〜レイside〜
「〜〜〜♪♪フフーン♪♪フフン♪フフーン♪♪」
父さんへの過去最高の、最恐にして最凶(ジェシカ談)のO★HA★NA★SHI★終え、僕はダックシャトルの厨房兼ブリーフィングルームで夕飯の準備をしていた。
メアとルナ。アミ姉とカズ兄のリクエストで僕が作ることになったのだ。
まぁ、アミ姉にはちょくちょく料理教わったりしてたし、その成果を見せることにするとする。
小さく鼻唄を歌いながら手際よく食材を刻み、フライパンを動かし、使い終わったものから洗っていく。
それにしても―――
「んー。やり過ぎたか?」
何故かあのO★HA★NA★SHI★後、兄さんたちはともかく、ヒロたちの態度が余所余所しい。
ヒロは何時もさん付けだから特に変わってないが、ランやジェシカ。ユウヤにアスカまで何故かさん付けで呼んでくるのだ。
しかもコブラやオタクロスに限ってはレイ様!と仰々しく呼ぶし。
カイオス長官も畏怖の眼差しで、おどおどしくレイさんって言ってたし。
僕が不思議そうに首をかしげていると。
「―――やり過ぎも何も、やり過ぎだよ。私たち以外全員にどんなトラウマ残すつもりなのよ」
「まぁ、バンさんたちはまだ良いとしても、山野博士に関しては完全にトラウマ級になってるよね。・・・・・・魂に刻み込まれるレベルで」
少し離れたところの椅子に座っていたメアとルナがそう言ってきた。
2人とも、テーブルの上には工具箱とそれぞれのLBXを置いている。僕のLBX[エレボス]もそこに置いてある。
ちなみに、兄さんたちは別の部屋で各々LBXのメンテナンスをしたりしていて、コブラは父さんに言われて追加のコントロールポットの調整にいき、オタクロスと拓也さんもそれぞれやることをしていて、父さんは部屋にこもって何かしている。
「そう?」
2人にフライパンを動かしながらそう返す。
食材を炒めるジュージューと、心地いい音が響く。
僕としては当然なレベルだったと思うけどなぁ。
「ホント、レイってそういう所加減しらないよね」
「あはは。レーくんらしいって言えばらしいけど」
「・・・・・・どういう意味よ」
ちょっと失礼な気がするんだけど?
そう思いながら苦笑気味に返す。
あぁ〜。やっぱりこの雰囲気が一番好きだな。
「それにしても、相変わらず主夫というより、主婦だよねレーくんって」
「うんうん。キヨカも言ってたよ。女子力で負けそうだー、って」
「まぁ、それは学校でもそうだしね」
「そう言えばそうだったね。下手したらレーくんに女子力で打ち負かされそうだし。全女子が」
「男の子なのに男の娘だもん」
「それに女子に見えるしね、初見じゃ」
色々言い返したい・・・・・・!
誰が主婦じゃ!
てか女子力で負けそうって何!?
微妙な顔をしながら心の中でツッコミを入れる。
「そう言えばメア」
「ん?」
「いや、メアとカズ兄ってしばらく一緒に居たんでしょ?」
「うん。基本的には私とカズ兄の二人きりだったよ」
「ご飯とかどうしてたの?」
「んー、替わり番子かな。私が作ったりカズ兄が作ったりで。まぁ、ほとんど私が作っていたような気もするけど」
「へぇ」
ふと気になった事を訊ねる。
まあ、兄さんよりは料理出来るしねカズ兄。
カズ兄は何気に手先が器用なのである。
「ってか、レーくん!」
「ん?」
「アルテミス観たけど、なんであんなにキャーキャー言われてるのよ!」
「(ズコっ!)」
唐突に来た思い出したような問いに思わずよろける。
何も持ってなくて良かった!
「私も病院から観たけど、色んな人に呼ばれてたね」
「そうだよね!レーくんは、私たちのレーくんなのに!!」
「いや。何時から僕はメアたちの物になったのかな??」
「そんなの決まってるじゃん!生まれた時からだよ!!」
「何その名言のような迷言・・・・・・!?」
メアにツッコミ返す僕。
「私、ちょっと観ていてイラって来たもん」
「私も〜!」
「いやいやいや!!そんな事言われても―――ハッ!」
ルナとメアの言葉に僕はアルテミス決勝戦の時に感じた、背筋に走る悪寒を思い出した。
多分、あの寒気絶対メアたちのだ。
今ので判った!
