ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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回想 イノベーター編 ⅩⅡ 暗躍と大会、そして王者

 

〜レイside〜

 

兄さんたちがオタクロスと会って2日後。

 

「―――必殺ファンクション!【アタックファンクション!デットリー・シンズ!!】」

 

「な、なにぃっ!?」

 

僕はオタクロスからの試練としてランキングバトル1位を目指し絶賛ファイト中だった。

現在のランクは21位。

この人に勝てば20位に上がれる。

カオスによるファイナルアタックが決まり、相手のLBX[マッドドッグ]がブレイクオーバーする。

これでランキングの序列が上がった。

証拠にランキングバトルのサイトからランキング上昇の告知がCCМから流れる。

対戦相手と軽く会話と握手をして別れ、次の対戦相手を探す。

 

「・・・・・・・・・・?」

 

探してるなか、僕は変な視線を感じた。

チラッと視線を後ろにやり観てみると、二人ほど黒服の人影が見えた。

 

「誰だアイツら?」

 

警戒心を高めながら歩く。

背後の黒服は僕のあとを付けてくる。

となると恐らく―――

 

「ちっ・・・・・・イノベーターか・・・・・・?」

 

僕は悪態を吐きながら人混みを歩く。

その後3時間ほど掛けて序列を16位にまで上げアキバを後にした。

その間やはり後を付けてきた黒服がいたが、電気街の路地に入り込み追っ手を撒いた。たぶん相手は僕に気づかれていないと思ってるだろう。ただ単に見失った、と感じるはずだ。

僕はそのままアキハバラから移動してルナの入院している病院へ向かった。

病院に着きルナの病室に着くと。

 

「メア、キヨカ」

 

メアとキヨカが、ビニールカーテンで仕切られたルナのベッドの前にいた。

 

「レイ・・・・・・」

 

「レーくん・・・・・・」

 

「ゴメン。遅れた。・・・・・・ルナの様子は?」

 

「ずっとこのままよ・・・・・・」

 

僕の問いに答えたキヨカの視線の先には、酸素マスクを着け眠っているルナがいる。

昨日来た時から変わってない。

 

「・・・・・・里奈さんは?」

 

「昨日も一昨日も来てないって」

 

「三日前は来てたらしいけど・・・・・・」

 

「里奈さん・・・・・・」

 

唯一の肉親にして実妹であるルナを里奈さんは自分の命と同じくらい大切にしている。

それは海道邸でのことで知れ渡ってる。

担当医の先生曰く、ココ最近はよく来ていたらしい。

けど、ルナが今の状態になってからは姿を見せてないらしい。

 

「・・・・・・里奈さん、今どこにいるの・・・・・・」

 

窓の外の青空を部屋の中から見上げて呟く。

とてつもなく嫌な予感がするのは気の所為だろうか。

ルナのためならどんなことでもするはずだ里奈さんは。

それこそ、ルナを唯一救える手段のある『オプティマ』を認可させるため、その認可を止めている先進開発省大臣にしてイノベーターの首魁海道義光を脅すぐらいは。最悪の場合殺人にまでいくかもしれない。

僕はそんな不安が現実にならないことを祈るしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日は過ぎていき、ついにアキハバラキングダム開催日当日になった。

なった、のだが・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・」

 

「うぅぅ。レイが怖いデヨ・・・・・・」

 

「自業自得だろ」

 

オタクロスを睨みつける僕とダイキさん。

理由は―――。

 

「で、俺の妹を人形にしてもいいか、だと・・・・・?ふざけんなよ、おっさん」

 

「メアとキヨカを人形にするだって?また、O★HA★NA★SHIされたい訳オタクロス?」

 

である。

このバカ老人はメアとキヨカを見るなり、お約束の人形にしてもいいかと言ってきたのだ。

言われたメアとキヨカはギョッ!?としてオタクロスから隠れるように同時にメアはアミ姉の。キヨカはダイキさんの後ろに隠れた。

そして現在、僕とダイキさんのコンビでこの阿呆馬鹿老人(オタクロス)に説教しているのだった。

あ、ちなみにダイキさんがオタクロスにお説教してる間、キヨカはアミ姉の方に移動していた。

そんなこんなで閑話休題。

 

「さっさと話を進めてオタクロス」

 

「きゅ、急すぎるデヨ〜・・・・・・」

 

「ぁ?」

 

「は、はいっ!わかったデヨぉ!!」

 

怯えたように悲鳴をあげてオタクロスは端末の前に移動する。

そんなに怖いだろうか?

