ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

110 / 120
回想 W―ディテクター編 ⅩLⅠ ディテクター

 

〜レイside〜

 

オーストラリアで発生したブレインジャックによる、さらなる被害を阻止し、スレイブプレイヤーとなっていたキヨカ、郷田、ダイキさん、ヤマネコ、オタシルバーを解放した僕らは、司令コンピューターとなっていた宣伝用飛行船のオーシャンミュージアムへと来た。

先行していた兄さんたちと合流し、さらにスレイブプレイヤーにされていたアスカを解放。

そこには、トキオシアで連れ去られたはずのカズ兄が。

兄さん曰く、カズ兄がアスカを解放したとの事だが、僕はカズ兄のめちゃくちゃ変わった身体付きにビックリ仰天した。

驚いているところに、通路の奥から1人男が。

その男は仮面を付け全身ローブを身に付けたディテクターだった。

そして―――

 

 

 

 

「―――私だ。バン。レイ」

 

 

 

 

 

仮面を外し、フードを脱いだディテクターは僕と兄さんの父さん、山野淳一郎だった。

 

「っ!?」

 

「と、父・・・・・・さん・・・・・・!?」

 

ディテクターの正体が父さん。

その突然な、衝撃の告白に全員が驚愕する。

驚愕するのと同時に、やっぱり、という気持ちもある。

何せあそこまで高度な技術者なんて、LBXの産みの親たる父さんしか有り得ない事だから。

 

「と、父さん・・・・・・?!どういうこと・・・・・・!?」

 

兄さんの困惑しながらの問いに答えたのは父さんではなく。

 

「ディテクターの正体は、お前たちの親父さん。山野淳一郎博士だってことだ」

 

チョーカーを自分で外したカズ兄だった。

ど、どういうこと!?

カズ兄はスレイブプレイヤーだったんじゃ・・・・・・

 

「カズ、スレイブプレイヤーにされていたんじゃ・・・・・・?」

 

アミ姉も僕と同じ思いだったようでカズ兄に訊ねる。

 

「一度はな」

 

「一度は?」

 

「ああ。アクシデントでチョーカーが外れスレイブ状態が解けた。その時、博士がやろうとしている事を知ったんだ」

 

「なるほどね」

 

スレイブが解けたからこうして動けてるわけだ。

カズ兄の言葉に理解すると父さんが。

 

「アミやカズ。それに、他のスレイブ化したプレイヤーたちも、本当の事を話せば協力者になってもらえたのかもしれない。だが、それでは彼らをテロの協力者にしてしまう。もちろん、人をスレイブ化するなど決して許される事ではない。それはよく分かってる。・・・・・・すまなかった」

 

目を閉じて謝罪する父さん。

心から謝罪している事が伝わり何も言えない僕ら。

その父さんに。

 

「・・・・・・父さん、一体何をしようとしているの」

 

と訊ねた。

 

「ある組織が企てている、世界征服の阻止だ。阻止出来なければ、全面戦争に突入してしまうだろう」

 

「博士、その組織というのはまさか・・・・・・!」

 

「そうだ。LBX管理機構オメガダイン」

 

八神さんの言葉を肯定するように、黒幕を告げる父さん。

 

「オメガダイン・・・・・・」

 

父さんの告げた黒幕にギッ!と歯を強く噛む。

やはりオメガダインが元凶かと。

 

「ん?」

 

そこで、僕は誰かに観られているような気配を感じた。

何処から観られているのか探ってる中。

 

「これは真実だ。何としても阻止しなければならない」

 

「でも世界征服って、そんなことどうやって・・・・・・」

 

「【パラダイス】を使うつもりだ」

 

「パラダイス?」

 

「まさかそれって!これまでにブレインジャックを起こした司令コンピューターと関係のある通信衛星ですか!」

 

「そうだ。その事を君たちに知らせるため、パラダイスと関係のあるコンピューターをブレインジャックに使い、LBXの暴走を起こしてきた」

 

探しながら聞き、ようやく理解した。

何故パラダイス関連のコンピューターばかりを司令コンピューターにしたのか。

だが―――

 

「しかし博士。パラダイスは通信衛星です。世界征服など・・・・・・」

 

そう。

パラダイスは通信衛星のはずだ。

通信衛星で世界征服など、電波ジャックでもするつもり?

