Blue Archive:Task Force 作:タクティカルおじさん
まだ一周目クリア出来ていません(涙目)
<20██年/9:00>
ウトナピシュティム空軍基地 USSOCOMセンター・同地下ブリーフィングルーム
DEVGRU一個小隊がウトナピシュティム空軍基地に配備された3日後。USSOCOMが管理する施設の地下に位置するブリーフィングルームにて機密性の高いとある作戦に関する情報共有が行われようとしていたのだった。
呼び集められたDEVGRU一個小隊50人と第160特殊作戦航空連隊に属する数十人は着席しており、説明を行うポースティン大佐のほか情報支援を行っていたCIAの職員数名もこのブリーフィングに同席していた。
「これから伝えることは全て最高機密で今回の作戦の基本情報よ」
CIA分析官であるソフィアが初めに伝え始めた。そしてプロジェクターのリモコンを弄り、スクリーンには極秘に入手することが出来た特徴的な真っ赤な肌と白いドレスを身に纏った女性──ベアトリーチェの写真が映し出された。
「この女はベアトリーチェ────アリウス自治区で生徒会長を務めているゲマトリアの一員よ。そして知っての通りロサンゼルスの虐殺の首謀者でもある。これ以降はコードネーム''ジェロニモ''と呼ぶ。
ジェロニモはアリウス自治区の何処かに潜伏し、数多くの兵力を保有している。それに一か月前から多数の不審な行方不明の生徒も確認されているけど、我々は彼女によるものだとみてるわ」
彼女はスクリーンの画像を切り替えた。そしてスクリーンにはバンダーマンらがアジトで収集した多数の書類の証拠品が映し出された。それらのすべての書類には生徒の顔写真と個人情報が記載されており、非常に気味が悪い。
それだけではなく更に生徒らがいるであろうセメントに埋められかけたドラム缶が映し出された。
「ジェロニモはこのアジトで人体実験を行っていたことが推察される。3か月前に行われた特殊作戦で回収された証拠の神秘と色彩関連の研究資料から、間違いなくそれについて研究していることが示唆されているわ。
12時間前、国家安全保障会議で遂に大統領が貴方たちに作戦決行の許可を出したことで今回の作戦に至るわけね。それと、時間の余裕が無いことは覚えておいて。アリウス自治区に向かうカタコンベは今夜に閉鎖される。不思議なことに脱出は可能らしいけど突入は不可能よ」
CIA分析官のソフィアは一連の説明を行うと次は、ポースティン大佐から作戦内容について説明される。
「これより
更に万が一の為にAC-130Jとドローンによる空中偵察及び近接航空支援が配備される。SEALsチーム7は第160特殊作戦航空連隊のMH-47に搭乗し、指示があるまで基地で待機。DEVGRU一個小隊50人は同隊のステルス型ブラックホーク4機に分乗し、基地から離陸して本物のカタコンベの入り口まで向かう」
ステルス型のブラックホークが配備されたのには理由があった。それはカタコンベの入り口がトリニティ自治区内に位置するからだ。この作戦は当然、アメリカ軍主導の極秘作戦であるためその他の勢力に悟られてはいけない。したがって、レーダーに映らないようにするためにわざわざ本国から用意されたのだった。
「また今回の作戦では道案内役としてCIA要員数名とアリウス生を連れていく」
「おいマジかよ?」
「敵だろ?」
ポースティン大佐が突如としてそのようなことを言い放ったため、部屋にいる隊員らはざわついた。彼らが驚いたのは敵であるアリウスの生徒を連れていくことだったからだ。
「CIAですら情報を入手することが出来なかった地下通路だ。我々には時間の猶予がないから仕方ないことだ」