 

「え、えーと。ほんじゃ、アキハバラキングダムについて説明するデヨ。―――の前に、お前さんに客じゃ」

 

オタクロスはカズ兄に杖を向け言う。

 

「客?俺に?」

 

カズ兄が首を傾げると同時に。

唯一の表の出入口であるエレベーターから一人のスーツを来た大人が出てきた。

その人はなんと、悠介さんだった。

悠介さんは銀色のアタッシュケースを手に入ってきた。

悠介さんはアタッシュケースをカズ兄に渡し、カズ兄がアタッシュケースを開くとそこにはなんと、あの[フェンリル]のアーマーフレームが収められていたのだ。

なんでもオタクロスがあの時やっていたのはフェンリルのデータをコピーしていたそうだ。そしてそのデータを悠介さんに送り、悠介さんがフェンリルのアーマーフレームを作製したそうだ。

思わぬ戦力増強にカズ兄も僕らも嬉しくなる。

その後悠介さんは部屋から出てアキハバラキングダムの会場へ向かった。

なんでもアキハバラキングダムの主催はタイニーオービット社らしい。

そして、アキハバラキングダムの出場組み合わせで一悶着あったが、なんとか進み。

僕らはアキハバラキングダムの行われる交差点前に来ていた。

途中、店長と沙希さんや三影さんたちと出会い、沙希さんにオタクロスが例のアレをしたが閑話休題。

どうやら、この交差点が会場らしいのだが何も無い。

あるのはどこにでも普通の信号機とかだ。

不思議に思っていると、突然警報音が何処からか鳴り響いた。

何事かと周りを見渡すと。

 

「れ、レーくん。あ、あれ!」

 

「ん?」

 

メアの指差した方は交差点だ。

その交差点の中央部の地面が開き、そこからスタジアムが迫り出してきた。四方を巨大な脚が支え高さは建物二、三階ぐらいあるだろう。

 

「な、なななな!?」

 

「地面から」

 

「スタジアムが現れた・・・・・・!?」

 

口を開けてメア、キヨカ、僕の順に言う。

 

「あれがホコテンコロシアムじゃ!!あそこで、アキハバラ一が決まるでよォ〜!」

 

オタクロスの言葉から、どうやらあのスタジアムがアキハバラキングダムの大会会場らしい。

てかアキハバラの交差点の地下にこんなのがあったの!?

え、てかどうやって作ったの・・・・・・!?

唖然呆然とそんな疑問を浮かばせながら観る。

その後出場選手はそれぞれコロシアムに上がり、僕らもそれに並んで行く。

コロシアムは中央に金網で仕切られたバトルステージを除き、四方に簡単なメンテナンス台があると言う、至ってシンプルな造りだ。

ユジンさんたちも出るらしく、挨拶しその際変なことはしないようにと釘を刺し・・・・・・。

ほかの出場選手を軽く見る。

兄さんたちの他にLマガで特集や表紙を飾る、アルテミスには出場してないトッププレイヤーがチラホラ居る。

出場チームは全部で8組だ。

ちなみに兄さんたちのチームメンバーはそれぞれ、兄さん、郷田さん、ダイキさんのチームに、アミ姉、カズ兄、海道ジンのチームの二つだ。

これを見てお気づきの人もいるだろう。

そう、郷田さんとダイキさんが同じチームなのだ。

犬猿の仲の二人が同じ組ということで僕らは不安しかない。

逆に、アミ姉の所はなんとかなる、かと思う。

 

「ん?」

 

ふと、視線を感じ視るとそこには黒いフードパーカーを被った人たちと、これまた同じく黒い衣装を着た三人の男女がいた。

恐らく彼らがハッカー軍団なのだろう。

視線は兄さんと・・・・・・僕を視ていた。

ハッカー軍団とは初対面のはずだが・・・・・・。

アルテミスで優勝した兄さんはともかく、僕は普通のLBXプレイヤーのはずだ。

そのはずなのだが、何故かハッカー軍団から注目されている。何故だ?

不思議になりつつも兄さんたちについてメアとキヨカと話し―――

 

「・・・・・・・・・・」

 

「ぇぇ・・・・・・・・・」

 

「うわぁ・・・・・・・・」

 

ついに始まったアキハバラキングダム。

今は第一回戦が行われている。

視線の先にあるステージの金網での中には兄さんと対戦相手な沙希さんがいる。

いる、のだが・・・・・・。

 

「沙希さんって、ハンドルを握ると性格が変わるタイプだったんだ・・・・・・」

 

「ハンドルじゃなくてLBXなのだけどね」

 

「なんていうか、店長がお店で沙希さんにバトルを禁止させているわけが分かったよ」

 

今の沙希さんは普段の感じではなく、荒々しく闘争心が高まり満ち溢れている。

正直これには僕も言葉も出ない。

店長が疲れ気味なのもこれで理解した。

確かにこれはお店で対戦しちゃダメなヤツだ。

ヘタしたら相手にトラウマを与えかねん。別の意味で。

 

「沙希さんのLBXはクノイチか」

 

「武装はナギナタ系の槍ね」

 

「けど・・・・・・」

 

