ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

13 / 120
回想 イノベーター編 Ⅰ 序章

 

〜レイside〜

 

 

これから話すのは僕らの始まりにして、すべての事件の原点

 

5年前のイノベーター事件

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年前

 

 

 

「今日もルナ、元気でよかったよ」

 

「そうだねぇ〜」

 

夕焼けの住宅街を幼馴染みであるメアと歩く中、僕とメアは病院からの帰り道を話しながら歩いていた。

病院にはクラスメイトにして友達の石森ルナが入院している。ルナの両親は随分前に事故で亡くなり、唯一の姉であるお姉さんも5年前から連絡が付かないらしい。

5年前―――西暦2045年。それは僕ら山野家にとっても嫌な年だ。父さんが死んだ年。当時まだ4歳であった僕は分からなかったが、少しして兄さんや母さんの気持ちが解った。

それから、LBXに関することは我が家では禁句になった。LBXのせいで父さんは亡くなった、って母さんは思ってるから。

けど、兄さんは隠れてキタジマ模型店でアミ姉やカズ兄と一緒にLBXを遊んでる。

それはもちろん僕もだ。こうしてLBXで遊んでいると父さんが見守ってくれている。そんな気がするのだ。

 

「レーくん?どうかしたの?」

 

物思いにふけていた僕を心配したメアが訊ねてくる。

 

「ううん。なんでもないよ」

 

「そう?ならいいけど・・・・・・」

 

不安げな眼差しで僕の瞳を見る。

そのまま帰路につき、メアと別れて家に帰る。

すっかりあたりは暗くなり、街灯の明かりや住宅の明かりが照らす。

家の近くに着くと。

 

「ん?」

 

家の方から変な仮面を被った黒服の男女三人が走ってくるのが見えた。

何かあったのかと思いながらすれ違い家に帰る。

 

「ただいまぁ〜」

 

家に着くと、玄関には母さんと兄さんの靴があった。

玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えてリビングに向かうと、その扉の前に母さんがいた。

 

「?母さんどうしたの?」

 

母さんに問いながらリビングを見ると、リビングは朝見た景色から一転。ボロボロな惨状になっていた。

 

「え!?な、何があったの!?なにこの惨状!?」

 

あまりの出来事に驚く僕。

 

「あ!れ、レイ。お帰り」

 

「あ。うん。ただいま兄さん。それで、この惨状はなに!?」

 

兄さんに挨拶して兄さんを見る。兄さんを見ると手にはCCMが握られており、テーブルには青いLBXと銀色のアタッシュケースがあった。

 

「兄さん、その手に持っているのって・・・・・・」

 

「あ、いや、これは、その・・・・・・」

 

「・・・・・・バン、部屋片付けておきなさいね」

 

「う、うん」

 

母さんの言葉に驚く僕。てっきり怒るものかと思ってたけど。

 

「レイもおかえり。悪いんだけど、お風呂沸かしてもらってもいい?」

 

「あ、うん」

 

帰りが遅くなるってのは予め言ってあるから特に何も言われない。

母さんは僕らにそう言うと奥のキッチンへと行ってしまった。

 

「・・・・・・兄さん。ちゃんとここ綺麗にしてね」

 

「あ、ああ」

 

僕は兄さんにそう言って洗面台に行って手洗いをしてから、浴室に行きお風呂を沸かして自室に戻った。

 

「あのLBX、カバーパッドだけだった。しかも、見たことないタイプだったな」

 

兄さんが持っていた青いLBXを思い出して呟く。

 

「どこで手に入れたんだろう?」

 

不思議に思いながら部屋にある本を読み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

 

「―――え!?バン兄、LBX手に入れたの!?よくお母さんが許可だしたね!?」

 

「そうなんだよ。僕もまさか母さんが許可するなんて思わなかったよ。しかも、やる以上強くなりなさいって」

 

僕はミソラ小学校に行く道で、メアに昨日の夜と今日の朝のことを話した。

まさか母さんがLBXやるのを許可だすなんて思わなかった。

 

「うーん・・・・・・ってことは、レーくんもLBXやれるってことだよね!」

 

「あははは。どうかなぁ」

 

