ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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セカンドワールドとは

 

〜ユノside〜

 

「はぁ〜〜・・・・・・」

 

ジェノックがハーネスと正式に同盟を結んだ翌日。

学園に登校した私は昨日の夜のことを思い出し、ため息が途切れることが無かった。

 

「(どうしたらいいのかな・・・・・・)」

 

私と、レイに呼ばれたゲンドウの二人は昨日の夜、レイからこの学園の真実とレイたちについて聞かされた。

聞いた時、正直真実味が全くなかった。

当然だ。そんな話荒唐無稽にも程がある。

でも、レイが嘘を付くとは思えない。

話を最後まで聞き、レイたちの目的を教えられた。

眼が嘘ではなく真実を物語っているのはすぐに分かった。

いっその事嘘なら良かった。けど、それは真実。

私たちが今までやってきた事って一体何なのか、部屋に帰ってきて眠って起きてからの今も考えてる。

 

「ユノ」

 

悩んでいると、丁度来たキヨカが声を掛けてきた。

 

「キヨカ・・・・・・」

 

「昨日のこと考えてるの?」

 

「う、うん」

 

既に登校している何人かのクラスメイトはいるけど、こっちを見ないでそれぞれハーネスとの同盟締結について話してる。

 

「その・・・・・・なんで、私たちに話したの?」

 

「それは昨日レイが言った通りよ。この中で貴女とゲンドウの二人だけが、このジェノックでの良識且つ知的だから」

 

キヨカが私にそう告げると。

 

「おはよう」

 

「あ、ゲンドウ」

 

「おはよう、ゲンドウ」

 

自席に荷物を置いてゲンドウがこっちにやって来た。

私、キヨカ、ゲンドウという珍しい組み合わせにクラス中から視線が集まる。

 

「キヨカ、昨日の件、俺とユノは何も話すなという事だが・・・・・・本当に話さなくてもいいのか?」

 

クラスを見渡して言うゲンドウ。

確かに、昨日の話は他のみんなにも伝えた方がいいと思うけど・・・・・・

 

「大丈夫よ。恐らくハルキ辺りが話すだろうし」

 

そう言うキヨカは視線を窓の外に向けた。

連れられて私も窓の外を視て昨日の夜。あのテラスでレイから告げられた真実を思い返す。

 

 

 

 

―昨夜 海岸沿いのテラス―

 

 

「今から話すことは全て真実だ。心して聞いて欲しい」

 

私とゲンドウを対面に、レイは話し出した。

 

「この学園で行われてるウォータイム。それは、現実世界における代理戦争。僕らの戦いは、国の運命を左右する」

 

・・・・・・・・・・え・・・・・・

 

「ぇ・・・・・・」

 

「なに・・・・・・」

 

レイから告げられた言葉に私もゲンドウも声が出なかった。

国の運命を左右する・・・・・・代理戦争・・・・・・?

 

「え、ぇ、えぇ!?そんな、冗談でしょ?」

 

私たちに嘘をついてるとは思えなかったけど、嘘としか思えなかった。ここでの戦いが現実世界における代理戦争なんて、そんなの夢物語みたいだ。

 

「・・・・・・・・・・」

 

ゲンドウは腕を組み顰め面を浮かべてる。

 

「悪いけど、これは冗談でも、嘘でも、まやかしでも無い。事実だ」

 

真剣な顔で告げるレイ。

 

「この事を知っているのは学園上層部。運営や一部の政府高官。一般人には極秘にされてる」

 

運営や政府高官って・・・・・・

どういうこと?

頭が理解出来ない。

混乱しているとゲンドウが。

 

「・・・・・・何故その極秘情報をお前が知っている?」

 

と尋ねる。

 

「僕は・・・・・・いや、僕やキヨカたちはある所から依頼を受けてここに来た。この事もその時に知った」

 

ある所?

それに依頼って何?

レイやキヨカたちは何を知ってるの・・・・・・!?

