〜レイside〜
『―――アルテミスの最中行われたメタナスGX強奪事件は、事件が経った3日が経ちましたが未だに解明されてません。警備員が四名殺害され、捜査当局は懸命な事件への調査をしています』
「・・・・・・・・・・」
CCMのテレビ機能で三日前のメタナスGX強奪事件のニュースを見る。
紳羅さんからの情報でメタナスGXを強奪し、その警備をしていた警備員四人を殺害したのはイノベーターで間違いないとのことだ。
恐らく実行したのはイノベーターの【赤の部隊】だろう。
イノベーターには4つの部隊があるらしく、軍事面の【赤の部隊】。政治面の【青の部隊】。研究面の【白の部隊】。諜報面の【黒の部隊】の4つだ。
河川敷の公園の木に凭れて見ていると。
「―――大々的に報道されてるね」
「そりゃそうですよ。なんせ、世界大会アルテミスが行われてる最中起こった強奪事件なんですから」
僕の背後の気を間に立ち背中合わせで会話する。
相手は紳羅さんだ。
「一応現状を伝えておこうと思ってね」
背中合わせで渡してきたタブレット端末を受け取り、表示されてる情報を見る。
「殺害された警備員は司法解剖の結果、四人とも銃で撃たれて亡くなっている。恐らく停電と同時に強襲されたんだろう。抵抗の感じもなかった」
紳羅さんからの情報を見ながら聞く。
「内部の防犯カメラ類は停電でダウンしていて犯人は確認出来てないが、外部にあったカメラに映っていた」
スクロールしてそのカメラ映像を確認する。
「数は8人。だが、顔も体格もプロテクトスーツを着ていて分からない」
確かに映像に映る8人は特殊部隊のような防弾スーツにヘルメットのようなものを被っている。
「だが、調べでイノベーターの赤の部隊の仕業であるとわかった」
「侵入経路は?」
「裏側にある一つだ。外部からのハッキングによりロックが外されていた」
全てをざっと読み終え端末を紳羅さんへ返す。
「まさかメタナスGX強奪だけでなく、無関係の一般人にまで危害を加えるとは」
「ああ。だがそれが海道義光のやり方だ」
「ええ」
無関係の人を巻き込む海道義光のやり方。それは父さんや里奈さんのことで分かってる。
絶対に許す訳にはいかない。
こうなってはルナにも影からの護衛が必要かもしれない。
「紳羅さん。紳羅さんが掴んでる警察内部のイノベーターの協力者は」
「幾数人か確認している。この件が終わったら捕まえる手筈は整っている。まぁ、イノベーターに関与しているだけじゃなくて汚職とか別件もあるけどな」
Wow…。まさかの汚職とか、紳羅さんたちも大変そうだ。
引き攣り笑いを浮かべ僕は紳羅さんに返す。
「そう言えば、アルテミスで捕まえたあの少年たちからは?」
「一応素直に吐いてはいる。たまに灰原ユウヤのことを聞いてきたりしているが、上からの命令には逆らえなかった、という所だろう。ただ、あの子たちもそれほど多く知っている訳では無いらしい」
「そう。灰原ユウヤの容態は」
「・・・・・・意識が目覚めない状態だ。生きてはいる。だが、昏睡状態と言った方がいいか。精神にかなり負荷を負わされていたらしくてな、快復の方法が見つからない。当人の気力しだいだとの事だ。目が覚めるのは何時になることやら・・・・・・もしかしたら一生目が覚めない可能性も・・・・・・」
灰原ユウヤの様子に僕は声も出なかった。
人体実験をされたのだろう。年は恐らく兄さんたちや海道ジンと同じくらいのはずだ。
「俺はそろそろ行く。灰原ユウヤのお見舞いに行くならこの場所だ。レイ君、君も気をつけろ」
「ええ。そのつもりです」
紳羅さんはその場から離れ去っていく。
後には僕だけ。
そよ風が僕を包み、着ている紺のジャケットが靡いた。
そこに。
「ん?」
CCMが鳴り、電話が掛かってきた。
相手はLEXからだ。
「もしもし?どうしたの?」
アルテミス以降姿を眩ませていたLEXからの連絡に訊ねる。
『レイか?今何処にいる?』
「え?今?今は河川敷の公園にいるけど」
『そうか。悪いが、今から言う場所にまで来てくれないか?』
「いいけど・・・・・・」
『すまん。この場所に来てくれ』
「わかった」