まあ、僕自分の機体もってないし。

あ。でも、母さんからは僕もLBXやっていいって言われてるんだよね。

 

「レーくんが自分の機体持ったら私と一番にバトルだからね!」

 

「なんかアミ姉みたいなこと言ってるよメア」

 

「そりゃ、姉妹ですから」

 

クスッと小さく笑いながら小学校に着く。

小学校に着き、教室に入ると教室には何人かのクラスメイトが居た。

 

「おはよう。メア、レイ」

 

「おはよう、キヨカ」

 

「キヨカちゃんおはよー!」

 

席に荷物を置くと、席が近くにして友達である女の子。仙道キヨカが挨拶をしてきた。

 

「レイ、何かいいことでもあったの?」

 

「え?なんで?」

 

「いつもより表情がいい」

 

「まあね」

 

「ふふん。レーくんね、LBXやってもいいってお母さんに言われたんだって!」

 

「あら。そうなの?」

 

感情を滅多に出さないキヨカが珍しく目を大きく見開いて驚いていた。

 

「なら、買ったら私に見せて」

 

「え、いいけど」

 

「よしっ!」

 

「あの、魔改造はしないでね?」

 

「大丈夫よ。お兄ちゃんみたいには出来ないから」

 

「いや、キヨカのお兄さん魔改造できるの・・・・・・?」

 

さりげなく言ったキヨカに僕は唖然として答えた。

 

「キヨカちゃんのお兄さんってカスタムが凄く上手なんだよね!」

 

「え、そうなの!?」

 

メアの言葉に驚く僕。

確かにLBXはLBXをやってる人が十人いれば十通りのやり方がある。一として同じものは無いと言われてる。

 

「うん!私もたまに見てもらうけど、凄いよ!特にお兄さんのカスタマイズしたジョーカーなんて、眼に捉えられないほどだもん」

 

「そんなに凄いんだ」

 

「うん。お兄ちゃんのカスタマイズは天才」

 

メアにお兄さんが褒められて嬉しいのか、顔が少し赤くなって答えた。

 

「うーん、ウチの兄さんはなぁ・・・・・・」

 

「バン兄はゴリ押しだからね少し」

 

「アミ姉は計算してるし、カズ兄はテクニックで埋めてるからね」

 

そのままLBXの話題を話し―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

 

「―――アキレス?」

 

「ああ」

 

学校が終わった放課後。メアと一緒にキタジマ模型店に向かうと、兄さんとアミ姉が店内の作業台でLBXのリペアをしているのが見えた。

話を聞くと、兄さんたちの通う中学校の番長?って人に勝負して、ここから奪われた?(沙希さんが原因)LBXのアーマーフレームを勝ち取ったらしい。それが原因でカズ兄のウォーリアーが破壊されたとか。それでカズ兄はいないらしい。

 

「白いLBXなんて初めて見たよ〜。お姉ちゃんは?」

 

「私もよ。結構カッコイイじゃない!」

 

「うん。アキレスか〜」

 

なんか感慨深くなる。兄さんによく似合ってる気がする。

 

「アキレス・・・・・・ギリシャ神話の英雄。アキレウスから取ったのかな」

 

「アキレウス・・・・・・昔父さんから聞いたな、アキレウスのこと」

 

「兄さん覚えてたの?僕は家にあった本を見て知ったけど」

 

「ああ。父さんがLBXを開発してる最中にな」

 

「そうなると、このアキレスはバンとレイにとっては思い出の機体なのかもしれないな」

 

アキレスを兄さんと見てると、店長が僕と兄さんの肩を叩いて言った。確かに、これは僕と兄さんにとって、父さんの思い出になるのかもしれない。

 

「それじゃあ、さっそくバトルするかい?」

 

「うん!」

 

「じゃあ僕らもやろうかメア」

 

「うん!今日は負けないよ〜!」

 

店長から貸出用のLBX【グラディエーター】を借り。メアは自分自身のLBX【アマゾネス】を取り出して。

 

「いくよ、メア!!」

 

「いいよレーくん!!」

 

「グラディエーター!」

 

「アマゾネス!」

 

「「バトルスターート!!!」」

 

