__暗い…コベニちゃんはどこだろう?無事なのだろうか?
「返せ…俺の心臓を俺の右目を全部全部ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ!!!」
『邪魔だ。退け』
「俺のだ!お前が持っているもの全部俺のものだった!!」
『邪魔だ』
「あの方に捧げた心臓も左目も!!」
『……うるさい』
「あの方のために!!全てを捧げてきた!!なのに…何故あの方は俺を使ってくれない?!何故!お前が…お前のような半端者が!!」
『………これは俺のだ』
「違う…!違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違うちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう!!!お前は俺で!俺はお前だ!だからそれは俺のだ!!」
『俺はお前じゃない』
「何で…何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何でなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!」
『これで最期だ。邪魔だ。退け』
「ア"ァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
__右腕っぽいところを斬り落としたけど…まぁ、いいか。必要のないものは切り捨てる。ずっとそうだった。それが正しいと信じてたから。痛みを感じる体も、騒がしい声も、余計な記憶も…何もかも切り捨てた。あの方に忠誠を誓ったあの時…俺の左目は人間の世界を見ていた。
『俺はある人間を見つけた』
「……ア"?」
『俺はその人間が大好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで…だから人間になりたかった』
「何言ってやがる…」
『俺は心臓と左目以外を切り捨てた』
「は…」
『お前は俺に捨てられた存在だ。人間になるにはお前が邪魔だった。忠誠心も、何もかも』
「お、前ェ…!!」
『肉体を持たない俺が人間になるには、その人間を取り込まなければいけない。取り込んだ人間の記録も、そいつが存在したという証拠も何もかも消えるが…』
「それが、今の身体か?」
『そう。この身体の名前は荒井速度。荒井ヒロカズの実兄だった奴だ』
__ヒロカズが死んだあの日から少しずつ思い出した記憶…。俺が取り込んだから家族からも忘れられた人間。可哀想とは思わない。コベニちゃんに何かあるわけじゃないから。
『肉体は俺を持ち主として記憶を
「………」
『だが、あの耳鳴り…雑音は嫌だったな。体が馴染んできている証拠だとしても、あれは全く慣れやしない』
「人間の皮を被った悪魔だな…お前」ニヤッ…
『何言ってんだ?俺は人間だぜ?』ニッ
「俺がお前の捨てたものなら…俺はお前に戻ってやるよ」
『役に立たなかったらまた切り捨ててやるからな?』
「安心しろよ。役に立つことはお前が一番知ってるだろ」
『コベニちゃんを死んでも守る。それが俺の役目だ』
「そうか…帰ってきたぜ俺よ」
『返ってこなくてもいいんだがな』
「ヒロカズ?」
「兄さん…!父さんが…父さんがいない!母さんも…!夜まで帰ってこないのにッ…!」
「大丈夫だヒロカズ。兄ちゃんがいるぞ」
「いなくなったりしない…?」
「嗚呼、ずっと一緒だよ。君が望むまで…ずっと」
「望むまで…?」
「ヒロカズが「兄ちゃんなんていなくなれ!」って望むまでずっと一緒にいるってこと」
「そんなこと思わない!」
「兄さんなんて大っ嫌い!!いなくなっちゃえ!!」
「…………そうか」
『俺にピッタリな肉体…みーつけた』