ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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ハーネスVSジェノック(同盟締結)

 

〜ユノside〜

 

レイが慌ててジェノックの司令室を出てハーネスの司令室に向い、私たちはその速さに部屋の中がシンっとなる。

レイがいなくなり、私たちはキヨカに視線を向ける。

キヨカがあそこまで感情を露わにするなんて初めて見た。

 

「き、キヨカ?」

 

「なに」

 

恐る恐るキヨカに声を掛ける私に、キヨカは何時もの声で返す。

 

「その・・・・・・なんで私たちに秘密にしてたのか聞いてもいい?」

 

「話す必要がある?誰にでも秘密はあるはずよ」

 

「それはそうだけど・・・・・・」

 

キヨカの淡々とした返しに私は少し気落とされた。

けど、それと同時にどこか納得した。

キヨカの気配が何処かレイと似ているのに。

レイと同じだったから似ていたんだ。

 

「った・・・・・・」

 

カイトがキヨカに叩かれた右頬を押さえながらキヨカを睨みつける。

 

「裏切り者が・・・・・・」

 

カイトが小さな声で言うが、私の耳には普通に聞こえる。

それはキヨカもで。

 

「好きに言いなさい」

 

眼中に無いとでも言いたげにキヨカはカイトに返した。

 

「私の事を悪く言うのは構わないわ。けど、レイに対して言うなら、私は貴方を許さないわ」

 

「っ!」

 

キヨカから発せられた声音に私はビクッとした。

いや、室内にいる全員がキヨカから放たれた殺気に似た気配にビクつく。

 

「止めろカイト!さっきのはお前が悪い!」

 

「ふんっ」

 

ハルキに窘められるがカイトは無視する。

 

「カイト。お前は何故そこまでレイを敵視する?」

 

ゲンドウが腕を組みながら尋ねる。

確かに、カイトはレイを視るとき何時も敵視していたけど・・・・・・

 

「お坊ちゃんには分からないだろうね」

 

カイトは、言う必要ないとでも言いたげに返す。

部屋の空気が重くなりそうなところに。

 

「なぁ、キヨカ!」

 

アラタがキヨカの声を掛ける。

 

「なに?」

 

「今度キヨカと戦わせてくれないか!?」

 

「・・・・・・何故?」

 

えぇー。

この状況下で聞く!?

空気を変えようとしたんだろうけど、えぇー、と思ってしまう私。

それはハルキやヒカル、サクヤもだそうで、呆れたようにため息を吐いている。

 

「キヨカってレイと同レベルのプレイヤーなんだろ?なら戦ってみたいし」

 

「断るわ」

 

アラタのお願いにキヨカは即答で断りを返す。

 

「レイに一方的にやられてるのに、私に適うわけないでしょ?レベルの差を理解しなさい」

 

冷たく突き放すキヨカ。

キヨカの断りの理由にぐうの音も出ないアラタ。

まぁ、あそこまで一方的にやられたらなぁ。

なんとも言えない空気の中、私たちはレイが帰ってくるまで待った。

待っている間、私はキヨカのことを考えていた。

キヨカがあそこまで感情を露わにして怒るなんて初めて見たから。それと同時に、たまにキヨカの表情が曇っていたこと。

多分、キヨカも私たちに黙っていたのが辛かったんだと思う。

キヨカから見て私たちはどう見えてたんだろ?

キヨカの事がもっと知りたい。クラスメイトとして、チームメイトとして。なにより、友達として。

私はこのブリーフィングが終わったあと、二人きりでキヨカと話すことにした。

キャサリンやハナコ、アラタとかがいると話にならないだろうから。

 

〜ユノside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜レイside〜

 

「はぁ〜・・・・・・疲れた」

 

風陣カイトのせいで暴走したメア、フラン、ルナの怒りを沈め(ナデナデと大丈夫だから、等として)ジェノックの司令室へ戻ってきた僕はもう疲労困憊だった。

それにしても―――

 