同時にLBXを動かして互いの得物をぶつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄さんがアキレスを手に入れてから数日。

カズ兄が催眠術に掛かったとかそんなことがあったが、とある日の休日。僕はメアとキヨカとともにルナのお見舞いに病院に行っていた。

 

「ルナ、元気?」

 

「あ、レイ。メアとキヨカも」

 

「こんにちはルナ」

 

「やっほールナちゃん!」

 

他のクラスメイトや先生たちもお見舞いにはたまに来るが、僕らみたいにちょくちょく来る人はいないだろう。

 

「ルナ、体調の方はどう?」

 

「うん、この間と同じで大丈夫だよ」

 

「そう・・・・・・」

 

「それにね」

 

「?」

 

「お姉ちゃんが久しぶりに来てくれたんだ」

 

「え、ルナちゃんのお姉さんが!?」

 

嬉しそうに言うルナにメアが少し大きな声を出す。僕もメアと同じく驚いていた。キヨカは少し首をかしげていたけど。

 

「ルナのお姉さんは音信不通だったらしく、僕らも知らないんだ」

 

キヨカに軽く説明する。キヨカはそれだけで理解したらしく、なるほどと言い、頷いて返す。

キヨカに話してる間、メアはルナに僕がLBX解禁になったことを話していた。いや、解禁っていうか、公の許可を貰ったんどけどね。隠れて兄さんとキタジマ模型店でLBXやってたし。

 

「へぇ。レイ、LBXお母さんに許してもらえたんだ」

 

「あはは。まあ、ね。きっかけは兄さんだけど」

 

「いいな〜。この中で私とレイだけMyLBX持ってないから」

 

メアはもちろんのこと、キヨカもお兄さんがやってるからかお兄さんと同じ機体のLBXを持ってる。対戦は何度かやってるけど、なかなかに強い。

 

「使うとしたらルナちゃんは何系かな〜?」

 

「私やメアみたいにストライダーフレーム?」

 

「うーん、ワイルドフレーム・・・・・・はないか?ブロウラーフレームかナイトフレーム?」

 

「んーー。使うならストライダーフレームかな。可愛い機体多いし」

 

確かにストライダーフレームは女性型のフレームが多く、女子から絶大な人気を誇る。ストライダーフレーム使用者の割合は圧倒的に女子が多い。

 

「私の機体のアマゾネスはオススメだよ!機動力がいいし!」

 

「うーん、でも使うならジョーカーとかホーネットとかかな〜」

 

「!ジョーカーはオススメ・・・・・・・!」

 

「おぉう。キヨカのジョーカー推しの圧がすごい」

 

少しキヨカに引きながらコメントする。キヨカの持っているLBXは【ジョーカー】と呼ばれる、ストライダーフレーム系のLBXだ。

『トランプのジョーカー』を彷彿とさせる道化師の様な外見が特徴で、アマゾネスやクノイチと同じく、ストライダーフレーム特有の高い機動性を持ち、尚且つトリッキーな動きで相手を翻弄する戦い方を得意とする。しかし、ジョーカーの操作に独特のクセがあるためプレイヤーを選ぶピーキーな機体となっている。

逆にアマゾネスやクノイチは操作がしやすく、アミ姉やメアをはじめ様々な人が使用している。

 

「レイは自分の機体持つとしたら何系?」

 

「え?うーーん・・・・・・」

 

ルナの質問に僕は悩む。

 

「種系はナイトフレームだって決まってるんだけど、何にするかは迷ってるんだ」

 

「レーくんだと、ウォーリアーとか?」

 

「んー、確かにウォーリアーとかの方が扱いやすいんだよね」

 

【ウォーリアー】やブロウラーフレームの【グラディエーター】はスマートな人型であり、扱いやすいことで定評だ。

なにより、ウォーリアーは機動力も中々に高くカスタマイズ次第では化ける可能性もあるのだ。だがまあ・・・・・・。

 

「んー、でもしばらくは買えないかなぁ。お金無いし」

 

そう。忘れがちだが、僕はまだ9歳。世間一般的に小学四年生なのだ。あ、誕生日前なので9歳である。

なので、お小遣いを貰っているとはいえさすがに買えない。だって高いから。

 