LEXから送られてきた地図と住所を確認し返事を返す。
LEXとの通話が終わり、僕はすぐにLEXの言った場所に向かった。
その場所までは大体徒歩30分圏内であり、そんなに遠くはなかった。
LEXが指定した場所は廃倉庫のような場所でその中の一つだった。
中に入ると、中の中央部の柱の一つに寄りかかっているLEXの姿があった。
「来たなレイ」
「うん」
LEXの姿はアングラビシダスやアルテミスで見た格好ではなく、海道邸に侵入した時のと同じだ。
「悪いが手短に言うぞ。・・・・・・レイ、プラチナカプセルは無事だ」
「え!?」
LEXから出た言葉に僕は驚愕する。
プラチナカプセルはイノベーターに奪われたはずだが・・・・・・
「ヤツらが強引に奪取することは予想していたからな」
「あ!もしかして海道ジンにワザと負けたのって・・・・・・」
「ああ。さすがに気付いていたか」
どうやらイノベーターの動きを予測し対策のために負けたらしい。
恐らく海道ジンに負けるというのが一番良かったのだろう。
普通のプレイヤーにLEXが負ける事などあれば誰もがワザとではないかと感ずる。だが、海道ジンは【秒殺の皇帝】の異名を持つトップレベルのプレイヤーだ。故に海道ジンとの試合で負けたのだろう。
「郷田には悪いことしたがな」
「郷田さんも分かってくれるよ」
LEXを慕ってる郷田さんなら絶対LEXのアルテミスでの目的も分かってくれるはずだ。
「それでプラチナカプセルは?」
「ここに来る前にバンに預けた」
「兄さんに?」
「ああ。元々プラチナカプセルは山野博士がバンに託した物だからな。バンが持っているのが良いと判断したんだ」
「なるほど」
確かにそうかもしれない。
僕より、父さんが託した兄さんに渡すのが筋だろう。
「それでなんで僕を呼んだの?」
「読んだ理由は他でもない。レイ、お前はもっと強くなりたいと思っているか?」
「え・・・・・・?」
LEXの問い掛けに僕は一瞬意味が分からなかった。
強くなりたいと思っているか、か。
そんなの―――
「当然」
僕の返事は至極当然のものだ。
「僕はもっと強くなりたい。いや、ならないといけないんだ・・・・・・!!」
僕の返事を聞いたLEXは満足そうに不敵な笑みを浮かべ頷いた。
「なら、LBXを出せレイ」
「え?」
「バンと同じように俺が稽古をつけてやる。そしてお前には今から二つの必殺技を伝授する」
「必殺技・・・・・・」
「使いこなせるかどうかはお前次第だがな」
「・・・・・・・・・・」
兄さんと同じようにLEXから教えを受けられるとは思わなかった。
LEXは僕が知る中でもトップレベルの中でも一二を争うプレイヤーだ。アルテミスで見た戦いや過去の戦いを観てからも僕よりはるかに強い。
「お願いします、LEX!!」
「いい返事だ・・・・・・」
LEXは懐からDキューブを取り出しジオラマを展開する。
ジオラマは城塞ステージだ。
「俺のLBXはこれだ」
「ウォーリアー・・・・・・」
LEXの取り出したLBXは[ウォーリアー]だ。
アルテミスで使った[G―レックス]は格闘戦型だったが、あのウォーリアーは両手に剣を持つ二刀流型だ。
「疾く在れ!クロノス!!」
僕も自分のLBX、[クロノス]を取り出しジオラマ内に投入する。
「まずはこの必殺技だ」
そう言うとLEXはCCMを操作し。
「必殺ファンクション!【アタックファンクション!ヴォーパル・ストライク!!】」
CCMから音声が響くのと同時に、LEXのウォーリアーが左足を前に、右足が半歩後ろに下がり、右手を肩まで同じ高さに上げカタパルトのような構えを取る。ウォーリアーの右手の剣に赤い。いや、赤より深い深紅のエフェクトが光り、重低音のジェットエンジンのような音が鳴り響く。
そして勢いよく右手を突き出し、剣先から深紅の槍が放たれクロノスの真横を物凄い勢いで突き抜け、クロノスの背後にある城壁に突き刺さり城壁が抉られた。
「な・・・・・・っ!?」
とてつもない威力に目を見開いた。
「これがヴォーパル・ストライクだ。発動までにほんの少し時間が掛かるが威力は絶大だ」
