ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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とある日の日常

 

〜レイside〜

 

 

『みなさん、ご機嫌麗しゅう。日々のウォータイム、みなさんの活躍には私も満足しているわぁ』

 

ニーズシティ攻略作戦の翌日。恒例の全校朝礼集会の集まりで体育館に僕たちはいた。

壇上にはこの学園の学園長たる大門ジョセフィーヌ学園長がいる。

 

「レーくん、体調は大丈夫?」

 

後ろにいるメアが心配そうに小声で声を掛けてきた。

 

「うん、大丈夫。ゆっくり休んだから問題ないよ」

 

「メアは大丈夫なの?徹夜で私たちのLBXメンテナンスしてたみたいだけど?」

 

「あ、うん。大丈夫だよ」

 

ジョセフィーヌ学園長の話を聴きながら話をする。もちろん小声で。 いや、ジョセフィーヌ学園長の話長いんだもん。

やがてメインの『今週のSC(シルバークレジット)最高獲得者』の表彰が行われる。

下から次々獲得者が呼ばれ。

 

『えーと次は・・・・・・あらあら、この子は随分と久しぶりねぇ。今回、第一位は三人いるわぁ』

 

ジョセフィーヌ学園長の言葉に生徒たちからあわてふためいた声が漏れる。

 

『まずは一人目、一年三組ハーネスの石森ルナ。二人目は同じく一年三組ハーネスのフラン・フルーリア。そして最後の三人目は同じく一年三組ハーネスの山野レイ』

 

まさかの僕らに驚いた。

周囲から視線が僕たちに集まる。

 

『まさか、一位が同じクラスの生徒とはさすがの私も驚いたわぁ。これからも頑張ってちょうだいね』

 

そうして今回の全校朝礼集会は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み 食堂

 

 

「はぁ・・・・・・疲れる」

 

「そうね」

 

「うん」

 

「あははは・・・・・・」

 

その日の昼休み、メア以外僕らは窶れた表情を浮かべていた。

原因は今朝の表彰で。今も。

 

「見て!彼らよ!」

 

「第一位が同じクラスのヤツなんて初めてじゃねぇか?」

 

「凄いわねぇ」

 

好奇の視線が飛び交っていた。

 

「アルテミスとかでこういうのには慣れてるけど、キツいね」

 

昼食を摂りながら話す。

 

「まあ、それだけ注目されてるからね。特にレイは久しぶりじゃない?」

 

「そうね・・・以前は普通にSCランキング上位に入っていたものね」

 

「ま、お陰で私は三人のLBXをフルメンテ出来るんだけど。他のみんなも助かってるって」

 

あまりSCを使わないため幾らか各小隊のメカニックたちに譲渡しているのだが。まさかそこまで感謝されるとは。

 

「そう言えば今日のウォータイム、何するんだろう」

 

「うーん。しばらくは哨戒じゃない?」

 

そんな会話をして昼休みを過ごし―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハーネス ブリーフィングルーム

 

 

「―――ドルドキンス司令。今後のウォータイムはどうするんだ?」

 

本来は司令をしなければならない日暮先生がジンさんに問い掛ける。

 

「我々ハーネスは昨日、ニーズシティを占領した。よってしばらくは占領したポイントの哨戒任務を遂行してもらう」

 

ジンさんの指示に頷く。

確かにここ最近出撃してたからしばらくは哨戒任務の方がいいだろう。

 

「第五小隊のLBXの状況は?」

 

「そうですね・・・・・・昨日のヒドラ戦の影響でしょうか、どの機体もダメージが大きいです。『ラボ』を使用すれば今日中には直るかと」

 

「他の小隊はどうだ?」

 

「第一小隊はこれと言っては・・・・・・」

 

「第二小隊も同じく」

 

「こちらも同じくです」

 

「はいぃ〜。同じですぅ」

 

「了解した。第五小隊は今日の出撃は無しだ。メアはウォータイムが始まりしだい『ラボ』でLBXの修理に入ってくれ」

 

