〜レイside〜
「―――この学園で行われてるウォータイム、それは国家の存亡を賭けた戦争だ。僕らは代理戦争・・・・・・本物の戦争をさせられてる」
ウォータイム終了後の司令室で、僕は司令官席からクラスメイトにそう告げた。
この学園の。セカンドワールドで行われてるウォータイムの真実を。
数時間前―――
何故かキヨカが僕を抱き枕にして寝ていた朝。
目が点になりながらも昨日の夜、キヨカの言っていたことを思い出ししばらくそのままにしていると。
「・・・・・・おはよう、レイ」
キヨカが目を覚ました。
「あー、うん。おはようキヨカ」
挨拶するキヨカに挨拶を返し、
「取り敢えず・・・・・・・・・この状況は?」
と、キヨカに訊ねる。
「レイを抱き枕にしてる」
「うん。見たまんまだね」
「暖かい・・・・・・」
「あー・・・・・・」
さらに強く抱き着いてくるキヨカ。
一応時間はまだ7時前なのだが。
「部屋に戻らなくても大丈夫なの?」
僕はともかく、キヨカは女子寮の方に部屋がある。
一応メカニック故に1人部屋だと聞いてはいるが、もし誰かが来てキヨカが居ないってことがバレると・・・・・・
心配してキヨカに聞くが。
「ヤダ。まだこうしてたい」
駄々っ子のように顔を僕の胸元に埋めて来た。
キヨカも女子の中では身長が高いが、男女間で僕の方が高い。
結果キヨカの頭は僕の胸元に。猫のように丸まってる。
キヨカの頭を撫でながら僕は何も言わずに受け入れる。
同い年なんだけどね。
「レイの匂い・・・・・・」
僕の匂い嗅いでも特にないと思うんだけどな。
鼻にキヨカの長い紫の髪からシャンプーのいい匂いがする。
普通だったら理性が持たないよね。
正直、僕もキヨカの温もりが暖かい。
ふと布団の中を見ると、キヨカの寝巻きの裾が捲り上げられ、キヨカの紫の下着が垣間見えていた。
「レイ?」
「いや、その・・・・・・裾捲れてるよ」
そう言うとキヨカは視線を下に移して見て、再び僕に視線を合わせる。
「脱いでた方が良かった?」
「何言うてんねん・・・・・・」
思わず関西弁になってしまった。
なんでだろう。キヨカまでポンコツ化してないかな?
「大丈夫。この私を見せるのは貴方やメアたちだけ」
首元に両手を回して言うキヨカ。
なんなら、顔がすぐ近くにありキスが出来そうな距離だ。
「他の人には見せないわ」
「いや、待とうか。なんで僕の心が読めたの今?」
「顔に出てたから?」
疑問形で言うキヨカになんとも言えない微妙な表情を浮かべる。
そんなに僕って顔に出るかな?
いや、たぶん、長い間一緒にいたメアたちだからこそ解るんだよね。うん、きっとそうだよね!?
「メアみたいに下着姿や裸とかの方が良かった?」
「お願いします、それは止めてください」
キヨカの言葉に僕は速攻で懇願する。
そんなん見たら押し倒してるわ。
理性が持ちそうにない。
もしそうなったら今まで堪えてきた理性の一歩が決壊して、一線を越えてしまうこと間違いない。
そうなった場合どうなるのか僕自身でも判らない。
いや、なんだろ。僕が逆にされるような未来がチラッと見えるような・・・・・・
「大丈夫。ヤる時はメアたちも一緒だから」
「えぇー・・・・・・」
キヨカの言葉に頭が痛い。
「他の人には見せない以前に見せたくないけど、レイになら私は、私の全てを上げるし見せてあげる」
ぎゅうっと抱きしめてくる力を強くしてキヨカが耳元で囁く。
それと同時にキヨカの柔らかな感触が服越しに伝わって来る。
他の男子が見たら、呪殺でもするのではないかと思うほどだろうなぁ。
ま、見せるつもりは毛頭ないけど?
これでも僕は独占欲が強い。
いや、強くなった、って方が正解かな?