「ヴォーパル・・・・・・ストライク・・・・・・!!」
「この必殺ファンクションは右手の剣にエネルギーを溜める事が重要だ。修練しさらに磨けば更に上に行く」
それはつまり、この威力がさらに上がるということだろう。
「そして二つ目はこれだ。―――必殺ファンクション!!【アタックファンクション!―――・―――!!】」
ウォーリアーから放たれた必殺ファンクションは両の剣から蒼銀のエフェクトが溢れ、目にも止まらぬ速さでその場で空打ちをした。
「これが―――・―――だ。二刀流でないと使えないが、お前なら使えるはずだ」
「・・・・・・はい!!」
LEXからその二つの必殺技の手解きをその後受け、無事発動することが出来るようになったのは修練から30分後のことだった。
「予想より早く覚えられたな。この二つは扱うのが俺でも難しいからお前が使いこなせるかどうかわからなかったが」
苦笑しながら告げるLEX。
「ありがとうございました!!」
LEXに頭を下げ礼を言う。
これで僕はさらに強くなるはずだ。
「レイ、お前はイノベーターとの戦いが終わったらどんな世界になると思う?」
「え・・・・・・」
LEXからの唐突の質問に僕は意味が分からなかったが、少し考え。
「たぶん、イノベーターによってもたらされていた不幸がなくなると思う。ルナや里奈さん。父さんのこと。灰原ユウヤのことも」
「優しいなお前は」
僕の答えにLEXは僕の頭に手を置き優しく撫でた。
「お前を見ていると、アイツのことを思い出す・・・・・・」
「アイツ・・・・・・?」
「いや、なんでもない」
気にするなと言わんばかりにLEXは言う。
「それじゃあ俺はもう行く。またなレイ」
LEXはウォーリアーを片付け倉庫の扉へと歩いて行く。
「楽しみだな。この戦いが終わったらどんな世界になるのか」
不敵な笑みを浮かべLEXはパーカーを被り倉庫の外へと歩いて行った。
あとに残った僕はLEXの後ろ姿を見送り、LEXが置いていったDキューブとクロノスを仕舞い。
「あ、そろそろ時間だ」
人と会う約束をしていた時間が迫っていたため、急いで倉庫から出て駅へと向かった。
駅から目的地の最寄り駅へとむかう。
数十分後、降りた場所の駅から目的の場所はすぐ近くなのだが―――
「ん?リニアが止まってる?」
何故かわからないがリニアが止まっていた。
ニュースでもリニアが全体的に止まっていると流れていた。
「何かあったのかな・・・・・・」
不思議に思いながら目的地へと歩く。
10分と経たずに目的地に着きその場所を見上げる。
周囲の建物より一回り大きく、中央部の社内にリニアの直通駅がある。
「ここがタイニーオービット社か」
LBXが産まれた会社にして、かつて父さんが務めていた場所。
それが今目の前にそびえ立つ。
階段を登り、エントランスに行き受付に話を通す。
「すみません。宇崎悠介さんと会う約束をしていた山野レイなんですけど」
「承っております。少々お待ちくださいませ」
そう言うと受付の人は何処かに電話を掛けた。
その間周囲を見回す。
どうやら何かあったのは間違いないらしい。しかもそんなに時間が経ってない。
「まさかね・・・・・・」
嫌な予感が過ぎるが、そんなわけないかと思いその考えを流した。
しばらくして。
「お待たせしたね」
エレベーターの方から声が聴こえてきた。
視線を向けると、そこには30代半ばぐらいの深緑のスーツを着てメガネを掛けた男性が歩いてくるのが見えた。その後ろにはワインレッドのレディーススーツを着た如何にも秘書というような女性が。
「はじめまして。キミが山野レイ君だね。私がこのタイニーオービット社長宇崎悠介だ」
「はじめまして。山野レイです」
差し出された手を握り返し挨拶を交わす。
「さて、今日私に会いに来たのは何か理由があるらしいが」
「あ、はい。父さん・・・・・・山野淳一郎からあるデータを貰って・・・・・・。宇崎悠介さんに手伝ってもらえと言われて」
「山野博士から?」
「はい」
「ということは・・・・・・キミはマスクドJの正体が山野博士だということは」
「あ、知ってます。父さんからこのデータを直接アルテミスで受け取ったので」
