ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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第三小隊救出任務

 

〜レイside〜

 

なんか色々あった翌日。

 

「―――イ・・・・・・きて・・・・・・レ」

 

「ん・・・・・・」

 

何かに起こされ、眠気眼を擦り目を開ける。

 

「おはよう、レイ」

 

目を開けると目の前にルナの顔があった。

どうやらルナが起こしてくれたらしい。

 

「んんー・・・・・・。おはようルナ」

 

「もう朝食だよ。早く着替えて行こ?」

 

「あぁ、ごめん。すぐ着替えるよ」

 

ベッドから降り制服の準備をする。

部屋から出て顔を洗い、歯を磨く。サッパリと、眠気が覚め部屋へ戻り着替えようと、寝巻きに手を掛け―――

 

「あの、ルナ?」

 

「んー?」

 

何故かまだ部屋にいるルナに問い掛ける。

 

「いや、あの・・・・・・部屋から出てくれると助かるんだけど・・・・・・?」

 

「私は気にしないよ?」

 

「いや、僕が気にするから」

 

「えー、今更だよ?」

 

「そういう問題じゃないからね?」

 

ルナを半ば強制的に部屋から出して、部屋の鍵をかけて素早く着替える。身嗜みを整え。

 

「お待たせ」

 

部屋の外にいるルナに声を掛ける。

 

「うん。行こっ」

 

ルナと一緒に食堂へ向かい、席を取ってくれていたフランとメアと合流する。二人とも僕とルナの分も用意してくれていた。

 

「おはよう、レイ。遅かったわね」

 

「おはようフラン。ちょっと、昨日の夜立て込んじゃっててね」

 

「ふふっ。お寝坊なレーくん久しぶりだね」

 

「メアには言われたくないなぁ」

 

「むっ。私そんなに寝坊助じゃないよ〜」

 

いつものやり取りにいつもの風景。朝のやり取りに静かに周りに迷惑にならないよう笑って朝食を食べる。

 

「うん。トメさんの料理は美味しいね」

 

この寮の食事。朝食と夕食は全てトメさんの手作りだ。トメさんの料理は暖かく、朝の始まりや今日の終わりを感じさせる。

そう思いながら朝食を済ませ、学校へ向かう。

学校へ向かう最中、たわいも無い話をしているとCCMにジンさんからメッセージが入る。

内容を見たフランはメッセージを見ながら。

 

「―――全員招集、ね」

 

「レーくん、なにか知ってる?」

 

「まあね。詳しくはウォータイム前にね」

 

あまり人がいないとはいえ、ここで僕がゼロだというのは広めるわけにはいかない。

それから学校に行き、カゲトラたちからメッセージについて聞かれるが、それはウォータイムに話すといい―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウォータイム前 ハーネスブリーフィングルーム 

 

 

ウォータイム前のブリーフィングルームに、二年三組ハーネスの全員が揃っていた。

僕は司令官の席に立ち、すぐ近くに日暮先生がいる。そしてスクリーンには遊技場からの映像でジンさんが映っている。

 

「レイ、ジンさん。ハーネス、全員揃いました」

 

カゲトラの声に僕はジンさんに目を向ける。

 

『レイ、みんなに説明を』

 

「ええ。みんな、緊急事態が発生した。第三小隊が偵察任務中にアラビスタの罠にハマり、身動きが取れない状況になっている」

 

「「「「「っ!!?」」」」」

 

「オトヒメ、状況の説明を」

 

「・・・・・・・・・・はい。私たち第三小隊は大陸南西端の『グラシアレスシティ』を偵察中、アラビスタ同盟軍のスナイパー部隊に取り囲まれ三日間動けない状態にあります・・・・・・」

 

「三日間!?そんなに!?」

 

「・・・・・・ええ、情けない話ですが。現在の第三小隊の状態では単独でこの状況を打破するのは不可能です」

 