メアたちのお陰で、僕も彼女たちに対して独占欲が半端なく強い。
「それ他の人には絶対に言わないで」
無意識にキヨカを抱き締めて告げる。
「れ、レイ?」
「キヨカも。メアも、ルナもフランも・・・・・・!4人とも僕のだから。他人には絶対に触れさせないし上げない。4人は僕のもの」
「〜〜っ///」
顔を真っ赤に染めるキヨカ。
そこに―――
「私たちもだよレーくん!///」
「へ?」
部屋に居ないはずのメアの声が響いた。
変な声が洩れ出ると同時に背中に柔らかい感触が伝わってきた。
首を後ろに向けて見ると、そこには背中に頬ずりしてるメアの姿が。
それと同時にずしっ!と何かが乗る重さが2人分―――
「えへへ〜///」
「〜〜///レイは私たちのもの///」
見ると、ルナとフランがキヨカ同様顔を真っ赤に染めて抱きついていた。
ってか、え!?
「何時部屋に入ってきたの!?」
全く気づかなかったわ!
《私は気づいてたわよ?》
「(いつの間に!?)」
頭の中に響く声に驚く僕。
《貴方がキヨカとイチャイチャしてたから言わなかったわ》
「(ちょっ!?なんか怒ってない!?)」
《そんなことないわよ?ただ、目の前で何度も甘い空気を味わってきたから疲れてるだけよ。それと、私のこと放ってるし》
「(うん!ゴメンなさい!!)」
不機嫌斜めな声の主に僕は全力で謝る。
《別に良いわよ。私は
「(・・・・・・)」
《貴方と私は一身同体。全てを共有してるから、貴方のことは誰よりも判るし、知ってる。貴方も、私のことを知ってるし解ってるでしょ?》
「(・・・・・・ああ)」
《私と貴方は本来ならありえないイレギュラーな存在。貴方の幸せは私の幸せでもあるの。忘れないで》
「(分かってる・・・・・・)」
そう。
あの時に知った、自分の事。・・・・・・いや、僕たちのことを。
本来ならありえない、この時間で。世界でイレギュラーな存在な僕。
イレギュラーって点ならフランもか。
「レーくん、何時までぼーっとしてるの?」
「っ!」
彼女と話して思考の海に浸かってると、メアが心配気に聞いてきた。
「なんでもないよメア」
「・・・・・・そう?」
嘘だとバレてる。
けど、メアは何も聞いてこない。
聞いてこない変わりに、メアがキスをしてきた。
またしても不意打ちに反応出来ない。
4人の行動は僕でも視えないからなぁ。
そう思いながら体を動かそうとする。
のだが―――
「あの〜・・・・・・そろそろ降りてくれませんか?動けない・・・・・・」
メアたちが乗っかったりしているので動けなかった。
いや、無理に動くことは出来るが、そうなるとメアたちのいろんな部分に触るので・・・・・・
「もう少しこうしていたい」
「同じく」
「うん」
「そうね」
「えー・・・・・・」
結局自由に身動きが取れるようになったのはそれから5分後の事だった。
起きて取り敢えず着替えとかを済ませた後、
「カゲトラたちにこの学園の真実を言おうと思うけど、どう思う?」
と告げる。
「みんなに?」
「うん」
そろそろカゲトラたちは知っておくべきだ。
ジェノックと同盟を組む前に。
これからウォータイムで戦争をする覚悟が。
「私はレイに任せるよ」
ルナがそう言ってくる。
「私はもとよりジェノックだから反論も何も無いわ」
続けて、ジェノックの制服に着替えたキヨカが。
え?何時キヨカがジェノックの制服に着替えたかって?