映ってる兄さんと沙希さんの一対一の戦いで、兄さんは沙希さんの攻撃。というか、突進に躱してばっかりだった。

 

「うわぁぁ・・・・・・」

 

「猪突猛進・・・・・・」

 

「今の性格を体現してるね・・・・・・」

 

「はぁー・・・・・・」

 

僕らの声を聞いた店長は崩れ落ちるようにため息を吐いた。

 

「て、店長、沙希さんのあの性格って・・・・・・」

 

「以前は優しくて大人しかったんだがなぁ・・・・・・。LBXを教えたら俺より上手いしああなってさ・・・・・・教えない方が良かったって後悔している・・・・・・」

 

店長のなんとも言い難い、懺悔のような言葉に僕らに微妙な空気が流れた。

で、結果はどうなったかと言うと、なんとか兄さんが勝った。

ダイキさんの助言(?)もあり沙希さんの性格を読んで逆転勝ちした。

終わった途端の店長の安堵は何も言えなかった。

うん。ガンバレ店長!

で、アミ姉たちの方はというと、一言で言うなら瞬殺終了である。

対戦相手は『ジェイソン・クロサワ』という、髪が後退した金髪の丁髷と眼帯と鉢巻と背負った日本刀が特徴的な所謂日本かぶれの外国人だ。

ルー語のように英語混ざりな口調で話して、語尾には「ござ~る」を付けている。そして【七転び八起き】を【八転び七起き】と言うなど前後逆の間違った知識が散在していた。てか、なんで数が減るの!?外国では数え方が逆なのだろうか?いや、万国共通だよね!?

そんなツッコミが思い浮かぶ。

とまあ、話を戻して、ジェイソン氏の対戦相手は海道ジンであり、既に予想できていた。

ジェイソン氏のLBXはムシャの左腕と脚をカブトにしたカスタム機。海道ジンは[プロトゼノン]と呼ばれる新型機だ。

で、ジェイソン氏が開始後に歌舞伎の様な見得を切っている最中、海道ジンの冷静沈着無反応でプロトゼノンの武器のハンマーでジェイソン氏のLBXを兜割りでヘッドパーツを破壊。一瞬でブレイクオーバーにし呆気なく終わった。

うん。マトモな戦いですらない、正直瞬殺終了と言ってもいいのかと思うほどである。

で、一回戦だが他のふたつ勝者はそれぞれ、【ハッカー軍団】と【オタレンジャー】である。まあ。予想通りでもある。

そして、続いて行われた二回戦の第一試合は兄さんたち対ハッカー軍団の組み合わせとなった。

今回は二対二で、兄さんのほうは郷田さんとダイキさん。ハッカー軍団のほうはヤマネコと呼ばれた小柄で、ヤマネコの名前の通り猫の様な風貌を持つ男性。もう一人はグンソウと呼ばれた大柄で、小太りな男性だ。

使用するLBXはハッカー軍団のほうは、ヤマネコが[レッドリボン]。グンソウが[グリーンリボン]、とアキハバラらしいメイドのようなLBXだ。

で、郷田さんとダイキさんの方はと言うと、二人とも相機の[ハカイオー]と[ジョーカーMark2]かと思いきや、なんとそれぞれ郷田さんは[ハカイオー絶斗]。ハカイオーの新たに進化した強化LBX。

ダイキさんは[ナイトメア]。こちらもジョーカーの強化されたLBX、と新型を投入してきた。まさかの新型に驚く僕ら。

それは相手もで、少し驚いたがすぐに戻り二人を小馬鹿にしたように言ってくる。

いや、ここでダイキさんにそう言う風の言ったら・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・」

 

恐る恐るメアと一緒にキヨカを見る。

キヨカは視線を俯かせて、プルプルと震えていた。

この震えは寒さというより―――

 

「お兄ちゃん、ソイツら滅多滅多のぐちゃぐちゃの、ギッタギタにして泥を塗って。負けたら承知しないから」

 

「「ひぃっ!?」」

 

能面のような表情で言うキヨカに僕とメアは怖くて互いに抱きついた。

だって一切の生気を感じない目なんだもんキヨカ。

キヨカの言葉を聞いて店長や沙希さん。アミ姉にカズ兄たちが恐怖の表情を浮かべる。海道ジンもギョッ!?としたような感じだ。

で、それが聴こえたダイキさんも慌ててこっちを見て引いていた。

郷田さんと兄さんは身震いをし、ハッカー軍団たちは顔を青ざめていた。

まあ当然である。今のキヨカ怖いんだもん!!