「ハハッ!情けねぇなぁ。オトヒメ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

オトヒメに笑いながら言うギンジ。

 

「ギンジ。もし君がオトヒメと同じ場合、そうやって笑えるか?」

 

睨みを利かせてオトヒメを庇う。

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「言えないよね?寧ろ、君ならすぐに前に出そうだ。けど、オトヒメは耐えてる。この違いが分かる?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「レイ・・・・・・」

 

ギンジを窘め、オトヒメたちを庇う。これは誰が悪い訳では無い。偶然が重なってなってしまっただけだ。

 

『残念ながら、事態は思ったより深刻のようだ。諜報班、報告を頼む』

 

「はい。我々第四小隊が調べたか結果、第三小隊を狙っているスナイパー部隊を指揮しているのは『白牙ムサシ』率いる【ホワイトフォックス】と判明しました」

 

「なんだって!?」

 

シスイの報告にカゲトラが声を上げる。

それも当然だ。何せ白牙ムサシはアラビスタのエースプレイヤーにして神威大門でもスナイパーの腕は高いのだから。

 

「白牙ムサシ。アラビスタ同盟のエースプレイヤー。現状の神威大門統合学園の中でもスナイパーとしての腕前は三本の指に並ぶ程、と称されている」

 

「あいつの一番の恐ろしいところは忍耐力と集中力だ。持久戦に持ち込まれている時点でかなり分が悪い」

 

スナイパーは一度その場に決めたら獲物を仕留めるまで何時間何日と居続ける。そして、白牙ムサシはその忍耐力と集中力が高い。

 

「それは、相手が悪すぎや・・・・・・。レイ、ジンはんどないしますん?」

 

『アラビスタの司令官、キース・ジョーダンはこの状態を決して見逃しはしない』

 

「ええ。僕らが第三小隊の救出に全戦力を投入すれば、手薄になった本拠地を狙ってくるのは確実だ」

 

「ジン様!!レイ!!やはり、ここは私たちだけで・・・・・・」

 

「却下だ!!オトヒメ、これは命令だ。第三小隊は現状を維持!」

 

「で、ですが・・・・・・!」

 

『相手がホワイトフォックスとわかった以上ロストの危険性が高い。現状を維持するんだ』

 

「・・・・・・分かりました」

 

渋々といった感じでオトヒメは返す。

ジンさんに目配せをし。

 

『諸君に今作戦を伝える。第二小隊はアラビスタの襲撃に備えハーネス本拠地の護衛任務を』

 

「任せろ!」

 

『第四小隊は引き続き諜報活動を続けてくれ』

 

「了解しました」

 

『第一小隊は第三小隊救出のため、グラシアレスシティに急行』

 

「はい!」

 

次々と作戦指示を出す。

 

「そして僕ら第五小隊は、フランとルナはニーズシティの防衛。この気に乗じてアラビスタがニーズシティを奪還してくる可能性もある」

 

「分かったわ」

 

「うん!任せて」

 

「フランちゃんとルナちゃんはニーズシティってことはレーくんはどうするの?」

 

メアの質問に全員の視線が僕に集まる。

 

「僕は、単機でグラシアレスシティに向かい、第三小隊を救出する」

 

「「「なっ!?」」」

 

「レイ!それは・・・・・・!」

 

「第一小隊は僕の指揮下に入ってもらうよ」

 

オトヒメの戸惑いを制し、カゲトラたちに言う。

 

「分かった」

 

「おっしゃ!レイがリーダーや!」

 

「スズネ、事態を深刻に受け止めてね」

 

カゲトラたちの返事を聞き。

 

「第一小隊は僕とは別行動でグラシアレスシティのフラッグを目指してもらう。タケル、第一小隊投下は僕が敵の戦力を減らした後だ」

 

「分かった」

 

タケルにグラシアレスシティの全体図を見せて印をつけた所を指しながら指示をする。

 