なんでかメアの部屋にキヨカの服があって、メアの部屋にあった服を着てる。
いや、まぁ、制服はともかく下着とかも置いてあったし・・・・・・メアとキヨカのスタイルはほぼ似ているような感じだから・・・・・・
はっきり言って、もう今すぐにでもみんなの事押し倒してイチャイチャ一線を越えて過ごしたいです。はい。
顔には出さないけど。
ダイヤモンド級の理性で耐えます。はい。
「私もレーくんの判断に任せるよ。けど・・・・・・」
メアはフランの方を見る。
「レイ、貴方は彼らがこの真実を受け止める覚悟があると思ってるの?」
フランの問いに僕は直ぐに返す。
「思う」
「その根拠は?」
「僕の勘。そして、信頼」
「信頼?」
「うん。彼らを信頼してるからこそ話す。近い内に僕らハーネスとジェノックは同盟を結ぶ。そうなると、そう遠くない内に彼らはこの世界の真相を知る。なら、今からその覚悟を説いたほうがいい」
「・・・・・・・・・・」
「フランから視て、まだカゲトラたちはそこまでの信頼はない?」
「そういう訳じゃないけど・・・・・・」
答えにくそうにするフラン。
まぁ、フランの気持ちもわかるけど・・・・・・
「フランちゃんは、カゲトラ君たちが心配なんだよ」
「め、メア!?」
「え?違うの?」
「そ、それはー・・・・・・その・・・・・・違・・・ないけど・・・・・・」
恥ずかしそうに顔を背けてボソッと言うフラン。
「〜〜っ!可愛いフランちゃん!!」
「きゃっ!?メア!」
どこか嬉しそうにフランに抱き着くメア。
それを僕、ルナ、キヨカは苦笑するしかない。
「あはは。フラン、良い?」
「ええ。レイに任せるわ」
「ありがとう」
未だにメアに抱き着かれてるフランに礼を言う。
「メア、そろそろ離れてあげて」
苦笑しながらメアに言う。
えー、と言いながらメアが離れる。
「ありがとうレイ。でも、メアの抱擁、少しキツイ・・・・・・」
視線を何故か自分の胸元にやって、死んだ魚のような瞳を浮かべた。
「フランちゃんはまだいいよ私よりあるんだから。私なんて・・・・・・!!」
ルナもキヨカとメアの胸を見て、自分の胸元に視線をやって涙を浮かべる。
2人のその姿になんて声を掛けていいのか分からなかった。
いや、ね?男子の僕がなんて言ったら良いのか・・・・・・
「2人ともどうやったらそんなになるの?」
「そ、そんな事言われても・・・・・・」
「うん。いつの間にか大きくなってたから」
「「くっ・・・・・・!」」
困ったように言うキヨカとメアを親の仇のように視るフランとルナ。
僕は十分大きいと思うんだけど・・・・・・
女子のことはさっぱりだ。
ここで何か言ったらなんとなく嫌な予感がするので、何も言わないことにする。
んなわけで、ソローリ・・・・・・と扉へ行き部屋から出る。
出ようとしたその瞬間。
「レイはどっちの方が好き!?」
「うぇっ!?」
ルナから質問を投げられた。
思わず変な声が出る。
振り向くと、ズイっと顔を近づけてるルナがいた。
「え、えーと?」
「大きい胸と小さい胸!」
「あーー・・・・・・」
いや、どう答えればいいねんコレ。
よく見たらフランも、ウンウンと頷いてる。
メアとキヨカは苦笑してるけど・・・・・・
と、どうしたらいいんだろ。
「(こ、この場合どうしたらいい!?)」
思わず彼女と思念で会話する。
《わ、私に聞かれても困るわ・・・・・・》
彼女からの返答は微妙なものだった。
時間もあまりないし・・・・・・こ、こうなったら・・・・・・
ルナの両肩を掴み。
「レイ?」
「ん・・・・・・っ!」
「んふっ!?」
ルナの唇に僕の唇を合わせた。
「んっ!?」
急な不意打ち気味のキスにルナが驚いたように目を見開く。
結構どころか、かなり強引だったが・・・・・・
5秒程して唇と唇を離し。
「こ、これが答えだから!」
火照る顔の熱を体感して言う。
じ、自分からなんて、何度もした事ないから恥ずかしいというか、なんて言うか・・・・・・
うん。
「戦略的撤退!」
逃げる!
「あ!レーくんズルい!」
「わ、私にもして欲しい!」
「ルナが人前には出せない蕩けた顔してるわ・・・・・・」
後ろから3人の声が聞こえるがとにかく今はこの恥ずかしい空間から逃げる!