そう思ってると父さんが。

 

「パラダイスは単なる通信衛星ではない。宇宙軍事基地だ」

 

と告げた。

 

「宇宙軍事基地!?」

 

まさかの宇宙軍事基地とは・・・・・・

父さんの告白にまたしても驚愕する。

 

「近々――」

 

「待って」

 

話を続けようとする父さんを遮り、待ったをかける。

 

「レイ?」

 

「どうした?」

 

兄さんたちが怪訝そうに見る中、僕は左側の天井近くにキランと映るレンズを見つけた。

 

「観られてる」

 

「なに!?」

 

あちこち探す兄さんたちを他所に、CCMを操作して[エレボス]を起動させ、武装を双剣から双銃に切り替えてレンズに向かって放つ。

放たれた弾丸は一直線に隠れたレンズに飛び、レンズを破壊した。

パキンっ!という音とともに、レンズの破片が落ちてくる。

落ちたレンズの破片に八神さんが近づき。

 

「オメガダインか・・・・・・」

 

と呟く。

 

「多分ね。父さんの話から推測するに、このオーシャンミュージアムはオメガダインの隠れ蓑の1つなんだろうね」

 

「ということはまだ・・・・・・」

 

「恐らく」

 

「拓也、聞いてたな」

 

 

『ああ。今オタクロスがミュージアムにハッキングを仕掛けている』

 

 

八神さんの言葉にダックシャトルにいる拓也さんが答える。

オタクロスも動いているようだし、すぐにこのミュージアム全体の監視カメラなどを押さえられるだろうね。

 

「それにしても、よく気づきたな。この薄暗いところで」

 

「何となく、誰かに観られている気配を感じたからね」

 

「直感、というものか・・・・・・」

 

感嘆する八神さんに苦笑する。

なんて言うか、最近視線に敏感なんだよね。

いや、視線どころか五感全てが鋭敏になってる気がする。

 

「もしかしたらまだあるかもだけど、話を続ける?」

 

「ああ」

 

僕の鋭い視線に父さんは少しびくつきながら答え、さっきの話の続きをする。

 

「話を戻そう。近々、キャンベルン郊外にある宇宙基地からパラダイスへ向けて、新型通信ユニットが打ち上げられることになってる。だが、それは通信ユニットなどではない。超メガトン級ミサイル【セト50】という兵器だ」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

超メガトン級ミサイル!?

それがキャンベルン郊外の宇宙基地から・・・・・・

父さんのもう何度目かもしれない告白にビックリ仰天する。

 

「だから私は、このキャンベルンでブレインジャックを起こした。街を混乱させることによって搬入ルート上の交差点を封鎖し、セト50をパラダイスへ運ばせないようにするために」

 

「だからキャンベルン主要の交差点を重点的にしたのか」

 

「そうだ」

 

ようやく謎が解けた。

何故キャンベルンの交差点に飛行船が滞空し、あそこまで被害があったのか。

全ては超メガトン級ミサイル、セト50を宇宙基地に運ばせないため。

ミサイルということは、輸送トレーラーはかなりの大きさとなる。

そして、そんな大きさのトレーラーが通れる道は限られている。

主に幹線道路などの大きな道だ。

僕も含め、全員が理解しているとカズ兄が。

 

「みんな分かってくれ。山野博士はたった一人で、オメガダインと戦っていたんだ」

 

と、父さんを擁護する。

たった一人でオメガダインと戦っていた・・・・・・ね。

確かに父さんの行動も理解出来るし、判る。

判る・・・・・・・・・・けど・・・・・・・・・・!!

 

「でも!でも、何故LBXを使ったの?!パラダイスの事を知らせるため・・・・・・ミサイルの搬入を止めるためならLBXを使う必要は無いよ・・・・・・なのになんでLBXを!!!」

 

「LBXだけじゃない!キャンベルンの街をこんなにする必要はあるの!?父さんなら他のやり方で幾らでも阻止出来たでしょ!?」

 

兄さんと僕は声を荒らげて父さんに問う。

父さんならLBXを使わなくとも、ハッキングなどで幾らでも阻止出来たはずだ。

それに関係各所にこの事を知らせる事も出来たはず。

僕と兄さんの問いに父さんは。

 

「オメガダインは、あまりに大きく強大だ。それしか方法がなかった」

 

と告げた。

 

「そのために、LBXが人々から忌み嫌われ、世の中から根絶されることになっても仕方がないと。いや・・・・・・むしろその方が良いのかもしれない。そもそも、私が生み出したLBXなどというテクノロジーがなければオメガダインも存在することは無かったのだから」

 

父さんの言葉に芯が冷たくなる。

は?

