ブロストは深い眠りから目覚めた。
彼は全裸で椅子に縛り付けられており、目の前には覆面を付けた男が立っている。
レイプマンは、変態仮面に指示を出した。
「やれ」
「はい」
変態仮面はスーツケースを開けた。
中には何本かの鞭、金属製の手錠、足枷、30センチ以上の長さの低温蠟燭。
そう言った物の中から、鞭を取り出す。
使い慣れた鞭は、先端の房を切って短めにしてあり、ブロストを苦しめるには十分だった。
まず最初に軽い打撃を加える慣らし鞭を入れてから、次第に力を入れていく。
房鞭は一本の紐鞭と違い、力が分散されるので皮膚を切り裂かれるダメージを与えることが少ない。
ブロストの口からほとばしる悲鳴、呻き。
反比例するように変態仮面は鞭の動きを速めた。
レイプマンは、一打一打を見ながら、あのラジャール国王妃の事を思い浮かべていた。
鎖の鞭で王妃をいたぶり、愉悦を覚えていた悪漢が情けなく涙を流している様を怒りに震える目で見つめ直す。
ブロストが、途中疲れた様子を見せると、レイプマンはドラム缶を用意した。
そこには100キロ近い氷と100リットル以上の冷水が湛えられていった。
「アイスバケツチャレンジって、知ってるかい」
ブロストはレイプマンの言葉に疑問を持った。
「水を飲ませてくれるのか」
レイプマンは不敵の笑みをたたえる。
「お望みの物をくれてやるぜ」
亀甲縛りにされたブロストを変態仮面が持ち上げた。
「何をする!」
苦しみに悶えるブロストが叫ンだ。
「年寄りの冷や水さ」
ブロストは水温5度の水風呂の中に頭から突っ込ンだ。
心臓の悪かった彼は、即座に心機能を停止してしまう。
「お湯もってこい」
レイプマンの掛け声とともに、サスライガーの中からホースが伸ばされた。
新しいからのドラム缶の中に、死に体のブロストを入れると、頭からお湯を注いだ。
ブロストは一瞬にして蘇生するも、65度のお湯から飛び出て、氷水の中に再び入る。
同じことを数度繰り返したときに、ブロストは氷水の中でこと切れた。
クウェート国境で繰り広げられた壮絶なSMショーは、隣国のイラクの目に止まった。
覆面姿の2人組が、真夜中の砂漠で行うSMプレイに対して、イラク政府は軍を派遣することとなった。
クウェート国境に向けて、Mi-24ハインドヘリコプターの編隊が爆音をあげて飛んでいく。
それと同時に、T-72、T-62からなる戦車中隊が続く。
「我が国の国境で変態プレイをする人間がいるとの通報がバグダードからあった」
兵士たちは、バグダードの反応より、砂漠でSMプレイをする連中を恐れた。
多分外国人だろうが、どんな変態なのだろうかと不安を隠せなかッた。
SM道具をサスライガーにしまっている時、運転席から出て来たモヒカンが叫ンだ。
「イラク軍の大部隊がこっちに来ているぜ」
変態紳士たちはすばやく道具をしまうと、サスライガーの機関車に戻った。
内蔵された2連装対空機関砲に飛び乗ると、即座に屋根の部分に展開された。
トリガーを手前に引くと、20ミリ砲が火を噴く。
「敵の攻撃だ、散開!」
攻撃ヘリの編隊は、オレンジ色の砲火に驚き、部隊を散開させる。
攻撃を受けたイラク軍の部隊が混乱する内に、サスライガーは夜空へと消えていッた。
数日後、レイプマンたちは、ラジャール王国の宮殿の大広間に居た。
塩漬けにされ、棺桶に入ったブロストの遺体を、国王夫妻の前に引き渡す。
「仕事は終わりました」
国王は、ブロストの首を持ち上げた後、王妃にそれを渡した。
王妃は一瞬戸惑った後、顔中に深い憂いを湛えながら、首だけになったかつての夫を見た。
「良いでしょう」
王は表情を崩さずに感謝の言葉を述べる。
そして数個のジュラルミン製のアタッシェケースを部下に用意させた。
「ここにはお約束の600万ドルが入っています」
「雑な仕事でしたので、100万ドルで結構です」
そう言い残すと、変態紳士たちはサスライガーに乗り込む。
夕日の沈むアラビア湾を後にしながら、サスライガーは極東へと戻っていッた。
夏と言いながら、9月になってしまいました。
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