部屋へと通じる通路から出る際周囲を確認して出て、食堂で朝食を食べる。
途中で出会ったカゲトラに、顔が赤いと言われたが、なんでもないとあたふたしながら答えた。
少ししてキヨカ。キヨカとは別でメアたちがやって来た。
やって来るなり不貞腐れた顔で僕の脛を軽く蹴ってくる。
ちょっと痛い・・・・・・
それと同時にキヨカからメールで『夜してもらうから』と言われた。
うん。今夜も大変かも・・・・・・
《はぁ〜〜》
そんなこんなで、いつもの僕らの騒がしい朝の日常(?)が過ぎ―――
「―――そんな訳で今日のウォータイム後に話すから」
「了解した」
ここ最近毎日遊技場にいるジンへ話す。
ちなみに、今の時刻は午前10時過ぎ。
本来ならクラスで授業を受けている最中なんだけど、僕は今遊技場にいた。
これでも司令官の資格を持ってるからね。
その辺り少しは融通が利く。
一応午後には学園に行く。
「ウォータイムはジンが指揮を執って」
「場所は?」
「ロシウス内に拠点は欲しいでしょ?だから、幾つか候補を選んで来た」
ジンの持つタブレット端末にデータを送る。
「候補は『カラチネブリッジ』に『グランビュー港』、『ペトロフ工場地帯』、『キースアイ雪原』、『ノースシティ』。そして『ホワイトパレス』」
「『ホワイトパレス』か・・・・・・確かに、そこを落せばロシウス領内進行への前線基地になるな」
ロシウス領内北東にある拠点『ホワイトパレス』。別名『白氷の城』。
ジェノックが攻略した『エンジェルピース』と同等な警戒が敷かれてる、ロシウス領内北東にある城塞基地だ。
「ロシウスは今『デスフォレスト』進行へ向けてのジェノックを警戒してる。故に『デスフォレスト』へと戦力を集めてる。それに、僕の予想してる通りなら、ジェノックは今日『ギガントの壁』に再び攻めるはず」
「その根拠は?」
「距離の問題」
「ほう・・・・・・」
「『デスフォレスト』に攻め入るなら、まず第一に『ギガントの壁』を落とした方が楽だ。援軍が来ない分、挟み撃ちにされる心配もないからね」
『デスフォレスト』と『ギガントの壁』は距離が近く、もし仮に『デスフォレスト』に攻めた場合すぐに『ギガントの壁』から援軍を送れる距離だ。
もしそうなった場合、前面の『デスフォレスト』に配置されてる敵と、後方から援軍として送られる『ギガントの壁』の敵による挟み撃ちになる可能性が大だ。
故に、『デスフォレスト』を落とすならまず『ギガントの壁』の壁を落とすのが優先となる。
「とするとだ、その分『ホワイトパレス』に配備されてる守備隊の数が減ってるから攻めやすい。まぁ、候補のひとつだけど」
「ふむ・・・・・・」
ジンはタブレット端末を見て暫し考え込む。
少しして。
「レイ、キミだったらどこを攻める?」
と質問してきた。
「僕だったら?僕だったら、迷わずここを攻めるよ」
6つある拠点の選択肢のひとつをタップし見せる。
「『ホワイトパレス』」
その場所は今言った『ホワイトパレス』だ。
「難易度はそれなりに高いけど、得られるものも十分ある」
「だが、『ホワイトパレス』には対空砲に大口径砲撃砲といった装備がされてる。攻略は簡単じゃないぞ?」
「知ってるよ。だから、これは試練」
「試練?」
「そう。僕抜きで彼らが攻略出来るかどうか」
「・・・・・・そういう事か」
僕の言葉の意味を察したジンは納得したように呟き、手に持つキューでビリヤードの球。手球を打つ。
「カゲトラたちは、無意識の内に高難易度の任務では僕らを頼ってる。別に頼るのは構わない。けど、頼ってるだけでは自己の強化には繋がらない。逆に低下するだけだ。僕は、彼らにはもっと強くなってもらわないと困る。これから先、どんな事が起ころうとも対応出来る強さに。それこそ、僕らに頼るんじゃなくて、自分たちで・・・・・・いや、僕らに並び立てるほどにね」
タブレット端末を近くの台に置いて僕もキューを持ち手球を打つ。
「キミたちに並び立てる者なんて、僕らレベルだと思うが?」
「そりゃそうだよ。場数が違うもん」
ジンの指摘にクスッと笑って返す。
彼らは僕やジンたちのように世界の命運を掛けた戦いを経験してない。いや、普通そんなのないんだが?
