Blue Archive:Task Force 作:タクティカルおじさん
あとストーリーがいろいろとすごいことに....。
<20██年春10時25分>
アレックス 第一武装偵察分隊 中尉
アビドス/カイザーPMC基地
「あれがビナー...。」
今までに見たことない機械化された蛇のような存在に、驚いているのはアレックスである。同様に彼の部下も驚いていること、そして。
「うへ~、皆と一緒に帰れるのかと思ったらめんどくさそうなことが...。」
「ちょっと!!いったいあれは何なの!?」
対策委員会も初めて見るビナーに驚いていた.....。ただ、一人を除いて。
「ビナーはアビドス周辺の砂漠地帯を拠点とする敵です!!詳しい正体は私も分かりませんが...とにかく、今すぐ逃げてください!!」
アヤネが逃げるように伝え終わる前に、ビナーは頭をこちら側に向けてくる。
そして口が開き、砲身を見せたかと思いきや大きな球を形成し始めた。
「とにかく逃げたほうが良さそうだな!!急げ!」
アレックスがそう言い終えると、皆は逃げ出した。
「あれはビームを撃ってきます!!回避してください!」
「「「「!!!!」」」」
そして────
背後から轟音が聞こえると同時に、地面が揺れ出した。まるで回路が焼き切れるかのような''ジリジリ''と、いった感じの音が迫ってくる。
このままではやられると思い、皆は逃げる方向を変える。
ホシノは逃げる最中、背後を見ると砂漠にわずかに生えていた草が焼けて焦げてしまっていることに気付いた。
「巻き込まれると火傷しちゃうよ~」
「いや、先生とかだと絶対死んじゃうから!!」
ホシノの焦りの無い声にセリカは突っ込みを入れる。もし、さっき方向を変えていなかったらあのビームに巻き込まれて、数体もの人間の形をした炭が出来ていたのだろう。
「うっっ!!」
突然、アレックスの背後からうめき声と共に鈍い音が聞こえた。音を発生させたのは先生である。
先生は倒れており、立ちあがろうとする。それを援護するためにアレックスの部下は、逃げるために先生の腕を精一杯の力で引っ張り、立たせた。
立つことが出来た先生は歩こうとすると。
「足挫いたかも...。思ったよりも痛い...。」
先生の申し訳なさそうにしている声がぽつりと砂漠に響く。
「クソ!これじゃ走れないか!?」
アレックスは悪態を突いた。ビナーに追われている中、一人負傷し、逃げることが出来ないのはピンチである。
「ん、私が背負う。」
シロコは突然、そう告げると勢いよく先生を背負った。
「これから私は先生を安全なところに連れていく。それでもいい?」
負傷した先生を安全なところに連れて行くのは、賛成しているようで皆は頷く。
「わかった。」
GOサインを貰ったシロコは猛スピードで、先生を背中に背負ったまま走り去った。
「ビナー!地中を移動しています!!」
アヤネからの報告が入ったときには、既に連続した砂の起伏がアレックスたちの周りに存在していた。
そしてその連なりが生成されるのが止まると、大きな砂柱を空に向かっていく。
砂柱の中から再び現れたビナーはアレックスたちと真正面の方向に対峙した。
「どうやら俺たちを逃さないつもりだな。」
「こうなったら....。実力行使です!!」
アヤネのその言葉と共に、その場にいるあらゆる銃が火を吹く。
放たれた銃弾はビナーに命中。もちろん的は大きいので、少し離れていたとしても外すわけがない。
アレックスもセミオートで射撃を加えるのだが、あっという間に弾が切れる。彼は自分の銃のマガジンを捨て、新しい方へと交換する。
そうしている間も、対策委員会なども攻撃していた。
その中で最も派手な射撃をしているノノミは大量の空薬莢を、連続した銃声と共に地面にぶち撒けていた。
「どんどん撃ちまくれ!!!」
アレックスの部下であるM240やM249を操る機関銃手も、ノノミの射撃に負けじと、派手な射撃を披露。
加えて、コプスの擲弾が加えられることで爆発が発生した。
しかしながら、大量の銃弾を浴びていたビナーは不穏なことに一つも様子を変えていない。
「ちょっと!?これ本当は全く効いていないでしょ!!!」
「もっとお仕置きをしてあげましょう♪」
「いえ!!敵の装甲が厚くて、貫通できないのです!!!」
ビナーの持つ装甲は5.56mm弾の銃弾をものともせず、更に強力な威力と貫徹力を持つ7.62mm弾を通用させないほどであった。
「榴弾を!!」
アレックスはコプスに向かって叫ぶと、腰に擲弾が巻き付けられているベルトから黄色の弾頭をM203に装填。
黄色の弾頭は多目的榴弾であり、戦車などの厚い装甲をもつ敵に対し威力を発揮するのだ。
コプスは狙いをつけて放つ。ビナーに命中するとHE弾ほどの派手な爆発は起きなかったが、貫通した弾はビナー内部で炸裂。