連れていくアリウス生ことアリウススクワッドが知っているアリウス自治区まで行くことが可能なカタコンベが使えるのは今夜の24時までだ。したがって、この機会を逃せばアメリカの悲願であるベアトリーチェの殺害は果たすことが出来なくなる。
だからこそ殺害が出来なくなる可能性が懸念された。そしてそれらの情報をCIA長官から伝えられた大統領は、慌てて国家安全保障会議を開いて急遽作戦決行の許可が出されたのだった。
「作戦は今夜決行。現場指揮権はDEVGRUアルファチームのバンダーマンに付与する。
────他に質問は?」
大佐がそう尋ねるとバンダーマンが挙手した。それから大佐はバンダーマンの発言を許可した。
「同行するアリウス生について、もし敵対行動が見られたらこちらが無力化しても構わないか?」
「....君の判断に任せる」
彼らにとって敵であるはずのアリウススクワッドを同行させるということは理解し難い行為であり、それが例え作戦の為だとしても受け入れられないものだった。彼は上官である大佐に反論しようかと悩んだが、ベアトリーチェを殺害するためならば仕方ないということで質問を終えることにした。
「了解しました」
「ではブリーフィングは終了。30分前にはヘリポートで待機しておくように、解散だ」
大佐がそれを伝えると各部隊の隊員らはブリーフィングルームを後にし、装備の準備を整える為に兵舎へと戻っていくのだった。
<作戦開始30分前>
ウトナピシュティム空軍基地・第3ヘリポート
予定時刻通りに指定されたヘリポートに集まったDEVGRUの隊員らは初めて目にするステルス型ブラックホークの姿に釘付けになっていた。ステルス型ブラックホークは先鋭的なデザインをしており、出来る限りレーダーに捕捉されないように多面体かつ傾斜がある設計となっていた。
「ホワイトハウスは本気だな」
バンダーマンはAC-130Jやドローンの近接航空支援が用意されていること。そして今まで見たことのない機体であるステルス型ブラックホークを目にしたのでそう呟いた。
最高機密であるステルス型ブラックホークが投入され、AC-130Jが配備されるというほどホワイトハウスにいる連中はこの戦争に蹴りをつけたいのだろう。そしてそれは彼らも同じ思いであるのには変わりがない。
────「スティンガーの至近弾でヘリをおじゃんにした次は、コイツを操縦しろってか」
「最新型だ。壊わすわけにはいかない」
フォードらが搭乗する機体のコールサインである''プリンス5-3''のパイロット────レイとウォルコットたちはそう言った。彼らに会うのは調印式当日ぶりだ。あの日、彼らはコックピットに至近弾が炸裂した後、どうにか戦域から脱出したものの機体の状態が悪いため、トリニティ総合学園のグラウンドに不時着した。幸いにも大きな怪我を負うことは無かったが不時着の衝撃でMH-60が壊されてしまったのだった。
それから搭乗時刻となった為、彼らは搭乗するように号令する。
「アルファは搭乗しろ」
「ブラボーも搭乗開始」
バンダーマンとフォードらはそう言うと、隊員らはブラックホークに搭乗し始めた。それと同時に未だに白いプラスチック製のハンドカフが両手に掛けられているアリウススクワッドの4人も、乗せられた。
「拘束は解除していいぞ。着くまでに何が起こるのか分からないからな」
バンダーマンは解除するように命令すると、彼女らの両手は自由となり銃も持てるようになった。
「君たちは着陸次第、カタコンベの居場所を教えてもらう。発砲は俺の指示があるまで禁止だ」
「「....」」
彼女らは沈黙を貫いており、ミサキに至ってはバンダーマンのことを鋭い眼光で睨み付けていた。彼女らとは数十分前まで敵だった者たちだから致し方ないことだろう。
「....
