ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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ハーネスVSジェノック(開戦)

 

〜レイside〜

 

ジェノック第1小隊。

アラタたちが時間ギリギリ、第4小隊の手助けを借りてドルドキンスことジンにたどり着き、ジェノックとの同盟が正式に結ばれて数時間が経った。

その数時間の間に僕もやる事をやったりと色々忙しく動き回り、つい先程ダック荘に戻ってきたばかりなのだが―――

 

「レイ〜〜」

 

「あー、はいはい。お疲れさまキヨカ」

 

「ぅ〜〜」

 

帰ってき早々、キヨカに押し倒されベッドの上で抱きつかれて身動きが取れない状況です。はい。

 

「キヨカがこんなに甘えるなんて・・・・・・」

 

「よっぽど疲れが溜まってるのでしょうね」

 

「まぁ、ジェノックって何かと問題児が多いから」

 

ちなみに部屋にはルナ、フラン、メアの3人もいます。

で、誰も助ける様子はないですね。はい。

 

「もぅ、疲れた。アラタは単細胞バカだし。キャサリンは役に立たないし」

 

Oh・・・・・・

キヨカがここまで言うなんて・・・・・・

 

「うん。お疲れさまキヨカ」

 

「なら、キスして」

 

「ぅえっ!?」

 

突然のキヨカの発言に変な声が出た。

 

「えーと・・・・・・いいけど」

 

もう既に何度か(迫られて強引にが大半だけど)してるけど、未だに慣れない。

気恥ずかしくなりながらもキヨカとキスをする。

 

「んチュッ・・・・・・ゅッ・・・・・んんッ・・・・・・」

 

な、なんかキヨカがいつも以上に舌を絡めてくるんだけど!?

えーと、確かこれディープキス?って言うんだっけ?

キヨカにされるがままにキスをされる中、僕は頭の片隅でそう考えていた。

だが―――

 

「レイ、私に集中」

 

「んむっ!?」

 

一旦止め、そう言うや、再びさらに濃厚なキスをしてくる。

や、ヤバい・・・・・息が・・・・・・!!!

キヨカの柔らかい身体が感触が服越しに伝わってくる。

しかも、さらに押し当ててくるからムギュって来るし。

目が回りそうになりかけた時―――

 

「???」

 

全員の端末の着信音が鳴り響いた。

何かと思いキヨカも離れ端末を取り出す。

僕も懐にある学園の端末を取り出し、届いたものを見る。

端末には一件のメッセージが届いていた。

差出人はジン。

キヨカには美都先生かららしい。

メアたちにも届いていることから、恐らくハーネスとジェノックの生徒全員へ一斉送信しているようだ。

端末を操作してメッセージを開く。

内容は簡単に言うと、明日よりハーネスとジェノックは無期限の同盟を締結する。と書かれていた。

 

「今来たということは・・・・・・」

 

僕の嫌な予感はすぐさま的中し―――

 

 

『『『『ええええっ!!?』』』』

 

 

ダック荘全体を震わせるような声が響き渡った。

 

「むー。うるさい。せっかくレイに甘えてたのに」

 

プンプンと怒ったように見せるキヨカ。

ちなみに、こんな状態のキヨカを知っているのは僕らに、兄であるダイキさんのみである。

まぁ、あの人滅茶苦茶シスコンだからね。

僕たちの事も昔から気に掛けてくれてるし。

兄さんとは別で、兄という感じだ。

カスタマイズによるスペック向上はダイキさん直伝のが大半を占める。

しょっちゅう郷田と喧嘩してるダイキさんだけど、僕らにとっては信頼出来る兄だと認識している。

ま、まぁ、犬猿の仲だからなぁ、あの二人・・・・・・

相性最悪なのに相性最高だからなぁ・・・・・・

 

「レーくん、出雲君たち明日のウォータイム前に言わないかな。セカンドワールドの真実」

 

二人のことを思い返してるとメアが微妙な表情で言ってきた。

 

「あー、その点ならもう手は打ってあるよ」

 

「え?」

 

「あの後、4人の端末にメッセージを送ったんだよ。真実を話すなら明日ではなく、明後日に話せ、って。別のことに捕われてると明日の模擬戦速攻で負けるぞ、ってのも記入してね」

 

「随分と優しいのね」

 

半目になりながら見て来るキヨカ。

 

「キヨカはアラタたちに負けて欲しいの?」

 

苦笑しながら問い掛けると、キヨカは別に、と言って。

 

「結果の見えてる戦いに興味が持てないの」

 

と言った。

結果の見えてる戦いか・・・・・・

 

「キヨカから見て結果は?」

 

「ハーネスの圧勝。その一択よ」

 

「即答だねぇ〜」

 

キヨカの答えにルナが予想通りだと言うように言う。

 

「どう考えてもジェノックがハーネスに勝てるわけないじゃない」

 

ま、まぁ、キヨカの言いたいこともわかるんだけどね?

