Blue Archive:Task Force   作:タクティカルおじさん

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さて投稿する前に話すべきことがありますね
とりあえず4か月近く失踪していたことに関しては申し訳ないと思っています。経緯としましては仕事で忙しかったのと別ゲーで忙しかったからです(サボり)。今後は不定期ですがちょくちょく投稿していきます。


45:エデン条約編:Operation ''Neptune Spear''(海神の槍作戦)-Ⅱ

<作戦開始から40分後>

 

 

 

 

 

 「レッドチームは後退、ブルーとゴールドはそれを援護しろ」

 

 「こちらレッドチーム、4人被弾した」

 

 

 バンダーマンらより200メートル以上も後方にいたブラボーチームはカタコンベの入り口近くにて警戒に当たっていたが、突如として彼らの目の前に現れたミカに攻撃されたことを皮切りに激しい戦闘が発生していた。

 

 すでにブラボーチームにある3つの内のファイアーチームであるレッドチームでは、8人中4人が被弾しているという状況であり比較的戦況は芳しくなかった。

 

 なおレッドチームの指揮を執っているのはホプキンス准尉であり、彼は引き連れている隊員と共に後退していた。またこの時には既に、隊員の1人が右太腿にある動脈にミカから放たれた弾丸が命中し、大量の出血が生じていた。その為、彼らは1人の隊員のプレートキャリアの背中にある紐を強く引っ張りながら後退していたのだ。

 

 

 「ゴールド、こちらレッド。レッド一名が大量出血により直ちに医療的処置が必要だ。どうぞ」

 

 

 ホプキンス准尉はレッドチームリーダーであり、ゴールドチームリーダーのフォードに対し無線でそう報告した。しかしながら、無線で要求された''医療的処置''なんてことは戦場では病院の集中治療室で受けられるような高度な治療は不可能であり、いくら頑張っても応急処置の域から出ることは無い程度のことしか行えない。

 

 そんなことを考えながら、フォードは応答した。

 

 

 「了解した。後退が完了次第、治療せよ」

 

 

 それから暫くの間、後退を援護するゴールド及びブルーチームとミカとの間で激しい銃撃戦が行われた。

 

 ところで彼女が使用する銃器はMP28短機関銃であり、地球上では一世紀以上も前に開発された骨董品だ。使用する弾薬は、9ミリパラベラム弾であるため小口径高速弾である5.56ミリ弾や、威力・貫徹力がともに高い7.62ミリ弾といったライフル弾とは違い、プレートキャリアに詰められているセラミック製の防弾プレートなどを貫通することは不可能である。

 

 だが、9ミリパラベラム弾であったしても防弾されている箇所以外である肩や、手足などに被弾した場合の話は別だ。

 

 数・火力では流石に大人である彼らに優位があるのだが、個人差があれどもキヴォトスに住んでいる生徒となれば普通の人間と段違いの耐久性を誇る。つまるところ、彼らの''数''と''火力''の優位を崩されてしまう前に後退を完了しなければならない。

 

 

 「後退が終わるまで俺たちが時間を稼ぐぞ」

 

 

 フォードはそう伝えると、再び各チームに射撃の指示を出すのだった。

 

 

 

 

<同時刻>

バンダーマン 特殊戦開発グループ 大尉

 

 

 

 

 ブラボーチームが後方で戦闘中という一報を聞いた彼らは、より素早く作戦目標を達成しようとジェロニモが居るとされる建物へ向かうことにした。薄暗いカタコンベから抜けると遂に、アリウス自治区の土地に踏み入れることとなった。

 

 

 「ローマ観光か?」

 

 

 バンダーマンは周囲のもはや廃墟と化している建物群の姿を見るや否や、ローマにある史跡の光景と似ていたのでそう呟いた。実際、建物には本来あったであろう窓ガラスなどは破れているほか、建物を構成していた黒い色のレンガが至る所に地面に散乱していたのだった。

 

 またどうやらこの廃墟街には街灯が無いようであり、ナイトビジョンから提供される鮮明な視界を頼りにジェロニモがいる建物へと向かうことにした。そして念のためにバンダーマンはサオリに尋ねた。

 

 

 「奴はバシリカに居るという情報に間違いはないか?」

 

 

 ブリーフィングで既に彼はジェロニモの潜伏先については確認していたが、再度アリウス自治区に詳しいであろうサオリに確証を得たかったからだ。

 

 