「ある程度は殲滅するけど、残存勢力は任せる」

 

「了解した」

 

「ま、待ってくださいましレイ!!」

 

「なにオトヒメ?」

 

「それではレイの負担が大きいですわ!もし万が一レイに何かあったら・・・・・・!」

 

オトヒメの視線の先にはフラン、ルナ、メアがいる。それを見て苦笑を浮かべ。

 

「メア、僕の武装。アレは出来てる?」

 

メアに訊ねる。

 

「もちろん出来てるよ〜!」

 

メアの持ってるアタッシュケースを受け取り、ケースを開く。

中にはひとつの武装。僕の使ってるMGS(マルチギミックサック)が入っていた。

 

「要望通り、形態を一つ追加しておいたよ。けど・・・・・・、アレはかなりクセが強いから難しいと思うけど・・・・・・大丈夫?」

 

「大丈夫だと思うよ。それに、メアの創った武装なら安心できる。メアの気持ちが分かるから」

 

父さんが創ってくれた武器もだが、やっぱり僕はメアの創ってくれた武器の方が手に馴染む。扱いやすいし、僕の癖や動きを知っているためメアの気持ちが伝わってくる。

 

「そ、そういうことみんなの前で言わないでよ・・・・・・/////」

 

「?」

 

はて、なにか今変なこと言ったかな?

首を傾げる僕に赤面するメア。

 

「あー、また無自覚の桃色空間が始まったわ」

 

「レイは無自覚にやるからなぁ・・・・・・」

 

「もう慣れたけど、未だに甘いね」

 

「スワローで頼む俺様特製のココアより甘い気がするぜ?」

 

「あらあら。うふふふ」

 

「こういう時は見ないのが一番ですね」

 

「コーヒーが飲みたい気分でぇース」

 

「さっきまでの緊張感は一体どこに・・・・・・」

 

「今更だよね」

 

「うんうん。でも、あれでまだ付き合ってないんだもんね」

 

「付き合ったら付き合ったらで大変そうですね」

 

「やれやれ」

 

「・・・・・・甘い」

 

「なんか居づらいぜ」

 

「うふふふ」

 

「はぁー」

 

「レイの無自覚タラシ」

 

なんかクラスメイト全員からきたんだけど・・・・・・。

空気を変えるため咳ばらいをして。

 

「というわけで、オトヒメ。第三小隊の救出は僕がやる。第一小隊はさっき言った通りフラッグの占領を」

 

「・・・・・・わかりましたわ」

 

「了解」

 

「ジンさん。ジンさんから何かありますか?」

 

『いや、特にない』

 

「わかりました。それでは全員、準備に入れ!作戦を開始する!」

 

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

号令の元、みんなはコントロールポッドルームへと向かう。

 

「ジンさん、あとの指揮は任せます」

 

『ああ』

 

「頼むぞレイ。オトヒメたちを救ってあげてくれ」

 

「分かってますよ、日暮先生」

 

二人からの声を受け、僕も準備をしてコントロールポッドルームへ行き、コントロールポッドに乗り込む。

コントロールポッドに乗り込み、LBXをセット。バイザーを着ける。

 

「メア、僕はライディングソーサで行く」

 

『分かったよ。気をつけてね』

 

「ああ!」

 

メアと軽くやり取りをし、フランとルナから心配の声が来たが大丈夫と返し。

 

 

 

《セカンドワールド、稼働チェック完了。ウォータイム開始まで―――5・4・3・2・1・・・・・・ウォータイム開始》

 

 

 

ウォータイムが開始された。

 

「―――行くよ!」

 

ウォータイムが開始されると、ハーネスの基地からライディングソーサに乗ってグラシアレスシティに向かう。

途中で第一小隊の乗ったクラフトキャリアと合流し数刻後。

 

『グラシアレスシティを目視にて確認』

 

「カゲトラ、スズネ。無茶はするなよ」

 