「ってか、独占欲強くない!?」
「だってだって!ずっと離れてたし、会えなかったんだよ!?当然だよ!!ね、ルナちゃん!」
「うん。キヨカはアルテミスの時に会ってたけど、私は会えなかったから!」
「(2人ともこんなに独占欲強かったっけ!?)」
そう思わずにいられずに唖然とする。
「てか、この事件が始まる前までしょっちゅうテレビ電話してたじゃん4人で」
音声のみ、の場合もあったが基本的にはテレビ電話での会話だったのだ。
「それはそれ」
「これはこれ」
「え〜・・・・・・」
示し合わせたように、息ピッタリのコメントをする2人に頬が引き攣る。
「てなわけで、1年近く実際に会えなかったから、今日はこれからずっと一緒ね」
「もちろん、レイに拒否権はないよ〜」
「なんでやねん!」
メアとルナの言葉についツッコミを入れてしまう。
てか、なんか今関西弁になってたような・・・・・・
「いや、まぁ、良いけどさ・・・・・・」
肩を竦めつつ返し。
今更あれこれ言っても2人とも譲る気はないし、苦笑気味になりながらメアとルナに言う。
「メア。ルナ。ちょっとテーブル拭いたりしといて。もう出来るから」
「OK〜」
「了〜解」
メアとルナに手伝って貰い、夕飯を食べる準備をし、兄さんたちを呼んで夕食にしたのだった。
夕飯を食べた後、それぞれお風呂に入ったりして未だにNICSから連絡が無いので僕らは寝ることになった。
で、寝る際。
「レーくんは私とルナちゃんと一緒に寝るからね♪」
と発言しランとジェシカが何故か驚いた顔をしたのだった。
「はいはい」
「ちょっと待って!?今、一緒に寝るって・・・・・・///!!」
「なんで顔赤くしてるのジェシカ?」
何故か顔を真っ赤にしてるジェシカに首を傾げながら訊く。
「え?いや、だって一緒に寝るって・・・・・・」
「?普通じゃないの?」
「普通!?」
ジェシカの次はランが、え!?って顔をして言ってくる。
メアとはよく一緒に寝てるんだけど?(強引にメアが来るとも言う)
そう思いながら返す僕。
そこに。
「あははは。この程度でこの子たちの行動に一々驚いていたら後々大変よジェシカ」
アミ姉がジェシカの肩をポンポンと叩いて告げた。
「What's!?」
「まぁ・・・・・・そうだな」
「あ、はははは」
目を大きく見開くジェシカに、カズ兄と兄さんが遠い目をしながら空笑いを浮かべた。
何故だろう?
まぁ、メアから今日はこれからずっと一緒ね、って言われてるし。
もし、無視をしたらしたらで、それはそれで色々面倒というか・・・・・・後々大変な事になりかねないし。
現に通信が切れる際、里奈さんから苦笑混じりでルナのことよろしくね、って言われたし。
「それに見てみて。レイの両隣を2人ともバッチリキープしてるでしょ?」
「・・・・・・・・・・」
?なんで僕を見て唖然としているんだろジェシカは。
「あ、あのー・・・・・・れ、レイさんってあの2人と付き合って・・・・・たり?」
「まだ、だとは思うけど、メアの一途は私たちの中じゃ周知の事実だからね」
恐る恐るアミ姉に何かを聞いているラン。
はて?何を話しているのやら。
「ふぁ〜〜。もう今日は何度O★HA★NA★SHI★したんだろ。ホント疲れたよ〜〜」
BCエクストラスから始まり、キャンベルンのブレインジャックに、父さんのディテクターとオメガダインの真実・・・・・・
BCエクストラスでもしたし、さっきもした。
んー・・・・・・2〜3回もしたか?
今日だけで何回したのやら・・・・・・ホント疲れた。
「それじゃぁ〜、僕は〜、寝るから〜〜。オヤ、スミぃ〜〜」
「あ、はい。おやすみなさい」
「おやすみなさい、です」
「お、おやすみ」
フラフラとなりながら部屋から出てダックシャトルにある自分の寝室に向かう。
もう眠い。今目を閉じたら数時間は起きないのは確実。
寝室に着くなり、一番奥の窓側のベットへとダイブするかのように飛び込む。
あー、お布団がアッタカーイ・・・・・・
「それじゃあ、オヤスミ〜・・・・・・スゥ・・・・・・」
メアとルナにそう言い、僕は意識を深ーい眠りへと落としたのだった。
〜レイside out〜
〜バンside〜
眠気眼を擦りつつ、フラフラしながら出ていったレイを見送りつつ、残った俺たちはようやく溜まっていた息を吐き出した。
「ふぅ・・・・・・」
「緊張感が半端なかったな」
「そうね」
カズとアミが同じように息を吐きながら言う。
未だに、父さんにしたレイの超本気のO★HA★NA★SHI★が記憶に真新しいため、レイがいるだけで緊張感が走るのだ。
てか、ホント俺レイの尻に敷かれてないか?
