ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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試験前

 

〜レイside〜

 

「―――明後日から試験期間だけど、ウォータイムは通常通り行われるらしいので両方とも頑張って」

 

ウォータイム終了後のハーネスの司令室で司令官席からクラスメイトに告げる。

 

「特に、スズネとギンジ!」

 

「「うっ!」」

 

ハーネスで要注意人物である二人に念を押す。

 

「赤点になったら猿田教官から補習授業があるから!」

 

赤点にでもなったらその分ウォータイムへの出撃は出来ずに戦力が減るし、色々大変だから。

念を押す僕にスズネが。

 

「そ、そうなったら、レイの権限で・・・・・・」

 

と言ってきた。

 

「なるか!」

 

「なるわけないだろうが」

 

「なるわけないよ・・・・・・」

 

「なるわけありませんでしょうに」

 

「なるわけないね」

 

僕、カゲトラ、タケル、オトヒメ、シスイがスズネの言葉に呆れたように返す。

いくら僕が教師並の権限を持ってても、赤点の補習授業免除はしないわ!

 

「まぁまぁ。ギンジさんへのテスト対策は私らがやっておりますから」

 

「だな」

 

「そうデース!」

 

「うん。シズカが教えてるなら問題ないネ!」

 

第2小隊の中では一番の成績はシズカなのだ。

シズカが教えてるなら問題ない。

問題は・・・・・・

 

「カゲトラ、タケル、大丈夫?」

 

スズネである。

 

「ま、まぁ、なんとかするよ」

 

「ああ。流石にここまでレイの手を煩わせる訳にはな」

 

事実この期間は僕もやることがありすぎて他のことに手が回らない。

まぁ、先日テスト勉強をクラスで開催したけど。

あ、ちなみに僕の成績は学園上位です。

それはメアたちも同じく。

 

「それと、今回の論文のテーマは『LBXが世界にある理由』だから、頑張ってネ!」

 

左手の人差し指を口に当て、片目をつぶって言う。

言った瞬間、大半の男子女子問わずクラスメイトが顔を赤くしていた。何故だ?

メアたちはなんか呆れたような表情だし。

てか、正直今回のこのテーマ、僕にとっては何を今更な質問をする、と言いたい。

まぁ、開発者は父さんだし、今まで色んな世界を巻き込んだ事件を経験してるからなぁ。

 

「それじゃあ解散!」

 

クラスメイトが司令室から次々と退室し、一人になった僕は目の前の椅子に座り端末を操作する。

画面に映ったのは、ほんの数日前ジェノックがエルダーシティ防衛の際相手にしたロシウスの対LBX兵器、LD―【ワイバーン・ガイア】だ。

そして、それの相手をしているのはジェノック第1小隊。

つまり、アラタ、ヒカル、ハルキの操作するLBXだ。

 

「いくら耐久性の低いナイトフレームの[バル・スパロス]とはいえ、一撃でブレイクオーバー寸前・・・・・・。攻撃、速度、耐久、全てがオリジナルと同等、か?」

 

戦闘データを見て呟く。

映像の中のワイバーン・ガイアは記憶の中のKD―ワイバーンと大差ない。

 

「どう見る、ジン」

 

『僕らが相手してきたKDと大差ないな』

 

何も無い虚空に言うと、すぐ真横に空間ウインドウが現れそこから遠距離通信によってジンが映し出された。

 

「ただ、オリジナルが無差別にLBXの殲滅をしていたのに対して、こっちは敵対してるLBXを殲滅してるね」

 

『そこは根本的に違うんだろうな』

 

真実さんが造ったKDはLBXを敵味方お構い無しに、無差別に殲滅、破壊をする、まさに破壊の申し子と言うべきものだった。

それに対して、このLDは敵のみの殲滅と言った感じだ。

 

「問題は、何処からKDの情報が漏れたかだけど」

 

『十中八九、運営からだろうな』

 

「だよねぇ・・・・・・」

 

運営と何処で手に入れたのか気になるけど・・・・・・

 

「今メアが対LD用の武装を開発してる」

 

『そうか』

 

一瞬の沈黙の後。

 

『―――せめて、常識の範囲内で頼む』

 

ジンが珍しく苦い顔で言ってきた。

 

「それはメアに言ってよ」

 

僕も微妙な表情だ。

 

『いや・・・・・・そこは、レイに頼んだ方が早いだろう?』

 

「なんでさ・・・・・・」

 

『というかなんだが・・・・・・』

 

「?」

 

『僕らの周りの女子って、全員気が強過ぎないだろうか』

 

「・・・・・・・・・・」

 

ジンのその一言に僕は目の前に突っ伏した。

ホントそうなのだ!