『ああ。分かってる!』

 

『そっちこそ、無茶せんでな!』

 

「ああ。タケルは二人のバックアップだ」

 

『了解!』

 

第一小隊と別れ。

 

「ふぅー。・・・・・・さぁ、ゼロから始めて、ゼロで終わらせようか!―――任務開始!!」

 

ライディングソーサから飛び降り、グラシアレスシティに降下する。

降下し着地すると同時に武装を構える。

グラシアレスシティに降り立ちオトヒメ達との直通回線を開く。

 

「オトヒメ、無事!?」

 

『レイ!・・・・・・くっ!!ギリギリアウトになりそうな雰囲気ですわ』

 

『レイごめん!このままじゃヤバい!』

 

「分かった!すぐに行く。もう少しだけ待っていてくれ」

 

チャンネルを閉じると。

 

「アラビスタからの回線?まさか・・・・・・!」

 

アラビスタからの回線を開くと目の前に空間ウインドウが開き、そこに一人の少年の姿が映った。

 

『久しぶりだな、レイ。まさか君が来るとは思わなかった』

 

「ああ。久しぶりだね、ムサシ・・・・・・」

 

アラビスタにいる知人にして、今回最大の障害であるアラビスタのエースプレイヤー。白牙ムサシからの通信だ。

 

『こいつらの救援に来たのだろうが、そんなに上手くいくかな?ホワイトフォックスは狙った獲物は逃さない。今回は、俺たちが勝たせてもらうぞレイ』

 

そう言うと通信が切れ。

 

「ったく。相変わらずの武人だねムサシ。それじゃあ、勝負と行こうか!!」

 

言い終えると同時にLBXコスモスオリジンを動かし、周囲にいるアラビスタのLBX。ジラントやヴェルネルをブレイクオーバーさせる。

 

「ふっ!」

 

背後から仕掛けてきたジラントをターンして躱してカウンターを仕掛ける。

一体、二体とブレイクオーバーさせ、オトヒメたちの元へと向かう。

 

「―――っ!!」

 

その途中、第六感とでも言うべきか勘が働き、その場から離れる。離れたと同時に、今までいた場所に弾丸が刺さる。

 

「狙撃か」

 

目を閉じ意識を拡張。

 

「それじゃあ・・・・・・本気で行くよ」

 

深呼吸をして、武装の形態を新しい形態。銃剣(ガンソード)に換装する。左に《ルミナスブラスタ》。右に《ルミナスソード》を持つ。これが新しい形態、《マルチルミナス》。今までにない装備だ。

隠れていた建物から飛び出し、近くにいたヴェルネルをブレイクオーバーさせる。その奥にいたジラントを《ルミナスブラスタ》でブレイクオーバーさせ。

 

「はぁっ!」

 

左手の銃。右手の剣を巧みに扱い殲滅していく。

 

「数は多いな」

 

すでに8機ほど倒してるが、奥に行くにつれ多い。

こうしてる間にも、オトヒメたちは精神に負荷が掛かってる。何時までも持たせられるはずがない。

 

「仕方ない・・・・・・やるか」

 

一瞬、目を閉じすぐに開く。

 

「っ!」

 

そして瞬く間に付近にいた4体のLBXをブレイクオーバーさせる。

そして五分もかからない内にオトヒメたちの追い込まれてる都市中央部の近くに行き。

 

『きゃぁぁああ!!』

 

シェリーの悲鳴が通信越しに聞こえてきた。

 

『シェリー!!くっ、よくも!!』

 

視界にオトヒメがシェリーを庇うように前に出て、装備していたライフルを構えた。

けどそれは悪策だ!

