Blue Archive:Task Force   作:タクティカルおじさん

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もうすぐ新しいメインスト来ると聞いたので投稿です

そういえばリメイクされたプロローグの方も読んでいなければ、読むことをお勧めします。(リメイク版のプロローグ下の方は今月中に投稿すると思いますし、アビドス編も多少改変される予定です。)


32:エデン条約編:Love from Above

 

 

 

 

 

 

 

 

<20██年秋/18:15>

 フォード 特殊戦開発グループ 大尉

 帰路の途中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 負傷したヒナやキリノ、フブキを含んだフォードたちはDEVGRUアルファチームに所属するバンダーマンらの部隊によって救出され、帰還している最中であった。

 

 「おっと....動かないで。あと、もう数ミリで外頸動脈に破片が突き刺さっているところだったよ。」

 

 衛生兵は車内の後部座席にフォードと共に座り、彼の首から僅かに出血している箇所に止血を施す。彼らは、ゲヘナ自治区にある秘匿された活動拠点であるFOS''クランプス''へと、帰還しようとしているのだ。

 

 「今の気分はどうだ?」

 

 助手席に座っているバンダーマンは、フォードに尋ねる。

 

 「クソ喰らえだ。」

 

 「相変わらず元気なようだ。」

 

 フォードは汚い返事であったが、彼の戦友であるバンダーマンにとっては安心するものでもあった。そして、彼は続けて本題に入る。

 

 「明日の早朝....5時に再出撃の命令が下された。お前はもちろん来るよな?」

 

 バンダーマン率いるアルファチームはフォードと生徒たちの救出を遂行した次に、そのようにポーティス大佐からそう命令が課されたのであった。

 

 なぜ、明日朝5時に再出撃するかのように命令されたのか。それは、QRFとビナー討伐部隊の混成部隊があの戦場に到着する前に、重大な脅威がいればその排除を担うこととなったからだ。

 

 なおこの命令が課されたのはアルファチームだけであり、ブラボーチームに至っては部隊指揮官であるフォードやピアーズがちょうど居なかったため、まだ下されてすらいなかったのだ。そして、フォードは部隊指揮官かつ一人の兵士として答えた。

 

 「もちろんだ。」

 

 と、彼は続けて。

 

 「一か月前にあの()()を見たからな、これはつまり戦うしかないだろう?」

 

 「....だろうな。あの事件からもう10か月近くか。」

 

 彼らがここへ派遣されたのはとある理由であった。

 

 ──────国家に多大な損害を与えた9.11以来のロサンゼルスでのテロ攻撃。これは彼らの国民にとっても記憶に新しい出来事であった。

 

 あの日、突如として現れた忌々しい侵略者たちは天使の輪(ヘイロー)が頭上に浮かんでおり、所属を表す徽章はまさにアリウス分校だとわかる骸骨を主体としたものを、ボディーアーマーに身に着けていた。

 

 誰もあの徽章を忘れるわけがなかった。そして、彼女たちは米国から怒りを買った。こうしてキヴォトスに首謀者を捕縛するために、DEVGRUが派遣され更にはアメリカ軍そのものが派遣されることとなったのだ。

 

 未だにアリウス分校の首謀者を、彼らは捉えることすら出来ていない。しかし、再びこうして直接的に対峙出来るのは絶好の機会であるのには違いはなかった。

 

 ──────「この戦争はいつ終わるのだろうな。」

 

 バンダーマンは未だに捉えることが出来ていない大虐殺の首謀者に対し、呆れと怒りを表すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<同日/18:43>

 戦闘地域上空

 

 

 

 

 

 

 「敵の全滅を確認した。地上にはこれ以上、動く熱源は無い。」

 

 赤外線検出担当士は、白色に強調表示される観測用のカメラ越しに報告する。彼らは、先ほどゲヘナ学園の救急医学部の車列を襲撃した残党兵であるアリウスの生徒たちを、完膚なきまで叩きのめすことに成功した。

 

 赤外線カメラに映るのはただの屍────ではなく、ヘイローが消えて一時的に無力化されたアリウス生たちであった。

 

 「ったく、敵は一体どうやってこんなにも沢山の兵士を準備したんだ?」

 

 火器管制官は敵の数の多さに困惑し、愚痴を漏らしたのだった。

 

 「今更だろ?子供を兵士として用意するような奴らだ。きっとヤクでも売り裁くようなロクでなしさ。」

 

 「総員、まもなくB-1爆撃機が巡航ミサイルを発射するぞ。」

 

 機長は隊員がジョークを飛ばし合う中に加わることはなく、冷静に報告する。B-1爆撃機は既にカタコンベの入り口に対して、AGM-154Cを発射する準備は出来ており間もなく攻撃する時間であった。

 

 AGM-154Cは地下施設の破壊に特化したミサイルだ。そして、唯一古聖堂にある地下通路に攻撃を加えることが可能である貴重な武装は、AWACSの誘導のもと行われようとしていた。

 

 AWACSは発射するミサイルが無駄にならないように、AC-130Jの機長から伝えられた座標への誘導準備も完了しており、本当にあとは発射するだけで済む状態であった。

 

 

 

 

 

 

 ────「''シジャン''、こちらレッドアイ1-1。管制官より攻撃の許可がなされた、繰り返す攻撃の許可がなされた。どうぞ。」

 

 B-1爆撃機に与えられたコールサイン''シジャン''はその報告を受けると、機体の胴体下部にあるウェポンベイが開放される。ウェポンベイには小型の数発のJDAMや、無誘導の大型爆弾なども格納されているがそれらには用は無い。

 

 彼らが発射しようとしているのは、ずんぐりむっくりでそれなりに大きい巡航ミサイルであるからだ。

 