「(化け物、か・・・・・・久しぶりに言われたなぁ)」

 

化け物・・・・・・確かに僕は他人とかなり違う。

勿論、それは理解してるし判ってる。

僕が他人とはかけ離れていることを・・・・・・

幼い頃から言われ続けていたから化け物呼びなんて何ともないけど・・・・・・

メアたちは僕が化け物とか呼ばれるのイヤみたい。

特にメアはこの単語が大嫌いだ。

僕の代わりに怒るほど。フランやルナ、キヨカもだけど、メアだけは違う。

昔、小学生の時化け物と呼ばれた際、メアは僕が手が付けられないほど殺気を発していた。それも無表情で呼んだ相手を威圧し周囲の人の大半を失神させるほど。

いやぁー、あの時は大変だったよ。

先生までもが丸投げして来るから、あの時はもう思い出すのも疲れるほどだった。

あの後メアになんでそこまで怒るのか聞いた。

聞いた際のメアの返答は、

 

「レーくんが怒らないから」

 

だった。

化け物と呼ばれてるのに怒らない僕の代わりに怒った。

そう告げた。

他人と感性が少しおかしい僕の代理。

 

「レーくんに向かってそう言われると私がイヤなの。レーくんが良くても、私がイヤ」

 

泣きながら告げるメア。

その時僕は解った。メアが僕の感情の代わりにやってくれたんだって。

それ以降、一時期メアの事を恐れる人が少ながらずいたけど、常に僕が一緒にいてそれを無くした。

僕の事を化け物と呼んだ子はメアが苦手になってしまったそうだけど。

それからルナやキヨカにメアから話が行き、そしてフランにも。

僕はメアたち4人に情けないにも護られてるのだ。

恥ずかしい気持ちもあるけど、代弁者としてメアたちがやる。

けど、それによって4人が不幸になるのは僕は望んでない。

僕の中の彼女にも問われたしね。

思い返しながらジェノックの司令室の司令官席に戻り。

 

「はぁー。話を戻すよ」

 

と告げ、話をし始める。

 

「まず、キヨカ」

 

「ん?」

 

「キヨカから観た今回の動きはどう評価する?」

 

ジェノック内部から観たキヨカの感想を聞く。

 

「そうね・・・・・・全体評価はE-、と言ったところね」

 

わぉ。お世辞抜きの辛口評価だ。

キヨカの評価にくっ、って顔してる人が多々いる。

 

「OK。ハッキリ言って、よく今まで持ってこれたなと思うよ」

 

うん。よく瓦解しないなぁと思ってる。

 

「キミたちジェノックに足りないもの、それが何か分かる?」

 

「足りないものだと?」

 

「僕たちにそんなの」

 

足りないものと聞かれみんな困惑している。

いや、キヨカは除いて、二人。何かを察したような顔付きだ。

やがてゲンドウが。

 

「俺たちに足りないもの、それは、互いを思いやる気持ち・・・・・・という事か?」

 

と口に出した。

 

「正解」

 

軽く拍手をして答える。

 

「そう。キミたちに足りないものは、互いを思いやる気持ち。すなわち、"メイト"だ」

 

「メイト・・・・・・仲間か?」

 

ハルキが疑心顔で聞く。

ハルキの問いに頷き返し。

 

「キミたちに足りないものは多々あるけど、その中でもメイトというものが掛けている。【一人よりも二人。二人よりも三人】、【三人寄れば文殊の知恵】とも言うよね?もし今回の模擬戦や、今までの戦い、もっとメイトを信じていれば、遥かに動きやすかったと思う」

 

僕らハーネスと、ジェノックの一番の差はこのメイトによる絆の有無。ハーネスは、互いに庇い合い、背中合わせで戦っているに対して、ジェノックは孤立。何でもかんでもひとつの小隊で片付けようとする。まぁ、それの原因は彼らだけじゃなくて美都先生にもありそうだけど。

チラッと美都先生に視線をやり、すぐさま視線をアラタたちに向ける。

 

「そもそも現在のジェノックでの最高戦力は、[ドットフェイサー]、[バル・スパロス]、[オーヴェイン]の3機。つまり、アラタ、ヒカル、ハルキの3人。そしてサクヤを含めた4人。第1小隊だ」

 

「なんで第1小隊が最高戦力なのよ」

 

不満げに言うキャサリン。

当然だろ?