なんでだろうね!?

僕らの周りの女子って、全員男子よりも気が強い!!

メアもアミ姉と同じだし(僕関連で)

ルナは里奈さんと、キヨカはダイキさんと同じだし。

フランは・・・・・・そこまでじゃないかな。

 

「今更だよジン〜」

 

『だな』

 

「『はぁー』」

 

僕とジンは互いに溜息を吐いて苦を分かちあった。

ホント、なんでだろうね・・・・・・。

そうして話は、真面目な話から雑談へと変わっていき(主に女子勢での苦難について)話し終えたのは夜7時を過ぎた辺りだった。

そして、翌日―――

 

「メア・・・・・・」

 

「う〜ん?」

 

「この状況は一体なに」

 

ダック荘で起きた僕の目の前には、もうお約束のメアの姿が。

だが、問題はメアがベッドに潜り込んでいる事ではなく―――

 

「なんで、パジャマが脱げてるのかな!?」

 

パジャマって、簡単に脱げるものだっけ!?

もう何度も思ってることだけど!!

いや、こんなこと僕以外思ってないだろうけど。

 

「下が下着姿なのはともかく・・・・・・なんでブラを付けてないの!?」

 

そう。問題は、メアがブラを付けてないことだ。

ゆえに、メアの豊満な胸がすべて視界に入る。

いや、年頃の男に下着姿を見せるのも問題だけど、もう僕にとっては見慣れた。

見慣れちゃダメなんだろうけど・・・・・・

けど、さすがに今回のパターンは初めてだった!

 

「レーくんになら私は見られても良いよ?どうせ近いうちに私のすべてはレーくんのものになるんだから」

 

「朝っぱらから何言ってるのかな!?」

 

もう幼馴染みの考えが分からないです!!

誰か教えて!!

だが、僕の願いは虚しく、誰にも聞き入れられない。

神は僕を見捨てたもうたか!!

いや、そういう話じゃないと思うけどね?

 

「だって私はレーくんのだもん♪」

 

何時もの調子で言うメアに僕は頭が痛くなった。

昔はこんな感じじゃ・・・・・・この学園に来る前はこんなんじゃなかったんだけどなぁ・・・・・・

まあ、一時期こんな感じのように甘えてきた事はあったけど。

あの時はまた別の意味で大変だった。

 

「あのねメア。僕とメアはまだ13歳なの!そこ理解してる!?」

 

「年齢の前に男と女だよ!」

 

「あのさ・・・・・・・・・・それ、まさかと思うけど・・・・・・」

 

「お姉ちゃんからの入れ知恵だよ?」

 

「アミ姉ぇっ!!!」

 

兄さんの彼女にして僕とメアの姉。

僕にとっては将来の義姉になるはずの姉を、僕は今ほどO★HA★NA★SHIしたいとは思わなかった。

あの姉にしてこの妹である。

前はもっと賢かったのに・・・・・・!!

兄さんと付き合うようになって、抑えていた欲望のタガが外れたのか!?

 

「今度あったらアミ姉には本気のO★HA★NA★SHIしてやる・・・・・・!!」

 

要らぬことをメアに吹き込んだアミ姉(元凶)に、僕はマジのO★HA★NA★SHIをすることを決意した。

だが、今は―――

 

「とにかく服着て!!」

 

「えー」

 

「えー、じゃないよ!?」

 

このままメアといると理性が限界突破(リミットブレイク)しそうだ!

だって、いくら幼馴染みで、小さい頃から一緒にいて、ほぼ毎日多くの時間を共にしてきたとはいえ、メアは女の子なのだ。

しかも、成長期でアミ姉と同じく、顔は綺麗で可愛いし、薄紫色のセミロングの柔らかそうな髪からはいい匂いするし。

てか、メア全体からいい匂いしてくる!

それに、歳相応より発育のいいスタイル。

腰は細いし、胸は見蕩れるほどだし、肌は柔らかいし・・・・・・!!