 

「ある所だと?」

 

「ああ。僕たちは、NICSから依頼を受けてここに来た」

 

「NICSだと?!」

 

NICS?

なんだろ?なにかの略称かな?

私が首をかしげているとゲンドウが。

 

「何故NICSが・・・・・・いや、それより、お前たちのバックにNICSがいるということは、つまりA国政府が絡んでいるということか?」

 

「え、え?」

 

A国政府?

え?どういうこと?

私の頭が理解に追いついていない。

 

「レイ、ユノの頭が処理落ちしてる」

 

「あ・・・・・・」

 

プシュー。と煙が出そう。

そんな私をキヨカが心配そうに見てレイに言う。

レイは、あ、ヤバ、って感じ。

 

「ユノ、NICSというのはA国にある次世代国際宇宙局のことよ。簡単に言うと、A国政府の施設ね」

 

キヨカが私に解りやすく言ってくる。

A国政府の施設・・・・・・

 

「ええっ!?いや、え!?ど、どういうこと!?」

 

ようやく全てを理解した私は思わず大きな声が出る。

レイは苦笑しているけど。

 

「あははは。にしても、ゲンドウ。よくすぐに分かったね。NICSってだけで、A国政府が絡んでることに」

 

「NICSはA国にある施設だからな。直ぐに、推測出来る。」

 

「へぇー。さすがだ」

 

ゲンドウにレイが感心してるけど、私はそれどころじゃないんだけど!?!?

 

「でも、正確にはA国大統領個人からの依頼だ。A国政府のすべてが関与してるわけじゃない」

 

「だ、大統領個人からの依頼・・・・・・」

 

「はぁー・・・・・・」

 

唖然としている私に呆れて言葉のでないゲンドウ。

それを見てレイはテラスの手摺りに腰掛け足を組んで話す。

 

「さて、話を戻そう。セカンドワールド、それは現実世界における代理戦争の舞台。それは今話したね」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

気配がさっきまでと違くなった。

濃密・・・・・・・

いや、この気配は、少し怒り?

 

「これを計画立てたのは現日本総理大臣東郷義一。そして国連統合政府。彼らの目的は世界平和のため。―――が、これは表向き」

 

「表向き?」

 

「そう。一応聞くけど、これを聞いたらもう後には退けない。その覚悟はある?」

 

レイの視線は私とゲンドウに向けられている。

キヨカは左手を腰に当てて傍観してる。

レイの視線からは私たちの覚悟が問われていた。

つまり、ここから先を聞いたら私は―――

 

「構わない」

 

「ゲンドウ!?」

 

即答するゲンドウに驚く。

けど、ゲンドウがそれなら。

 

「私も、大丈夫。聞かせて」

 

私も自分の覚悟を示さないと。

覚悟を示すと、レイは少し微笑み。

 

「ふふっ。二人ならそう言うと思ってたよ」

 

万物が見蕩れるような笑みを浮かべて言った。

 

「この学園で行なわれるウォータイムは国家の存亡を賭けた戦争。その結果は現実世界に反映される。けどもう一つ、学園がひた隠しにすることがある、それは――――――」

 

私とゲンドウはレイから伝えられたこの学園の隠し事に何も言えなかった。

私たちがここに来た意味。ここで戦ってきた意味。

なにより、ここにいる意味ってなんだろう。

疑心暗鬼になりかけていると。

 

「レイ、何故その話を俺とユノに。いや、俺とユノだけにする?」

 

ゲンドウがレイに尋ねた。

確かに、なんで私たち?

 

「僕はキヨカに、ジェノックで信頼のおける協力者の詮索をお願いしていた。ジェノックの中でゲンドウとユノだけが良識的且つ知的だった。もちろん、僕も詮索して候補者は何人かいた。それが第1小隊の4人」

 

「アラタたち?」

 

「そう。けど、僕が伝える前に、彼らは真実を知った」

 

「アラタは何故この事を知った?お前が言ったのではないなら・・・・・・」

 

「アラタに伝えたのはムラク。法条ムラクだよ」

 

「えっ!?」

 

法条ムラクもこの事を知っている・・・・・・!?