あはは、と苦笑を浮かべる。

 

「大体、ジェノックでマトモな人ってゲンドウやユノ、ハルキとかいった一部だけよ?リクヤは言わずもがな、カイトも同様。キャサリンは大雑把だし」

 

「うわぁー。同じクラスメイトなのに容赦ないわー」

 

「今日も疲れたわ。ホント」

 

「はいはい。好きなようにしていいから」

 

「じゃあ今日この後一緒に寝る」

 

「あー、はいはい」

 

キヨカの疲れ様は知っているから空笑いをして許可する。

 

「むー。ズルいけど、今日はキヨカちゃんに譲ってあげる」

 

「どうどうメア」

 

プクー、とふくれっ面をするメアを宥めるルナ。

ってか、僕が誰かと寝るのは4人の中では確定事項なのね。

これ他の男子が知ったら視線だけで人を殺せそうになるかも・・・・・・。

バレないようにしないと。うん、ホント。

 

「あ、メア。アレって出来た?」

 

思い出したようにメアに訪ねる。

 

「あ、出来たよ。バッチリ!」

 

ふくれっ面から一転、良い笑顔でサムズアップするメア。

どうやら納得出来たものが出来たようだ。

 

「じゃあ、僕のLBXに着けといてもらっていい?」

 

「OK〜。ルナちゃんとフランちゃんはどうする?」

 

「うーん、私は明日はいいかな?」

 

「私も遠慮しとくわ」

 

「じゃあ、レーくんだけね。くふふふ。明日みんな驚くだろうなぁ」

 

「・・・・・・また何かトンデモないの造ったの?」

 

呆れたように半目になりながらメアに問うキヨカ。

いや、キヨカの言わん事も分からんでもないけどさ。

 

「今回造ったのはメアだけど、立案したりしたのは僕だから」

 

である。

 

「レイが?」

 

「まぁね」

 

僕が言うとキヨカはルナとフランと顔を合わせ。

 

「なら安心ね!」

 

と安心したように言った。

 

「ちょっとぉー!なんで私が作ったやつだと不安になって、レーくんのだと安心するのよ〜!!」

 

「だって、ねぇー」

 

「うん」

 

「まぁ」

 

「ええ」

 

思い返してみて欲しい。

メアが造った中でマトモなやつが幾つあっただろうか?

思い返してみても、どれもピーキーな武装ばかりだ。

というか、僕ぐらいしか全部使えんだろ?

 

「まぁ、メアのレイ第一は今更よね」

 

「うん。メアはレイの事ばかり考えてるし」

 

「ええ。小学生の頃からだったし」

 

「酷くないみんな!?」

 

自業自得だと思ってしまったが、口には出さないでおこう。

 

「むーーー!!イイもん!!私がレーくんの事が大大大好きって事には変わりないし!!!」

 

いや、吹っ切れたように言われても反応に困る・・・・・・

メアの言葉に顔が茹でたように真っ赤になる。

 

「じゃ、じゃあお願いねメア」

 

「まっかせなさい!!あ、ついでだから色々魔改造・・・「しなくていいからね!?!?」むぅー。じゃあ、普通にメンテするね」

 

そう言ってメアは机の上にあった僕の学園で使用しているLBX[コスモスオリジン]を手に持って自室へと戻って行った。

 

「・・・・・・で、何を造ったの?」

 

「ああ、対空戦力における対抗策だよ」

 

あとは明日の秘密、と言う。

明日はみんな驚くよ。

何せ、空戦における新たな戦力だから。

微笑みを浮かべながら夜を過ごし―――

 

 

 

翌日

 

 

「ん〜〜〜〜」

 

周りの状況を確認して唸り声を漏らす。

何故なら―――

 

「スゥ・・・・・・スゥ・・・・・・スゥ・・・・・・」

 

「んーーーん・・・・・・」

 

「スゥ・・・・・・スゥ・・・・・・」

 

キヨカ、ルナ、フランの3人が僕を囲むように寝ていたからだ。

いや、あれ?昨日の夜は確かキヨカしかいなかったはずだよね!?