「分かりました」

 

「それでは、各小隊の哨戒場所を発表する。第一小隊は―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観覧室

 

特にすることも無いので、たまには観覧室で他国家の勢力でも把握しようと思いブリーフィングルーム下の、とある観覧室に僕はいた。

 

「ロンドニアは相変わらずグレンシュテイムに攻め込んで。グレンシュテイムは特に大きな動きは見せてない。いつも通り、ロシウスとの小競り合い。アラビスタはクルセイドに攻め込んでるのか。ポルトンはそもそも相手にされてないし。ジェノックは哨戒任務か」

 

観覧室から他国家の動きを視て呟く。

 

「・・・・・・つまんない」

 

なんか管理戦争みたいでつまらなかった。

 

「ん?」

 

そんな中グレンシュテイムとロシウスの戦闘のひとつに気になるのがあった。

 

「あの機体は・・・・・・それにあの動き・・・・・・まさかケンタロウ?」

 

それはロシウスのガウンタや、グレイリオを全く寄せつけず自由自在に空を駆けるLBXだった。

そしてそのLBXのモデルにはとても見覚えがあった。

 

「あの機体のモデル・・・・・・まさかオーレギオンか?オーディーンといい、イカロスといい、さすがセカンドワールド随一の技術国グレンシュテイム。父さんが兄さんに創ったオリジナルより性能は幾分か低いけど汎用性として十分確立されている」

 

このセカンドワールドのLBXは各LBXメーカーから情報を提供されているとはいえ、まさかオーレギオンやオーディーンといった機体まで汎用LBXに落として使われているとは思わなかった。

 

「ふむ。どうやらオリジナルの【スティンガーミサイル】や【我王砲(ガオーキャノン)】は省かれてるね」

 

ただでさえオーレギオンは最強のスペックを有したLBXなのだ。もしそんなLBXがセカンドワールドで使われたら大変だ。

グレンシュテイムで使われてるLBXは、オーディーンの量産型[オーディーンМ(ミリタス)]。ジェシカさんの愛機であるジャンヌDがベースの[G・ユーグフラオ]。イカロスタイプがベースの[G・レーヴェ]。といった兄さんたちが使っていた機体がベースとなってる。G・レーヴェにはプロト・Iやイカロス・ゼロ、イカロス・フォースに搭載されていた高次元多関節機構はないが、オーディーンМには可変機構が搭載されている。そして、あの、新しいLBXにも可変機構が搭載されていた。

 

「ふっ。中々面白そうだ」

 

口角が上がりながら画面の中の戦闘を見る。

 

「あのG・ユーグフラオはアンナか。さすが、グレンシュテイム第五小隊」

 

一方的とも言える戦闘に僕は笑みを漏らす。

やがて、グレンシュテイムとロシウスの戦闘はグレンシュテイムが拠点制圧し、ロシウスの領土をひとつ奪った。

それを見届け観覧室の席を立つ。

観覧室から出てメアのいるメカニックルームに行こうと通路を歩いてると。

 

「おや、レイではありませんか」

 

「あ、ケンタロウ」

 

反対方向から丁度ウォータイムの終わったケンタロウとアンナが歩いてきた。

 

「あれ?ヨウスケ君は?」

 

何時もなら一緒にいるもう一人のプレイヤーの姿が見えないことに不思議に思っていると。

 

「彼は今日熱でお休みです」

 

「あらら」

 

体調不良による休みだった。

 

「これからスワローでお茶会でもしようと思っていますの。レイ、貴方達もご一緒にいかがです?」

 

「はは。ありがたいけど今日は遠慮しておくよアンナ」

 

「あらあら。残念ですわ」

 

「ああ、そうだ。ケンタロウ、あの新機体凄かったよ」

 

「おや、何故私だと?」

 

「動きで分かったからね」

 

「ほう。さすがの観察眼ですね」

 

感服した眼差しで見るケンタロウ。

 

「それじゃあまた」

 