 「自治区中央に位置するバシリカに居るだろう。後方で戦っている部隊がアリウスの残存部隊と戦っているのであれば、バシリカに部隊が集結するのは不可能に違いない」

 

 「悪い知らせだが、後方で戦っているのはトリニティの生徒だ。部隊はまだいるだろう」

 

 

 バンダーマンはサオリの部隊の動向の予測に対してそう伝えた。そしてトリニティの生徒という単語を聞いた彼女は、何となくその正体に勘付いたようであった。

 

 

 「よし、あいつらの為にもさっさと片付けよう。ゴルフチーム前進、デルタ及びエコーは援護せよ」

 

 

 それからゴルフチームが先に前進しているなか、その他のチームとアリウススクワッドは後方で援護する。そうして、ゴルフチームがある程度前進し終えたところで彼らも前進をする。更に、彼らの前進が終わると、チームが再び前進した。これらを繰り返しながら、彼らは慎重に進んでいく。

 

 

 「ゴルフリーダーより、デルタリーダーへ。現在地に当たる中央通りから続く進行ルートが不明の為、アリウススクワッドによる情報支援を請う。どうぞ」

 

 「了解、スクワッドをそちらに向かわせる」

 

 

 バンダーマンはそう返答すると、次はサオリに対して伝える。

 

 

 「先導している部隊に、この先の道を教えてやってくれ」

 

 

 そのことを伝えられた彼女たちはゴルフチームの方へと向かった。

 

 今回の任務において、彼女らはこのアリウス自治区という敵地の地形を熟知しているため、敵地のガイド役としてはまさに適任であった。アリウス自治区の豊富な知識を持つ彼女たちはなるべくアリウスの防衛部隊と遭遇しないような路地を通りながら、段々と中央に位置するバシリカに向かっていたのだった。

 

 その道中にて、サオリがバンダーマンに尋ねた。

 

 

 「どうして、あなたたち大人は敵であった私たちスクワッドを味方に? どういう意図があるのか知りたい」

 

 「....上の気紛れだろうな。彼らはあくまで君たちのことは道案内役としてしか見ていない」

 

 

 バンダーマンはキツめの口調でそう返した。なぜなら、彼にとって敵であったアリウススクワッドと共に作戦に従事することは、単に苦痛だからだ。いくらロサンゼルス虐殺の首謀者の殺害までの必要なことだとしても、彼にとっては目の敵に過ぎないからだ。

 

 

 「俺は君たち(アリウス)に姉が殺された。いくら作戦とは言えど、俺は許していない」

 

 「...そうか。私たちの仲間がすまなかった」

 

 

 バンダーマンからキツく言われてしまった彼女は険しい表情をしながらそう返したが、彼にとってはそれは何も反省していない様子にしか見えなかった。それでもバンダーマンは更に口を開いた。

 

 

 「ただ────俺の推測が正しければ、上は賭けに出たのだろう。尤も敵にマークされている君たちがこのまま俺たちと敵対し続ける意味があるのか?」

 

 「あはは....全くないですねぇ」

 

 

 ヒヨリは苦笑いしながら答える。

 

 

 「ジェロニモはスクワッドに対して殺害するように命令を下したわけだが、俺たちがそれを阻止した。ただアリウス分校のやり口(アツコ拉致)を見るに、口封じの殺害以外の目的があるという推測が成り立つ。

 それだけじゃなく、以前から進めていた情報収集によってジェロニモは''何か大きな計画''を実行しようとしていると上は見た。そしてちょうどこちらの手札にはスクワッドという数少ない敵地の情報を持ち、スクワッドとこちらは共に()()()がいる状態だ」

 

 「それでも私たちが裏切る可能性が十分にあるけど....?」

 

 

 ミサキがそう言うと、更にバンダーマンは口数を増して喋る。

 

 

 「こちらの目標は政治的な理由もあるが、ジェロニモさえ殺害出来ればいい。そして敵に追われているそちらさん(スクワッド)も、敵の親玉さえ居なくなった方が追われる心配は無いだろうから、双方にとってメリットがある。

 ただ君の言う通り、裏切られる可能性は少なくないからこれは賭けだ。だがそれ以上にスクワッドが敵対し続けるメリットが少ないから、こちらにとってはやや有利な賭けという形だ。そして君たちはそのメリットを多少でも分かっていたから、今に至るわけじゃないのか?」

 

 

