ぼっちず・ろっく!   作:借りて来た猫弁慶

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 一話丸々ライブ回。今回は三人称(のつもり)なのと、書きたい事を片っ端から突っ込んだんで、視点があっちこっちに飛んだりしてちょっと読みにくいかもしれません。でも大丈夫! 何故なら作者は読者ちゃんの理解力を信じてるからだ! 


035 自分の居場所

 胸元にハートマークが溶けたような模様の描かれた、薄いピンク色のダボダボなオーバーサイズセーターに、黒色のニーハイソックス。靴とバッグはショッキングピンクで統一され、首には包帯を巻き、腰ほどまである長い黒髪をツーサイドアップにした、一見すると痛い中学生の様な恰好の女性は、池袋にあるライブハウスを訪れていた。

 

 地下へと続く階段を下りた先にある小さなテーブルについて受付をしている男性に、女性は少し緊張した様子で予約したチケットを手渡す。なにせ今日のライブは女性がある(・・)バンドを見ようと決めてから、文字通り指折り数えながら待ちに待ったライブだったからだ。

 

「今日はどのバンドを見に来られましたか?」

 

 ライブハウスにくれば必ず聞かれる受付男性からの問いかけに、女性――ぽいずん♡やみは、前もって決めておいた自分の目当てのバンド名を伝えようと口を開こうとして……わずかに逡巡した後、「結束バンド」と答えると、半券とドリンクチケットを受け取り奥へと進んだ。

 

 

 

 

 

 ぽいずん♡やみ――佐藤愛子はフリーの音楽ライターだ。

 

 『いいバンドをもっと大勢の人に知って欲しい』という理想を掲げて音楽ライターの道を志した彼女だが、今ではもっぱら書くのはアクセス稼ぎの色物記事ばかりになっている。奇抜な格好と歯に衣着せぬ物言いややらかし(・・・・)でアンチが多い彼女だが、当初からこうだった訳では勿論無い。

 

 この業界に入ってすぐの頃は理想通り、バンドを紹介する真面目な記事を書こうとした。だがライターになりたての新人がいくら真面目な記事を書いた所でアクセス数が伸びる訳がない。アクセスが伸びなければ依頼が来ないし、依頼が来なければ己の日々の生活すらままならない。

 

 結局フリーの音楽ライターとして生き残るには右へ倣えで他と同じような色物記事を書くしか無く、今ではアルバイトをしながら二足のわらじで細々とライター業を続けている。それでも他のライターの様に過激なバンドディスだけは書かなかったのは、バンドに対してだけは真摯であろうとする彼女の最後の意地だったのかもしれない。

 

 そんな現在の愛子だが、当初の情熱が無くなった訳では無く、今でも暇があれば色々なライブハウスに足しげく通い、様々なアーティストの情報を集めていた。

 

 そういう事情もあって、案外横の繋がりの広い愛子の元にとある(・・・)バンドの情報が入って来たのは年が明けて直ぐの頃であった。

 

 曰く『新宿FOLTで行われたSICKHACKのクリスマスライブに、覆面で顔を隠したプロレベルの演奏技術(バカテク)バンドがゲスト出演した』というものである。

 

 この噂を聞いた時、愛子の反応は冷ややかだった。なにせこういう噂は枚挙にいとまがないのである。

 

 愛子の経験上、こういう噂は当たった(・・・・)試しが無かった。そもそもあの(・・)SICKHACKのライブのゲスト(・・・)という立場でありながら、『バカテク』なんて言われている事が既に胡散臭さを際立たせている。大方初めてライブに行った人間がSICKHACKとその覆面バンドを間違えているとさえ考えられた。

 

 だが――それでも愛子がもう少し詳しく話を聞いてみようという気になったのは、小銭稼ぎの記事のネタくらいにはなるかも知れないといった下心と――予想だにしない場所に本物(・・)が潜んでいるという経験を、下北沢のライブハウスで愛子自身が体験したが故の行動だった。

