Blue Archive:Task Force 作:タクティカルおじさん
<20██年初夏>
フォード 特殊戦開発グループ 大尉
トリニティ総合学園・別館/合宿所の一室
「まさか
空はすっかり暗くなっていた。しかし、そんな暗い中まるでネオン街のように美しく、水面が輝くプールにフォードたちは注目していた。
「ええ、そうですね。すっかりもう日が落ちていますが、あのプールは美しいですね。」
「でも残念ながら俺たちは、観光目的でここに来たわけではない。とても残念だ。」
そんな風にフォードは落胆する。どこかのリゾートにあってもおかしくはないような、夜闇の月明かりに照らされるプールを見て、嘆くのは当然だった。
「まあいい。どっちにしろこのクソッタレな依頼を解決しなければならないことには、変わらないからな。」
そんな風に呟くと、窓越しに見える補習授業部の生徒たちはフォートたちがいる合宿所へと向かっていくのを捉える。
「.....どうやら掃除はこれで終わりみたいですね。」
「みたいだな。とりあえずもういい時間だから飯でも食ってだな、内部の把握を兼ねての彼女たちの監視といこうか。」────……
<数時間後>
窓から合宿所周辺を見渡すと完全に暗くなっており、それどころか他の建物の明かりがついているところも少ない時間帯となってきた。つまり深夜である。
「さて、そろそろ頃合いだな。」
フォードがそう呟くと、GPNVG-18がマウントに取り付けられたヘルメットを被る。GPNVG-18はいわゆる暗視装置であり、わずかな光を増幅させることで明確な視界を確保することが出来る代物だ。
「いやー、持ってきてよかったですね。」
彼らはこうなる事態を予測してなのか、ある程度様々な装備を持ってきていたのだ。そうして、彼らは必要な装備を身に着けると準備が完了する。
「準備は出来たか?いくぞ。」
フォードたちはほとんど暗闇の状態になっている廊下に出る。そして、暗視装置を使用。
暗視装置はいつも通りにしっかりと暗闇で見えないはずの視界を、緑色の映像として映し出す。
「なんでこの建物は明かりが少ないんだ....。」
フォードは暗視装置を使わなければならないほど暗い状況に呆れながらも、歩き始める。しばらく歩くと、別の階へと移動するために使える階段を発見。彼らは上の階へと向かう。
上の階に到達すると再び探索を再開する。先ほど彼らが居た階と同じように、ほとんど内部の構造は変わっていなさそうな感じであった。
「にしても、この建物って意外と新しいのですかね?」
「外観からはとても綺麗とは思えなかったが、内部は全く違う。おそらく、かなり前に建てられたがあまり使われなかったんだろうな。」
「お嬢様学校特有の贅沢ってやつですか...。」
彼らはそういったやり取りをしていると、長く続く廊下に一つだけ明かりがついている部屋を見つける。
「あそこまで移動するか...。」
フォードはピアーズにそう伝えると、大きな音を出さないようにその部屋の手前まで移動。近づくと声が聞こえてきた。
「....先生、万が一....裏切....。」
察知されないように彼らはドアから少し離れたところで、盗み聞きをしていたため声はかなり聞きづらかったのであった。
どうやら、ドアの向こうには先生ともう一人の生徒がいるようだ。声からして、おそらくヒフミだろう。
「みんな.....学校....生徒.....じゃないですか。....一緒に,,,,。」
フォードはこんな途切れた声の盗み聞きしていても得られる情報は少ないと判断したのか、盗み聞きをやめる。
そして、気付かれないようにそっとその場から離れたのだった。それから彼らは上がってきた階段まで引き返した。
階段まで引き返すと彼らは次に一階の探索をしようと考え、一階へと向かう。一階に着くと、フォードは人影を捉えた。
「誰かいるぞ...。」
フォードはピアーズに聞こえるように小さめの音量で呟くと、足音を出さないようにゆっくりと人影を見つけた部屋に向かう。
部屋にはいくつかの机と椅子。そして、壁にはいくつか外を眺めることが可能な窓が取り付けられていた。窓からは月明かりが部屋に向かって注ぎ込まれている。