パジャマ越しに当たってる感触からメアを感じる。

こんなの他の人にはやらせたくない。ってか、誰にもあげたくない!!

正直、メアたちがこんなんだから僕も一線を超えたいけど!!!??

まぁ、そこは鋼の精神力と理性でなんとか耐える・・・・・・。

てか、鋼というより、オリハルコンか?いや、それともダイヤモンド?

ま、まあ、それは置いといて―――

 

「あ、レーくん、ブラのホック付けてくれない?」

 

「なんで!?自分でやって!!」

 

平然と僕の前でブラを着けるメアに僕は頭が痛くなった。

 

「頭痛い・・・・・・」

 

それはもう、思わず声に出すほどに。

もう朝から疲れた。

なんか、この島に来てから気苦労が耐えないんだけど、気の所為かな・・・・・・

そんなこんなで恒例の朝の珍常時があり―――

学園では・・・・・・

 

「―――レイ、すまないがこれを頼む」

 

「はい?これ日暮先生の仕事ですよね?」

 

「私がやるより、レイがやった方が早い」

 

「貴女教師で僕らの担任ですよね!!?」

 

――――――

 

「山野レイ、日暮先生にこれを渡しておいて下さい」

 

「え?ちょっ、美都先生!?」

 

「お願いします」

 

「な、なんで僕!!?」

 

――――――

 

「レイさん!お願いします!日暮先生にポルトンと戦ってくださいって言ってくださいぃぃ〜〜っ!!」

 

「ちょっ!?メリッサ先生!!?だ、抱き着かないで下さい!!あと、貴女一応先生でしょ!?それと、そういうのは御自分で!!てか、なんで僕!?!?」

 

――――――

 

と、絶対普通の学生。

子供の日常ではない、学園生活が放課後までにあったのだった。

 

「ねぇ、僕雑用係になってない?」

 

司令室でクラスメイト全員に愚痴るほどに。

 

「あ、あー・・・・・・」

 

「そ、そのー・・・・・・」

 

「ぁー・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

カゲトラたちはなんとも言えない、同情のような視線を送ってくる。

 

「てか、日暮先生の仕事までなんで僕がやらないといけないの!!?僕、子供でまだ学生なんだけど!!」

 

思わず叫びたくなるほどにツッコム。

そして、いつも通り、この場にはいない日暮先生。

 

「一年の頃からだけどさ!いや、司令官になる前から日暮先生の雑用ほぼ全てやらされていたよ!?なんでさ!!?」

 

「れ、レーくん落ち着いて・・・・・・ね?」

 

「レイ、どうどう」

 

メアとルナが宥めてくるが、今の僕の憤りは止まらない。

 

「学園長も学園長でアレだけどさ!何でもかんでも僕に任せ過ぎないかな!?」

 

ぶつぶつと呪詛のように言う。

全く日暮先生や学園長と来たら、あーだこーだ、あーーーっ!!!

 

「あ、ヤバい。レーくん疲れで正気を保ってない」

 

「ちょぉいっ!それはヤバくないか!?」

 

「こ、こんなレイを見たのは初めてだぜ」

 

「いや、よく良く考えればわかるよ」

 

「そうですわね。レイの精神的疲労は何時も私たちの倍以上でしょうし」

 

「あと、そこにメアが原因ね」

 

「え!?私!?」

 

「そうだねー」

 

「フランちゃん!?ルナちゃん!?どういう事かな!?」

 

「自分の胸に手を当てて思い出してみなさいよ」

 

「あーー。言い争ってるところ悪いんだが・・・・・・」

 

「なにかしらシスイ?」

 

「レイからなんか黒いものが見えるんだが・・・・・・」

 

「「「え?」」」

 

あー、もうホント勘弁して欲しいよね。

僕、まだ13歳だよ?

なのに、こんな教師並の仕事もさせられたらたまったもんじゃないよね。

しかも、日暮先生があんな感じだからそのほとんどが僕にシワ寄せしてくるし。

ジンがいなかったらマジで体調崩してるかも。

ジンが副担として助けてくれてるから今まで持ってきてるけど、うん、アレだね。

日暮先生には一度ちゃんとやって貰った方がいいのかもしれない。

まぁ、美都先生みたいにやってくれって訳じゃないけど、せめて常識の範囲内でやって欲しいよね。

いくら教師並の権限を持っててもこんな事のために持ってるわけじゃ・・・・・・てか、望んで保持したわけじゃないんだけどね。

仕事もそうだけど、メアが原因で精神的理性がヤバいし。

特に今日のはヤバいを通り越してヤヴァかった。

よく理性を持ったと誇りたい。

あんな格好の、しかも幼馴染みでずっと一緒にいた女の子のあんな艶姿に興奮しないわけないし。

全裸とかだったら襲ってた可能性あるよ。

うん。マジで。

だって僕も思春期真っ只中だし!?