「ええ」

 

「それでは、ご機嫌ようレイ」

 

それぞれすれ違い、僕はその場をあとにした。

メカニックルームに着くと。

 

 

『うーん、フランちゃんが羨ましいわ』

 

『突然どうしたのメア?』

 

『いやだって、フランちゃん。可愛いし』

 

『それを言ったらメアもでしょ?』

 

『うん。メアは特に羨ましいよ。だってレイと小さい頃から一緒なんだもん』

 

『それは幼馴染みだからねぇ〜』

 

『それにスタイルも羨ましい』

 

『そんなことないよ〜。って、キャッ!フランちゃん!?』

 

『これの何処がそんなことないのかしら?』

 

『ふ、フランちゃん・・・・・擽ったいよぉ〜』

 

 

なんて話し声が扉越しに聴こえてきた。

いや、なんの話をしてるの君たち?

ポカンと呆れながら、扉のロックを解除して中に入る。

 

「メア、機体の修理の方はどう・・・・・・―――」

 

中に入ると、そこには何故か服が縺れ解れているフラン、メアの姿が。そして、苦笑しているルナの姿があった。

ドアの開閉音が鳴りロックが掛かる。空気が張り詰めている中二人に問う。

 

「いや・・・・・・なにしてるの?」

 

「え、えっと、その・・・・・・」

 

「服。はだけてるけど?僕以外の人が入ってきたらどうするつもりだったの?」

 

「いや、ここの部屋の鍵は私たちしか持ってないよ?」

 

「ルナ、そういう問題じゃないの」

 

メアの服はつなぎだがお腹は完全に見えてるし、なんならメアの白いブラの下の方が若干見えてる。対してフランはスカートはめくれてるし、こっちもこっちで服がはだけピンクのブラが見え隠れしてる。

やがて徐々に二人の顔が紅くなる。

 

「はぁ。眼瞑ってるから早く直して」

 

溜息を吐いて壁の方に体を向き、目を閉じる。

このやり取りもう何度目だろうか。そう思っていると。

 

「レーくんもう大丈夫だよ」

 

メアから許可が降りた。

目を開け視線を戻すと、ちゃんと制服に着なおしたフランとメアの姿があった。

 

「はぁ。あのねぇ、ここは学校なんだからそういうのは寮で頼む」

 

「そういう問題なのかな・・・・・・」

 

ルナのツッコミが入るが気にしない。

 

「それでメア、修理のほうは?」

 

「え、その流れでそれを聞くの?」

 

フランのツッコミも入る。

 

「え、えっと、うん。大丈夫。明日から・・・・・・あ、明日は休みだから、明後日のウォータイムからは問題なく行けるよ」

 

「OK。ありがとうメア」

 

「う、うん」

 

顔が真っ赤のメアからコスモスオリジンを受け取り。

 

「・・・・・・三人とも、スワロー寄って行かない?」

 

「「「!」」」

 

「僕の奢りで」

 

「行くっ!」

 

「行くわ!」

 

「うん!行く!」

 

三人の即答に苦笑しつつ、扉の方に向かう。

 

「あ、それとフラン、メア」

 

扉の前に立ち、顔を向けずにフランとメアに言う。

 

「お願いだから、僕以外にさっきみたいな格好は見せないでね/////」

 

頬を茹でダコのように赤く染めて言い、僕は逃げるようにメカニックルームから出て昇降口に向かう。

その後ろから。

 

「え、ちょっ!それは卑怯よレイ!!」

 

「レーくん、それは反則だよー!!」

 

「れ、レイ!待って!!」

 

慌ててフラン、メア、ルナがやって来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして半年後―――

 

 

 

 

 

「おおっ!ここが神威大門統合学園かぁー!!!」

 

「煩いな。少しは落ち着いたらどうだ」

 

 

 

 

「ん?あれは美都先生?それに、あの二人は・・・・・・」

 

 

 

二人の転入生の登場によって、物語は始まった。

 

 

 

 

 

 

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