兄なのに弟に尻に敷かれるって・・・・・・
なんか自問してて情けなくなってきたかも。
「どうしたバン君?」
「いや・・・・・・俺たちレイの尻に敷かれるなー、って」
訊ねてきたジンに遠い目をしながら答えた。
その俺の言葉に、部屋の中の空気が一気に重くなった。
「僕、実感しました」
そこへ、ヒロが表情を無くした顔で。
「レイさんほど、怒ると怖いのはないって・・・・・・」
と語った。
「あたしも・・・・・・」
「同じく・・・・・・」
続けてランとジェシカも同意する。
「俺。絶対、二度とレイだけは怒らせないようしないとって思った」
アルテミス後のパーティで直接O★HA★NA★SHI★(極短時間Ver)を食らったアスカはブルブルと震えて言う。
「いや、さすがにあの状態のは滅多にないと思うけど・・・・・・」
そう頻繁にあったら心臓が持たない!
特に俺が!!
「まぁ、博士も覚悟はしていたようだけど・・・・・・甘かったな」
どうやら父さんはレイにO★HA★NA★SHI★される事を受け入れていたようだ。
見通しが甘かったらしいけど。
「というか。逆に、なんでメアとルナの2人はレイのO★HA★NA★SHI★を見てなんともないのかしら」
ジェシカが思い出し俺、アミ、カズに聞いて来る。
「あー・・・・・・」
「あ、あははは・・・・・・」
「それは・・・だな・・・・・・」
ジェシカだけならず、ジンを除いた全員から視線を受け、俺たち3人は目を泳がせて口を淀ませる。
ルナは知らないが、メアに関してはレイに並んでO★HA★NA★SHI★してくるからだ。
「丹直に言うと・・・・・・」
「言うと?」
アミが空笑いを浮かべながら。
「『愛』ね」
と言った。
「いや、なんで愛!?どこから出てきた!?」
ハリセンでも持っていようものならスパーンっ!と一閃をしていたであろうランのツッコミ。
にしても・・・・・・愛か・・・・・・・・・・
アミの言葉に俺は微妙な顔を出す。
それはカズもで、なんとも言えない表情をしてる。
「『
「納得すんな!」
ランのツッコミが止まることない状態。
何時もレイがツッコミをしていたりしていたから・・・・・・・・・・いや、よくよく考えればボケとツッコミで半々か。
「私たち3人も一体何度あの子たちのO★HA★NA★SHI★を受けたことか・・・・・」
「そうだな・・・・・・」
もう数えるのが億劫になるほどされてきたような気もするが・・・・・・
「それにしても」
「?」
唐突にジェシカが呟く。
「いえ、レイって不思議な子だなぁって」
「不思議?」
「ええ。人脈とかは別にしても、さっきO★HA★NA★SHI★していた時、人格変わってたでしょ?」
「まぁ、確かに」
「二重人格・・・・・・なのかしらって」
「さぁ・・・・・・」
レイについての疑問をひとつ出し始めたらふたつ、みっつと出てくる。
ホント、俺の弟は一体どれだけの秘密があるのやら・・・・・・
〜バンside out〜
〜メアside〜
レーくんがぐっすりと寝ている中、私とルナちゃんはレーくんを挟むようにして左右に寝っ転がっていた。
「ぐっすりと眠ってるね」
「まぁ、今日だけでも激動な1日だったし」
レーくんから聞いたところ、A国のBCエクストラスに解説者として参加したらしく、そこでもオタクロスさんやヒロさん関係で一悶着とかあったそうだし。
「・・・・・・・・・・」
「メア?」
ジーッとレーくんの寝顔を見ているとルナちゃんが訊ねてくる。
「これで男子ってのは反則だなぁって」
ルナちゃんの問いに私はそう返す。
「・・・・・・判る!」
ルナちゃんも頷いて返し、レーくんの寝顔を見る。
「あどけなく、女子かと見間違うほどの顔。さすがにこれで男の子ってのはホントズルい」
まぁ、それを堪能出来るのは私たちだけの特権だけどね!