 

「お、おうっ!」

 

ビクつきながら返事をするダイキさん。

威勢がいいのは良いのだが、足が震えているためなんとも言え難い。

「お、落ち着こうキヨカちゃん!?さ、殺気が漏れてるから!」

 

「・・・・・・」

 

メアのお陰でキヨカから冷たい殺気は消えたが空気は変わらず・・・・・・。

ま、まあ、なんとか試合は始まり郷田さん&ダイキさんVSヤマネコ&グンソウの戦いを引き攣り笑いを浮かべながら兄さんたちの戦いを見守る。

で、結果はと言うとギリギリとは言えないが、二人らしい戦いでヤマネコとグンソウを下した。

序盤、ダイキさんは全く手を出さず郷田さんがヤマネコとグンソウ二人を相手。ヤマネコとグンソウはチームワークで郷田さんに優位に取っていた。

郷田さんのハカイオー絶斗はブロウラーフレーム。対してヤマネコとグンソウのレッドリボンとグリーンリボンの両機は、ダイキさんのナイトメアと同様のストライダーフレーム。機動性ではヤマネコたちが勝る。

レッドリボンの武装はレイピア系の剣。グリーンリボンはアサルトライフル系の片手銃と遠近分けている。

今回のフィールドは砂漠ステージというのもあり、地面の大半が砂だ。建物やピラミッドのような建築物もあるがほんの少しだけ。

動きが阻害される砂漠ステージなだけあって、ハカイオー絶斗は速度が少し遅い。

だが、レッドリボンとグリーンリボンは機動性が売りのストライダーフレームの特性を生かしハカイオー絶斗を翻弄する。

ハカイオー絶斗が翻弄されるなかナイトメアはピラミッドの上部で高みの見物をしていた。その際キヨカがまたしても極寒の殺気を放とうとしていたがなんとか抑えさせた。

ダイキさんがシスコンなら、キヨカもキヨカでブラコンなのだ。似たもの兄妹である。

で、ダイキさんが動かない理由は、郷田さんが始まる前に『何もするな』と言われたからだ。ホント、この二人の相性は最悪だなぁ。

呆れたように肩を竦め一対二の戦いを観る。

正直、ヤマネコとグンソウの操作スキルは高い。

アルテミスに出場したら絶対決勝戦まで行く程だ。

だが、それでもそれはチームワークによる連携(・・・・・・・・・・・)でだ。

操作スキルは高いが、個人能力で言ったらそこまで高くない。

それに、この二人は郷田さんとダイキさんの実力を侮り過ぎてる。

確かに相性は悪いどころか最悪の二人だが実力はトップクラス。片や【地獄の破壊神】。片や【箱の中の魔術師】。

この二人が組めば―――

 

 

「伏せろ郷田!」

 

ハカイオー絶斗が伏せるとその背後からナイトメアのサイスがグリーンリボンを叩き付け吹き飛ばす。

 

「なぜだ?何故俺を助けた」

 

「ふっ。会ってみたくなったのさ。この程度のヤツらで上にいるマスターキングってヤツにね」

 

悪い顔をしているダイキさん。

相変わらずだなぁー。

キヨカはキヨカで満足そうに成長途中の胸を張っている。

ダイキさんの言葉が気に食わなかったらしいヤマネコとグンソウは、おでこに怒りマークを着けて見えるような表情で言い返す。

 

「言ってくれるぜ・・・・・・!一気にケリをつけてやる!」

 

「挟み撃ちだもん!」

 

愚直にそれぞれ銃を持ち突っ込むヤマネコとグンソウのLBX。

 

「テメェ一人にカッコイイ事させるか!」

 

「さっさと決めるぜ!」

 

「「必殺ファンクション!!」」

 

「【アタックファンクション!超我王砲!!】」

 

「【アタックファンクション!デスサイズハリケーン!!】」

 

郷田さんがグンソウのグリーンリボンを。ダイキさんがヤマネコのレッドリボンをそれぞれ必殺ファンクションを同時に放ち、それぞれの相手のLBXをブレイクオーバーさせた。

ま、逆転勝ちかな。

二人が協力して戦えばもっと早く、スムーズに勝てたと思うんだけどなぁ。

今更ながらなことに僕は頭を悩ませる。

この二人が仲良くなって最初から協力する日が来るのだろうか・・・・・・。

で、その次のアミ姉たちの試合なのだが―――

 

「はぁ・・・・・・」

 

ユジンさん宛にメッセージをCCMから送り僕は次の試合を見ることにする。

だって今の試合、またしても一分も経たずに終わったんだもん。

アミ姉たちの方は出たのは海道ジンとカズ兄。で、ユジンさんたちオタレンジャーの方はオタブラックとオタピンクだったのだが・・・・・・ユジンさん以外まともな人はいないのか!?ユジンさんもユジンさんだが、さすがオタクロスの弟子!!まともな人がいない!!