不意にサオリが尋ねた。彼女は不安で押し潰されそうな瞳を放っていた。サオリは今までベアトリーチェの下で指示に従っていたのも加えて、ヘイローを持たない彼らが本当にそんなことが出来るのかと疑っていたからだった。
「は、果たして私たちは彼女を殺したら────」
「戦闘及びジェロニモの殺害は我々が行う。君たちはあくまで道案内役だ」
「....分かった」
サオリは素直に従うのと同時にヘリに搭乗した。バンダーマンとアリウススクワッドが分乗している機体のコールサインは''プリンス5-1''である。
「ブラボー搭乗完了」
フォードから無線越しに報告が行われるとバンダーマンも本部に報告を行う。
「CP、こちらアルファ6-1。プリンス各機、搭乗完了。繰り返すプリンス各機、搭乗完了」
「プリンス隊、こちらCP。離陸を許可する。雨天の為、飛行には十分に注意せよ」
それから数分後、ブラックホークの左右のドアが閉められるとすぐに機体は上昇し始めた。これから彼らが行く先はトリニティ自治区にあるカタコンベの入り口だ。
ウトナピシュティム空軍基地から離陸したプリンス隊は、襲撃作戦が各学園に悟られないようにするために出来る限り、都市の光に当たらないように高度を上昇させた上で山や川に沿いながら向かった。それから数分が経つと、あっという間にトリニティ自治区の境界線の目前までに達する。
それから間も無くしてブラックホークは自治区内の上空に進入した。
『プリンス隊、こちらCP。トリニティ自治区上空に進入を確認。まだ気付かれていない』
『プリンス隊、こちらウォーハンマー3-1。カタコンベの入り口があるとされる地上周辺で二個分隊を確認した。着陸時の戦闘に注意されたし』
トリニティ自治区の高度4000メートルにも及ぶ高高度ではAC-130Jが既に偵察をしておりそれが無線で報告された。それから更にヘリは飛行し続け、遂にカタコンベがあるとされる廃墟街に接近しつつあった。
「あと二分」
パイロットがそう言うと彼らはGPNVG-18を目元に下ろす。そして機内は消灯された。
「街の上空を通過中。目標を視認した────あと30秒」
『30秒』と言われるのと同時に隊員らは左右のドアを開けた。足元には明かりが全く無い廃墟と化した建物群が目に見えた。ここら一帯はトリニティ自治区であるにも関わらず実質的にはアリウスの勢力圏でもあるため、カタコンベを守ろうとする部隊が警備している。
そのうちヘリはカタコンベがあるとされるエリアよりも数百メートル外で、ホバリングに移行した。ホバリングに移行するとファストロープを地面に投げて、ラぺリング降下の準備を行う。
「プリンス5-1。
「降下開始! 行け行け!!」
ラぺリング降下の準備が終わるとすぐさま彼らは地上に降下する。バンダーマンを除く隊員らが、降下を終えるとアリウススクワッドが続く。そして最後に、バンダーマンが機内に忘れ物がないことを確認したら降下した。
「アルファ6-1、こちらブラボー6-1。全員降下した、これよりターゲットエリア1に向かう。どうぞ」
「了解、ターゲットエリア1内にいる敵への発砲はこちらから許可があるまで禁止とする」
バンダーマンはフォードとのやり取りをしながらHK416Dの安全装置を解除した。それから彼は廃墟街の道路や家屋を進みながらカタコンベの入り口があるターゲットエリア1周辺へと向かう。
それからターゲットエリア1の周辺に達すると8人程度のアリウス生が警戒網を敷いているのが見えた。それと同時に隊員らの銃に取り付けられている赤外線レーザーが彼女らに狙いを定めているのが暗視装置越しに映った。
「コンタクト...全隊、発砲を許可する」
彼がそう告げるとサプレッサーの発砲音が廃墟街の明かりが少ない夜空に響いた。そしてあっという間に彼女らを静かに制圧したのだった。それから彼らはもう一分隊も排除すると、カタコンベの入り口があるエリア一帯であるターゲットエリア1を確保したのだった。
それからサオリ達の案内を受けながらカタコンベに進入する。カタコンベはアリウスの生徒なら誰でも知っている道でありながらアリウス自治区の入り口に繋がっており、ここは自治区に通過するための関所として機能していた。
「ここはどうなっている?」
バンダーマンは当然、この地下迷宮の構成を知っている訳ではないためサオリに尋ねた。