「でも、お兄さんは持ってるんでしょ?」

 

「ああ・・・・・・。なんでも、貰ったらしいよ。知らない人から」

 

「?どういうこと?」

 

「いや、この間お見舞いに来た日あったでしょ?」

 

「え、あ、うん」

 

「その日の夕方に貰ったんだって。銀色のアタッシュケースを渡されて」

 

「不思議なことでもあるもんだね」

 

「うん」

 

そのままルナと面会時間終了までいろんな話をし、病院を後にしてキヨカとメアと別れ家に着くと既に兄さんが帰ってきていた。

 

「兄さん、随分早いね」

 

「レイ・・・・・・ああ・・・・・・」

 

「?」

 

少し様子のおかしい兄さんに疑問を思いながら自室に戻る。その後母さんの作った夕飯を食べるが・・・・・。

 

「・・・・・・母さん。兄さん、どうかしたの?」

 

今日の夕飯は、兄さんの好きなハンバーグなのに半分も手がつけられてない。

何時もなら嬉しそうにパクパク食べるのに。なのに今日はなにか思い詰めた。悩んだ表情で食べてる。母さんも不思議そうに兄さんに聞く。

 

「どうしたのバン。今日はやけに静かね」

 

「え?そ、そうかな?」

 

「・・・・・・何かあった?」

 

「別に・・・・・・。なんでもないよ・・・・・・」

 

「ははーん。さては友達と喧嘩でもしたんでしょう」

 

「違うよ」

 

「ん?」

 

「ご馳走様」

 

「・・・・・・・・・・」

 

自室に戻っていく兄さん。それを僕と母さんは怪訝になりつつも、静かに見送った。

兄さんがリビングから出ていくと。

 

「どう思うレイ」

 

「絶対なにかあったって思う」

 

「そうよねぇ・・・・・・」

 

「聞かなくていいの?」

 

「ええ。バンが言いたくないなら無理には聞かないわ」

 

「そっか・・・・・・」

 

母さんがそう言うなら僕も兄さんには無理に聞かないことにした。誰だって言えないことはあるだろうし。

そう思い、これ以上兄さんのことは話さず、今日のことを話した。

 

「そう。良かったわねレイ」

 

「うん。お姉さんがお見舞いに来てくれたってルナすごく嬉しそうだったよ」

 

ルナの嬉しそうな笑みを思い出し、僕も笑みが洩れる。

 

「あらあら。ルナちゃんばかり気を使ってたら、メアちゃんが嫉妬するわよ」

 

「嫉妬?」

 

母さんの言っている意味が分からず首を傾げる。母さんは僕のその反応にやれやれと肩を竦めて返しただけだった。

 

「ご馳走様でした。美味しかったよ」

 

「お粗末様でした。洗っておくから早くお風呂入っちゃいなさいね」

 

「はーい」

 

食器を流しに持っていき、お風呂に入る準備をしお風呂に入る。

お風呂から上がり髪をドライヤーで乾かして化粧水を付ける。母さんからお風呂上がりにやった方が良いと言われてるからだ。それらをして自室に戻ると自身の端末にメアから連絡が来ていた。

 

「もしもしメア?どうしたの?」

 

『あ、レーくん?あのさ、そっちバン兄の様子がおかしいとかなかった?』

 

「え?あー、確かに少し思い悩んだ表情だったけど」

 

いきなりのメアの質問に、口を淀ませて答える。

 

『バン兄も?』

 

「"も"ってことはアミ姉もなの?」

 

メアからの情報に怪訝な表情を浮かべる。

 

『うん。夜ご飯食べた後、さっきから自室のパソコンでなにか調べてるみたい。さっきチラッてみたけど、あれ明日の総理就任記念パレードのある場所だったよ?』

 

「パレードって、財前総理の?」

 

『うん。明日、お姉ちゃん行くのかな・・・・・・?』

 

アミ姉の様子と兄さんの様子。こんな偶然なタイミングあるのだろうか。

 

「・・・・・・・・・・」

 

『レーくん?』

 

「いや・・・・・・。気のせいだとは思うんだけど最近、兄さんがLBXを貰ってから変なことが起きるの多くない?」

 