 そして、ついに待っていた時が訪れる。

 

 「AGM-154C、ファイア。」

 

 B-1爆撃機のパイロットはそう告げると、一発のスタンドオフミサイルがB-1爆撃機から解き放たれた。ある程度、重力に従い落下したところで姿勢制御用の安定翼が展開。滑空しながら、入力された座標へと勢いよく向かっていった。

 

 やがて古聖堂に向かって市街地上空を滑空し続けると、座標上空に達したところでミサイルは獲物を狙う獰猛な獣のように急降下。落下し始めると重力により、次第に地面に近付くのが加速していく。そして、遂に────

 

 一発のミサイルは古聖堂の瓦礫の山に激突。しかし、爆発はせずにさらに瓦礫の山よりも下にあるカタコンベに向けて突き進む。

 

 そうしてミサイルは設計された通りに地下に貫通すると、遂に爆発を引き起こした。爆圧は地下内部であっという間に広がり、そしてキヴォトス派遣隊では誰も気付くことがなかった人工天使ヒエロニムスに直撃。

 

 マエストロが作り上げた崇高なる作品、ヒエロニムスは誰にも直接的に相手にされることはなく、空からの圧倒的な火力投射により消滅するのだった。

 

 そして空はすっかり暗くなっており、夜間でも飛行できるようにと持ってきた暗視装置であるAN/AVS-6越しに爆発を捉えていたのはAC-130Jの機長であった。

 

 暗視装置は微量な光を増幅させることで、夜間において捉えにくい視界を明瞭に確保することができる代物である。そのため、爆発時には熱である赤外線のほか様々な可視光が発生し、もちろん暗視装置はそれらの光を増幅することが出来る。

 

 空から眺めていた機長は爆発時に、一際目立つ発光であるミサイルの爆発を目にした後、こう告げた。

 

 ──────「上空より愛を込めて。」

 

 古聖堂の地下にあるカタコンベはAGM-154Cの爆発により崩落を起こしたため、作戦目標を達成した彼らは帰還するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

<同日/19:00>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ベアトリーチェ、報告がある。」

 

 タキシードを着こなし、まるで子供が人形遊びとして使うために落書きを施したピーナッツが二つ生えた、B級のホラー映画にでも出演してそうな異形がベアトリーチェと呼ばれる彼女に声を掛ける。

 

 彼の名前はマエストロ。このキヴォトスの神秘及び崇高といった類を研究するために、キヴォトスに来訪した研究者でもあり、芸術家でもあった。

 

 彼の作品はヒエロニムスと呼ばれる人工の天使であった。古聖堂の地下に現在いや、今頃はヒエロニムスは待機している予定であった。

 

 「一体、何か御用でも?」

 

 長身で、赤い肌が特徴的であり純白のドレスを身に纏う彼女はマエストロに呼応する。彼女の名前はベアトリーチェ。配下であるアリウス分校に対してエデン条約調印式を襲撃し、地上を侵攻にさせたのは彼女の命令によるものであった。

 

 なお当人は数か月以上も前に、外部の世界であるアメリカのロサンゼルスに侵攻したが、圧倒的な敗北を受けてしまった。そして、その命を狙われていることにも全く頭には及ぶはずがなかった。

 

 そして、マエストロはそんな無知暴虐の彼女に報告する。

 

 「....残念な知らせだ。地上の部隊は8割壊滅してしまった。」

 

 彼はとてもとても申し訳なさそうに小声で、さらに続けた。

 

 「....そしてつい先ほど、私の作品(ヒエロニムス)が失われて──────」

 

 ──────「なんですってッ!?」

 

 ベアトリーチェはマエストロの報告を終える前に声を荒げてしまった。それはもちろんのはず、いくら制空権が取られたと言えどもまず倒すにしても古聖堂の地下に侵入する必要がある。

 

 そして、侵入したとしても人工天使ヒエロニムスの力は強大であり、並大抵の攻撃では倒すことは出来ないと考えていいはずだ。一体、どうやってあの広大な地下通路を破壊することが出来てしまったのかはゲマトリア陣営には理解が及ばなかった。

 

 「一体どうしたらこんなことを...。」

 

 ベアトリーチェはどうにか考えを捻り出そうとしたところで、マエストロからこう告げられた。

 

 「奴らは古聖堂の地下...カタコンベを丸ごとミサイルで吹き飛ばしたようだ。理解できぬ。」

 

 「ミサイルで?そんなことはあり得ない...。」

 

 黒服から供与されたあの巡航ミサイルは地中を貫通する能力は一切ない。古聖堂に発射されたあのミサイルは高速で飛翔し、レーダーを搔い潜れるようにあるレーダー波の反射面積を出来る限り小さくした程度であった。

 

 そしてベアトリーチェや彼女に供与した本人である黒服ですら、キヴォトス外部の世界で開発され既に運用されている地中を貫通することが可能なミサイルや爆弾といった兵器群は想像外であったのだ。

 

 「....スクワッドは?」

 

 彼女は怒りを抑えながら尋ねた。なお皮肉なことに、尋ねた本人であるベアトリーチェの形相はまさに『怒り』と表現したほうが適切なものであった。

 

 「地上で待機中の筈だ。ただ、敵の空爆に怯えて外には出れないと思うが。」

 

 「....通信が使えるようになったら、私に教えてください。私から彼女たちには伝えるべきことがあるようで。」

 

 「把握した。」────────…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





そういえば色々と投稿していなかった間にとあるコラボ来ましたね。え?爆死したかって?そんな三流のコメディアンみたいなことするわけないじゃないですか、あら嫌だ。

なおコラボした作品のことは全く未履修の不届き者です。対戦ありがとうございました。

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