__目を開ければ花が咲いていた。地獄に戻ってきたのだと理解した。俺も…戻ってしまったんだ。コベニちゃんの側にはいられない。大丈夫だ。俺がいなくてもガルガリがいるから。
「仁間さん…?」
『……コベニちゃん、このお守りあげるね』
「え、?!」
『俺と暴力も同じの持ってるんだよ。これでお揃い。やっと……お揃いにできた』
「君、もしかして…」
『………しー』
「…………」
__ああ…聞こえる。あの方の足音が、声が、心音が……俺らを殺しにやってくる。でも、何故だろう?今まで恐ろしかったはずなのに…今は全く恐ろしいと感じない。
『来た…』
「終わった!終わった!来た!来ちゃった!あ…来る…」
__上にあるドアから落ちた黒い雫…それは全てを塗り潰す闇。あのお方の闇…ああ、アア、嗚呼!何故だろう?何故だろう?すごく、凄く、すごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄くすごく凄く!!
『コベニちゃん、お守りをしっかり握ってて?』
「え、あ、はい…」
『大丈夫だよ。死んでも守るから。護るから…』
「ねぇ、速度く…」
『ガルガリ』
「え」
『後は頼んだ』
__まずはコベニちゃんとガルガリを気絶させる。そして…
「おい!仁間!!どういうつもりだ?!」
『すいません。
「グッ…ァ!」バタ…
__後はどうでもいい。センパイには恩があるから。あったから。死なせちゃダメだから。アア…
「どうか私にマキマを殺す力を…『オッラァァァァ!!』」バキン…!
「………」
『我が支配者!我が主人よ!逆らう俺をお許しください!ですが、後悔はしておりませぬ!俺はアナタ様に逆らってでも、死んでも守りたいと…護りたいと思う存在ができました!アナタ様に心臓を捧げたあの日から!!』
「………」スッ…
『俺を殺しますか?!ええ、構いませぬ!俺の心臓はアナタ様に捧げたのですから!アナタ様の元に帰るだけなのですから!』
__ああ…腕を斬られた。デンジ達も斬られてる。コベニちゃんとガルガリは無事。お守りがあるから無事。センパイは斬られてる。大丈夫だ。死んでないから。
『俺を忘れたのですか?!我が支配者よ!俺は霧!そして、切り裂く者です!!ええ、エエ!霧の町!!切り裂きジャック!!それらを恐れた人間は俺を生み出した!俺は霧で殺人鬼です!!身体を霧にすれば、霧全てが俺の目であり手であり、足である!!』
「………」
『アア…思い出してくれましたか?我が支配者よ……』
__時間は稼いだ。さっさと動けよ?雑音ども
チリーン
『ガフッ……』
「──────────」
『アァ……わが、しはい……しゃ……………よ……………………………』
__最期に見たのはデンジが斬りかかっていたところだった。嗚呼、馬鹿なやつだ。勝てるわけがないだろう。我が支配者はお強いんだ。マキマより強いんだぞ。コベニちゃんと結婚できなかったな。でも、あの方から護れたから充分だ。
次回
最終回!!