「なるほど。バン君と同じか」
「え、兄さんを知ってるんですか?」
「ああ。つい一時間ほど前までここにいたよ」
「兄さんがここに・・・・・・?」
悠介さんの言葉に僕は思考をめぐらせる。
「(兄さんがこのタイニーオービットに?兄さんがいたということはアミ姉やカズ兄もいたはず。いや、だとしても兄さんたちにタイニーオービット社に来る用事はなかったはず。僕は父さんから悠介さんに手伝ってもらえって言われたからアポを取ってここに居るし。・・・・・・まてよ、LEXがプラチナカプセルを兄さんに渡したと言ったっけ?兄さんがもしプラチナカプセルを受け取ったなら、たぶん拓也さんに連絡するはず。じゃあ、兄さんがここにいたってのは拓也さんに連れられて?兄さんたちにタイニーオービットへのコネはないから、可能性があるとすれば拓也さんだし・・・・・・・・・って、ん?あれ、悠介さんと拓也さんって同じ苗字の【宇崎】だ。ってことは・・・・・・・・・・)」
思考を回らせある仮説にいたる。
「あの、もしかして悠介さんと宇崎拓也さんって、兄弟かなにかですか?」
「ほう。さすがだね」
「はい。まさか社長と拓也さんがご兄弟だと分かるなんて思いもしませんでした」
どうやら僕の仮説はあっていたらしい。
ということは―――
「もしかしてタイニーオービット社でプラチナカプセルの解析を?」
「なんと!そこまで分かるのかい?」
悠介さんは驚いたような表情を出して言う。
まぁ、僕もLEXから兄さんにプラチナカプセルを返したって言われなきゃ知らなかっただろうけど。
「LEXからここに来る前に聞いたので」
「なるほど。それじゃあ、早速案内しよう」
「はい」
悠介さんのあとに続いて僕は社内を歩いて行く。
しばらく歩き、エレベーターに乗って上の階層に行きとある部屋の前に着いた。
ドアがスライドし悠介さんの後に続いて入ると、中には二人の男性がいた。
片方は知ってる人物。もう片方は白衣を着ていて如何にも技術者という感じだ。
「っ!?レイ!?なぜ君がここに!?」
「拓也さんこそ。・・・・・・って、あ、そうか。ここでプラチナカプセルの解析を行っていたんだ」
「なっ!?」
拓也さんはド肝を抜かれたように面白い顔をしている。
「結城君、すまないが彼が山野博士から受け取ったデータを出してくれないか?」
もう一人の方は結城さんというのか。
結城さんは、わかりました社長、というと僕からCCMを受け取り機械にセットする。
しばらくして。
「社長、これを見てください!!」
結城さんが上のモニターに何かを表示した。
「バンと同じ新型か?」
モニターには一つのあるLBXの設計図が表示されていた。
「恐らく、レイ君専用のだろう。見たまえ。クロノスと同じ設計思想だ」
僕には分からないが、拓也さんと悠介さん、結城さんが言うならそうなのだろう。
「レイ君の超高速操作にも耐えられる設計だ」
クロノスでも超高速操作には耐えられたが、正直何時オーバーヒートするか分からなかった。
「結城君、早速作業にかかってくれ」
「わかりました!」
どうやらこの場で作製するらしい。
さすがタイニーオービット社。
出来るまでの間、僕は拓也さんと悠介さん。秘書の霧野さんから僕が来る前の出来事を聞いた。
聞いた僕はえぇーと思わず声を出してしまったがそれも当然だ。
だって、タイニーオービット社に来る最中にイノベーターによって車の運転が操作不能になり危うく捕まるところだったとか、タイニーオービット社に着いてからもイノベーターの襲撃があったり、リニアの暴走で危なかったとか。前者は悠介さんがこのタイニーオービット社内からコントロールポッドというLBXを遠隔操作する機械で助け。中者はアミ姉とカズ兄の活躍で。後者のリニアは兄さんと海道ジンが協力して止めたとか。
うん、正直言ってその短時間でなんでそんなになるの?
ていうか、あのパンドラってLBXのプレイヤーって悠介さんだったのね!いや、なんか変装したら似てるかなって思ったけど。
そして極めつけに、LBXで暴走リニアを止めるとか、兄さんもだけど海道ジンも半端ないね!!