何時もあんなにスキンシップしてくるんだもんメアたちが。

意識しないわけないよ!?

 

「ブツブツブツブツブツブツ―――」

 

 

《レイ、落ち着きなさい。漏れてるから》

 

 

頭に落ち着かせる声が響いてくるが―――

 

 

《あ、ダメだわ》

 

 

今の僕にはさざ波のような音にしか聞こえなかった。

 

「あーー。フランちゃん、ちょっとお願い」

 

「ええ」

 

ったく、この学園もそうだけどさぁ、いくら何でもこき使い過ぎじゃないかな?

僕でも限界というものがあるんだけど。

絶対この学園自体変えてやる。

元から変えるつもりだったけど、とにかく子供に優しい学園にしてやる。

学園長にはO★HA★NA★SHIフルコースを何時かしてやるとして。

 

「レイ」

 

「いや、いっその事躾でもした方がいいか?学園長はメタ沢に首輪でも付けさせて。日暮先生は美都先生・・・・・・は、ダメだな。美都先生の苦労が増える。ってことは、結局は僕が手綱を握らないといけないわけ?あ、それはそれで良いか。フフフフフフフフ」

 

「レイ!」

 

「ファいっ!?」

 

バンっと肩を叩かれて正気に戻った。

肩を叩いた主を見ると。

 

「ふ、フラン!?」

 

「レイ、落ち着いて。オーラが漏れてるから」

 

「あ、ヤバ・・・・・・」

 

最後の方を小声で言うフランに、僕は慌てて正気を戻し、落ち着きを保つ。

少し深呼吸して意識を冷静に、いつも通りに正す。

 

「ふぅ・・・・・・」

 

危ない危ない。

少し目を閉じて息を整え、

 

「あ、あー。レイ今日はもう休んだら・・・・・・」

 

カゲトラがそう言ってくる。

気遣いはありがたいけど―――

 

「無理。だってこの後戦後報告とか書いたりしないといけないし、朝カゲトラたちから渡されたウォータイムのレポートを纏めたりしないといけないから」

 

本来は日暮先生が行うはずの仕事を僕がやっているのだ。

これ、給料貰ってもいいよね?

 

「あー、コホン!ってな訳で、明日からの試験、各自頑張るように。くれぐれも、ハーネスから赤点補習者なんて出さないでね。いや、ホント。お願いだから」

 

これ以上疲れさせないで欲しい。

赤点補習者なんて出た暁には、それだけ戦力が減るので、新たな戦略を立てないといけない。

それはそれで面倒。

いや、ハーネスのクラスメイト全員の癖とか動きは分かってるけどね?

 

「ちなみに、赤点を取った場合ってどうなるんだ?」

 

ギンジが首を傾げて聞いてくる。

え、それを聞く?

 

「どうなるんだろうね」

 

「お、おう。その返しで何となく予想着いたわ」

 

フッフッフッと不敵な笑みを浮かべて言う僕にギンジは若干引き気味で返した。

赤点補習者になんかなったら僕とジンの特別補講も追加しようっと。

ちなみにだが、ジンの授業も中々に厳しいのである。

さすが、あの歳で飛び級で大学を卒業したハイスペックチートの持ち主。

 

「まあ、余程のことが無ければ大丈夫でしょ?」

 

左目を瞑り、左手の人差し指を口に当てウインクして言う。

何故かまたしても男女問わず視線を逸らしたり赤面したりしたが・・・・・・なんでだ?←(無自覚By作者)

で、全てのやる事を終えやっと帰れるかと思いきや―――

 

「―――レイ!丁度いい所に!!頼む!論文の勉強を教えてくれ!!」

 

「は、はぁぁ〜〜!?!?」

 

昇降口から出た途端、いきなりアラタに懇願され呆然唖然とした声が出たのだった。

 

 

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