そんな部屋からは二人ほどの女子生徒が会話している声が聞こえる。
「見張り...?いえ、それよりアズサちゃん...。」
「......気にしないで大丈夫。」
どうやら声から二人の人物について推測すると、会話に参加しているのはアズサとハナコのようであった。
アズサとハナコたちは暗闇に溶け込んでいるフォードたちが居るとは知らずに、それから会話を続けた。
彼女たちが話していたのは、なぜこんな夜中に徘徊しているのか?といったものだった。
そしてこんな皆が起きている状況に対して、彼女たちが結論付けたのは慣れない環境だから落ち着けないというものだった。
そんな風に結論付けた彼女たちはしばらく会話をすると、解散しようという流れになる。フォードたちは見つかるのを避けるために彼らが居た部屋まで引き返す。
部屋に引き返した彼らは暗視装置の使用をやめた。
「...なあ?いくら合宿初日とはいえ、徘徊しすぎじゃないか?」
「全くです。あれだと全員裏切り者じゃ...。」
「疑う気持ちはわかる。だが、その根拠となる材料がないから判断できないのだがね。」
「そうですか...。」
「俺はもう寝るぞ。」
フォードは突然、就寝することを宣言。
それからまたしばらく、彼らやり取りをすると、ボディアーマーやヘルメットなどの装備を外してそのまま部屋にあるベッドで就寝したのだった。
<翌日>
朝になると彼らは起床し、軍隊式の身支度を整え始めた。私服の上にいつも使っているボディーアーマー、ヘルメットを身に着ける。そして愛銃であるMk.18とMP17にそれぞれマガジンを挿す。
マガジンを挿すと、次は安全装置をしっかりと掛けMP17はホルスターに収め、Mk.18をスリング越しに肩にかける。これで彼らの身支度が整ったのだ。いつでも交戦が可能な状態である。....幸いなことに合宿所に来てからは、彼らが交戦することになる事態が起きていないが。
「先生に俺たちのことをもっと詳しく説明したいのだが、どうだ?」
「賛成です。ある程度、こちら側を知ってもらって信用を得たりするべきですよね?」
「そのつもりさ。」
ピアーズがフォードの案に乗ると、それから合宿所内のあらゆる部屋を捜索するのだった。まずは初めに、昨夜ヒフミが先生と話していたであろう部屋へと向かう。
そこに向かうと残念ながらそこには先生がいるのでなく、そこには先生が居たとされる痕跡のみであった。
「違うようですね。もしかしたら教室とかにいるかもしれませんね。」
「マジかよ....ここはかなりの教室があるんだぞ...探すのは相当辛いな...。」
フォードはそんな風に少し愚痴を漏らしたが、先生の捜索を再び始めるのであった。
しばらく彼らにとっては合宿所という名を被った迷宮に迷いながらも、懸命に捜索していたところ遂に見つける。
そこには先生と補習授業部の生徒たちが居た。
「あれは何をしているんだ...?」
見つけたものはいいものの、生徒たちは何をしているのか分からない。少し遠目から見ると、試験をしている様子であった。
「もしかしたら、あれは試験を受けているのかもしれませんね。」
そう彼女たちはまさに試験を受けている真っ最中だったのだ。もちろん彼らは補習授業部という性質上、ある程度勉学に励む必要がある子たちのために作られら部活動だとは理解していた。
だが、いくら頭に入れていたとしても今の時間に試験をおこなっているとは予想外だったからだ。
「さすがに試験中となると教室に近づかない方が、あの子たちのためになるのか....?」
「そうかもしれませんね。試験に集中させてあげましょう。」
フォードは左腕に身に着けている腕時計に目をやる。時刻は9時ごろを指していた。
「一時間ぐらいは別のことでもしているか....。」
「というと?」
「
「いいですね。そうしましょう。」
彼らはそんな風にやり取りをすると、合宿所から出ていく。そして彼らが向かった先はプールであった。
「やっぱりここのプールは綺麗だな。」
「ええ、昨日まで汚かったのがこんな綺麗な光景に変わっていてとても不思議な気分ですけどね。」
彼らはプールを眺めながらそうやり取りをする。ピアーズが言ったように、昨日まで綺麗とは言い難いほどの汚れで満たされていたプールが、今となってはその正反対の状態になっているのだ。