LBXが無くなればいい・・・・・・?

 

「なんだよそれ!無くなった方が良いだなんて、そんなことない!LBXは沢山の人に夢を与えてきた。LBXはみんなの夢なんだ!!」

 

「僕もそう思います!LBXって素晴らしいです。だって・・・・・・僕の人生を変えてくれたんですから!僕、LBXに出会えて本当によかったと思ってます!」

 

兄さんとヒロの言葉に父さんはたじろぐ。

僕は何も言わずに黙る。

 

「父さん。俺はもう一度、LBXをこの世界に取り戻す。そのためなら、どんな戦いだってやり抜くよ!」

 

「僕もです!!」

 

「君たちはこんな事になっても、LBXの未来を信じるというのか・・・・・・」

 

兄さんたちを見渡す父さん。

 

「バン・・・・・・」

 

兄さんの名前を言う父さんに僕は。

 

「・・・・・・フンっ!」

 

「・・・・・・ゥぐ!」

 

「レイ!?」

 

「「「「「「「!?」」」」」」

 

手加減無しの一撃を込めた右拳を、父さんに叩き込んだ。

くの字に小さく曲がる父さんを冷ややかに見る僕に兄さんが困惑しながら呼ぶ。

兄さんを無視して、僕は父さんに近づき。

 

「今のは、全てのLBXを蔑ろにした分」

 

と告げた。

さらに、今度は左拳でもう一発!

 

「っ・・・・・・」

 

「これは、スレイブプレイヤーにされたアミ姉たちの分」

 

そしてまた右拳で!

 

「ぐ・・・・・・」

 

「これは、街を破壊されて、被害にあった国や人たちの分」

 

再び左拳で!

 

「ぅ・・・・・・」

 

「これは、LBXを愛する、全てのLBXプレイヤー分」

 

最後にもう一度右拳で!

 

「ぐっ・・・・・・」

 

「そして、僕と兄さんの分!!」

 

捻り込むように撃ち、父さんに冷ややかに告げる。

 

「レイ、落ち着けって!暴力は良くないよ!」

 

「何言ってるの兄さん。僕は落ち着いてるよ。それに予め言ったじゃん。絶対にぶん殴るって。ああ、ぶん殴るじゃなくて、ぶっ飛ばすに変えたんだっけ?」

 

「いや、どっちも同じじゃ・・・・・・」

 

戸惑いながら言ってくる兄さんにそう言い返し、父さんに向き直る。

 

「どうせ、飛行船での戦い見てたんでしょ?なら、聞いてたよね。―――絶対にぶっ飛ばすって」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「言っとくけど、これでもかなり手加減してるからね?もしこれで、知らない赤の他人だったら問答無用の、手加減無しの全力でぶっ飛ばすけど、父さんだから少しは手加減しているんだからね?」

 

そう。

手加減無し、と言ってはいるが父さんだから少しは手加減した。

もしこれが父さんじゃなかったら手加減なんかしない。

 

「何か言い分はある?」

 

「・・・・・・いや。無い。すべて承知の上だ」

 

「そう。なら、ダックシャトルに戻ったらO★HA★NA★SHI★するから。覚悟しといて」

 

「ああ」

 

本当ならここで、今すぐやりたいが仕方ないので我慢するが、戻ったら本気でやることを心に決めた。

そこに。

 

「あ、あのー、どうでも良いんだけどさ」

 

アスカが、オドオドと僕を見ながら聞いてきた。

 

「なにアスカ」

 

「いや、なんでオレがスレイブプレイヤーにされなきゃならなかった訳?初めから倒すなら意味無いじゃん」

 

「ああ、そう言えばそうだね」

 

「酷くね!?」

 

アスカに対して素っ気なく答えると、アスカが批難してくるが無視。

そんなアスカの問いに父さんが答える。

 

「君をスレイブプレイヤーにしたのは私ではない。オメガダインだ」

 

「っ、オメガダインが!?」

 

「へぇ」

 

アスカをスレイブプレイヤーにしたのは父さんではなく、オメガダイン。

ってことはつまり―――

 