 

 

 

「Band of Bocchisねぇ……随分とまぁ大きく出たというか……Gypsysを知ってるのか知らないのか……どっちにせよこの名前を付けた奴は恐れを知らないアホね」

 

 自宅へ戻った愛子が仕入れた情報を元に早速ネットで調べてみると、公式トゥイッターや渋谷で行われた路上ライブの演奏動画自体は直ぐに見つける事が出来た。

 

 BoBとは何の関係も無い他人が、ご丁寧に分割までして全編上げている路上ライブ動画を視聴した愛子は驚愕した。まさか(・・・)と思った。演奏レベルの高さも勿論ある、が――それ以上にリードギターの音色に覚えがあった。

 

 だが、それはいい。いや本当は良くないが、彼女(・・)が愛子の意見を聞き入れて新しいバンドへ入ったと思えば一応納得は出来る。それよりも問題は他の三人だった。

 

 何度も何度も動画を見て。何度も何度も自分の記憶の中のある(・・)人物達の演奏と、三人の演奏を重ね合わせる。

 

 まさか――と思った。同時にありえない――とも思う。だから、愛子は三人に関して調べてみる事にした。もしこの三人が自分の想像している通りの人物たちであるなら――

 

(これは……もしかしたら凄い事になるかも!)

 

 そんな愛子の元に、僅か一週間ほどで新しいBoBの情報が届くことになる。出所はBoB公式トゥイッターで、内容は一月下旬に行われるSTARRYでのライブの告知だった。

 

「二週間前に参加告知って急すぎじゃない!? それにしてもSTARRYかぁ~……あんな事(・・・・)があったし、なによりあそこの店長苦手なのよねぇ~……」

 

 BoBに興味はある。だが場所が問題だった。結局悩んだ末、ライブの日に近くを通りかかる事があったら軽く変装でもして見に行けばいいかと気軽に考えていた一週間後――まさかのチケットSOLD OUTである。

 

 愛子は自分の目を疑った。慌てて確認したライブの出演者は、BoBと結束バンド、それとよく知らない二組のバンドだった。どのバンドもSOLD OUTまで持って行けるような集客力は無いように思える。

 

 一番可能性が有りそうなのは彼女(・・)が所属する結束バンドだが、前回のライブの入りを思い出すにこれも無いように感じる。

 

(だとすればやっぱりBoBが原因? でもトゥイッターでの情報が全て正しいなら、結成は去年の十月頃。路上ライブは渋谷の一回のみ。箱でのライブはSICKHACKのゲスト(・・・)での出演だけしかないんだけど!? そんな事ある!?)

 

 路上ライブ動画を見た時の予感。そして今回の異常事態。愛子はここからBoBについて本腰を入れて調べ始める事にした。

 

 それから色々なライブハウスに足を運んで聞き込みを行なうと、ベースとリズムギターに関するある噂が愛子の元に入って来た。曰く――ベースはSICKHACKの廣井きくりであり、リズムギターはSIDEROSの大槻ヨヨコである、と。

 

 SICKHACKの廣井きくりに、SIDEROSの大槻ヨヨコ。東京で音楽ライターなんて物をやっているなら、この二人を知らないのはモグリか何かだ。

 

 廣井きくりは技術だけなら日本で五指に入る凄腕ベーシストだが、素行の悪さでインディーズに留まっている問題児であり。大槻ヨヨコは今でこそ東京では飛ぶ鳥を落とす勢いの凄腕ギタリストだが、バンドを結成してしばらくはメンバーをクビにしまくっていた問題児だ。

 

 あくまで噂の域を出ないが、路上ライブの演奏を思い出せばこの二人の名前が挙がるのも愛子は納得出来た。

 

 ベースとリズムギターの噂はあちこちから出て来る。リードギターは愛子の中に確信めいた予感がある。だが――ドラムの噂だけは全く詳細が掴めなかった。

 

