ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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回想 W―ディテクター編 Ⅴ 皇帝の合流

 

〜バンside〜

 

「ヒロ・・・・・・ジェシカ・・・・・・!」

 

レイの推理通り、指令コンピューターが地下鉄にあるのを確認し、ヒロとジェシカは指令コンピューターを止めに。

俺とランはNICS本部へ。

NICS本部の司令室に着くと、丁度ヒロとジェシカが指令コンピューターのあるドクター車両に潜入したところだった。

それと同時にシーカー本部からワクチンプログラムが送られてきて、俺とランは勿論のこと、ヒロとジェシカもインストールをする。

 

「こういう時アイツがいればもう終わるんだがなぁ」

 

「ええ」

 

アイツとは恐らくレイのこと。

確かにレイがいればもう事態は終わってると思う。

正直いってレイ一人でも解決出来たんじゃないかと少し思ってる。

そう思ってると、目の前のウインドウに信じられない人物が映った。

ソイツを見た俺は驚きを隠せなかった。

何せソイツは俺にとって因縁深い人物だったからだ。

 

「なっ!?か、神谷コウスケ!?」

 

「知ってるの?」

 

「前に戦ったことがある!」

 

神谷コウスケ。

一年前のイノベーター事件の時戦った相手だ。

そして、俺の今までの戦いの中でも五指に入るほどの強敵だ。

元神谷重工会長の息子にして、天才的なセンスを誇るLBXプレイヤー。

事実その通りであり、イノベーターの最後の決戦場、【サターン】の中で俺とジン、そしてレイの3人で倒せた相手だ。

 

「ガーディアン・・・・・・まさか・・・・・・!」

 

「コブラ?」

 

「恐らくコイツはお前の事を覚えちゃいねぇ」

 

「え!?」

 

「コイツは【スレイブプレイヤー】に違いねぇ。ディテクターに操られているんだ」

 

「なんだって!」

 

神谷コウスケがディテクターに操られている!?

最悪だ。

神谷コウスケの実力は実際に戦った俺がよく知っている。

 

『スレイブ、プレイヤー・・・・・・?』

 

『人間を操るだなんて、酷すぎます!』

 

ウインドウ越しからジェシカとヒロの声が響く。

 

『ディテクターは正義。邪魔はさせない』

 

『そこを退いて!』

 

『キミたちはここで終わりだ。それが世界のルール』

 

そう告げると神谷コウスケはDエッグを起させ、バトルフィールドを展開させた。

緑のエネルギー膜が球形に広がり、ヒロとジェシカ、神谷コウスケを飲み込む。

 

『これって、バトルしないといけないってことですか』

 

『そうみたいね』

 

勝たなければ指令コンピューターを止めることは出来ない・・・・・・!

 

『[シャドールシファー]』

 

『[ジャンヌD!]』

 

『[ペルセウス!]』

 

神谷コウスケ、ジェシカ、ヒロがそれぞれLBXを出撃させる。

今の時間は17時56分。あと4分もない!

 

『ヒロ、3分で決着を着けるわよ!』

 

『はい!』

 

『GO!』

 

始まった神谷コウスケとの戦い。

ジャンヌDの銃撃を背部のブースターで躱して、ジャンヌDを切りつける。

そこをギリギリペルセウスが受け止める。

 

「気をつけろ!ソイツは強いぞ!!」

 

『わかりました!』

 

戦ったことのある俺があの場にいたら良かったのだが・・・・・・!!

 

「バン。アイツはどのくらい強いんだ?」

 

ヒロとジェシカの戦いをウインドウで観てコブラが聞いてくる。

 

「多分、レイに匹敵する」

 

「なっ!?おいおいマジかよ!?レイに匹敵するだと!?冗談だろ!?」

 

コブラがウソだろ?と言ってくるが事実だ。

サターンで戦う前。神谷重工本社【ゴライアス】で戦った際、俺とジンは終始圧倒されたままだった。

2対1で戦っていたのにも関わらずだ。

神谷コウスケと対等に戦えたのはレイだけ。

事実、サターンでもレイがいなければ、特殊モードを発動させても勝てるかはギリギリだったに違いない。

俺のこれまでの戦いはどれも強敵ばかりだった。

五指に挙げるなら、LEX、オタクロス、神谷コウスケ、ジン、そしてレイの5人だ。

正直ヒロとジェシカが勝てるかは分からない。

神谷コウスケの操作するLBXは、[ルシファー]をディテクターがカスタマイズしたのか、ルシファーをベースとしつつもカラーリングが神々しかった白金から、シャドー()の名の通り黒を基調としたものへと変更されてる。