「ああ。この地下にあるミサイル工場を守るために」

 

「ぇ!?ミサイル工場がこの地下に!?」

 

「超メガトン級ミサイル、セト50はこの地下工場で造られている」

 

「そういう事か」

 

オメガダインはさしずめ、スレイブプレイヤーにしたアスカをここの番人に仕立てたってわけか。

ミサイル工場を守るために。

まぁ、その対策も無駄だったようだけど。

そのまま僕らは父さんに案内されて通路の奥からエレベーターに乗って地下へと向かう。

エレベーターに乗って地下へ降りる最中、ずっと気になってることを聞く。

 

「ところで、メアはどこ?一緒に居るんでしょ?」

 

そう。

さっきから姿が見えないメアが何処に居るのか気になるのだ。

カズ兄がアクシデントでスレイブ化が解除され、今までスレイブプレイヤーとしてメアが出てないなら、間違いなくメアもカズ兄同様スレイブ化が解除されて一緒にいるはずなのだが。

僕の問いに父さんが。

 

「メアは先に下のミサイル工場にいる」

 

「下に?」

 

「ああ。・・・・・・それと、だが・・・・・・・・・・あー・・・・・・・」

 

「?」

 

僕の方を見てなんとも言えない表情をする父さん。

その父さんの後をついでカズ兄が。

 

「レイ。その・・・・・・覚悟しといた方がいいぞ」

 

「はい?」

 

同じくなんとも言えない表情を浮かべて告げた。

それを聞いてか、アミ姉とルナが。

 

「あー」

 

「メア・・・・・・」

 

理解したような顔をする。

そして兄さんも。

 

「あー、なるほど」

 

と察したような表情を浮かべる。

 

「?どういう意味ですか?」

 

「さあ?」

 

「「???」」

 

ヒロ、ラン、ジェシカ、ユウヤは困惑してるが、ジンは何かを察したのか苦笑を浮かべていた。

やがて、エレベーターが目的の地下フロアに着き、エレベーターから降りる。

降りると、そこにはまさに兵器製造所というべき光景が広がっていた。

 

「上のミュージアムは隠れ蓑。これが本命って事か」

 

今もミサイルを造っている。

正直、こんなのがオメガダインという一組織が作り出せるものじゃないというのは分かった。

裏には別の誰かがいる。

それも、とてつもない権力を持った人間が。

そう思ってると―――

 

 

 

 

 

 

「―――レーく〜ん!!」

 

 

 

 

 

 

奥の方から誰かが走ってくるのが見えた。

薄紫色で長い髪を後ろに纏め、紫白(しはく)色のカジュアルブラウスに、動きやすい黒のスボン。

ブラウスの上には袖なしの白いコート。スリーブレスを着た女の子。

その子は―――

 

「メア!」

 

間違いなく、カズ兄と一緒に連れ去られて長い間行方不明だったメアだった。

暫く会わないうちに少し変わってるけど、間違いなくメアだ。

 

「レーく〜ん!!」

 

走りながら僕の名前を呼ぶメア。

メアはそのまま勢いを落とさずに―――。

 

「ふぐっ!!?」

 

「久しぶり〜!!会いたかったよ〜レーくん!!」

 

鳩尾に突っ込んできた。

あまりに突然且つ不意打ち気味の突進だったため、受け止めきれることが出来ず、メアとともに後ろの壁にぶつかり、変な声が出た。

そんな僕を無視してメアはスリスリと頭をお腹に当ててくる。

てか、背中痛い。

 

「あ〜♪久しぶりのレーくんの匂いに感触!もう、一年近くいなかったし、ずっと会えなかったし、喋れなかったから寂しかったぁ〜!!!」

 

「ちょっ、ちょっとメア!?み、鳩尾に決まってるから!?」

 

「まだ足りなーい。あと半日はこうしてたい」

 

「さすがそれは無理だからね!?てか、なんでこうなってるの!?さっきまでのシリアス展開は!?一気にシリアル展開になってるからね!?なんでシリアスブレイク!?」

 

「ふふ〜ん」

 

「ちょお!!カズ兄、これどういう事!?」

 

唯一、事情を知ってそうなカズ兄に視線を向ける。

 

「・・・・・・会えなかった反動・・・・・・」

 

カズ兄はただ一言、目線を合わせずに。

というから、気まずそうに視線をずらして告げた。

ちょっと!コッチ見て言ってくれませんか!?