 バンダーマンの一連の推測を聞いた、彼女らは腑に落ちたのか妙な表情を見せた。彼は、彼女らの同行する核心を突いたのだった。そしてサオリは彼の話の中に出てきた『政治的な理由』について気になったからか、彼に尋ねる。

 

 

 「政治的な理由...もしかして、アリウス異世界遠征の報復と言ったところか?」

 

 「アリウスではそう呼ぶのは構わないが、こちらの世界ではロサンゼルスの虐殺と呼ばれている現代の大虐殺があった」

 

 

 ────ロサンゼルスの虐殺は、アリウスの部隊が侵攻した原因となる正体不明の転送装置が出現してからたった2時間で、被害者全体の三分の一を占めている約1200人が殺害された。これは9.11を越えるアメリカ最大のテロ事件として知られている。それだけではなく、出現した転送装置の近くにあった市庁舎は建物もろとも壊滅的な被害を受けたのだ。

 

 そしてバンダーマンの姉は当時、市庁舎の職員として働いてたために殺害された。それ以来、彼はアリウスに対して恐らくチームの隊員よりも強い復讐心に駆られていたのだ。無論、ブリーフィングの際に敵の手などを借りたくもないという思いがある彼は、アリウススクワッドの同行に未だに完全な納得はしていない。

 

 だが、(ベアトリーチェ)を殺害するためには仕方ないと一時的に割り切っているのが彼の本音だった。それから彼は作戦のことで再びサオリに尋ねる。

 

 

 「さて、バシリカまであとどれくらいだ?」

 

 「ここから直線距離で2キロちょっとだが────」

 

 

 それよりも先にサオリが言い終える直前で、光によってより増幅された線を描きながら飛翔してきた曳光弾が壁に命中するのがナイトビジョン越しに見えた。それから至る所から銃声が聞こえ始めた。

 

 建物のどこかに待ち伏せていたのだろうか、伏兵だ。

 

 

 「アンブッシュ、アンブッシュ!!」

 

 「北だ」

 

 

 隊員らはそう叫ぶのと同時に、射撃の的にならないように道路で伏せたり、遮蔽物として使えそうな建物の陰を利用する。それから程なくして隊員らは射撃が加えられている場所を正確に特定し終えた。そして迅速に情報が共有される。

 

 

 「北方向、唯一三階建ての建物があるがその二階の発砲炎が見える窓を狙え」

 

 「ゴルフリーダーへ、グレネーダーに40ミリで指示した建物へ攻撃させろ。距離300」

 

 「了解」

 

 

 バンダーマンはゴルフリーダーに対してそう命令を下すと、間もなくして40ミリグレネード弾が発射された。そして射撃を加えてきた窓よりもやや上の壁に命中する。

 

 

 「まだだ、ちゃんと命中させろ」

 

 

 その様子を見ていたバンダーマンは未だに射撃が加えられていることを確認するとそう言った。それから次弾が放たれると、しっかりと建物の中で爆発が生じた。彼らは窓にいた伏兵が沈黙したことを確認すると、再びバシリカへと向かうのだった。

 

 そしてそれ以降は接敵しないようなルートを通りながら、数十分程が経過した。彼らは遂にバシリカの目前へと到達するのであった。

 

 

 「ターゲットエリア2を確認、作戦通りゴルフ及びエコーチームは周辺を封鎖せよ。デルタとスクワッドはバシリカを制圧する」

 

 

 バンダーマンは無線機でそう伝えると、彼が率いるデルタチームはバシリカに繋がる大きな正門ではなく、鋼鉄製の扉へと前進する。それから爆破担当の隊員は、施錠している鍵穴の近くに直方体のM112爆薬を取り付けた。

 

 隊員は爆発に巻き込まれないように距離を取るために、2メートルほど扉から離れた位置で起爆する。そして同時に、彼は玩具を与えられた幼い子供が興奮するような声で叫んだ。

 

 

 「Fire in the hole(大穴を開けるぞ)!!」

 

 

 その瞬間、少し離れた位置で壁に張り付きながら待機していた彼らの暗視装置には物凄い光量で増幅された映像を目に焼き付けさせられたのちに、進入を阻んでいた扉が勢いよく吹っ飛ばされる。

 

 そうすると彼らは銃に取り付けていたAN/PEQ-16Bのレーザーを起動させながら、ゆっくりと浸透するかのようにバシリカ内部に突入していく。

 

 ここからが時間との勝負だ。

 