 

「ムラクは僕らとは別ルートで知ったようだけど、さっき最後に話したことは知らない。いや、その事を知っているのはこの神威島でも僕らやジン、美都先生。そして、学園長ぐらいだ」

 

わずかひと握りの人しか知らない情報。

しかも超重要な機密。

 

「あらためていうけど、この事は絶対に口外しないで」

 

「口外しない以前に、言っても信じないよ・・・・・・」

 

レイに疲れた表情で言う。

覚悟が足りなかったかも・・・・・・

 

「他に聞きたいことがあるなら聞いて。僕が答えられるものなら答えるから」

 

レイがそう言ったので、私とゲンドウは幾つかレイに質問した。

セカンドワールドで消滅した仮想国がどうなるのか、現実世界にどう反映されるのか。そして何故、私たちにこの情報が齎されないのか。

聞き終わったあと、何故かゲンドウがレイに対戦を申し込んだ。

レイは断るかと思いきや、ゲンドウの勝負を承諾。

結果は分かっていた通り、レイの勝ち。

無傷の圧勝だった。

 

「ゲンドウ、僕が伝えたい事は伝わった?」

 

え?

 

「ああ。お前の伝えたい事は、伝わった」

 

え?え??どゆこと?

ポカンとする私にキヨカはクスッと笑い。

 

「二人とも、二人だけで勝手に会話しないで。ひとり分かんない人がいるから」

 

え?会話?

首を傾げる私。

 

「あ。ゴメンゴメン!ゲンドウとの会話はコッチの方が手っ取り早いから」

 

「うむ・・・・・・」

 

苦笑するレイに難しい顔を浮かべるゲンドウ。

 

「今更だけどゲンドウ。ゲンドウ、キヨカの事知ってたよね?」

 

「へ?」

 

唐突に言ったレイの一言に思考が止まる。

 

「一応な。だが、何かしらの理由があって正体を隠していることは察しがついていた。ゆえに深く追求はせんかった」

 

うん。理解が追いつかない。

 

「あはは。それはありがとうね」

 

話がついていけない・・・・・・

 

「えーと、二人って知り合いなの?」

 

唖然としながら尋ねる。

 

「ん?ああ、ゲンドウとはここに来る前からね。一応大会で何度か戦ったことあるし、社交界でも会ってるから」

 

「お前に勝てたことは一度もないがな」

 

えぇ・・・・・・

うん、今日はビックリイベントの日、なのかしら・・・・・・

今日だけでなん回驚いてるんだろ私。

そう思いながら時間が過ぎ―――

 

 

―――現在―――

 

 

昨日の夜。まだ数時間しか過ぎていないことを思い出し授業を受ける。

授業の最中、珍しく居眠りしていなかったが惚けていたアラタが猿田教官に注意されていたけど、午前、昼休み、午後の授業と過ぎ。

ウォータイム開始一時間弱前になった。

各々がウォータイムへ向けて司令室へ向かおうとする中。

 

「みんな、聞いてくれ!」

 

壇上に立ったハルキが唐突に言った。

ハルキの眼を視た私は、ハッ!とキヨカを見る。

キヨカは小さく頷く。

たぶんハルキはみんなに話すつもりだ。セカンドワールドの真実を。

みんなはどう受け止めるんだろう。これからも戦えるのかな。

私は少し不安になりながらも、ハルキの話に耳を傾けた。

 

〜ユノside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜キヨカside〜

 

昨夜の件から既に数時間が経っている。

話したあと、ユノからレイのこと好きなの?と聞かれた際は珍しくポーカーフェイスも崩れ、アタフタしたほど。

ま、まぁ?もちろんレイの事は好きだし!?

その気持ちはメアに劣らないほどだし!?

好きじゃなかったら、あんなことしないし!?