大きく捻じれた角なども相まって、ルシファーが大天使だったのに対し、ルシファーが半壊した時の、より悪魔としての側面が強調されてる。

ルシファーが搭載していた背中のビームウィングが無く、恐らくLBXが耐えられる限界重量ギリギリの大型ブースターを搭載することで、軌道における推進力の大幅な向上を図ったカスタマイズが施されているのがウインドウから見て取れる。

 

「レイがいてくれたら・・・・・・!」

 

無意識にそう思わざるをえない。

だが、ヒロとジェシカの戦いを観て俺は少し気になった。

俺たちと戦った時より弱い(・・)

俺の知ってる神谷コウスケなら、速攻でヒロとジェシカを叩きのめしてるはずだ。

なのにペルセウスとジェシカはまだ無事だ。

違和感がでる。

俺の感じでは神谷コウスケの方がヒロとジェシカより強い。

なのに二人とも神谷コウスケと互角に戦っている。

前衛をペルセウスが。後方支援をジャンヌDが務めてる。

しかも、あの神谷コウスケなら絶対に時間稼ぎなんてしない。

攻めというより、守りに徹底していて反撃する程度に収めてる。

 

「神谷コウスケの戦闘スタイルが以前と違う・・・・・・?」

 

「なに?」

 

「こう言ったらなんだけど、二人より神谷コウスケの方が強いんだ。なのに・・・・・・」

 

「・・・・・・恐らくスレイブ化の影響だろう。アイツ自身の戦闘スタイルではなくディテクターが指示したスタイルに変わってるんだ」

 

「そんな・・・・・・」

 

コブラの考察に声が漏れでる。

別に神谷コウスケとは知り合いってだけだ。

敵として戦っただけで、それほど親しくない。

けど、神谷コウスケ自身の戦闘スタイルを変えたディテクターについては許せなかった。

やがて、神谷コウスケのシャドールシファーはヒロのペルセウスとジェシカのジャンヌDに倒され、Dエッグが解除された。

神谷コウスケは急に意識を失ったようにその場に倒れ、ジェシカは指令コンピューターを止めるために奥へ、ヒロは神谷コウスケを介抱する。

そして、刻限の18時になるギリギリのところでジェシカが指令コンピューターを停止させ、乗っ取られていたコンピューターを正常化させた。

 

「間に合った!」

 

「ああ!」

 

「さすがに冷や汗かいたぜ」

 

18時になってもLBXの暴走の連絡が入らないと言うことはミッション完了したという事だ。

 

「ジェシカ、ヒロ、よくやった。すぐに本部に戻るんだ」

 

『分かったわパパ』

 

これで終わったと安堵したその瞬間。

 

「な!?」

 

「これは・・・・・・!」

 

目の前のウインドウにヒロとジェシカが乗ったドクター車両が動き出した事を示す光点が現れた。

 

「どういうことだ」

 

「ディテクターの(トラップ)か?」

 

「そんな」

 

「ヒロ・・・ジェシカ・・・!!」

 

二人と神谷コウスケの乗ったドクター車両は徐々にスピードを上げている。

 

『ダメだわ・・・・・・全然止まんない!パパ、本部の方からアクセスしてコントロールできないの?!』

 

「もちろんやっている。だが、なんどやっても弾かれてしまうんだ」

 

NICSのオペレーターがすでにどうにかしようと動いているが、全く寄せ付けないそうだ。

 

『なんでこんなことに。僕たち、ブレインジャックを止めたのに!』

 

「恐らく、指令コンピューターが止まると発動する(トラップ)が仕込まれていたんだ。操られていた神谷コウスケも知らなかっただろう」

 

「これはディテクターからの挑戦だ。例えLBXの暴走を止めても、これだけの事を起こせるアピールなんだ!」

 

「なんてヤツらなの!」

 

「長官!ドクター車両の進行方向で、ポイントが切り替えられています!」

 

「なんだって!?」

 