試合開始直後にオタブラックとオタピンクはLBXでロールダンスをし、速攻で海道ジンが必殺ファンクション【ブレイクゲイザー】で攻撃。これでオタブラックがブレイクオーバー。

で、何故か武器も放り捨てて愚直に海道ジンのLBX[プロトゼノン]に突っ込み、そこにカズ兄の新LBX[フェンリル]の必殺ファンクション【ホークアイドライブ】でこれまたブレイクオーバー。

所要時間一分も経ってない約30秒である。

正直言って、バカである。バカのバカの超大バカである。

 

閑話休題

 

でもって決勝戦。

チームは兄さんたちとアミ姉たちのチームで概ね予想通りである。

決勝戦は総当たり戦。つまり三対三の戦いだ。

正直この決勝戦の結果は僕にも視えない。

特化型の兄さんたちのチームに対し、万能型のアミ姉たちのチーム。

勝算は五分五分。

チームワークが勝利のカギを握るだろう。

やがて始まった決勝戦。

海道ジンのプロトゼノンにダイキさんのナイトメアが迫る。

兄さんのオーディーンと郷田さんのハカイオー絶斗は、アミ姉のパンドラとカズ兄のフェンリルとぶつかる。

で、戦闘内容は省略するが(説明が大変だから)、この大会の中で一番盛り上がり、熱く、滾る、充実した戦いだったと言えるものだった。

一進一退の攻防。どっちが勝つか予測つかない驚きの数々。

中でも、海道ジンがダイキさんのナイトメアの分身攻撃を見抜いたのには驚いた。

分身攻撃は本体は一つで残りは分身。一見本体と分身は同じように見えるが、よくよく見れば一つだけ先行している機体がある。つまりそれが本体だ。分身はその本体の後に付いているだけ。だが、これを見抜くにはとんでもない洞察力がいる。

だが、海道ジンはそれをこの短時間でやってのけた。とんでもない洞察力と観察力だ。

それから先も波乱万丈の戦いだった。

兄さんの策にカズ兄が引っかかりブレイクオーバーしたかと思いきや最後の最後で復活し、遠距離から近接武器を手にまさかの接近戦。

海道ジンの右の片腕を失ったプロトゼノンによる必殺ファンクション【ブレイクゲイザー】の一撃でナイトメアとハカイオー絶斗がブレイクオーバー。兄さんのオーディーン一機でパンドラ、フェンリル、プロトゼノンを相手にすることになる。

正直これは四面楚歌。いや、三面楚歌か?一対三だし。

兄さん一人でアミ姉にカズ兄、海道ジンを相手にするのは難しい。

だが―――

 

「さぁ。兄さん、ここからどうやってひっくり返す」

 

僕は不敵な笑みを浮かべて兄さんに向けて呟く。

 

「レーくんならこの盤面どうするの?」

 

不敵な笑みを見たメアが肩を竦めて聞いてくる。

キヨカも疑問顔だ。

 

「そうだね・・・・・・僕なら・・・・・・」

 

兄さんも策を思い浮かんだのか接近するプロトゼノンたちにオーディーンを突っ込ませる。

 

「一撃で三機を倒す」

 

例え一機倒したとしても、残り二機がオーディーンを倒すだろう。

それは二機を倒したとしても同じだ。

この盤面で戦況をひっくり返す手段があるとするなら、それは一撃で三機同時撃破をすることだ。

 

「え・・・・・・さ、三機同時撃破・・・・・・!?」

 

「いくらなんでもそれはさすがに・・・・・・」

 

メアとキヨカは不可能だと言いたげだ。

 

「まぁ、確かに普通なら不可能だろうね。けど、今この戦況ならアミ姉たちはオーディーンを倒すことにだけ集中している。そこに付け入るスキがある」

 

人間の心理はそう複雑ではない。

目先のことに集中となるとどうしてもスキが出来る。

それがたとえ海道ジンであってもだ。

さぁ、兄さん。どうやってこの展開を乗り越える!

兄さんに期待して僕は観る。

結果は―――

 

「うそ・・・・・・」

 

「レイの言った通りになった・・・・・!?」

 

アミ姉たちの猛攻を避け、三機が固まったところをオーディーンの必殺ファンクション【グングニル】が発動。一撃で三機同時撃破を成し遂げた。

まさしく起死回生の一手。逆転勝利だ。

 

「レイはこれを読んでいたの?」

 

キヨカの愕然とした問いに僕は。

 

「いや、兄さんの性格と今の戦況と武装、フィールド、相手の心理とか読んで予測しただけだよ」

 

そう答える。

兄さんの考えていることなど、僕には手に取るように分かるからね。

そうして決勝戦を制した兄さん、郷田さん、ダイキさんはついにアキハバラの頂点に立つ『マスターキング』と対戦することになった。

で、そのマスターキングだが―――

 

「え、あのオバサンがマスターキング?」

 

「なんか違うような・・・・・・」

 

「いや、どう見ても違うでしょ」

 

上からメア、キヨカ、僕の順に言う。

視線の先には、巨大な電光掲示板の前に現れた女性(オバサン)に向いていた。

兄さんたちも同じようなことを思ったらしく、ダイキさんのオバサン発言に、その女性はこめかみに怒りマークを浮かばせドシドシ地鳴りが鳴るのではないのかというような大股な歩きで詰め寄る。