『・・・・・・そう言えば確かに』

 

「アキレスのアーマーフレームの件は別として。カズ兄の催眠や、ウチのリビングがボロボロだったこと。そしてアミ姉の調べと兄さんの様子・・・・・・」

 

『レーくんは明日、お姉ちゃんやバン兄の周りで何か起こるって予想してるの?』

 

「うん。まあ、子供の考えだけど」

 

小学四年生の考えにしてはいいと思う。

けど、どう見てもなにかおかしい。そんなこと、僕でも分かる。

 

『んーー。あ、じゃあ私たちも明日パレード見に行かない?』

 

「財前総理の?」

 

『うん!』

 

「・・・・・・そうだね。気のせいかもしれないし」

 

『決まりだね!それじゃあ、明日は9時に駅前ね!』

 

「オッケー。あ、キヨカとかには声掛ける?」

 

『うーん。・・・・・・いや。流石に急だし、キヨカちゃんとかもなにか予定あるかもしれないからやめておこう?』

 

「それもそうだね」

 

『うん。それじゃあ、おやすみレーくん』

 

「おやすみメア」

 

メアとの通話を切り、僕も明日のパレードについて少し調べ、母さんにパレードを見に行くことを伝える。

メアと一緒に行くと言ったら、"デート"かと言われた。いや、デートとか、メアとはそんなんじゃまだないし・・・・・・。母さんにそういう風に返すと意味深な笑みを浮かべていた。

そんなこんなで翌日。僕はミソラ駅前でメアと合流しパレードの行われる、ギンザエリアに向かった。

兄さんはまだ家を出ていなかった。それはアミ姉もで、僕の気のせいだったのかもしれない。

メアと話をしながら時間を潰し、ギンザエリアに着いた。

着くともう既に人がいっぱいいた。それを見るだけで、如何に財前総理が慕われて、期待されているのか分かる。

 

「人がいっぱいだね〜。どこで見る?」

 

「うーん。中央辺りで見よっか」

 

メアに提案して、僕らはパレードの中央地点に向かった。

中央地点に向かうと。

 

「あれ?」

 

「どうかしたの?」

 

「いや、あれ・・・・・・兄さん?」

 

視線の先には兄さんがいた。しかも兄さんだけじゃなくてアミ姉やカズ兄までもいる。

 

「なんでお姉ちゃんたちここに?しかも、パレードを見に来たって雰囲気じゃないよ?」

 

「何してんだろう・・・・・・ん?あれは・・・・・・」

 

メアと遠目に兄さんたちを見てるとカズ兄がLBXを取り出したのが見えた。しかし、カズ兄のLBXは壊れていて今持っていないはずだ。

 

「LBX?」

 

「LBXなんか使って何をしようと・・・・・・。それにあのLBX、見たことない。メアは?」

 

「私もないよ。Lマガにも載ってなかったし」

 

何してるのかわからない兄さんたちに僕とメアは疑問符を浮かべる。三人とも、なんか中央部がガラスで吹き抜けのデパートに身体を向けてるし。

 

「あ、パレード始まったみたい」

 

自身のCCMを観ていたメアが言ってきた。

 

「どうする?パレードみる?」

 

「メアはどうしたい?」

 

「パレードも興味あるけど、お姉ちゃんたちが何してるのか今一番気になる。レーくんは」

 

「メアに同じく」

 

「じゃあ決まりだね」

 

僕とメアは頷き合い、兄さんたちを尾行することにした。

やがて兄さんたちはその場から移動し、デパートの裏の方にあるビルに入っていった。

 

「こんなビルになにが・・・・・・」

 

「でも、結構慌ててたよね」

 

「うん」

 

しばらく向かいの路地から隠れて待つと、兄さんとアミ姉が出てきた。

 

「あれ、カズ兄は?」

 

「さっきまで一緒だったよね?」

 

「・・・・・・取り敢えず兄さんたちを追い掛けよう!」

 

出てこないカズ兄が心配になったが、僕とメアは兄さんたちを追い掛ける。

 

「はぁ。はぁ。はぁ。・・・・・っく・・・・・・兄さんたちどこに・・・・・・」

 