そして、兄さんたちもマスクドJの正体が父さんだって気づいたんだね、やっと。
いやー、うん。
「イノベーターって・・・・・・暇なの?」
「「「「ぶっ!!」」」」
僕の真顔での呟きを聞いた大人四人がたまらず吹き出した。
いやだってこんなに立て続けにやるとか、暇なのかと思うわ!
とまあ、そんなこんなで僕の新型LBXが完成し―――
「ほぇー・・・・・・」
新たなLBXに僕は思わず感嘆の声が漏れ出てしまう。
色は黒を基調にした騎士のようなスマートなフォルム。
手にはそれぞれ細身の片手剣を装備。
背中には羽織るような白銀のマントが。黒の機体にそれに反した白銀のマントがマッチしている。
「名前は[カオス]か」
「原初の神の一柱にして混沌の神か」
そう。この新しいLBXの名前は[カオス]。
原初の神の一柱にして混沌の神だ。
「カオス・・・・・・これを父さんが僕に」
神々しいというより、カッコイイのだろうか。
僕はカオスを目の前にそんなことを思う。
「まさか今日だけでこんな目まぐるしい一日になるなんて思いませんでしたよ」
「ええ。特に山野博士考案の新型LBXが二体も出来たことは喜ばしいですね」
「ん?もしかして兄さんも新型を?」
「ああ。それでリニアを止めたんだ」
アキレスが破壊されLBXを持って居ないはずの兄さんがどうやってリニアを止めたのか不思議だったけど、新型LBXを行使したのなら納得だ。
兄さんがどんな新型LBXを使うのか楽しみだ。
「レイ、明日バンたちはアキバでオタクロスという人物を探す」
「え・・・・・・」
「手が空いたらバンたちを手伝ってくれないか?」
拓也さんの言葉に僕は思考が止まった。
「(え?兄さんたちオタクロスに会いに行くの?あのオタクロスに?)」
詳しく聞くとプラチナカプセルを解読するためにインフィニティネット経由でゴッドゲートと呼ばれる防壁の奥にある、メタナスGX内部に侵入し解読コードを入手するのだが、このゴッドゲートは最高レベルの防壁を誇りたとえどんなハッカーだろうと破るのは不可能なのだが、ただ一人伝説の超ハッカーと呼ばれたオタクロスなら出来るだろうと、兄さんたちがオタクロスを探すらしい。
「いや、あの、その・・・・・・」
拓也さんに言い難いのだが。
「僕、オタクロスが何処にいるのか知ってるんですが・・・・・・」
「なにっ!?」
「えっ!?」
僕の言葉に拓也さんと結城さんは声を上げ、霧野さんは目を大きく見開いた。悠介さんに関しては普通だった。
「いや、実はアルテミスが始まるまでアキバで武者修行というか、ランクバトル上げしてたので」
オタレッドことユジンさんにでも言えばオタクロスに会えるだろう。いや、直接連絡とることもできるけど。
「けど、あー・・・・・・面倒なんですよねオタクロス」
ハッカーとしては超が幾つも付くほどの天才なのだが、なんというか・・・・・・。
「まぁ、兄さんたちが自力でオタクロスを見つけないとダメですね。てか、会ってくれないと思います」
「そ、そうか」
「ま、まあ、僕もオタクロスに連絡しておきます」
なんとも言えない感じに僕は拓也さんに言う。
そうして僕は悠介さんたちと話したりしてタイニーオービット社を後にした。
あ、帰りは時間も時間なので霧野さんが送ってくれました。
家に着き、自室で僕はリニアとトレーラーのことを新羅さんにメールで伝える。
そして、ユジンさんに明日兄さんたちがオタクロスに会いに行くことを伝え、ついでにオタクロス本人にも伝える。
帰ってきた返信には、紳羅さんは『了解した。こちらでも調べてみる。なにか分かったら連絡をくれ』と。
ユジンさんは『わかりました!師匠に伝えておきます!それとせっかくなので久しぶりにバトルしませんか?!』が。
そしてオタクロスからの返信を見た僕はため息を吐いた。なんせ。
「なんでやねん」
僕も来るように書かれていたから。
面倒だなぁ。
そう思いながら僕は眠りに就いた。