外山沙知を辱めた男、有倉。
彼は、再び彼女をもてあそぶため、雑居ビルの地下にあるSM部屋に入ってきた。
その時である、彼の顔めがけて鉄拳が飛んだ。
拳を振るったのは、レイプマンだった。
沙知夫人のパンティーストッキングで仮の覆面を作った彼は、奥歯を6本失って動揺する有倉を後ろ手錠で縛る。
「てめえら、何者だ」
有倉の後ろから入ってきたすだれ禿の中年男が叫んだ。
たるみ切った醜い腹を見せ、一糸まとわぬ姿の男は、有倉のスポンサー、室伏だった。
「俺たちは、変態紳士4人組だ」
「変態紳士だと!」
たしかに男たちの格好は異様だった。
女性用のパンティー、あるいはストッキングをかぶった者がいれば、革のバンドだけを付けている男もいた。
何より目を引いたのは、坊主頭で六尺褌を付けている中年の男だった。
「わしは
そうする間に、有倉の事をモヒカン男が両足をつかんで振り回した。
お互いは全裸で、モヒカンが、ジャイアントスイングをし始めたのだ。
「うわあぁぁぁ」
顔の傷と脳天の振動から絶叫する有倉を見て、モヒカン男は不敵な笑いを浮かべる。
「ふははは!」
余りの回転速度に、有倉はなすすべもなく、それまで垂らしていた両腕を頭にのせる。
「どうだ、俺の技の味はッ!」
気を失った有倉を放り投げると、その瞬間、両手の指で有倉の臀部を一突きにする。
「強烈な一発を加えてやるぜ」
彼の放った一撃は、内臓まで達し、有倉はこと切れた。
その事態を見ていたものがいた。
やくざ者の有倉と闇買収業者の室伏を頼んで、沙知夫人をいたぶっていた依頼人であった。
男が逃げようとする瞬間、変態仮面が彼の顔面に向けてジャンプする。
驚異的な跳躍力に驚く間もなく、男は変態仮面の必殺技である・地獄のジェットトレインを食らった。
その時の変態仮面は、沙知夫人のパンティ以外身に着けていなかったとだけ、言っておこう。
一方そのころ、レイプマンと室伏健吉は、赤裸のまま相対していた。
「ウハハ、そこの女は既にわしの奴隷なんじゃ」
そういって腰に手を当てて、己の逞しさをアピールする。
「ほう、そんな粗末なもので、このレイプマンと戦おうっていうのかい」
覆面以外、一糸まとわぬレイプマンは、その時奇妙な事を提案した。
「おい、室伏さんとやら、あんたは手を使わずにテーブルを動かせるかい」
その言葉に、室伏はいぶかしんだ。
レイプマンは両手を後ろに組んだまま、テーブルの脇に腰を近づける。
「えい!」
「何、エレクチオンしたものでテーブルを動かすだと?」
その時、レイプマンは両手を万歳した状態であったが、テーブルを胸の位置まで高々と掲げて見せた。
ドッドッドっと脈打つ音が聞こえんばかりに天高くそびえるものに、その場にいた沙知夫人は驚いた。
呆然とする彼女のまえで、レイプマンは砕けた口調で答えた。
「ふう、疲れたぜ。エレクチオンしてテーブルを持ち上げるなんて初めてだからな」
それから数日が過ぎた。
有倉たちのいたSM部屋に警察の捜査が入ったのだ。
外山沙知の夫である中嶋敏彦は、変態紳士たちに感謝するばかりであった。
「どうもすみません。私の不徳の致すところで……」
「過ぎたことは言って事よ」
そう言ったのは、モヒカン男だった。
彼は変装用のかつらと伊達メガネをかけて、どこにでもいる背広姿のサラリーマンという恰好だった。
「それに中嶋さンには、裃まで用意してもらってのう」
「
「おい、爺さん、そろそろ出発の時間だぜ」
アディダスのジャージ姿のレイプマンがそう声をかけた。
覆面を取ると、レイプマンは中々の美丈夫であった。
「こんなにたくさんお金までもらって……」
両手でアタッシェケースを抱える詰襟の学生服姿の変態仮面。
パンティをはがすとなかなかの好青年ではないか。
モヒカンは、改めてそう思った。
「
どうぞ、1'500万円、お納めください」
その金は、中嶋の甥である光彦が有倉たちに渡した調教の代金を、中嶋が有倉と室伏の店から奪い返したものだった。
「一度人手に渡った、きたない金ですが……」
「俺たちは汚れ切った人間だから、関係あるめえよ」
モヒカンの一言に、中嶋は救われる気がした。
「中嶋さん、奥さんを愛してやってください」
「
「あばよ」
そういって、男たちが緑色の機関車サスライガーに乗りこむ。
まもなく、機関車は上空へ向けて消えていった。