ていうか、早くレイと繋がりたいし・・・・・・と言うより、レイとイチャイチャしてたい!!

そう思うと、メアたちだけいつもイチャイチャ、イチャイチャ、イチャイチャ、イチャイチャ・・・・・・・・・・・・・ズルい!!

そう思っていると、ハルキが壇上に立ちセカンドワールドの真実を話し始めた。

けど、その情報はほんの一部、私たちの知っている本当のことは知らないみたい。

この中で知っているのは、私以外だと昨日話したユノとゲンドウのみ。

昨夜話したあと、二人ともレイに協力するって言ってたし。

ま、まぁ、ユノはレイが山野博士の息子だってことに驚いていたけど。

ハルキが話す中、ユノが私を見てきた。私は小さく頷き、何も喋らないように眼で告げる。

昨日レイがユノとゲンドウに話したのは、この神居大門に秘匿されてるある物の存在。

正直、これを話したことには予想外だったけど、レイのことだし何か考えがあるのかも。

ハルキが話すのを聴きながら窓の外を観る。

外を観ていると。

 

「キヨカ」

 

ハルキが私に声を掛けてきた。

 

「なに?」

 

「お前はセカンドワールドの真実を知っていたのか?」

 

「ええ。知っていたわよ。この学園に入学するまえから」

 

ハルキの問いに答えるとザワっとなる。

 

「でも、この話は美都先生に話して貰った方が早いわね」

 

左手の影で端末を操作しレイへ通信を取る。

 

「貴方たちも私が話すより、担任である美都先生が話したら信じると思うわ」

 

キャサリンとカイトの目線が少し鬱陶しい。

それに面倒だから、美都先生に任せることにする。

少しして美都先生がクラスの前扉を開け、中に入ってきた。

 

「何をしているの?時間よ、早くセカンドワールドに移動しなさい!」

 

美都先生がそう言うが誰も動こうとはしない。

 

「どういうつもり?」

 

美都先生が壇上に立つハルキに問う。

 

「現実世界の代理戦争を続けるべきかどうか、その事をみんなで」

 

「話したのね」

 

「はい。みんなが知るべきことだと思いましたので」

 

「なんで今まで私たちに嘘を教えて戦わせてたんです!?酷いです!!これじゃ、キヨカと同じじゃないですか!!」

 

美都先生を糾弾するキャサリン。

まぁ、その気持ちはわからなくもないけど。

にしても、私と同じ、ねぇ〜。

最後の言葉に私は冷たく思った。

 

「・・・・・・先生。セカンドワールドは、本当に正しい事のために使われているんですか?」

 

立ち上がったアラタが美都先生に尋ねる。

 

「ふぅ・・・・・・分かったわ、ハーネスとの混成軍で行なわれる『デスフォレスト』攻略は重要な作戦。支障が出ないように、問題は解決しておきましょう」

 

扉を閉めて教壇に立つ美都先生。

美都先生はそのまま戦争について話した。

もっとも、そんなこと私は。いや、私たちは知ってるけど。

美都先生の言葉にアラタたちは困惑気味だ。

事前に聞いているユノとゲンドウも少し同じ。

無理もないわね。今まで知らずに戦っていたんだから。

私を除いてみんなが困惑してる中。

 

「すみません、いいですか?」

 

ただ一人、第3小隊に新たに配属されたばかりの男子。

ロイ・チェンが右手を挙げていた。

 

「ロイ・チェン、なにか?」

 

「僕がみんなの疑問に答えます。なぜなら、その静かな戦争で僕の国は変わったからです」

 

ロイのその言葉にみんな、え?となる。

私と同じだ。

まさか、彼が体験者とは思わなかった。

そうしてロイは話し始めた。

 

「僕の生まれ育った国はイグアニアといいます」

 

イグアニア・・・・・・確か、先住民と移民によって絶えず争いが繰り広げられていた紛争地域だったはず。

でも、確かここに来る少し前にイグアニアという名前がなくなり、イグアニアは二分割され東西に別々の国が出来ていたような・・・・・・

記憶を頼りに思い出す。

 