ふんっ、と寝っ転がりながらも胸を張る私。
「私たちもそろそろ寝る?」
「そうだね」
さすがにそろそろ寝ないと明日に差し支える。
「ふふーん」
約1年ぶりのレーくんに、私は抱き枕よろしくレーくんの左腕を抱き締める。
「メアのレイへの過剰なスキンシップはホント変わらないね」
「そんなことないよ〜♪」
えへへー、と嬉しくなって、
「いや、褒めてないよ?」
「なんで私の心読めるの?!」
「顔に出てた。そういう所はレイにそっくりだよね」
まぁ、幼馴染みだし。
家族以外だと、レーくんが一番長い時間一緒にいたから。
兄妹みたいに過ごしてきたからか、自然とレーくんと似ちゃうのかもしれない。
それはそれで私としては嬉しい気がするな。
「反対側空いてるからルナちゃんもやったらどう?なんか安心する」
「・・・・・・」
苦笑しながら反対側の右腕に抱き着くルナちゃん。
「・・・・・・悪くないかも」
もう両手に花状態のレーくん。(寝てる)
そんなレーくんの腕に抱きつきながら私は眼を閉じた。
これなら良い夢見られそう♪
〜メアside out〜
〜レイside〜
『お前たち二人なら創れるかもな。新しい世界を』
「っ!」
夢を見た。久しぶりに。
良い夢ではなく、悪い夢を。
LEXが最後に言ったであろう、僕と兄さんに聞こえた言葉。
なんで今この言葉を夢に見たのか分からない。
けど、最悪な夢見心地だ。
身体を起こそうとして。
「??ん?」
両腕が何かに捕らえられているのに気づいた。
両隣を見ると、何故か僕の腕を抱き枕にしてメアとルナが眠っていた。
「・・・・・・いや、なんでさ」
何故かこの言葉が出てきた。
一緒に寝るってのは分かってたけど、まさか抱き枕にされるとは思わなかった。
加えて言うなら、同じくベットで寝るとは思わなかったりする。
いやまぁ、メアと同じベットで寝たことは何度かあるけど・・・・・・。
2人を起こさないようにして上体を起こし、時間を見る。
時間は4時近くを挿していた。
「4時・・・・・・か」
そっ、とベットから降りて手早く何時もの服装に着替える。
今更だが、2人とも何処で着替えるつもりだったんだろ?
そう思いつつ、部屋から出る。
そのままブリーフィングルームに入り、朝ご飯の準備をしようとする。
何となく、なにかしていたかったからだ。
ルームに入ると、
「む。レイか。早いな。よく眠れたのか?」
「拓也さん」
拓也さんが珈琲を飲んで座っていた。
「お前も飲むか?」
「ええ」
カップに珈琲を淹れて、拓也さんが僕に渡してくる。
珈琲を一口飲むと、苦味が口の中に広がる。
まぁ、砂糖やミルクも入れてないブラックだから当然だが。
「どうした?」
「?」
「いや、眉間にシワがよっていたぞ」
拓也さんにそう言われ眉間に左手を当てる。
カップをソーサーに置き。
「・・・・・・夢を見た」
と一言言う。
「夢?」
「1年前の・・・・・・LEXの最後」
「っ!」
コクリと頷いて、拓也さんに告げる。
「やっぱり、まだ克服出来ないんだね」
「レイ・・・・・・」
自虐気味に苦笑して告げる僕。
LEXと悠介さんが亡くなったことは僕にとって魂に刻み込まれるほどのトラウマ。
しかも2人とも目の前で。
僕の目の前で亡くなったんだから。
「何時か克服出来る日が来るのかな・・・・・・ハハ・・・・・・」
テーブルに右肘を付いて右手で顔を覆う。
そんな僕に拓也さんは
「無理に・・・・・・克服する必要はないんじゃないか?」
と告げた。
「俺も、兄さんが死んだという事に踏ん切りが着いているとはいえ、後悔が無いわけじゃない。それは檜山についてもだ」
拓也さんは珈琲を飲みながら僕にそう言う。
「【後悔先に立たず】。亡くなって初めて気付かされるんだな・・・・・・。兄さんともっと話しとけば良かった。檜山の事、もっと知っとけば良かった、てな」
「拓也さん・・・・・・」
「レイ。お前はまだ10歳。子供も子供だ。これからゆっくりと成長していけばいい。・・・・・・といっても、お前はもう規格外ってレベルだがな」
珈琲を飲みながら言う拓也さん。
僕も再び珈琲を飲む。
「さすがに昨日のアレはもう勘弁して欲しいがな」
「別に僕だって好きでする訳じゃないですからね?」
昨日だって、父さんがちゃんと話してくれさえすればO★HA★NA★SHI★なんてする必要は無かったし。
微妙な顔を浮かべながら言い返す。