 

「だ、ダメだ!!出るな!引け!オトヒメ!!」

 

これはムサシにとって絶好な射撃ポイントだ。オトヒメたちを見る限り、もう長くは持てない。恐らく、ブレイクオーバーしないように間接的に攻撃をしていたのだろう。

プライドの高いオトヒメにしてはこれは精神的に参ってる。もしスズネやギンジだったら我慢できずに前に出ていただろう。

けど、それを今の今までせずにいたオトヒメがシェリーが攻撃を受け前に出た。それはオトヒメの美徳でもある。しかし今の状況ではその美徳も相手にとっては絶好のチャンスだ。

 

『っ!しまっ・・・・・・!!』

 

そこでようやく悪策したと気づいたオトヒメはすぐに戻ろうとする。しかしそれを遮るようにひとつの弾丸がオトヒメに迫った。

 

「させるかっ!―――必殺ファンクション!【アタックファンクション!ソードビット!!】

 

オトヒメが前に出たと同時に予測していた僕はすぐさま特殊必殺ファンクション、ソードビットを発動させる。

メアに予めこういうことも予測していたためカスタマイズしてもらっていたのだ。

放たれたソードビットは必殺の弾丸を貫き、周囲にいた敵を倒した。

 

『っ!』

 

「さがれ!オトヒメ!!」

 

ソードビットによってオトヒメへと迫った必殺の弾丸は防がれ、その間にオトヒメたちの前へと移動。盾になるように庇う。

それと同時に。

 

『こちら第一小隊。レイ、拠点占領を開始する!』

 

カゲトラから通信が来た。

 

「OKー、カゲトラ!オトヒメ、シェリー、スイ!三人の被害状況は!?」

 

『私はなんとか動けますわ。けど・・・・・・』

 

『レイごめん。私は駆動部をやられて動けないよ』

 

『僕は損害こそ多いですが動けない程ではありません』

 

三人からの被害状況を聞き瞬時に判断を下す。

 

「三人とも、エスケープスタンスを使え!ただちに離脱!」

 

『ですが、それではレイが!!』

 

指示にスイが反論する。

 

「このままだとシェリーはロストする。五秒なら問題ない!早く!」

 

『くっ・・・・・・!わかりましたわ。シェリー!スイ!』

 

『わ、わかりました』

 

『うん・・・・・・』

 

『『『エスケープスタンス!!』』』

 

三人のエスケープスタンスが発動され、五秒のカウントダウンが始まる。

双剣に変えてオトヒメたちを護る。

しかし、またしても凶弾がオトヒメたちを襲うが。

 

「させないよ!必殺ファンクション!【ディフェンスファンクション!スピニングシールド!!】

 

片方の剣を前に突きだし風車のごとく高速回転させて防ぐ。

その間に五秒間のカウントが過ぎ。

 

『『『エスケープ完了!!』』』

 

第三小隊全員のエスケープスタンスが完了した。

 

「よし。いくよ!」

 

エスケープが完了し、ロストされる心配が無くなり僕はその場から駆け、ムサシの元へと向かう。

途中障害の敵LBXを倒しつつ向かい。

 

「やぁ、ムサシ」

 

少ししてムサシに回線を開いて話す。

ムサシのいる場所はさっきの射撃による射線から判断した。

 

『くっ!さすがだなレイ。いや、―――黒衣の剣士!』

 

「キミこそ。ホワイトフォックスの異名は伊達じゃない。射撃が正確無比。あと少しで彼女たちがロストする所だったからね」

 

『ふっ。だがまさかあの一撃を防がれるとは思わなかった』

 

「僕がなんの考えもなしに来るわけないでしょ?特に、神威大門の中でも三本の指に入るスナイパーたるキミを相手に」

 

『ハハッ!なるほどな!今回も俺たちの敗けか。久しぶりに君と戦えられて嬉しかった。―――全軍に通達!撤退する!』

 

潔いムサシからの撤退指示に次々とアラビスタのLBXがその場から離脱して行く。

 

「ふぅ」

 

息を吐いたと同時に。

 

 

 