 

「ちょっ!アミ姉!メア何とかしてくれない!?」

 

「あははは。レイごめん、ムリ」

 

「アミ姉ぇー!?」

 

アミ姉に助けを求めるも苦笑して答えるアミ姉。

父さんはホント済まなそうな顔してるし、兄さんとジンはやっぱりこうなったか、って顔してる。

ヒロ、ラン、ジェシカ、ユウヤ、アスカ、コブラはポカンとしてるし、八神さんは苦笑して、真野さんの矢壁さんは微妙な顔をしている。

そこに。

 

「メア、そろそろ離れて」

 

ルナが、ヤレヤレと肩を竦めてメアに言った。

 

「えー。まだレイ成分補充してないんだけどルナちゃん」

 

「それは後でしたらいいと思う」

 

「んー。それもそうだねルナちゃん」

 

やれやれ。ようやく離れてくれた。

まだ背中と鳩尾が痛いが、なんとか立ち上がる。

 

 

〜レイside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜Outer side〜

 

「「・・・・・・」」

 

水中ミュージアム地下、ミサイル工場の様子を隠しカメラで見ていた2人は今起きている光景に呆然としていた。

 

「今、ゴスって音が聞こえなかったか?」

 

「聞こえましたね」

 

「それにあれ、イチャついてるって感じだよな」

 

「ですね」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

さっきまでの空気が180度変わった展開に微妙な顔をする2人。

その2人とは。

 

「ウォーゼン総帥。今思ってることを言っても構わないでしょうか」

 

「奇遇だなビショップ。私も同じことを思っていた」

 

オメガダインの総帥、アラン・ウォーゼンとその右腕ビショップだった。

2人は顔を見合わせ、ウィンドウに映る子供。

レイを観るや。

 

「「リア充滅ぶべし!!」」

 

と、恐らく普段なら絶対に言わないであろう言葉を言っていた。

それと同時に何処か憐れみめいた視線を向けていた2人であった。

 

 

〜Outer side out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜レイside〜

 

・・・・・・なんか今、別の場所からリア充滅ぶべしって言葉と、憐れみめいた視線を感じたのだけど・・・・・・気のせいか?

離れるメアを見ながらそう思ってると。

 

「あ、ルナちゃんも後で一緒にやる?」

 

「うん。もちろんそのつもりだよ」

 

と、そんな会話をしているのが聞こえた。

どうやら、ダックシャトルに帰っても僕には自由がないらしい。

いや、まあ、僕もメアに会いたかったから良いんだけど、ね?

 

「だ、大丈夫レイ?」

 

心配そうに訊いてくるアミ姉。

 

「出来れば助けて欲しかったんだけどアミ姉?」

 

プクー、と小さく頬を膨らませて不満げに言う。

そんな僕にアミ姉は苦笑いを浮かべ。

 

「ゴメンね?ただ、メアもレイにずっと会いたかっただろうから」

 

「それは分かってるよ〜」

 

「あはははは。私が注意してもレイの事となるとあの子一直線だから」

 

その一言に僕も苦笑が出る。

まぁ、メアについては誰よりも分かってるから。

そう思いながら、仲良く話すメアとルナを見た。

2人とも久しぶりの再会だからか、話が弾んでる。

 

「さてと。それじゃあ、僕らはここのデータを集めようか。真野さん、ここのシステムをダウンして」

 

「了解」

 

「矢壁さんは人がいないか確認を。まぁ、メアが予め確認していると思うけど、念の為もう一度お願い」

 

「ラジャーっス」

 

僕の指示に真野さんは近くのコンソールに。

矢壁さんは周囲を偵察しに行った。

 

「・・・・・・・・・・」

 

近くの手摺りから階下のミサイルを見て、端末からICPO(インターポール)のクリスさんに連絡を取る。

 

「もしもしクリスさん?」

 

『どうかしたのレイ君?』

 

「ちょっと見てもらい光景が」

 

『?』

 

疑問符を浮かべるクリスさんに階下のミサイルを観せる。

 

『っ!?なに、これ・・・・・・まさか全部ミサイル!?』

 

クリスさんの驚き声とともに、ガタンっという音が幾つか響く。

 

『レイさん聞こえますか?』

 