感嘆の声を漏らすのは致し方ないだろう。
「なあ?ここに来てから思ったのだが、ここの世界はほぼ皆が銃を携帯しているんだな。」
「隊長が言う通りに、この世界の人たちはほとんど銃を持っていますね。」
「それに俺たちが採用している銃、弾丸までも一致している。それだけではなく、かつて俺たちの世界で作られた兵器たちもあるような世界だ。」
フォードの指摘通り、この世界は彼らにとっては不思議であった。同じ銃や弾丸、そして今となっては使われない兵器から現代兵器までがあるのだ。
興味や疑問を持って当然だろう。
「でも報告によると、この世界において確認されている戦車がどうやら俺たちの世界で過去に一度作られたものらしい。」
「それって確かフォースリーコンが入手した情報ですよね?」
「その通りだ。そういえば、その部隊の報告が面白くてな。どうやらアビドスという方面で、ビナーという機械化された大型の蛇を発見したらしいな。」
「なんですかそれ?」
フォードは以前、アビドス砂漠に派遣されたフォースリーコンこと第一武装偵察分隊から報告された内容について話す。もちろん、ピアーズはフォードが語ろうとするビナーについて興味を示した。
「ビナーというやつは大型...いや市街地にある高層ビルに匹敵するほどの大きさだ。それに現代戦車並みの装甲を持つらしい。」
「戦車並みで高層ビルに匹敵する大きさって....いわゆる怪獣じゃないですか...。」
「それだけじゃないぞ、どうやらビームを発射するとまで言われている。正確な威力は不明だが、当たれば炭が出来るほどらしい。」
「そんな奴がこの世界にいるとは....。とんでもないですね。」
ピアーズはフォードが話す報告について目を疑ったのだった。
「あとその対抗手段として、原子力潜水艦と複数の対地攻撃機が追加派遣されるらしいな。」
「対地攻撃機,,,,もしかして、AC-130とかA-10のことですか?」
「その通りだ。」
AC-130とは重火器を搭載した航空機のことである。様々な仕様が存在するが、主に105mm榴弾砲や40mm機関砲を搭載。それだけではなく、対地用のミサイルが搭載されていたりする型もある。
そんな近接航空支援に特化した機体は「空飛ぶトーチカ」や「ドラゴン」と称されるぐらいの攻撃力を持っているのだ。
そしてAC-130だけではなく、A-10も追加派遣されるようであった。A-10も同様にAC-130には劣るものの強力な対地攻撃能力を保有しているのだ。
「いくらなんでも過剰戦力じゃないですか....?」
ピアーズの指摘したように、これらの機体をただビナーという単体に対して使われるのであれば過剰戦力だと疑うのは当然である。
そのピアーズの疑問を解消するためにフォードは答える。
「どうやら、各地の情報収集を本格的に行うことで分かったことがある。それはビナーのような巨大かつ不可解な敵が存在するらしい。それらのことから上が判断したに違いない。」
「どこの情報です?」
「ミレニアムという学園を知っているか?あそこに存在する特異現象捜査部という部活動の情報らしいのだが....。」
そうデカグラマトンの預言者を調査する部活動による情報だったのだ。
「はあ...そんな部活動があるのですね...。」
ピアーズは困惑しながらも、それらの情報を入手したことに驚いていたのであった。
「どうやって入手したのかは俺も分からないのだが....噂ではそうだ。」
フォードはどこからその情報を知ったのかは定かではないが、ある程度知らされていたのだ。
「そうだったのですね....自分は知りませんでしたよ。」
「そうか。ところで話題が変わるのだが──────」
それからもまた、彼らの楽しいおしゃべり談義が続くのであった。兵士は噂と冗談が好きなのだ。
<数十分後>
彼らがしばらく冗談や皮肉を飛ばしていると、あっという間に時間が過ぎた。
そう、フォードがそれまで待機すると決めていた時間になったのだ。
「もういい時間だな。そろそろ戻ろうか....。」
腕時計を見ながらピアーズにそう伝えると、彼らは先生がいた合宿所へと向かったのであった。