「この先には訓練されたエリート兵が待ち構えているだろう。予想だが彼女は私たちと共にアメリカ軍が、この通路を通ることを予知しているかもしれない」
「なるほど....よし、アルファとスクワッドは先行し、ブラボーは我々より後方で待機せよ。伏兵には十分に注意しながら前進開始」
バンダーマンは隊員らにそう伝えるとアルファチームとアリウススクワッドが先導し始める。薄暗くて狭い地下の道は意外にも人工物で構成されているようであり、不思議だった。これが入り口が違うと、道が変化するという考えられない事象が起こるからだ。
一種の魔法か何かでも使っているのかと疑うようなことだ。
────「本当にたった一個小隊程度の異世界軍だけで勝てるとは思えない...」
不意にミサキが呟いた。なぜなら、アリウス分校が保有している兵力はアリウスの生徒だけでも歩兵一個師団は存在する。それだけではなく、マエストロの技術を利用し複製させた異形たちによる不死身の軍隊もいるのだからだ。それに対し、投入された戦力はと言うと一個小隊50人の特殊部隊だ。
いくら何でも戦力比に差がありすぎるのだ。
「ヘイローも無い上で戦うのは辛いですよねぇ」
「...それでも彼らは調印式の襲撃部隊を壊滅させた。油断はしない方が良い」
「リーダー、数ヶ月前にゲヘナで起きた素行不良の生徒達がある建物に攻め込もうとしたら返り討ちに遭ったという話は聞いたことあるけど....その時ももしかしたら────」
バンダーマンらが先導している間、彼らの迷惑にならないように彼女らは小さな声で話を続けた。そうしている間に彼らが接敵する。
「なんだあのミニガンを持っている奴は?」
バンダーマンは暗視装置越しに聖女であるバルバラの姿を見るや否や、そう呟いた。少なくとも一基あたり本体やバッテリーを含めて50キログラムもするM134を両腕に装備している彼女は異常な光景だった。
「ターミネーター擬きを先にやるぞ」
バンダーマンは最も脅威が高いであろうバルバラに攻撃するように命じると、彼らは射撃を開始する。地下道という屋内での戦闘であるため、発砲音を静音化することが可能なサプレッサーの音が逆に反響して響く中、バルバラを集中攻撃を受ける。
そのうちM27 IARにサプレッサーを装備した隊員が、伏せの状態から制圧射撃を加え始めた。しかしそれだけでは倒すことが出来なく、攻撃を受けていることに気付いた周囲のアリウス生らが反撃を開始する。
彼女らは暗視装置を持っていない為、正確にこちらの位置を把握が出来ていなかったが、サプレッサーから生じた僅かな銃口炎を頼りにこちらに射撃を加えてきた。
「クソ、40ミリを使え!!」
バンダーマンがそう命令すると
「死ぬから天井に命中させるなよ!!」
「わかってる!!!」
戦闘中であるにも関わらず他の隊員から野次を飛ばされたものの、すぐさま正確な狙いを付けた。地下道の天井はおおよそ20メートル程度もの高さがあるため、余程の発射角でない限り天井には命中はしない。それでも炸裂した距離によっては、40ミリグレネード弾に内蔵されている高性能爆薬や着弾時に生じる破片が彼らを襲う可能性がある。
その為、リーフサイトを凡そ100メートルに合わせて擲弾を発射した。そうすると見事にバルバラに直撃し、周囲のアリウス生も巻き込むことに成功する。そして爆発に巻き込まれたバルバラはそのまま形を保つことは出来なかったため、消滅するのだった。
「敵の殲滅を確認。前進するぞ!!」
アリウス生たちも無力化されていることを確認したバンダーマンがそう呼び掛けると、次は後方にいるブラボーチームのフォードに無線で連絡する。
「ブラボー6-1、こちらアルファ6-1。前方の敵を殲滅したぞ」
「クソッ!! 今はそれどころじゃない!!!」
「何が起きているんだ?」
フォードの無線からはサプレッサーの発砲音が聞こえていた。どうやら戦闘でも起きているようだった。彼らは更に詳細を尋ねた。
「
「交戦目標は?」
「トリニティの生徒....ミカだ!!」
ブラボーチームと交戦していた相手は、ティーパーティーに属し反乱を企てた姫────聖園ミカであった。
Q.カタコンベは吹き飛ばしたはずじゃ?
A.調印式当日に彼らは少なくとも古聖堂地下に通じるカタコンベはミサイルでヒエロニムスと共に全て吹き飛ばしたのは事実。だけどアリウス自治区に繋がるカタコンベは吹き飛ばしていないから自治区にいけます