ルナとフランに限っては自室に戻って寝たはずだし・・・・・・・

どうなってるん?これ・・・・・・

目が覚めて起きてみたらハーレム状態で寝てた。

うん。どゆこと?

改めて確認してみても夢ではなく現実。

Theリアルである。

確かにメアも入れて4人で、ひとつの部屋で寝たことはあるけど、この島に来てからそんなこと今回が初めてだ。

ま、まぁ、メアはよく布団に潜り込んでくるけど。

ちなみにフランとルナもたまーにしてくる。

むむむ、と唸りながら時間を見る。

 

「あ・・・・・・キヨカ、そろそろ起きないと!」

 

時間を見て一瞬動きを止め、慌てて左隣で寝てるキヨカを起こす。

 

「んんー・・・・・・なぁにぃ〜レイ〜・・・・・・」

 

寝惚けてるのか呂律が回ってない。

 

「いや、時間!そろそろ部屋戻んないとヤバい!」

 

「ええ〜?」

 

眠気眼を擦りながら時計を確認する。

時計を確認ししばしの間動きを止め・・・・・・

 

「ちょっとヤバいわね」

 

完全に覚醒したのか、何時ものキヨカに戻った。

 

「で・・・・・・この状況は一体何?」

 

「僕が聞きたい」

 

キヨカの問いに僕は訳が分からないとでも言うように返す。

実際何故2人がここで寝てるのか分からないのだが・・・・・・

 

「まぁ、何時ものことだし」

 

である。

うん。慣れって怖いネ!?

そんないつもと変わらない(いや、普通ありえないんだけどね!?)朝を過ごし―――

普通に朝を過ごし、ホームルーム前のクラスで色々聞かれたりして、時間が過ぎて行き。

ウォータイム前のブリーフィング。

僕は何時もの司令官時の服装。ハーネスの制服の上にコートを着てる。

 

「ウォータイム前のブリーフィングを始める」

 

僕が告げると、みんなの意識がキッと引き締まる。

 

「今回は当初の予定通り、ジェノックとの模擬戦を行う。場所はジェノック領内にある『ジョウトシティ』」

 

床のモニターに『ジョウトシティ』の地図が映し出される。

 

「今回の目的はフラッグの奪取じゃない。あくまでもジェノックとの模擬戦だ。故に、フラッグは無視していい。―――が、フラッグを奪取してもいいよ」

 

どのみちジェノックとの同盟で領土はジェノックとハーネス共有領土になるんだし。

 

「まず、模擬戦による相手だけど、第1小隊とルナはジェノック第3小隊。第2小隊はジェノック第2小隊。第3小隊はジェノック第4小隊。第4小隊はジェノック第5小隊。そしてジェノック第1小隊は僕とフランが相手する。」

 

予め計画していた相手を伝える。

 

「レイ、何故相手がその小隊なのか理由をお聴きしても?」

 

オトヒメの質問みんな思ってることだろう。

何故、その小隊の相手なのかと言うと―――

 

「簡単だよオトヒメ。これが一番良いからだ」

 

「?どう意味や?」

 

「プライドを折る。それも徹底的に」

 

スズネの問いにニヤリと意地の悪い笑みを浮かべて答える。

 

「ジェノック第3小隊は隊長の東郷リクヤを守ることばかりに置いてる、ならカゲトラとスズネだけでも十分相手できる。第2小隊はギンジ同様真っ向から向かってくるだろう。なら、先槍のギンジたちを。第4小隊は女子で構成されてるからね、オトヒメたちで相手させる。第5小隊は計算してくるだろう。ならシスイたちによる番狂わせを引き起こす」

 

フッフッフッと嗤う。

 

「うわぁー。レーくんが悪い顔してる」

 

「レイってたまに意地の悪い事するわよね」

 

「あはははは」

 

メアたちが失礼なこと言ってるけどスルーしよう。

 

「それに、相性的にこれが一番いい。ルナが第1小隊にいるのは数合わせだから・・・・・・ゴメンね」

 

ルナに両手を合わせて謝る。

いや、もう一人第1小隊に居てくれればフルなのになぁ・・・・・

 

「あははは。大丈夫だよ。今回はカゲトラとスズネのサポートに回るね」

 