合宿所に着くと、彼らは一時間ほど前に見かけた場所である教室へと向かう。そこで再び、先生と補習授業部の生徒たちを目にすることとなる。
「試験の次は...何をしているんだ...?」
フォードは教室に視線を向けながら喋る。視線の先に映るのはもちろん補習授業部の生徒たちである。
しかし、何やら騒がしい様子である。
「あれは
「アズサとヒフミだったか?あの子たちはプレゼント交換でもしているのか?」
アズサとヒフミたちは正確にはプレゼント交換をしていたわけではないが、彼女たちに課せられた試験に合格するための一つのご褒美として、やる気を出すためにヒフミがアズサに見せていたのだ。
「楽しそうだな....。」
フォードは彼女たちの楽しそうにしている様子を見て、そう口に出す。
「....先生の所へ...。」
「....ああ、そうだな。行くか。」
ピアーズに促されると彼らは教室内に入る。教室内に入ると、その場にいる彼女たちと先生が視線を彼らに向けた。
そしてフォードたちに視線を向けたうちの一人のヒフミは少し、怖気づいた目で彼らを見ていたことに気付く。
しかし、フォードは彼女が不安や恐怖心を持っているとは思ってもいなかったのでそれを無視するが。
「どうも...俺たちは先生と話したいのだが、大丈夫そうか....?」
フォードがそう伝えると、先生はどういった要件と訪ねてきたので彼は答える。
「改めて、''俺たちの任された仕事の説明を''と思ってね。」
それから彼らは任された仕事である
こうして彼らの要件が終わると、先生は彼女たちの勉強に付き合うのだった。
要件を終えた彼らは教室から退出。廊下にて話し合っていた。
「やるべきことが終わりましたね。」
「何を言っているんだ?まだ裏切り者を探す必要が──────」
そう、まだ彼らの一番の任務である裏切り者の特定には至っていないのだ。
「とりあえず、警備するふりをして彼女たちの観察をするしか...。」
「ああ.....。」
ピアーズは落胆する声を出しながら廊下にて、教室内にいる彼女たちの観察をするのだった。
<数時間後>
教室の窓はオレンジ色となっていた。時刻は夕方である。彼らは数時間も観察を続けたものの、特に得られるものはなかった。
「はぁ.....このままじゃ見つからないな。」
フォードがそう不満を漏らすと同時に、教室は騒がしくなっていた。どうやら、彼女たちは何やら
「あれは....。」
「......マジかよ....。」
彼らを微妙なコメントにさせた
「あらあら、コハルちゃんそういう趣味をお持ちで?」
「ち、違う!み、見間違いだから!!!私はそういうのなんか持っていないの!!!!」
それからコハルとハナコによる口論じみた、いじりが発生する。それも、廊下にいる彼らにも声が聞こえるほどの大きさで。
「....この世界にも先生以外の変態がいるんだな。」
フォードがそう述べながら、彼らは彼女たちのいじりを見ていたのであった。
数分ほど彼女たちのやり取りが交わされる中、コハルが泣き始めたことでこのエロ本を必死に隠すための戦いは終了する。
その後、先生が泣き声をあげるコハルを慰めながら合宿所へと出て行った。
「後を追うぞ。」
「了解。」
何か情報を得られるかもしれない。その思いから彼らは先生とコハルを追跡するのであった。
Mk.18
分類:アサルトライフル
使用弾薬:5.56x45mm
説明:キヴォトス派遣隊において、制式採用されている小銃であるM4A1の派生型。バレルが262mmほどであり、取り回しに非常に優れている。なおこの小銃は特殊部隊のみしか運用していない。DEVGRUの隊員のほとんどがこの小銃にサプレッサーや、マグニファイアを取り付けた上で使用している。
M17/MP17
分類:セミオートピストル
弾薬:9mm
説明:キヴォトス派遣隊が制式採用しているセミオート式の拳銃。こちらの方は全隊員に支給される。MP17はストックが装着できるコンバージョンキットを装着させたM17のこと。またマグウェルと呼ばれる予備弾倉を装着でき、素早いリロードを実現可能にした。
なお生塩ノアの愛銃である「書記の採決」とコンバージョンキットの構造はほぼ同じ。