そんな僕に、ハハッ、と笑って拓也さんが。
「そう言えば昨日は、メアとルナがレイと一緒に寝たんだったよな」
と、思い出したように言う。
「あははは」
「その歳で青春してるなぁ」
「それ、褒めてます?」
ジト目で拓也さんに言い返す僕。
青春って・・・・・・
「ところで、長官から何か連絡とかは?」
「まだ無いな」
「そう」
どうやら、NICSもフューチャーホープ号の捜索に難航しているようだ。
そう思いつつ僕はふと思い出したことを訊ねた。
「そう言えば、拓也さんは以前兄さんたちとオメガダインに潜入しようとしたんですよね」
「ああ。政府に邪魔をされたがな」
「邪魔?」
「政府による視察とかで、オメガダイン関係者以外全員、外に出されたんだ。俺は直接見てはいないが、バンたちによると副大統領がいたらしい」
「副大統領?」
「ああ」
拓也さんの言った言葉に僕は疑問を感じた。
「副大統領がわざわざ一企業。オメガダインの視察に・・・・・・?」
「レイ?」
「副大統領・・・・・・アルフェルド・ガーダイン・・・・・・」
普通、政府の視察とはいえ副大統領などという大統領府No.2の人間が、LBX管理機構オメガダインとはいえ一企業に来るなどおかしい。
No.2とはいえ、副大統領とは政府にとって重要なポジションだ。
何かしらの事があったら一大事所ではない。
なのに副大統領がオメガダインの視察を率いていた。
妙だ。
疑問符が浮かび上がる。
「どうした?何かおかしな所があったのか?」
「いえ。副大統領がオメガダインの視察に来ていたのが引っかかって」
「一企業とはいえ、オメガダインはA国にある施設だ。何よりあの時はLBXによる暴走がいつ起こってもおかしくなかったからな。何もおかしくはないと思うが?」
「そう。それなんです」
「ん?」
「何時LBXの暴走が起こるかもしれない事態に、副大統領本人がわざわざ行くことってあるのかなって。だって、副大統領ってA国政府のNo.2ですよ?もしオメガダインでLBXが暴走したら危険どころじゃ・・・・・・」
「・・・・・・言われてみれば確かにそうだな」
「オメガダインは大統領府と繋がっている・・・・・・まさか、それが副大統領?」
「さすがにそんな訳・・・・・・」
「いや、でも、もし、副大統領がオメガダインと繋がっているのなら平和公園での、大統領暗室未遂で使用されたLBXを隠して置けるんじゃないかな、と」
「・・・・・・確かにそれは一理あるな」
「副大統領なら、権力はかなり高いし、厳重な警備でも余裕で仕込めるんじゃないかなって」
「ふむ・・・・・・」
確証は無いし、ただの推測に過ぎない。
でも、もし、これが本当ならA国全体を揺るがす事態になる。
「・・・・・・ちょっと外に出てくるよ」
「わかった。まだ連絡は来ないが、いつ来るか分からない。すぐに戻れるようにしてくれ」
「大丈夫。ちょっと外の空気吸ってくるだけだから。すぐに戻るよ。珈琲、御馳走さま」
拓也さんにそう言って僕はダックシャトルのタラップを降りて外の。キャンベルンの朝焼けの空気を吸う。
朝日が昇り始めた頃だからか、冷たい空気を感じる。
軽くストレッチをしながらさっきの考察について思考する。
だが、まだ情報が足りない。
けど、オメガダインの視察に副大統領が来ていた、という事が一番気がかりなのは事実。
そして、副大統領なら平和公園にLBXを密かに忍ばせる事ぐらい可能だろう。
となると、副大統領の協力者が警察や軍にもいる事となる。
そう考えると・・・・・・
「頭痛いな・・・・・・」
身体をほぐして、軽くストレッチをしてダックシャトルに戻る。
戻るともう時間は5時になっていた。
「朝ご飯でも作るか」
ブリーフィングルームに戻りキッチンに立つ。
ブリーフィングルームにはもう拓也さんが居なく、恐らくレクリエーションルームに戻ったのだろう。
というか、拓也さん寝たのかな?
疑問になりながら朝食を作り始める。
作り始めてしばらくすると艦内放送で。
『フューチャーホープ号を発見!!』
と。
拓也さんの声が響いた。
「ようやくか」
ようやくフューチャーホープ号を見つけることが出来たようだ。
「さて。反撃開始と行きますか」
そうして、ダックシャトルはキャンベルンからフューチャーホープ号の航海している太平洋上空へと飛行し始めた。
僕らの反撃が今、始まる!