走って追いかけるが中学生である兄さんたちと小学生である僕らでは体力に差があり、メアとともに息がきれていた。

 

「はぁ。はぁ。・・・・・・あ、いた!あそこ!」

 

息を整えていると、メアが指を指した。その指先の方には自転車に乗った兄さんとアミ姉がいた。

そして、そのすぐ近くのパレードコースを財前総理の乗った車がゆっくりと走ってきた。

 

「ふぅ・・・・・・あれが、財前総理」

 

「うん・・・・・・・」

 

パレードを見に来た人たちに凛々しい顔で手を振る、若きこの国のリーダー、財前宗介総理。

その人に僕とメアは少しの間だけ見入った。

やがて息も整えられ。

 

「行こうメア」

 

「うん」

 

僕とメアは兄さんたちの向かった方へと走って行った。

兄さんたちの向かった所に行くと。

 

「「っ!!?」」

 

突如、屋上に大きなヘリポートがあるデパートの上の方から爆発音のような音がした。音に驚いて上を見ると、見えづらいが僅かに黒煙が昇っていた。なにか爆発したのだろうか。

 

「何かあったのかな・・・・・・」

 

「お姉ちゃんたちが巻き込まれてないといいけど」

 

心配になりながら、兄さんたちを辺りから探す。

探していると。

 

 

「おーーい!!バン!アミ!」

 

「「カズ!!」」

 

 

見知った声が耳に入った。

 

「あっちだ!」

 

声のした方に向かうと、そこには兄さんとアミ姉、カズ兄の三人と、一人知らないスーツを着た若い男性が白い車の傍にいた。

 

 

「やったなカズ!」

 

「凄いじゃない!」

 

「ああ。バンとアミのお陰だよ」

 

 

兄さんたちの声が耳に入る。

三人が興奮気味に話す中、スーツを着た男性は険しい顔つきで兄さんたちを見ていた。

兄さんたちに近づくと、話してる声が耳にクリアになって入ってきた。

 

 

「・・・・・・暗殺用のLBXだったんだぜ。下手すりゃ俺たち・・・・・・」

 

「「・・・・・・!」」

 

 

話の内容の暗殺用LBXに僕とメアは兄さんたちの言っている意味がわからなかった。けど、兄さんたちの表情から何かあったことは間違いない。

兄さんがスーツを着た男性に近づき。

 

 

「教えてください。なんで俺たちがこんなことを?なんで俺たちじゃなきゃいけなかったんですか?」

 

 

と質問していた。

スーツの男性は答えにくそうに視線を逸らし、やがて意を決したように兄さんに。

 

 

「バン、君に伝えておくべきことがある」

 

「?」

 

「飛行機事故で亡くなった、君のお父さんについてだ」

 

 

そう言った

 

「なっ!?」

 

男性の言葉に僕は目を見開き息を詰まらせた。

何故あの人が父さんのことを知っているのか。

それは兄さんもらしく。

 

 

「え。俺の父さんのこと?」

 

「実は・・・・・・・・・・君のお父さんは生きている」

 

「えっ!?」

 

 

男性が告げ、兄さんが驚いたのと同時に。

 

「その話。僕らにも聞かせてもらってもいい?いや、聞かせてもらう」

 

僕は目付きを鋭くして話し掛けた。

バッと僕らの方を振り向く兄さんたち。

 

「誰だ君は?!」

 

怪しぶ男性。

兄さんたちは僕らがなんでここに居るのか分からないのか、驚愕の表情だ。

 

「レイ!?」

 

「え、メア!?なんでここに!?」

 

「おいおい!なんで二人がここにいるんだよ!?」

 

「お姉ちゃんたちもここで何してるの?」

 

「それは後で。それより、今兄さんに言ったこと・・・・・・僕にも聞かせてもらう。あなたに、拒否権はない・・・・・・!」

 

詰問するように男性に近づき言う。

 

「僕は、バンの弟の山野レイ」

 

「山野レイ・・・・・・。まさか君は・・・・・・!」

 

なにか思い当たる節があるのか、男性は僕を見てくる。

やがて。

 

「・・・・・・わかった」

 

と言った。

そして、僕は兄さんたちともにこれから起きる事件の渦中に入っていったのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。