「レアさん?」

 

どうやらクリスさんと一緒にレアさんも居たようだ。

 

『はい。レイさん、その光景を観る限りそこはミサイル工場だと思われるのですが、場所は何処です?』

 

「キャンベルンのオーシャンミュージアム地下です」

 

『おいおい。キャンベルンってブレインジャックが起こってるとこじゃねぇか』

 

リズさんの声もすることから恐らくシリウスさんもいるのだろう。

何か会議でもしていたのかな。

 

「ええ」

 

『どういう事か話してくれるかしら?』

 

クリスさんの問いにキャンベルンのブレインジャック阻止から話す。

そしてオメガダインが全ての黒幕だと言い。

 

『オメガダイン・・・・・・』

 

「これだけじゃ、いくらICPOでも強制査察は難しい?」

 

『ええ。いくらこの画像だけじゃさすがに難しいわ。違法ギリギリの行為だし・・・・・・』

 

クリスさんの苦渋な言葉を聞いていると。

 

「八神さん!やっぱり誰もいないっス」

 

「オートメーション化されてるってことか」

 

偵察から戻ってきた矢壁さんが八神さんに報告していた。

 

「セキュリティ解除。生産ライン停止!」

 

真野さんの方もこの工事のシステムを止めたようだ。

システムダウンの重々しい音ともに部屋の明かりの大半が消え、僅かな明かりのみが僕らを照らす。

少しして、コブラからミサイルを配送する準備が既に整ってることを知らされ、ギリギリで防げたと実感。さらに、八神さんからオーストラリア政府が動き出し、この工場を押さえる手配をしてくれてると伝えられた。

 

『オーストラリア政府が動き出しかしら?』

 

「もしかしてクリスさんが?」

 

『まぁね。上に掛け合って、NICSと合同で話したわ』

 

「そっか」

 

さすがのオーストラリア政府もNICSだけではなく、ICPOからの説明には無視ができなかったようだ。

その後、ここを政府に任せ僕らはダックシャトルに戻る事にした。

もちろん父さんも一緒に。

さらに、アスカが仲間になった。

なんでも、オメガダインにスレイブプレイヤーにされたお返しをするそうだ。

で、ダックシャトルに戻る最中。

 

「〜〜♪」

 

「あの、メア?」

 

「なーに?」

 

「いや、あの・・・・・・動きにくいんだけど」

 

今僕の右腕をメアが掴んでるため、とても動きにくい。

ちなみに反対の左腕には。

 

「むー・・・・・・」

 

「あのー、ルナ?そろそろ離してくれても・・・・・・」

 

「ヤダ」

 

「あ、サイですか」

 

メアに対抗するように、ルナが掴まっていた。

まさに両手に花。・・・・・・なんだけど・・・・・・・・・・

 

「相変わらずだなぁ〜、レイは」

 

「メアだけじゃなくて、ルナも虜にするなんて。ホント、罪作りよねレイって」

 

カズ兄とアミ姉が他人事のように言っているのが聞こえる。

 

「あのー・・・・・・メアさんってレイさんに何時もああなんですか?」

 

ヒロがアミ姉たちに訊ねる。

 

「何時もってわけじゃないけど、そうね・・・・・・一年近く会えなかった反動かしらね」

 

アミ姉が苦笑混じりな顔でヒロに言う。

 

「そうだなぁ・・・・・・レイ成分が不足してるってよく言ってたし。なぁ、バン、アミ」

 

「あー。そう言えばトキオシアでもそんなこと言ってたね」

 

「家に居る時は何時もレイのこと心配してたわね。レイが海外に行ってからは、レイからの写真とか電話でのことばかり話してたし」

 

「メアってレイの彼女なの?」

 

「彼女って訳じゃまだないけど、レイ一筋なのは確かよ」

 

・・・・・・何故かとてつもなく小っ恥ずかしい話をしているのが聞こえる!!

色々反論したりしたいが・・・・・・

てかジェシカが興味津々に聞いてるし。

大人たち。父さんは苦笑してるし、八神さんたちはやれやれって顔してこっちを見てるし、コブラなんかスゲーな、って言ってるし。

 

「〜〜♪」

 

まぁ、今はメアとカズ兄が無事だったのに喜ぶべきかな。

父さんには後でマジのO★HA★NA★SHI★するけど、ね。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。