、キヨカの様子は・・・・・・」

 

「・・・・・・気を失ってるだけだと思う。脈はあるし」

 

胸元が小さく上下しているから呼吸はしっかりしている。

 

「ょっ・・・・・・と」

 

何時までも床に横たわらせておく訳にもいかないため、キヨカをお姫様抱っこして、すぐ側の椅子に腰掛けてキヨカの頭を膝に乗せる。

 

「むーー・・・・・・」

 

「ルナ?」

 

「お姫様抱っこなんて私もされたことないのに・・・・・・」

 

「えぇぇっと・・・・・・」

 

何故かむくれて頬を膨らませて不満そうなルナ。

 

「ズルい・・・・・・」

 

「いや、そう言われても・・・・・・。何時までもキヨカを床に寝かせておく訳にはいかないし」

 

「分かってるよ」

 

ツーン、と不貞腐れるルナ。

いや、本気で怒ってる、とかってわけじゃ無さそうだけど。

 

「後で私にもしてくれるならイイよ」

 

「それくらいなら・・・・・・」

 

お姫様抱っこなんて大して苦にならないだろうし。

そう答えると、ルナは小さくガッツポーズを取った。

そのルナに苦笑していると、開いていた飛行船のハッチから真野さんが姿を見せた。

 

「よっ!お疲れさん」

 

「真野さん!」

 

「その娘はあたしらに任せな。郷田もエクリプスで保護してるしね」

 

「っ!そうか・・・・・・」

 

やはり郷田もいた。

ということは、ダイキさんとヤマネコもスレイブプレイヤーとなって待ち構えていたということだろう。

 

「伝言だ。バンとヒロはオーシャンミュージアムに先行している。俺たちもすぐに向かう、だってさ」

 

「オーシャンミュージアム?」

 

何故オーシャンミュージアムに先行してるのか、瞬時に理解出来た。

全ての司令コンピューターがこのオーシャンミュージアムの宣伝用飛行船に取り付けられていたことに疑問を覚え、ディテクターと何らかの関係があるのではないかと思い向かったのだろう。

確かに気になる。

まぁ、もしくは単に、広範囲に広げられる空の方が良かったからコレを司令コンピューターにしたということも否めないが。

 

「そんじゃ、あたしらも行くよ」

 

「ああ」

 

「はい」

 

子供の僕より大人の真野さんの方が力もあるため、キヨカの運びを真野さんに任せ、僕とルナは飛行船から降りてエクリプスに乗り込む。

中に入るとすでにアミ姉と八神さんがいた。

オーシャンミュージアムに向かう途中、アミ姉と八神さんから、スレイブプレイヤーとなったヤマネコと戦ったことを教えられ、兄さんとヒロは郷田。ジンとユウヤはダイキさん。ランとジェシカはオタシルバーが相手だったとのことだ。

ダックシャトルにはダイキさんとオタシルバーが、エクリプスには郷田とヤマネコがすでに保護されてるそうだ。

どうやら僕らが一番最後だったようだ。

その後、オーシャンミュージアムに着いた兄さんとヒロから、さらに古城アスカがスレイブプレイヤーにされていたと伝えられる。

まさかアスカまでスレイブプレイヤーにされているとは・・・・・・

オーシャンミュージアムに着いた僕らは、兄さんとヒロを追いかけるためオーシャンミュージアムの中へと入る。

中へは、僕、ルナ、ジン、ユウヤ、ラン、ジェシカ、アミ姉、八神さん、真野さん、そして矢壁さんが突入する。

中はアクアリウムで薄暗く照らされており、水槽の中の魚が優雅に泳いでいた。

人は一人もおらず、閑散としている。

ミュージアムの中には、魚の他に、船の模型や、天体の模型もある。

兄さんたちを探し、奥へと繋がる海底チューブを見つけ、海底チューブを通って奥へと走る。

奥へと向かうと、照明に照らされたルームを見つけた。

そこには、兄さんとヒロ、アスカの他にもう1人人影が見えた。

 

「バン!ヒロ!」

 

「!みんな」

 

「バンくん、アスカは?」

 

「大丈夫だ。心配ない。それよりも・・・・・・」

 

ジンの問いに答える兄さんは、そのまま左側を向いた。

連られて見ると、そこには1人男が立っていた。

首元にはスレイブプレイヤーの証たるチョーカーが。

その男を見て僕とアミ姉は、え!?と声を漏らす。

その男は髪を後ろに束ねて広げ、ヘアバンドで止めた髪型をしていた。

 

「カズ!」

 

「カズ兄!」

 

そこに居たのはディテクターに連れ去られたカズ兄だった。

 

「やはり、スレイブプレイヤーに!」

 

「いや、でもアスカを救ってくれたのはカズなんだ」

 

「え!?」

 

カズ兄に困惑する兄さんたちだが、僕はそれよりカズ兄の身体について驚いている。

だって―――

 

「なんかワイルドになってるぅ!!?」

 

僕の記憶していたカズ兄とは微塵も違うんだから!

 

「「「「「「「「そこぉ!!!?」」」」」」」」

 

今ここで言う!?とツッコミしてくる兄さんたち。

 

「いや!一番そこが気になるでしょ!!?何があったらこんな筋肉ムキムキのワイルドになるの!?ディテクターに連れ去られてから一体何があったのぉ!!!?」

 

うん。ホント一体何があったのかめちゃくちゃ気になる!!

困惑と、一体何があったらこうなるのかの疑問が飛び交う中、通路の奥からカツン、カツンという靴音が聞こえてきた。

 

「っ!誰かいる・・・・・・!」

 

「急に素に戻るの!?」

 

ランが再びツッコミしてくるがスルーする。

通路の奥の方を凝視し、暗い通路を視る。

カツン、カツン、と靴音を立てて誰かが通路の奥からこっちにやって来た。

やがてルームの照明の元に姿を現したその者は、黒い全身ローブに不気味な仮面を付けた人だった。

それは―――

 

「ディテクター!」

 

世界に対してブレインジャックというLBXによるテロを仕掛けてるディテクター張本人だった。

兄さんの声と、ディテクターの姿を見た僕は眼を鋭くし、拳を握り締め。

 

「ディテクター!!!!」

 

一気にその場を蹴りディテクターをぶん殴ろうと距離を詰めた。

拳が当たろうとしたその瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――私だ。バン。レイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

と、とても聞き慣れた声が聞こえてきた。

その声に目を見開き、拳が当たる直前に止め、後ろにバックステップで下がる。

 

「兄さん、今の声って・・・・・・!」

 

「あ、ああ。そんな・・・・・・まさか・・・・・・」

 

下がって、兄さんに確認を取る。

兄さんもどうやら僕と同じのようで、信じられないと顔に浮かべる。

そんな僕らに、ディテクターは仮面を外し素顔を露わにした。

仮面を外し、フードを脱いで現れたディテクターの顔。それは―――

 

「っ!?」

 

「と、父・・・・・・さん・・・・・・!?」

 

 

僕と兄さんの父、山野淳一郎だった。

 

 

 

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