その女性が「出番よマー君!!」というと、電光掲示板の前の床がスライドして開き、そこから王の玉座みたいな椅子に偉そうに座った子供が現れた。

そう、子供(・・)である。

歳は5歳で、確実に幼稚園児だろう。

その子供を見た僕らは、は?と口を開けた。

いやだって、マスターキングが子供だなんて誰が思うだろうか。

予めユジンさんから聞いていた僕でさえ驚いてる。

何故その子供がマスターキングなのかというと、ハッカー軍団連中がその子供に向かって「マスターキング様!!」と言っているのと、周囲の観客が「キング!キング!キング!キング!」と言っているからだ。

うん、確定。あの子がマスターキングだ。

で、マスターキングのLBXは[太陽神アポロカイザー]。黄金色で統一された機体だ。

アーマーフレームは見る限りナイトフレームだろう。そして、恐らくハンドメイド作品。

機体性能もどんな戦術を使うのかも未知。

だが、あのオタクロスを破ったのだから弱いわけが無い。

例えそれが―――とてつもなくくだらないワザと負けた戦いであっても、だ。

そして始まったマスターキング戦。

マスターキング側はマスターキングとお供のハッカー軍団二人の三人だ。

LBXはマスターキングはアポロカイザー。ハッカー軍団二人はヤマネコとグンソウのレッドリボンとグリーンリボンと同系統の[グレイメイド]と呼ばれるLBXだ。

フィールドは氷雪ステージ。このフィールドの特徴は、とにかく滑りやすいところだ。メリットでもありデメリットでもあるこのフィールドをどう生かすかが勝利の分け目となるだろう。

開始直後、マスターキングはアポロカイザーを雪原の高台に移動させ武器の剣を突き立て高みの見物と洒落こんでいた。動いたのはお供のハッカー軍団二人のグレイメイド。武装はそれぞれランチャー系のバズーカと銃系のアサルトライフルだ。

グレイメイドが動き出すと郷田さんのハカイオー絶斗とダイキさんのナイトメアがそれぞれグレイメイドに接近するが、グレイメイドは氷の地面を滑るように移動し躱し、ハカイオー絶斗は氷壁にぶつかりナイトメアは氷壁にぶつかるギリギリのところで止まった。そのままグレイメイドは兄さんのオーディーンに接近し遠距離攻撃を放つ。オーディーンも避けようと動くが、氷の地面に足を取られ思うように回避出来ずグレイメイド二機の攻撃を浴びることになった。

 

「っ!お兄ちゃん!」

 

「バン兄!郷田さん!」

 

キヨカとメアが声を上げる。

 

「相手はこの氷雪フィールドを熟知してる・・・・・・!」

 

思い返してみても、兄さんが今まで戦ったフィールドは草原や地中海遺跡、コンビナート、とどれも地面が普通のフィールドだけだ。

唯一例外はアルテミスの決勝戦でのフィールドである火山フィールドだけだが、あそこでも氷雪フィールドのようなことは無い。フィールドに火山の名の通りマグマが流れるだけだ。

 

「相手が出てくれば引き、下がれば出る・・・・・・統制の取れた動きだ」

 

海道ジンの言う通り、兄さんたちはグレイメイド二機に翻弄されっぱなしだ。

二機のグレイメイドはフィギュアスケーターのように氷の地面を滑って移動し兄さんたちをまったく寄せつけない。

でも―――

 

「そろそろ慣れてきた頃かな、三人とも」

 

兄さんたちを舐めすぎだ。

兄さんはともかく、郷田さんとダイキさん二人の相性は最悪だ。

だが、相性最悪ということは、反対に取れば相性最高(・・・・)ということだ!

滑ったハカイオー絶斗とナイトメアはそれぞれの武器で受け止め、勢いをさらに乗せて反転し二体のグレイメイドに滑るように接近し、すかさず必殺ファンクション【超我王砲】と【デスサイズハリケーン】を放った。

モロに喰らったグレイメイド二機はもうボロボロで満足に動ける状態じゃない。

その二機がハカイオー絶斗とナイトメアに突然武器もなしに飛び付いた。まるで身動きを封じるように。

 

「なんのつもりだ・・・・・・!?」

 

カズ兄が郷田さんと同じ言葉を口にする。

一体あの二機の動きはどういう意味なのか・・・・・・。

僕もそう思っていると、ついに高みの見物をしていたアポロカイザーが動き出した。

 

「っ!まさか!」

 

アポロカイザーが動き出したことに僕は嫌な予感がした。

あの二機のせいでハカイオー絶斗とナイトメアは全く身動きが取れない。

もしあの行動が、道連れ(・・・)なら・・・・・・!