 

「キミたちジェノックの快進撃は、第1小隊に新型の3機が導入したからだ。初陣の『イーストエンドブリッジ』から始まり、『ブラックウィンドキャンプ』、『タンデムの港』、『エルダーシティ』、『エンジェルピース』、そして『ギガントの壁』。ここまで全戦全勝。もし、第1小隊に新型が導入されなかったら、ここまで勝てた?」

 

これらの勝利は第1小隊が参加し、主に第1小隊が活躍したからこそ成せたものだ。

 

「そんなの勝てたに・・・・・・「いや、無理だ」ゲンドウ!?」

 

キャサリンの言葉を遮りゲンドウが告げる。

 

「考えてみろ。【バイオレットデビル】やLD(ラージドロイド)を相手に、俺たちの戦力で勝てたか?」

 

「それは・・・・・・」

 

ゲンドウに諭され口を淀ませるキャサリン。

 

「それに、『ブラックウィンドキャンプ』で【デスワルズブラザーズ】に勝てたのは第1小隊が奴らに対抗するために、フォーメーションアタックを作ったからだ」

 

「加えて言うなら、『エルダーシティ』は、LD(ライディング)アーマーが無ければ不可能でしたね」

 

眼鏡をクイッと上げ東郷リクヤが告げる。

 

「そう言われると、これまでの戦況は第1小隊がいたからこそ成しえたと言えるな・・・・・・」

 

ゲンドウの小隊メンバーの一人、セイリュウが呟く。

『エンジェルピース』や『ギガントの壁』はアラタがムラクを抑えていたからだし、『タンデムの港』ではヒカルが第3小隊の援護に入ったから。『エルダーシティ』はサクヤのLDアーマーがあったからだしね。

 

「この状況も貴方の予測通りなのかしら?」

 

美都先生が腕を組みながらジト、っと見てくる。

 

「彼らにあの新型を渡すように指示したのは貴方でしょ?」

 

「「「「え!?」」」」

 

あーあ。美都先生がバラしちゃった。

 

「まぁ、予測はしてましたけど、ここまでとは思わなかったですね?」

 

肩を竦めて返す。

 

「それに・・・・・・」

 

アラタたちはまだそれぞれのLBX本来のポテンシャルを引き出してない。

そう言おうとしたが止めた。

これは話して解らせるより、自分で感じ取って判らないと自分のためにならない。

そこに―――

 

「「『?』」」

 

僕と美都先生。ジンの端末にメッセージが届いた。

開いて内容を視ると、文面には『明日のウォータイムからハーネスとジェノックは無期限の同盟を締結する』旨が書かれていた。

どうやら正式に同盟締結が認可されたようだ。

美都先生とジンにも同じメッセージが届いたみたい。

 

『たった今運営側から、ハーネスとジェノックの無期限同盟が締結された』

 

ジンが両国に宣告する。

ジンの宣告にそれぞれ衝撃が走る。

 

「両仮想国の司令官は変わらず、ジェノックは私が。ハーネスは海道先生と山野レイに務めてもらいます」

 

『そして混成軍の総司令はレイに務めてもらう』

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

 

「はい?」

 

ジンの言葉に変な声が出る。

聞き間違いかな?

 

「ジン、僕がなんだって?」

 

耳が可笑しくなったのかと思いジンに再度聞く。

 

『レイには、混成軍の総司令を務めてもらう』

 

うん。聞き間違いじゃなかった。

混成軍の総司令・・・・・・・

 

「はぁ〜〜〜〜〜っ!!!??」

 

事前に聞いてない事に驚く声が出た。

アラタたちがビックリしてるけど、そんなことは放って置いて。

 

「いや、まって!そんなこと僕一度も聞いてないんだけど!?」

 

全くの初耳だし。

 

「ジン!美都先生!説明を!!」

 

企てた二人に質問する。

 

「実際に現地で指揮を執る貴方が総司令の方がいいでしょ?」

 

『レイの方が向いてると思ったんだが?』

 

こ、この二人は〜〜・・・・・・・!!