「その国は、移住してきた者と古くから住んでいる者との間で土地の問題を巡る戦争をずっとしてきました。ひとたび戦闘が始まると、銃声と爆発音。そして悲鳴が町中に響きわたります。僕たちは、それが過ぎるのを家の中で耐えるしかありませんでした。そして、戦闘が終わって静けさが戻ると、僕たち子供は外へ。血を流し、動かなくなった人たちを片付けるために。そんな絶望的な日々の中、戦闘のないわずかな時間、僕は友達とLBXバトルをするのが楽しみでした。何時かはチャンピオンになりたい。神威大門統合学園で、LBXの勉強をしてみたい。そういう夢を持っていました。でも、こんな問題を抱えてる国にはLBXの大会などありません。ましてや、他の国の大会に出られるはずも・・・・・・。そんなある日、いつものように夕方友達と別れた後・・・・・・突然フェンスが目の前に敷かれていき、道が塞がれました。その時からイグアニアは、【イグリット】と【カリアス】という、別々の国になってしまったのです。友達とは、それ以来会っていません。でも、戦争が起こることはもうありませんでした。長かった苦しみの日々は終わったのです。後に知りました、これが静かな戦争のおかげであると。正直、戸惑いはまだあります。でも、銃声や爆音。町の人たちの悲鳴が聞こえるよりは、はるかにマシです」

 

ロイの実体験の話にみんな何も言えない。

私も同様。

イノベーターやディテクター、ミゼルと様々な世界を揺るがす事件を経験して来たけど、ロイのような実体験はした事がない。

ロイの言う通り、確かにセカンドワールドの静かな戦争のお陰で別々の国になったけど、戦争は起こらなくなった。でも、その代わりに友達とはそれ以降一度も会えてない。

良かったのか、良くないのか私には判別つかない。

でも、これを判断するのは私ではなくロイ自身。

彼がマシです、というなら、私は何も言えない。

そう、心の中で思ってると。

 

「リクヤさん」

 

「?」

 

ロイがリクヤに話しかけた。

 

「お父上からのメッセージです」

 

「なに?!」

 

「"バンデットが本格的に動き出した以上、第3小隊だけでは護れない。ジェノック全体の協力を仰げ"、だそうです」

 

「お父さんがそんなことを?!」

 

「はい。そしてもうひとつ。"何がなんでも、山野レイたちに協力を要請しろ"とも言っていました」

 

「なっ!?ば、バカな・・・・・・!?」

 

「っ!?」

 

ロイの言葉に私は思わず立ち上がった。

ガタンっ!と音が鳴るが気にしていられない。

リクヤも驚いているが、私も驚いている。

どういうつもりなのか理解出来ない。

 

「おい、どういう意味だ?」

 

アラタの質問にもうひとりの女子、篠目アカネが答えた。

 

「私とロイは、リクヤさんを護るためにここに派遣されてきました。日本の総理大臣、東郷義一さんに命じられて」

 

「は?総理大臣?・・・・・・あれ、東郷って、リクヤと同じ苗字じゃ・・・・・・ってことは!」

 

「リクヤは総理大臣の息子なのか?」

 

「そうです」

 

ロイの解答に聞いたカイトの眼が鋭くなったのを見逃さなかった。

まるで恨みでも込めているような視線だ。

 

「ロイ、"リクヤを護る"とはどういうことだ?」

 

壇上のハルキがロイに問う。

 

「正確には、リクヤさんのLBX[DCオフェンサー]を護るのです。これまでの第3小隊のメンバーはみんな、同じ使命を持って派遣されてきました。リクヤさんのLBXは何としても護らなければなりません。何故なら、その中には―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――パラサイトキーが入っているから、でしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ロイの言葉を遮り、引き継ぐようにして言ったのはクラスの誰でもない。

教室の前扉が開き、そこから入ってきたレイが言ったものだった。

 

 

 

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