僕の予想を答えるように、マスターキングが言った。

 

「必殺ファンクション!」

 

「あぶないっ!」

 

兄さんのオーディーンが放たれるギリギリのところで間に入りこむ。

 

「【アタックファンクション!神速剣!!】」

 

アポロカイザーから放たれた必殺ファンクションはその名の通り神速の速度で剣を振るい黄金の斬撃を放った。

オーディーンが槍を前に突き出し、僕の必殺ファンクションのディフェンス技のひとつ【スピニングシールド】のように回転し斬撃を防ぐ。

防がれた斬撃はハカイオー絶斗とナイトメアに取り付いてるグレイメイド二機に大半が当たるが、ハカイオー絶斗とナイトメアにもダメージが行ってる。

最後に振り下ろされた一撃で衝撃により白煙が立ち込める。

放ち終えたアポロカイザーが動きを止め、白煙が晴れると。

 

「な、っ!?」

 

「うそっ!?」

 

「っ!?」

 

オーディーンたちの損害に目を見開いた。

防いだにもかかわらず、オーディーンの左腕は千切れ、ナイトメアとハカイオー絶斗は満身創痍。三機とも傷だらけだ。

だがそれよりも―――

 

「味方を犠牲に必殺ファンクションを決めるなんて・・・・・・!」

 

マスターキングの一撃はお供のハッカー軍団のグレイメイド二機を巻き込み、グレイメイドは跡形もなく破壊された。

 

「マズい・・・・・・」

 

あの必殺ファンクションはひとたまりもない。あんなのを何度も食らったら破壊されるのが目に見えてる。

兄さんも必殺ファンクション【ライトニングランス】を放つが、アポロカイザーはそれを上に跳んで避け、【ライトニングランス】の光条はそのまま過ぎていく。

【ライトニングランス】は範囲技ではなく直進技だ。それ故に避けるのは容易い。対して【神速剣】は範囲技と言える。

再びアポロカイザーの必殺ファンクション【神速剣】が放たれ、オーディーンたちはモロにそれを浴びる。

正直ギリギリだろう。あともう一回。もう一回、【神速剣】を食らったら今度こそジ・エンドだ。

【神速剣】を放ち終え動きを止めたアポロカイザーにナイトメアのやぶれかぶれに投げたサイスが当たる。

 

「ん?」

 

避けずに食らったその一撃に僕は目を止めた。

マスターキングはわざと受けたとでも言うように兄さんたちをバカにして褒めてるが。

 

「・・・・・・もしかして」

 

今の動きに僕はある予想を立てた。

 

「レーくん?」

 

「いや、待てよ。さっきも動きを止めた時・・・・・・」

 

ブツブツと呟く僕。

さっきのアポロカイザーの動きも思い出し―――。

 

「ふっ。見えたよ、アポロカイザーの弱点」

 

ほくそ笑みながら言う。

 

「「「「っ!?」」」」

 

バッと僕の方を見る海道ジン以外のアミ姉やカズ兄、郷田四天王たち。

どうやら海道ジンも気づいたらしい。

そして―――

 

「兄さんも気づいたね」

 

兄さんも気づいたのか、郷田さんとダイキさんに話してる。

けど、兄さんたちにはこれは一かバチかの掛け。

だが、兄さんたちが勝つにはそれしかない!

雄叫びを上げながらアポロカイザーに突っ込むハカイオー絶斗とナイトメア。そして二機の後ろを追随するオーディーン。

突っ込むオーディーンたちを嘲笑うようにアポロカイザーから三度目の必殺ファンクション【神速剣】が放たれる。

マスターキングの笑う声と同調するようにアポロカイザーから繰り出された黄金の斬撃がハカイオー絶斗とナイトメア、そしてオーディーンを襲う。

必殺ファンクションを放ち終えたアポロカイザーは、再び動きを止める。

それと同時にハカイオー絶斗とナイトメアが前のめりに倒れブレイクオーバーした。オーディーンも同じようになるのかと誰もが思ったその瞬間。

 

「うそっ!?」

 

『『『『『!!!?』』』』』

 

オーディーンは倒れず、ギリギリのところで立っていた。

驚愕に目を見開くマスターキングたち。

 

「これが俺たちの戦い方だ!!【アタックファンクション!グングニル!!】」

 

オーディーンから反撃の一撃が放たれる。

オーディーンの必殺ファンクション【グングニル】が放たれ、動きを止めてるアポロカイザーに直撃しアポロカイザーは破壊、ブレイクオーバーした。

決着が着くと歓喜の声が溢れた。

勝利を喜ぶ兄さん。郷田さんとダイキさんもハイタッチしようとしたが、目前で手を止め二人ともそっぽを向いた。

その光景にはぁー、とため息が出るのだが・・・・・・。

 

「なんとか勝ったな」

 

「当然だ。協力しあったバン君たちと仲間を犠牲にしたマスターキング。その差が勝利を決めた」

 