美都先生とジンの説明とも言えない説明に頭が痛くなった。

前々から思ってたけどこの二人、似てるわ!!

 

「これ断ることは・・・・・・」

 

『無理だ』

 

「無理ね」

 

「ですよねぇ〜〜〜!!」

 

厄日か今日は!

まぁ、嘆いていても仕方ないかぁ・・・・・

はぁ〜とため息をして。

 

「何故か分からないが総司令になった山野レイだ」

 

取り敢えず挨拶をする。

 

「僕から言うことはひとつ」

 

一旦間を置き告げる。

 

「絶対にロストするな」

 

ロストして残るものなんて遺恨以外無い。

 

「明日はハーネスとジェノック混成軍によるロシウスの『デスフォレスト』攻略を行う!各自万全の体制で挑むように」

 

明日について告げると意識が変わったように真剣な顔付きになる。

 

「美都先生、ジン。なにか他にあります?」

 

「ないわ」

 

『同じく』

 

「では、本日のウォータイムを終了する!解散!!」

 

半ば強引に終了させ解散させる。

アラタたちが部屋から出て、室内に僕と美都先生。通信先のジンだけになり僕は二人にジト目で。

 

「総司令の件、引き受けますけどコッチはこっちで好きにやらせてもらいますからね?特に美都先生」

 

「ええ。それは構わないわ。貴方の事情に関しては知っているし」

 

『僕たちが補佐をするから安心しろ』

 

「まぁ、日暮先生よりは安心しますけど・・・・・・」

 

「『・・・・・・・・・・」』

 

日暮先生と比較されて微妙な表情をする二人。

まぁ、美都先生も日暮先生には振り回されてるからなぁ。

特に書類関係で。

 

「それよりレイ、キヨカの事私も聞いてませんが?」

 

「言ってませんしね」

 

「その理由を聞いても?」

 

「それはさっき言ったと思いますけど?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

美都先生は僕をジーと看てくる。

キヨカに当初お願いしたことは、ジェノック内部の監視。サポートと橋渡しはジンが来て以降だ。

そして、ジェノックから信頼のおける人を見つけ協力者とすることだ。

キヨカからジェノックで信頼出来るのは現状だとユノとゲンドウくらいだと聞いてるし、僕も同感だ。

 

「貴方たちには貴方たちの事情があるようですし、今は深く聞かないでおきます」

 

「ええ」

 

僕たちがNICSから派遣されてるのはジンとハーネスだけが知っていること。今はまだジェノック全体に話す時期じゃない。

だが、これは予想外にも早く話すことになることを、今の僕は知る由もなく、予測出来ていなかった。

 

〜レイside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ユノside〜

 

レイから解散といわれ、私たちは司令室を後にしてそれぞれ帰宅する。

私もいつも通り帰ろうかと思ってたんだけど。

 

「キヨカ」

 

「なにユノ?」

 

いつもと違い、一人で帰ろうとしていたキヨカに声を掛ける。

 

「その、話があるの」

 

「話?私が貴女たちを裏切っていたっていう話?それとも、レイと繋がっていたっていう事かしら?」

 

キヨカから返ってきたのは明らかな拒絶。

クラスのため、視線が私とキヨカに集まる。

キヨカへの視線の大半は侮蔑的なものが多かった。

そして畏怖の視線もあった。

司令室でキヨカから感じた殺気と冷たい気配。恐れを感じないのはおかしいと言えるほど。

一種即発になりそうな空気になりかけたとき。

 

「キヨカちゃん、帰ろ〜!」

 

メアがやって来てキヨカに向けてそう言った。

 