「僕らが彼らより強いのは、場数を踏んできた事もあるが、何よりLBXと対話してるからでしょ?」
「それはまぁ」
LBXとの対話。
普通、こんなの話したら笑われるのが関の山。
けど、プロのLBXプレイヤーの大半はこのLBXとの対話をしている。
実際に話すのではなく、心とココロで話す。
LBXの思いに指先で応える。
LBXバトルで必要なのは、操作スキルや反応速度、反射速度、武装、CPUとかじゃない。
自分とLBXとの対話なのだ。
僕らはもちろんこれを習得してるし、プロでもアレキサンダー・シスターズの2人や、オタレンジャーたち。ハッカー軍団といった人たちは感じ取って実戦してる。
これは誰かに習うのではなく、自分で身につけるもの。
この学園でもこの対話を身に付けてる生徒は幾人かいるけど、大半はただ操作するだけだ。
「レイ。出撃するのはキミ以外の全員でいいのか?」
「いいよ。ただし、フランとルナは出撃はさせないで」
「なに?」
「フランとルナは僕に次ぐ戦力。言い換えれば、フランとルナは僕が出撃しなければ最高戦力ということ」
「なるほど。彼女達の手助け無しでフラッグを取りに行くのが試練という訳か」
「Correct。まぁ、バンデットが出た場合は別だけど」
「分かった」
それから僕はジンと『ホワイトパレス』攻略について話す。
『ホワイトパレス』は『エンジェルピース』のように周辺に海域がある訳ではない。その逆で周囲は森林地帯に囲まれている。
まず、最優先目標は大口径砲撃砲。
それを潰せば相手の防衛は大きく低下する。
対空砲は無理に潰さなくてもいい。
次々と作戦を立案し計画を立てていく。
もちろん、幾重にもパターンを重ねて。
ハイスペックチートのジンと作戦を立て、1時間。
立案も決まり、僕は次の話をしていた。
「それで?」
「?」
「ジンから見て、ジェノックはどう評価する?」
「そうだな・・・・・・」
キューで手球を打ち、
「全体の評価で言えば、ハーネスには遠く及ばないだろう」
「へぇー。意外にもハーネスを贔屓にしてるんだね」
少し意外だった。
「半年近くキミたちを見ていたんだ。なにより、キミがいるからな」
「そう」
キューを近くの台に置き、普段使ってるのではなく渡された方の端末を取り、今朝送られたデータをジンと僕の端末に転送する。
「ジェノック第3小隊について分かったことがあるよ」
ジンもタブレット端末を持ち転送されたデータを観る。
「全員、東郷義一と繋がってた」
「なんだと?」
そう。
第3小隊に配属されたプレイヤーは全員、何かしらの共通で現日本の総理大臣、東郷義一と繋がっていた。
「これを調べたの、【―――】だから間違いないと思うよ?」
「ふむ・・・・・・」
「これを踏まえて、僕はある予測を立てた」
「なんだ?」
「東郷リクヤのLBXには何かが隠されてる。恐らく、とても重要なものが」
「その重要なものとは?」
「さぁ・・・・・・でも、ここまでするってことは・・・・・・・・・・・・」
「レイ?」
途中で言葉を途切れさせた僕にジンが聞いてくる。
その頃僕は頭の中で思考の海に漂っていた。
東郷義一はこの神威大門。敷いてはERPの立案者。
そしてセカンドワールドには・・・・・・・・・・・・
「ま、まさか・・・・・・!!いや、そんな訳・・・・・・けど、それなら第3小隊のプレイヤーが次々ロストして変わるのも頷ける・・・・・・!!」
僕はあるひとつの仮説にたどり着いた。
それは―――
「【パラサイトキー】・・・・・・」
「っ!?」
「ということはアイツらはコレを?いや、だが、コレには確かある性質が・・・・・・」
情報が足りない。
今立てたのは仮説に過ぎない。
確かなものがないと・・・・・・だが・・・・・・
「あのクソッタレめ・・・・・・!!何処まで利用すれば気が済む・・・・・・!!」
僕は怒りを超えて、殺意すら覚えた。
ビクッと震えるジンを視て殺気を抑える。
「ジン、ジェノックとの同盟は何時ぐらいになりそう?」
「美都先生が言うには近い内にだそうだ」
「分かった」
そう言って僕はタブレット端末の電源を落とし、キューで手球を打った。