 何故ならこの爆発によって敵の防衛部隊がバシリカに到達する前に、ジェロニモを素早く殺害しなければいけないからだ。きっと早ければ、5分以内にはバシリカを含むターゲットエリア2を封鎖しているチームと交戦している頃合いだろう。

 

 

 「地下回廊は避けて、敵を最短で叩く」

 

 

 地下回廊────ジェロニモが居るとされる至聖所に繋がる最も安全な通路のことだ。本来ならば、先生率いるアリウススクワッドはこの地下回廊を通過しようとしたが、不運にもミカと接敵することとなり、サオリが先生らと分断された場所だった。

 

 この地下回廊を通らない理由として、彼らにとってはこの作戦はスピードが求められている為、安全などは優先せずジェロニモがいるはずの部屋に突入することが最優先とされていたからだ。それだけではなく、周囲にはエリアを封鎖しているチームがいるため必然的に周辺に配置されていたアリウスの防衛部隊がこちらに辿り着くのは困難であるため、わざわざ通る必要性も無い。

 

 そして敵は周辺防御を固めるために多くの部隊を配置していたが彼らはそれをすり抜けることが出来た。これが意味することは、バシリカ内部の防衛に割り当てられている部隊の数は極めて少ないということだ。短時間で目標を達成するチャンスなのだ。

 

 そんなことを考えながらバンダーマンらはチームごとに縦隊を組んで、バシリカ内部を突き進んでいく。老朽化した石造りの建物とは思えないほど、内部の廊下の装飾はとても豪華だった。唯一、床が薄汚いのでそれが彼らの目に付くくらいだ。

 

 それから至聖所に繋がる大きな木製の扉が見えてきたのと同時に、彼らの目の前に突如としてバルバラが現れた。彼女はまさしく神秘の力で、空間から生成されたのだ。

 

 

 「どうやら俺たちは()()()のようだ」

 

 

 バンダーマンはこの先にジェロニモがいると確信するのと同時に、彼らの行く手を阻む彼女との戦闘が始まるのであった。

 

 




 さて、暫くの間投稿をやめていた訳ですがそちらに関する本当の理由をお話しさせて頂きたいと思います。まず単純にゲーム内の設定とこの小説で目指している「現実第一主義」による独自設定によって半分ズレが生じているために、私自身どう扱えばいいのか検討が付かなかった為です。
 
 最新章が公開されるまでは生徒のEXスキルやあらゆるスキル(ミカの隕石や、ヒナのEX)と言ったものは、私自身ただの『ゲーム的描写』又は『現実性に欠ける』という論理により極力描写するのは排除してきました。それは本作における、キヴォトス人の耐久性の弱体化にも繋がっています。ただ、最新章ではそれらの描写が『ゲーム的描写』ではなくガチ戦闘ということが発覚したため、今後どう描写しようかという葛藤が生じました。そこで私はある程度、本作における描写の限度を明確に言及する事にしました。
 まず第一に、論理的に正当化できない場合にのみ例外・除外を設けています。例えば、ミカの隕石が挙げられるでしょう。ミカの隕石は恐らく神秘によって生成されたものだと思われますが、それ以上ゲーム内では言及されていないため説明が不可能です。又実際にこの描写がある場合、現実性に欠けるためおそらく没入感がかなり損なわれたでしょう。
 同様にヘイローの件もそうです。生徒が一人の兵士に対抗するのが簡単になりすぎるのを避けたかったのです。一人の生徒に対し、一マガジン分を頭に命中させなければ、一時間の気絶効果しか得られないというのは、長時間の大規模戦闘では生徒らに有利で、最悪な場合ただの爆弾でも体に括り付けて特攻させるだけで兵士に対して十分に脅威になり得るので、それに対抗する為に兵士らに常にヘッドショットを要求するのも現実性に欠けることでもあります。
 それに加えて、わざわざ生徒本体が硬いのであればSRTの生徒が装備している防弾ベストやヘルメットの存在意義が無くなるでしょう。わざわざ重量があり、機動性が損なわれ、数発命中すると使い物にならなくなるベスト類を着用する必要性がさほど感じられ無いからです。
 そこで私は、なぜ数発の弾丸で生徒に対してある程度の気絶効果を得られるのかを、本作で正当化できる理由を考えました。実際に、本作では出来る限りバイタルパートに対して命中した場合は、同様の効果を得られるように描写しています。
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