「よろしく頼む」

 

「頼んだでルナ!」

 

「うん!」

 

笑顔でスズネの頼みを引き受けるルナ。

うん。良かった。今のルナが一番良いよ。

感傷に若干浸りつつ、話を進める。

 

「まず、シスイたち第4小隊による狙撃で彼らを分断させる。軌道系の高いオトヒメたちは分断させた後、ジェノック第4小隊を所定のポイントまで誘き出す。シスイたちは、そのままジェノック第5小隊を狙撃で足止めさせ撃破。ギンジたち第2小隊と、カゲトラたち第1小隊は引き離されたジェノック第2小隊と第3小隊を相手に」

 

床下のマップに次々と点を示し作戦を伝える。

 

「だが、そうなると瀬名アラタたちの相手をレイとフランの二人で相手することになるが・・・・・・?」

 

シスイが気になるように聞いてくる。

 

「大丈夫。むしろ、僕一人で相手してもいい程だし」

 

僕がそう言うとみんな「あーー」、っと、納得したように声を漏らす。

実際、現在ジェノックでの最高戦力はあの新型機を保持してる第1小隊の3人だ。

今までジェノックが獲得してきた領土の立役者は全てアラタ、ヒカル、ハルキ。そしてサクヤの第1小隊のお陰だ。

逆に言い換えれば、彼らが居なければどの拠点も堕とせなかったと言える。

新型機を投入した初戦、『イーストエンドブリッジ』からによる激進の如くの快進撃。

彼らのお手並み拝見と行こう。

 

「それに・・・・・・」

 

一旦間を置き、みんなを見て告げる。

 

「みんなならジェノック程度取るに足らない相手だと、すぐに分かるよ」

 

「その根拠は?」

 

シスイの問いに僕は自信を持って答える。

 

「みんな、確かなチームワークがあるからね」

 

そう。ジェノックとハーネスとの最大の違いは、このチームワークの有り無し。

もちろん、ジェノックにもチームワークはあるだろう。

だが、そのチームワークは限定的なもの。

常日頃からチームワークを心掛けてるハーネスに比べたら微々たるものだ。

正直言って、良くここまで持って来たなぁ・・・・・・って常々思う。

 

「さぁ、零から始めて零で終わらせようか」

 

微笑みを浮かべて告げ切り替えの言葉を発する。

 

「重ねて言うけど、本気の全力でジェノックを叩き潰せ」

 

「「「「「了解!!!」」」」」

 

みんなが返事をすると同時にセカンドワールド起動前のシステムアナウンスが流れる。

 

「時間だ。各員準備に入れ!」

 

僕が告げると同時にみんな司令室から退室してコントロールポッドルームへ行く。

 

「ジン、特に指令は送らなくていいからね今回は」

 

『分かった。キミに任せよう』

 

「ありがとう」

 

コートを脱ぎジンと会話して僕もコントロールポッドルームへと向かう。

コントロールポッドルームへ向かい、自身のコントロールポッドに乗り込む。

コントロールポッドを起動させ、LBXを射出口にセット。バイザーを装着し、セカンドワールド開始を待つ。

サイレンの音と同時に開始のアナウンスが響く。

 

《5・・・・・・4・・・・・・3・・・・・・2・・・・・・1。ウォータイム、開始》

 

ウォータイムが始まり、自身のLBX[コスモスオリジン]らを乗せたメアの操るクラフトキャリアが発進し、目的地であるジョウトシティへと向かう。

ウォータイム開始からしばらくして―――

 

『目的地上空に到達』

 

メアから報告が来る。

 

「了解。全員、降下開始!!」

 

僕の合図とともに全員降下を開始する。

次々と地上に着地し―――

 

「―――RD(ライディング)ウィング展開」

 

僕は地上に着地せず、上空に滞空する(・・・・・・・)

コスモスオリジンの背部に取り付けられた外装から対の蒼い光翼が二つ。双翼が展開される。

これが僕が設計しメアが造り上げた、対空戦装備【RDウィング】。

上空に滞空し、指揮を執る。

 

「各自行動開始!!」

 

僕の指示とともにそれぞれ行動を開始する。

 

「さぁ、ジェノック諸君。キミ達は僕らハーネスにどこまでやれるかな?」

 

頭の中で次々と計画(プラン)を組み立てていく。

ジェノックとの模擬戦が今、開戦された。

 

 

 

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