ビナーは怯む様子を見せる。
「いいぞ!!もっと撃て!」
それからコプスは数発をビナーに叩き込むのだが、前屈みの姿勢から元の状態に戻ると大きな口を開ける。
そう再び、ビームを発射するつもりなのだ。禍々しい色をした球はどんどん大きく形成されていく。
アレックスたちは巻き込まれないように、攻撃範囲から逃げようとしたところ、顔に目掛けて小さな爆発が連続して起きた。
そしてビナーはその攻撃がたまらなかったのか、ビームを発射するのを中断。
「さっきのは一体誰が...?」
「ん、待たせたね。皆が戦っているから、私も逃げるわけにはいかない。」
特徴的な口癖と共に冷静な声を発した少女は誰か。
それは──────―
「シロコ先輩!?」
そう砂狼シロコである。
「先生はちゃんと安全な場所に連れて行ったよ。それに援軍もいる。」
「援軍...?」
突如、空からアレックスのような兵士にとっては、
その攻撃の直後、無線から聞いたことのない少女の声を聞く。
「あ、あぅ....わ、私です...。」
「この声はヒフ──―」
「ち、違います!私はヒフミではなく、ファウストです!」
「ヒフミだね。」
自らを''ファウスト''と名乗る阿慈谷ヒフミはトリニティ総合学園に所属する生徒である。
彼女はこの攻撃に参加するつもりだったが、学園との調整に時間がかかってしまい、キヴォトス派遣隊の作戦を立案する段階では、彼女は残念ながら含まれていなかった。
そのためアレックスは彼女のことを知らない。しかし、新しい戦力は頼りになる。
「わあ、ファウストさんお久しぶりです!ご自分で名前を言ってしまいましたが、ご愛敬ということで☆」
「挨拶をしている場合じゃないわよ!!確かにありがたいけども──―」
「俺たちには支援が必要だ。そうだろう?」
「その、今からL118...トリニティの牽引式榴弾砲でし、支援します!!あ、あとこの砲とトリニティ総合学園は関係が────」
「ヒフミ、ありがとう。私たちのために。」
シロコがヒフミに感謝を伝えると再び、ビナーに爆発が起こる。
「あはは...えっと、みなさん、が、頑張ってください!!」
そう伝えると彼女は通信を終了した。
「うへ~おじさんも頑張っちゃおっか~。」
「にしても、すごい威力だな...。さっきからあの
L118が発射する榴弾はビナーの装甲を貫き、十分なダメージを与えることに成功していた。
そして一度、砲弾の雨が止むとビナーは一面砂だらけである砂漠の下に、潜った。
「ビナー、地中を移動中です!!」
「ヒフ....じゃなくてファウストの攻撃があまりにも強すぎて、逃げたのですかね~。」
「いいえ!!逃げてなんかいません!!すぐに出てくるはずです!!」
少しするとビナーが再び現れる。そして、いきなり背中から数発の煙の束が空に向かって伸びていく。
「あれはロケット弾!!どうしてあんなものまで...。とにかく、今すぐ逃げてください!!」
アレックスたちは自分たちが先ほどまで、射撃していた場所から離れる。
運良く、爆発に巻き込まれなかったものの、ロケット弾の威力は凄まじくアレックスたちの部隊は何回か衝撃波に殴られた。
「っっっ!!」
視界と意識が共に暗闇に落ちていくのだった。
「......戦わないと.....。」
アレックスは気絶から目覚める。彼は小声で、そう呟きながらゆっくりと体を起こす。
耳元には銃声が響いていた。対策委員会はアレックスたちが気絶している間も、先生の指揮の下で戦闘していたのだ。
アレックスは周りを見渡す。彼の部下のコプスを含め皆、地面に伏せていた。
動く様子はない。
その光景を見ると彼は内心、死んでいるかもしれないな。と不安に思いながら、少し離れたところにあった彼の銃を取る。
「アレックスだ。まだ生きているぞ。」
無線にて、戦っているであろう対策委員会に告げる。
「い、生きてたのですか!?てっきり死んだのかと....。」
アヤネは驚きの声を上げた。彼女は先ほどの爆発に巻き込まれて、死んだのかと思っていたのだ。
「もしかして、ヘイローを持ってたりして〜?」
「そんなことより状況は?」
銃声が響いているだけではなく、大きな爆発も聞こえてきたなか、彼はホシノに尋ねた。
「まだ戦っているよ〜。先生の指揮を受けていても、結構大変だけど〜。」
アレックスは彼女たちと200m前後しか離れていないため、ビナーと戦っている彼女たちを難なく発見することができた。
そしてビナーはアレックスたちに放ったように、ロケット弾をまたもや発射していた。
「とりあえず俺も戦う。あんなデカブツ相手に力になれるかが分からんが....。」
そう告げると、アレックスはコプスに近寄り、脈があるかを確かめた。