「ええ。それに、太陽神アポロカイザーの弱点を突いたしね」

 

「弱点?」

 

「カズ兄気づかなかったの?あのLBXは必殺ファンクション発動後しばらく動けなくなるんだよ」

 

「えぇ!?」

 

「そ、そうなのかレイ!?」

 

「ああ。時間にして約7秒かな。マスターキングは必殺ファンクションに絶対な自信があったみたいだし。その傲慢さが仇となったのもあるね。ってか、アミ姉も気づいてたんだ」

 

「ええ。レイに言われて分かったわ」

 

「さすが」

 

アミ姉に笑みを浮かべて続けて言う。

 

「ダイキさんの攻撃は避けなかったんじゃなくて、避けられなかったんだよ。避けたくてもね」

 

「避けられなかった?」

 

「言ったでしょ?しばらく動けなくなるって。ハカイオー絶斗とナイトメアの最後の特攻はオーディーンを守るため盾になったんだよ。あの最後の場面で決められたのはオーディーンしかいなかったからね」

 

「そうだったのか」

 

「なるほどね」

 

僕の説明にカズ兄たちは納得したように頷いた。

 

「お兄ちゃんたち凄いや!」

 

母親に抱かれているマスターキングは幼稚園児らしくキャンディを舐めながら兄さんたちを褒めていた。

母親が素直だっていってるけど、それには苦笑しかない。だって―――

 

『騙されるなデヨォーー!!!』

 

突然空間ウインドウからオタクロスが現れ大きな声で遮ってきた。

 

「オタクロス!」

 

「騙されるなって、どういうこと?」

 

その場にいる全員の注目がオタクロスへと集まる。

 

『前回のアキハバラキングダムでそ奴は・・・・・・!そ奴は、ワシがわざと負けたらくれると約束した、《東海道リニア開通30周年記念 0系1/48モデル》500個限定をくれなかったんデヨォ!!』

 

デヨォ!デヨォ!とオタクロスの魂の叫びの声が響く。山彦のように。

あまりのくだらない事にその場の全員唖然としている。

かという僕もはぁー、と頭を押さえてため息を吐いた。

ユジンさんからこれを聞いた際も同じ反応をした。

 

『ひ、卑劣なやつデヨ、マスターキング!!』

 

「あれは僕のお気に入りなんだ!上げるわけないだろ!」

 

『なぁにぃぃぃっ!!!』

 

子供か!とツッコミを入れたい。

オタクロスとマスターキング、どちらもどっちだな。

いや、マスターキングはまだ幼稚園児だし・・・・・・・・・・・・。

ハッカー軍団と話してる兄さんたちを横目に、頭痛を抑えるように頭を押さえながら考え、未だに口論しているオタクロスに向かって。

 

「オタクロス、ステイ!!」

 

睨みを効かせて言う。

 

『ワシは犬ではないデヨ!!?』

 

涙目で言うオタクロス。

そのオタクロスに。

 

「いや、いい大人のアンタが情けなさすぎるわ!!てか犬以下!」

 

と言い返す。

 

「大体ね、理由が理由でこの場の全員呆れてものが言えないわ!!」

 

『な、なんじゃとぉぉ!?』

 

「黙らっしゃい!!」

 

『はいっ!!』

 

オタクロスに負けないような声でオタクロスに向かった言う。

何故か視線が僕に集まっているが・・・・・・。

 

「まったく、八百長とはいえ、幼稚園児から賄賂を貰うとかありえないし!」

 

「いや、反故にされてない?」

 

僕の言葉にメアが小さな声でツッコミを入れてくる。

 

「さっさとそこに正座しろオタクロス!今日という今日はさっきの分も含めてみっちり、O★HA★NA★SHI★してやるわ!!」

 

腕を組んでオタクロスに向かって言う。

 

『い、いやぁ、さすがに今ここでそれは勘弁願いたいデヨ・・・・・・』

 

「ぁぁ?誰が発言していいって言った?」

 

『す、すまんデヨ!』

 

「すまん?」

 

『あ、いや、・・・・・・ご、ごめんなさいデヨ!!』

 

「さぁ、たぁーぷりとO★HA★NA★SHI★してあげるから覚悟しとけよ?こぉのっ!阿呆馬鹿老人がっ!!!」

 

『ひ、ヒィィィ!!!』

 

そこから約30分。

僕は周りの目も気にせず画面の向こうにいるオタクロスに向かってO★HA★NA★SHI★をした。

それを誰も身動きせず愕然とした表情で見ていたが・・・・・・。

30分後、オタクロスは燃え尽きたように白い姿となり屍のようになっていた。

後にアキハバラで《恐皇帝(シェキナー)》という異名で広くしれわたることになるのだが、今の僕には思いもよらぬ事だった。

 

 

 

 

 

 

 

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