目の前のウインドウに地下鉄の路線図が現れ、二本の線路が映し出される。

片方は本線。そしてもう片方はドクター車両が走ってる補助路線。

画面には補助路線の路線が本線へと繋がっているのが映し出されてた。

しかも―――

 

「これは・・・・・・」

 

「本線に入ったら大変なことになるぞ!」

 

「その先には・・・・・・」

 

「駅に電車が!」

 

本線に入ってすぐ近くの駅に電車が止まっていた。

 

「パークサイドステーションに8両編成の車両が停車中!」

 

「ドクター車両の暴走が起こった時点で、列車はすべて最寄りの駅に緊急停車している。それのひとつか・・・・・・。乗客の避難は?」

 

「すでに完了しています」

 

カイオス長官がオペレーターに聞くが、いくら乗客が避難していたとしても!

 

「ぶつかることに変わりないでしょ?ヒロとジェシカはどうなるの?!」

 

もしぶつかることがあれば、二人とも助かる見込みは・・・・・・

 

「ジェシカ、ヒロ、聞いてくれ!」

 

『なにパパ』

 

「ドクター車両はまもなく本線に入るが、その先のパークサイドステーションに停車中の車両がある。このままでは、激突は免れない!」

 

「現場に行くぞ。二人とも着いてこい!」

 

「「はい!」」

 

コブラに言われ俺とランはNICS本部を後にしてコブラの運転する車に乗り込みパークサイドステーションへと向かう。

パークサイドステーションに向かう車の中で二人と神谷コウスケの乗る電車の情報をコブラの端末越しに見る。

 

「スピードが下がってる?!」

 

あと少しで着くところで端末に表示された電車の速度メーターが徐々に下がっているのが表記された。

 

「一体何が・・・・・・!」

 

「とにかく急ぐぞ!」

 

コブラは車のスピードを上げ現場へと急ぐ。

現場に着き、車から降りてホームへと向かう。

ホームに向かうとなにかが張り付いている電車と、ヒロとジェシカの姿があった。

二人とも無事のようだ。

そしてもう一人いた。

その人物を見た俺はえ!?と驚いた。

 

「ジン!!」

 

その人物は海道ジン。

俺の友達にして最高の好敵手だったからだ。

 

「バン君。しばらくだったね」

 

「ジンが止めてくれたのか?」

 

「二人とも無事で良かったよ。僕の新しいLBX[トリトーン]だ」

 

「トリトーン・・・・・・」

 

ジンの左肩には見た事ないLBXが乗っていた。

今までジンが使っていた[エンペラー]や[エンペラーM2]、[プロトゼノン]、[ゼノン]とは一線を画す、水色が中心の爽やかなカラーリングと細身のフォルムが特徴的なLBXだ。

 

「あの、バンさん、知り合いなんですか?」

 

「ああ!」

 

「助けてくれてありがとうございます!」

 

「本当に感謝するわ。素晴らしいLBXね」

 

ジンの後ろでヒロとジェシカがジンにお礼を言う。

そこに。

 

「ああーーっ!!ジンって、あの海道ジンだよね!【秒殺の皇帝】!!去年のアルテミスファイナルの超絶バトルにはすっごい燃えたなぁ!!」

 

興奮したように俺とジンの真横で言うラン。

そう言えばランは去年のアルテミス観てたんだっけ?

 

「ファイナルってことは・・・・・・バンさんのライバルと言ってもいい人なんですね!カッコイイ〜!!」

 

「それにしてもどうしてここに?」

 

ランとは別で興奮したように言うヒロを見つつジンに尋ねる。

確かジンはA国に留学していたはずだけど・・・・・・

 

「彼が連れてきてくれたんだ」

 

「彼?」

 

ジンの彼という単語に首を傾げると、俺たちの後ろの方からカツン、カツンと靴音が響いた。

ん?と思って響いてきた方を見ると。

 

「あっ!マングースっ!!」

 

「え?」

 

背の低い、猫のような尻尾を着けた男が現れた。

その人物を見るなりコブラが驚いたように言い走って駆け寄る。

 

「んんっ!みんな紹介しておくぜ。コイツはコードネーム【マングース】。俺と一緒に山野博士の助手としてエージェントをやってる」

 

「父さんの?」

 

ということはコブラの同僚ということ?