彼の脈に手を当てると確かにあった。少なくとも生きている。
「よかった...。」
彼は戦友がまだ生きていることを確認でき、安堵した。そして、彼は落ちていたM203付きのM4A1を取る。
拾うと彼は、M203に装填されている弾頭が榴弾であることを確認。
また予備の弾薬として、彼のグレネード弾が収められているベルトを拝借した。
「戦友、借りるぞ。」
アレックスは拝借したベルトを腰に巻き付け、戦う準備を整える。
「いくか....。」
彼は気合を入れると、戦っている対策委員会へ全速力で向かった。
<10時40分>
対策委員会は先生の指揮の下、ビナーと戦っていた。
ノノミのミニガンの射撃音や、ファウストことヒフミたちによる砲撃が着弾したときの音。
それらが大合唱のように鳴り響いており、まさに混沌としている戦場を表していた。
「またロケット弾です!!」
「うへ~飽きないねえ~。」
「いくら攻撃しても、この様子だと倒せそうじゃありませんね....。」
「もっと火力が必要。」
「このままだと、私たちもやられてしまうわ!!何とかしないと....。」
ビナーの装甲は厚いことに加え、貫通したとしても致命的な一撃を与えることが出来ず、埒が明かない状況になっていた。
「来たぞ!!」
そんな劣勢の中、アレックスは戦闘に加わる。
「先生!!俺には考えがある。それが成功するかはわからんが....。実行せずに、後悔をして死ぬよりはマシだと思う。」
アレックスは先生に案を持ち掛けた。もちろん、先生は話を聞いてくれるようで。
「ビナーがビームを出すときに、口から出てくる砲があるだろう?あれを破壊しよう。」
アレックスは無線で続ける。
「おそらく装甲は厚い。だが、今こっちに榴弾を装填したM203がある。そいつでクソみたいな砲を吹っ飛ばして、集中攻撃を仕掛けるんだ。どうだ?」
先生はアレックスの案を聞くと、実行してみようと伝えてくれた。
「ファウストへ、こちらアレックス。砲撃を要請!!目標はビナーだ!!」
「あ、あわわ。そ、装填中なので待ってください!!」
アレックスはファウストことヒフミに呼びかけた。彼は強力な砲撃によって、ビナーをわざと刺激させビームを撃たせようとしているのだ。
「た、たったいま発射しました。もうすぐ着弾すると────」
聞き覚えのある音と共に、複数の大きな爆発がビナーに生じた。
ビナーは堪らなかったのか怯む。そしてお返しの攻撃をしようとしたばかりに、口を開けて球を形成し始めた。
アレックスはリーフサイトを起こし、狙いをつける。ゼロインは調整済み、引き金を絞った。
放たれた榴弾はビナーの球を生成する砲に命中。そして、球の生成も停止。
無線では先生がシロコに、ドローンの攻撃を指示するのが聞こえた。
「ドローン、展開。」
冷淡な口調で告げると、ドローンは上昇。
無数の小型ミサイルは砲に向かって飛翔。飛翔したミサイルはもちろん正確に着弾。
ビナーは初めて唸り声をあげた。
装甲が破壊された箇所から、深刻なダメージを与えることに成功したのだ。
「や、やりました!!完全に砲を無効化してます!」
その声にアレックスを含め、その場にいた対策委員会は喜びの声を上げる。
「やりましたね~。」
「おじさんは後輩の活躍を見れて、うれしいよ~。」
「ビナー地中に潜ります!!方向は反対側....それにここから離れているので、逃げています!!」
その報告にアレックスは安堵した。しかし、まだ生きている戦友たちの元へ戻らなければならないことも感じていた。
「対策委員会、勝利を味わいたいところだが俺は、仲間の元に行かなければならない。今回の作戦は成功だ。あのクソみたいビナーを追い払うことにも、成功したんだ。」
そう伝えると、アレックスは仲間がいるであろう方向へと背を向ける。
「それと先生、もし何かあったら俺たちに連絡を。上の都合で動けないかもしれないが...善処する。」
そう伝えると彼は、地平線に向かって走っていった。
「さて、私たちも帰りますかね。」
「そうですね~。」
「...。本当に、無事でよかった。」
戦闘の緊迫感から解放された対策委員会は、安堵の空気に包まれた。
「ホシノ先輩、何ぼーっと突っ立っているの?」
「...。いや、何もないよ。あと、ビナーとの戦いに巻き込まれちゃって、言いそびれていたけど────
た だ い ま 」
彼女たちは母校であるアビドス高校へと帰還した。
大人に裏切られ続けた彼女たちは、大人によって助けられた。そして『ただいま』という言葉を言えたのだ。
先生と兵士たちのおかげで──────
何気ない日常はアビドスへ、彼女たちの元にまたやってくる。
にしてもこっちのプロローグの題名と、新しいストーリーのほうの題名同じじゃん...。どうしましょうかね。