「せっかく昔みたいに一緒に帰れるようになったんだし、一緒に帰ろ〜」

 

「ええ、そうね」

 

メアに返すと、キヨカはそのままメアとともにクラスから出ていってしまった。

 

「あ・・・・・・」

 

話すタイミングを失ってしまい何も言えない。

 

「放っておきなさいよユノ」

 

「キャサリン」

 

「キヨカは私たちを裏切っていたのよ?何を話す必要があるのよ」

 

「でも!」

 

私はひとりの友達としてキヨカと話したい。

 

「で、でもキャサリン。キヨカとは今まで一緒にやってきたんだよ?裏切っていたなら私たちに手を貸したり、仲良くしたりするなんて思えないよ」

 

オドオドとハナコがキヨカを庇う。

 

「さっき自分で言ってたじゃない。裏切っていたことって。なら自分でも裏切っていたって自覚があるわけでしょ!」

 

「うぅ・・・・・・」

 

ハナコに向かって八つ当たり気味に言うキャサリン。

確かに、人によってはそういう見方もある。けど。

 

「キャサリン。お前は、何に対してイラついているんだ?」

 

ゲンドウが腕を組みながら聞く。

 

「なんですって!?」

 

「レイに負けたことか?それとも先程レイにボロクソに言われたことか?キヨカがレイに繋がっていたことか?」

 

「っ・・・・・・!」

 

「キヨカは確かにレイと繋がっていた。だが、その程度で目くじらを立てるほどのようなものか?それにレイの先程の言い分は尤もだ。それは、当事者である俺たちがなにより解ってるだろ」

 

ゲンドウの言う通り。

今回の模擬戦、レイは私たちの全てを理解して自軍を動かしていた。

もし、ハーネスの最新の情報を全員が知っていて慢心も無く油断もしていなかったら、結果は少しは違っていたかもしれない。

 

「それにだ。キヨカは何に対して裏切っていたというのだ?」

 

「それは私たちジェノック全体を・・・・・・」

 

「なら、ジェノックの何を裏切っていた?仲間か?情報か?レイはハーネスの司令官だ。そのようなもの必要ないだろ?なにより、アイツは俺たちより頭の回転が速い」

 

ゲンドウは常にレイたちについての情報を絶えず収集していた。それはレイたちが脅威であり、油断のならない相手だと分かっていたから。

 

「なら、なんで彼女は何も言わないんだい?」

 

カイトがゲンドウを睨みつけるようにして聞く。

 

「原因はお前だろカイト」

 

「僕?」

 

「お前がレイに対して化け物などと言うからだ」

 

「実際化け物じゃないか!アレが化け物じゃないって言うならなんだと言うんだ!」

 

「レイはレイだ」

 

「は?」

 

「レイは山野レイという、一個人だろうが。決して化け物なんかでは無い」

 

ゲンドウはレイを護るように言い返す。

 

「私も同じ。レイはレイよ。確かに私たちとは違うのかもしれないけど、レイはレイでしょ?」

 

私もゲンドウと同意見。

学園最強にして、最凶と言われ、誰にでも優しくて慈愛深く、人望が厚く、料理が上手い。

レイは何者でもない、山野レイという一個人に過ぎない。

バラバラな空気の中それぞれ寮へ帰宅し、私は端末を取り出してキヨカ宛にメッセージを送った。

今日の夜話せないかと。

返事はすぐに返ってきた。

キヨカから二人きりでならと書かれていた。

私はそれを読み、場所と日時を書いて送りキャサリンたちには何も言わずに端末を仕舞った。

そして夜。約束の場所と時間に私はキヨカを待っていた。

 

「お待たせ」

 

遅れてキヨカがやって来た。

服装は今私が着てる寮でのパジャマやジャージではなくジェノックの制服。

 

「ううん。私も今来たところ」

 

私はキヨカにそう言い帰し、話をし始めた。

キヨカの本当のことが知りたくて。

 

 

 

 

 

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