《拠点制圧完了。グラシアレスシティの所有権はアラビスタ同盟よりハーネスに移ります。戦闘を直ちに終了し、アラビスタ同盟の登録機体はグラシアレスシティの敷地内より退去してください》

 

 

 

カゲトラたちによるグラシアレスシティ拠点制圧が完了したアナウンスとウォータイム終了のシステムアナウンスが流れた。

 

「はぁ・・・・・・疲れた」

 

久しぶりの全力に疲れが出た。

コントロールポッドが開き外に出る。

外に出ると立ちくらみに似た感覚と頭痛が来た。

 

「っ・・・・・・う・・・・・・久しぶりに使ったからかな」

 

最後に使ったのはニーズシティでのヒドラ戦の時だと思う。

少しして治まり。

 

「れ、レイ」

 

「オトヒメ・・・・・・スイとシェリーも。三人とも無事で何よりだ

よ」

 

コントロールポッドから降りたオトヒメたちが辛辣な趣で来た。

 

「その・・・・・・すみませんでしたわ。私たちのせいで・・・・・・」

 

「いや、大丈夫だよ。それより、よく持ってくれたね」

 

オトヒメに激励の返しをし。

 

「レイ、大丈夫?」

 

「フラン・・・・・・ああ、大丈夫」

 

フランたちと合流し、ブリーフィングルームに向かった。

 

『諸君、任務ご苦労だった。第三小隊は無事に救出出来た』

 

「他の拠点も無事防衛出来た。これもみんなの力があったからだ」

 

『本日は以上だ。ゆっくり休んでくれ』

 

ジンさんの号令にみんな部屋を出ていく。

その後、ウォータイムの事後処理などをしていると。

 

『レイ』

 

「ジンさん?」

 

『使ったようだなアレを』

 

「ええ。ほんの短時間だけですけど」

 

『調子はどうだ?』

 

「大丈夫だよ。ポッドから出た時軽く立ちくらみがしただけ」

 

『そうか』

 

「それじゃあ、僕らは先に」

 

『ああ』

 

ジンさんに挨拶して僕はブリーフィングルームから出て、下校準備をする。

下校準備をし、昇降口から出ると。

 

「あれは・・・・・・アラタたちとムラク?」

 

接点のないムラクとアラタたちに不思議に思いながら向かうと。

 

「―――俺の機体に傷をつけられたのはお前が二人目だ」

 

ムラクからそんな言葉が出た。

 

「っ!?ムラクに傷を負わせた・・・・・・!?まさかアラタが!?」

 

まさかの事に思わず驚きを漏らした。

 

「レイ、どうかしたの?」

 

後ろから来たフランたちが聞いてくる。

 

「いや、ムラクがダメージを負ったって・・・・・・」

 

「へぇ・・・・・・え!?誰に!?」

 

フランたちもムラクの強さは知っているため驚いている。

ちなみにフランとルナはムラクと直接セカンドワールド内では戦ったことない。

 

「まさか瀬名アラタ?」

 

「みたい」

 

驚きを隠せずにいると。

 

「レイか」

 

「ムラク」

 

ムラクが僕らに気づいて声をかけてきた。

 

「まさか、ムラクがダメージを負うなんてね」

 

「ああ。お前以来だな」

 

ムラクと話していると。

 

「ちょっ、ちょっと待て!まさか、バイオレットデビルを唯一ブレイクオーバーさせたプレイヤーって・・・・・・!!」

 

ハルキが驚愕の眼差しで見てくる。

 

「さあね」

 

不敵な笑みを浮かべて返す。

 

「戦場であったらその時は容赦しないよムラク」

 

「当然だ。お前相手に余裕でいられるわけないからな」

 

「それは僕もだよ」

 

拳を軽く合わせ僕とムラクは言う。

 

「行こっか」

 

「ええ」

 

「うん」

 

「そうね」

 

驚きに何も言えずにいるジェノック勢を通り越して、僕らはダック荘へと帰った。

 

 

 

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