まぁ、それも気になるが、一番は・・・・・・

 

「そうなんですか!よろしくお願いします!」

 

「ま、マングース・・・・・・?」

 

どうやらランもマングースというコードネームが気になったらしい。

 

「だから、イヤだったんだよこんなコードネームは・・・・・・!」

 

父さん・・・・・・

マングースの苦言に俺は父さんに聞きたくなった。

どういう意味でコードネームの名前を付けたのか。

まさか父さんの趣味、というわけじゃないよな。

コブラとマングース。天敵という事で安直に付けたというわけじゃないよね?

正直微妙な表情を隠しきれずにいた。

その後、カイオス長官の手配した救急車が到着し、気絶してる神谷コウスケを病院に搬送した。

ジェシカから神谷コウスケをNICSで保護すると聞き、少し安堵する。それと同時に何か手掛かりが掴めるといいと思った。

 

「んじゃ、俺は行くぜ」

 

「おい、待てよ」

 

「俺はお前と違って忙しいんだよ。子守りはお前の役目だろ」

 

「子守りだと!?」

 

あー・・・・・・父さんが付けたコードネームの意味分かったような気がする。

コブラとマングースの犬猿の仲のような口喧嘩を見てそう思わざるをえなかった。

そこに。

 

「ん?」

 

「あ?」

 

コブラとマングース二人の端末が鳴った。

どうやら二人に何か来たようだが・・・・・・

同時に端末を取り、端末を見る二人。

そして何故か徐々に顔が真っ青になっていってる。

え?どうしたんだ?!

 

「コブラ?」

 

「どうしたんですか、急に二人とも顔が真っ青になってますけど」

 

俺とヒロが二人に尋ねる。

 

「い、いや、な、ななな、なんでも、ね、ねぇ・・・・・・」

 

「お、おおお、おう」

 

いや、どう見ても何でもなくない。

目に見えて動揺しているし。

 

「こ、これ以上はやめようぜマングース」

 

「お、おう。またアレを喰らうのは勘弁だからな」

 

「「「「???」」」」

 

二人の言っている意味がさっぱり分からない。

 

「そう言えば、なんでジンはマングースさんとここに?」

 

ふと気になった事を聞く。

二人ともどうやってこの場所を知ったんだろ?

 

「それは―――」

 

「レイに言われて来たんだよ」

 

「レイに?!」

 

確かにレイは指令コンピューターが搭載されていたドクター車両のことを知っているが・・・・・・

 

「レイ曰く、ディテクターが指令コンピューターを電車に仕掛けたということは何かしらの(トラップ)が仕組まれている可能性が高い。例え指令コンピューターを止めたとしても何が起こるか分からないから念の為、進行方向にある近くの駅で待機してて、ってな」

 

「っ!?」

 

この事まで予測していたのかレイは!?

マングースさんの言葉に俺たちは目を見開いた。

 

「元々俺はA国にいる海道ジンにディテクターの事を話すのが仕事だったからな。レイからの連絡が来たのはちょうど良かった」

 

「つまりお前はレイの指示で動いたということか?」

 

「ああ」

 

マングースさんの肯定に俺はレイの事が分からなくなった。

一体何処までレイの眼は視えているのか・・・・・・。

 

「ああ、それとレイから伝言だ」

 

「伝言?」

 

「『未知を既知にしろ。油断大敵』、だってさ」

 

「未知を・・・・・・」

 

「既知に・・・・・・?」

 

「それに油断大敵って・・・・・・」

 

マングースさんのレイからの伝言にヒロ、ラン、ジェシカが意味が分からないと首を傾げる。

けど、俺とジンはレイの伝言の意味に気づいた。

未知とは、今回俺たちが地上にだけ意識を囚われていたこと。

既知とは、地下鉄に指令コンピューターがあったという盲点。

そして油断大敵とは、神谷コウスケとドクター車両の暴走のこと。

つまりこれはレイからのこれからの助言。

 

「んじゃな」

 

そう言って立ち去るマングースさん。

 

「ったく、相変わらずな野郎だぜ」

 

悪態突くコブラ。

 

「にしてもありゃどういう意味だ?未知を既知にしろって?」

 

「さぁ?」

 

レイの事を知っているとはいえよく知らないコブラや、レイについて全く知らないジェシカたちからしたら今の伝言の意味は分からないだろう。

 

