翌日集合時間1時間前にログインしたレベリング前にポーション類を買いそろえているとある事に気付いた
「俺初期装備のままじゃん!」
これで自分は【武士】ですなんて名乗った日には全国の【武士】に殺されかねないのではないか?
「ウチはそういう”しばりぷれい”かと思っとったよ?」
「考えが読めてるから分かってたでしょ!」
無気になって言い返してもギンセツは鈴の鳴るように笑うばかりだ
くそうかわいい…
「ふふ、ありがとうねえ」
「じ、じゃあさっさと行こう!最強の装備を揃えに!」
心を読むな!
「まあこんなところかな」
店の姿見で装備の外見を確認し一息つく
手頃な店で買ったので装備の性能は良いものとは言えないが初心者用としては上々だろう
見た目は平安時代頃の大鎧を彷彿させるデザインで見た目通りの防御力の高さに動きにくさも感じない。
見た目はもう完全に武者だ。とてもつよそう
「もうすこし豪勢な装備が良かったんやない?ドレスとか」
「シャラップ!」
店主にも勧められたことを思い出させるな!
若武者の大鎧
そんなこんなでギリギリまで時間を潰した俺たちは待ち合わせ時間ちょうどにつく。
既に待っていたカゲロウはこちらに気づくと手を振ってくる
「すいませんカゲロウさん、待たせちゃいましたか?」
「いえいえ、私も先程来たばかりですよ」
カゲロウさんはしげしげと俺を上から下へと眺める
「その装備は…?」
「さっき近くの店で買ってきたんですよ。様になってます?」
「ええ、よくお似合いですよ。凛々しい女武者といった感じです」
「女武者」
「それよりよくそれほどの装備を揃えられましたね。かなりの出費だったのでは?」
「え?そんなにかからなかったですけど…。そんなに性能いいんですか?これ」
「初心者が装備出来る中では破格といっていいですよ。どうやらイズモさんは見る目があるようだ。」
「そんな…」
適当に見繕っただけなのに誉め倒されて困ってしまう
そもそも店を選ぶ段階からそこにあった店に入っただけなのだ
見る目もなにもないだろう
『そない良いもん揃えてるなら贔屓にしたらどうや?商店やっけ?』
『そうしようか』
店名からおかしな店とは思っていたが良い方におかしな店だったとは予想外だ。
その後他愛のない話をしながら街の出口へ向かって移動していると前方がなにやら騒がしい
見るといかにも侍然とした人が二人、殺し合う5秒前といった表情で睨みあっている。しかもその二人はどちらも
「ティアンの侍…?」
「ああ、あれは恐らく北玄院家と南朱門家の侍ですね。恐らく初心者を自派閥に取り込む為にやってきて争いになったのかと」
「派閥争い?そんなものがあるんですね」
「ここ天地は古くから大きく五つ…四つの大名家による内戦が盛んに行われていました。そんな彼らがマスターという不死身の存在を放っておくはずはなく人材のスカウトが各家で熱心に行われているわけです。」
「うへえ…ずっと内戦してる国かあ」
一度しかない命でよくやるなぁ…
「あ、じゃあマスターだけで派閥をつくって天地を統一するのは楽しそうですね」
「…イズモはとんでもないことを考えますね」
なんか引かれている気がする
「確かにマスターは強力ですがティアンの中にも理外の実力者が多くいます。特にこの天地では平均も高い。」
「ただでさえモンスターが好き勝手のさばる世界なのに内戦もするやなんて天地のティアンは戦がよっぽど好きなんやねぇ」
そんなことを話しながら見物している内に片方の家の援軍が来たらしくもう片方の家の侍は悔しそうに睨みつけてスゴスゴと去っていった。見物人も蜘蛛の子を散らすように減っていき往来が出来るようになった
「カゲロウさんはどこの派閥に入っているんですか?」
「私は今は北玄院家に身を寄せています。イズモもよければ来ませんか?一緒に内戦に参加とか出来ますよ。」
「…考えておきます。他の派閥についてももっと知りたいです」
「では詳しい話は馬車の中でしましょう」
カゲロウさんと同じ派閥に入れば一緒に内戦にも参加できるのは魅力的だな。
そんなことを考えながら俺たちは新しい狩場へ、カムイの森へと馬車を走らせていった。
着くころには腰が痛くなった。俺は騎乗スキルを手に入れようと心に決めた