第一話
ここは地獄にある閻魔王の法廷。
閻魔王は、浮かぬ顔をして、側仕えの物に訊ねた。
「最近、転生者など言う輩が、方々で暴れ回っているそうだな」
「我等の力の及ばぬ所で、異界の神が悪人を復活させていますからね」
「困ったものじゃ」
裁判官の一人は、深刻な面持ちをする閻魔王に、
「一つ、提案が御座います。49日を待たずして、転生した者どもを抹殺するのはどうでしょうか」
「うむ……」
「私の方で4人の凶悪な罪人を確保しています」
「よし、連れて参れ」
奥より、青い覆面に青いタイツ姿の男が、連れてこられ、
「一人目は教師稼業の傍ら、覆面を被って性犯罪を犯した男です。
通り名をレイプマンと称して、金をもらって女を犯していました」
次に、女性用のパンティを被った、半裸の男が現れ、
「二人目は高校に通う母子家庭の出で、婦人下着を被って暴力沙汰をしていた人物です。
変態仮面と称し、自分が悪と認めた人間を一方的にさばいていました」
牛革のチョッキに、革のチャップスを付けた、股間が丸出しのモヒカン刈りの男が、
「三人目はサラリーマンをしながら、夜な夜な男を漁って、強姦殺人をしていた男です。
頭を刈り上げて、革の装束を身にまとい、人はモヒカン男と、呼んでいました」
暴れながら、引っ張られてきた後、白い木綿の
「四人目は宗教団体「超時空科学の会」の創始者で、あらゆる悪事をしておりました。
教団運営の為に、旧ソ連の武器転売や麻薬の密造で、資金を得ていた男です」
全員が、地獄の鬼に、無理やり土下座させられた後、閻魔王は、満足気に、
「とびぬけた悪党ばかりじゃのう。それで、転生者を、この者たちに殺させると。ハハハハハ」
一頻り笑った後、閻魔王は、
「よし、今日から貴様等は、変態紳士四人組として、あらゆる世界を回って、異世界で
閻魔王は、閻魔帳をめくりながら、
「そうよのう、ロボット戦士が暴れる世界などに行くのもよし、宇宙怪獣で困ってる世界に行くのも良し」
レイプマンたち、四人の男は、地獄の鬼に連れられて、閻魔庁の地下倉庫に来ていた。
「貴様等の為に、特別な乗り物を用意した」
緑色の蒸気機関車がそこにはあった。
「これは、魔王様が若かりし頃、遊ばれた玩具を基に、作った特殊な乗り物。
内部にある非常停止と白文字で書かれた、赤色のボタンを押すとロボットになる優れものだ」
そういうと、見上げるような背丈の赤鬼は、黒色のリモコンを取り出して、
「じゃあ、変形させてみるぜ」と、赤い非常停止ボタンを、操作する。
轟音と共に、蒸気機関車のフロント部分が左右に分離すると、後ろに着いた青色の貨車の車輪が畳まれる。
そして、ロボットの足の様な物が出来上がり、機関車の煙突が上下逆さまに反転する。
外れたフロント部分が、汽車の左右にくっつくと、屋根が割れ、顔の様な物が出て来た。
「これは、サスライガーというロボットのおもちゃを、地獄に居る悪人共に模倣して作らせた。
こいつを駆って、チート転生者を殺して参れ」
裃を着た老人が、押し黙る若者たちを退けて、
「これでは不安だ。なにか予備が欲しい」と言った。
せむしの年老いた青鬼が、
「じゃあ、このおもちゃの、カタログにあるものに、丸を書いて寄越せ。
我等の方で、準備する」と言うなり、鬼たちは帰ってしまった。
唖然とする三人の若者に、坊主頭の老人は、
「とりあえず、機関車に乗って、地獄を脱出しよう」と持ち掛ける。
彼の背後に立っていた、モヒカン刈りの男が、
「俺も、あの世から、この世に戻って、会いたい人がいるんでな」と言いやると、
「わしもじゃよ。ハハハハハ」と、声を上げ、笑って見せた。
さて、この四人の悪人たちの運命や、如何に。