「未知とは知らないこと。そして既知とは知っていること。つまり、一つのことに捕われず可能性全てに目を向けろ、という事だ」

 

「「「・・・・・・・・・・」」」

 

ジンの言葉に沈黙するヒロたち三人

 

「俺たちは今回レイの助言によって解決出来た。それは、俺たちの意識が、地上という概念に捕らわれていたからだ。だが、レイはその概念に捕われず地下にもあるという可能性を示し、結果指令コンピューターは地下にあった」

 

「レイは僕らに固定概念に捕らわれるな、と言いたいのだろうな」

 

「ああ」

 

俺とジンはレイの事を知ってる。

だからレイの言いたいことが分かる。

 

「確かに、今回のことは私たちにとって盲点と油断だったわ。ディテクターが一枚上手だった。いや、一枚どころか、二枚も三枚も上手だった」

 

「そうだな。レイがいなければ指令コンピューターは発見出来なかっただろうし、レイがマングースに命じてジンをここに向かわせなければ今頃ヒロとジェシカは・・・・・・」

 

そう考えるとゾッとする。

現場にはNICSが手配した調査班が次々とステーションに入っていく。

 

「とにかくだ。ここでの暴走は解決した。NICSに帰るぞ」

 

「ああ」

 

複雑な気持ちを抱きながら、新たにジンを仲間に加えて俺たちはNICSへと帰投した。

NICSへと戻った俺たちはその後、何故かNICSの協力者としてNICSの部屋の一室にいたオタクロスと再会。

オタクロスに初めて会うヒロとランは驚いていたけど。

ちなみにオタクロスのあの、フィギュアにして良いでよ?と言われたランは真顔で右拳を突き出してイヤだ、と言っていた。

それを見た俺は相変わらずだなぁと思ってしまった。

それと同時にレイがいなくて良かったとも思ってしまった。

レイがいたら絶対オタクロスにO★HA★NA★SHI★する未来が見えたからだ。

さすがにレイのO★HA★NA★SHI★は勘弁したい。

いや、まあ、俺の自業自得でもあるのだが。

とまあ、閑話休題。

その後、オタクロスにより次の目的地が中国のシャンパオだと判明し、NICSの新型汎用調査艇【ダックシャトル】で俺たちはシャンパオへと向かうことになった。

 

〜バンside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜レイside〜

 

 

「とりあえずはA国のLBX暴走は抑えられたかな」

 

ホテルに設置されたテレビを観て呟く。

 

「念のためにマングースとジンを向かわせたのは正解だったか」

 

たった今来たマングースからのメッセージを見て呟く。

 

「それはさておき・・・・・・」

 

端末を表示する。

 

「タイニーオービットがクリスターイングラムに吸収された、だと」

 

タイニーオービットの株は急落し、社長である拓也さんの責任問題に発展。タイニーオービットはクリスターイングラムの傘下に入ったそうだ。

結果、拓也さんは社長を解任され、新たにクリスターイングラムから新社長が派遣されたらしい。

そしてその新社長は元タイニーオービットの役員だった沢村宗人らしい。

沢村宗人。その名前には聞き覚えがある。

タイニーオービットに与した元イノベーターのスパイだった人物だ。

確かにイノベーターに関連した人物は捕縛されたが、証拠不十分だった人物などは捕えられず、事情聴取などで済まされていると紳羅さんから聞いた。

 

「クリスターイングラムはオメガダインと綿密な関係があると噂されている。そこから派遣された新社長の沢村宗人か・・・・・・何かあるな」

 

不安要素が溜まりすぎてる。

何も無ければいいが、今は拓也さんが心配だ。

 

「紳羅さんや八神さんがいるから大丈夫だろうけど・・・・・・」

 

オメガダイン。

半年前A国に行った際に見学した。

けど、何処か変な気配を感じた。

まるでハリボテを見せられているような。上辺だけのそんな感じ。

 

「嫌な予感がする」

 

何処と無くイヤな感じ。

イノベーターの時もそうだった。

背筋が凍るような、イヤな予感。

立ち上がり、カーテンを開けて窓から見える【リュテティア塔】を観て告げる。

塔の直上に浮かぶ月に照らされる風景を見つつ、カーテンを閉め僕は床に就いた。

 

 

 

 

 

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