 分かったことは山田太郎なんてふざけた偽名を名乗っている事と、男性であるという事だけだ。だが実の所、愛子にはドラムの心当たりがある。しかしこれだけは実際に演奏を聴かないと断言出来ない事だった。

 

 その後も暇があればBoBの情報を探した愛子だが、STARRYでの定期ライブには一度も行かなかった。それは二月はBoBの定期ライブが無かった事もあるが、一番の原因は過去の自分の所業のせいで、STARRYにおいそれと入る事が出来なくなったからだ。

 

 そんな、なんとかしてBoBのライブが見れないかと考えていた三月のある日、愛子は下北沢で行われたあるバンドの取材終わりに、偶然結束バンドの路上ライブに遭遇した。

 

 路上ライブとはいえ久しぶりに見た結束バンドのライブで、前とは違う何かを感じた愛子の元に、後日降って湧いたように偶然にも結束バンドとBoB、両方がSTARRY以外(・・)で同時に出演するライブの情報が告知されたのが、今回の池袋のブッキングライブだったのである。

 

 

 

 

 

 受付を済ませた愛子が客席に辿り着いた時は丁度結束バンドのライブが始まるまでの転換時間で、軽く辺りを見回せばフロアの後方に覆面を付けた三人組の姿が見えた。

 

(あれがBoBかしら……たしかメンバーは四人な筈だけど……)

 

 ほどなくして始まった結束バンドの自己紹介に盛大に声援? を送るBoBと思わしき男性の声を聞いて、これを記事にしたらウケるだろうか? などと愛子が頭の中でそろばんを弾いていると結束バンドのライブが始まった。

 

(ギターヒーローさん……まだまだ本調子じゃないけど前よりずっと成長してる……)

 

 偶然見かけた結束バンドの路上ライブで感じた物を改めて今回のライブで確認した愛子は、その後絡んできたSTARRYの店長である伊地知星歌と少し話をしたり、ライブ中だというのに椅子に座って寝こけている今回のブッカーである柳に、星歌と共に苦言を呈したりしながら結束バンドのライブを観て過ごした。

 

 始まる前のアウェーな雰囲気を一変させ、終わる頃には大きな歓声を響かせた結束バンドのライブが終了すると、転換時間を挟んで屍人のカーニバルの出番がやって来る。

 

 屍人のカーニバルへの興味もそこそこに、愛子は今日のお目当ての片割れであるBoBへと意識を向ける。相変わらず四人目が合流する様子は無い。そのうちライブの準備の為に楽屋へ向かうのか、三人はフロアから去って行った。

 

「……ねぇ、あんたSTARRYの店長でしょ? BoBって何者なの?」

 

 新宿FOLTのゲスト出演以外は全てSTARRYでライブを行なっている事から、BoBの拠点がSTARRYである事は誰の目にも明らかだった。だからこそ愛子はこれまでBoBのライブを見に行く決断が出来なかったのだ。

 

 そんな愛子の質問に、星歌はまるでライブを見れば全て分かると言わんばかりに腕を組んでステージを見つめたまま、何も答える事は無かった。

 

 

 

「Band of Bocchisです! 早速ですがメンバー紹介します!」

 

 屍人のカーニバルのライブが終わりいよいよBoBがステージに姿を現すと、突然リーダーの山田太郎がメンバー紹介を宣言すると同時にドラムを叩きはじめた。

 

 観客に先程の結束バンドのパフォーマンスのパクリかと思われたソレだが、太郎の叩くドラムのあるリズムに気が付いた一部の人間がざわつきはじめた。

 

「ぼっちで鳴らした俺達Bocchisは、ぼっち同士でバンドを作ったが、自宅を脱出してSTARRYに潜った。しかし、STARRYでくすぶっているような俺たちじゃあない。依頼さえあれば金次第でどこでもライブをやってのける命知らず。不可能を可能にして邦ロック界を揺るがす、俺たち、Band of Bocchis!」

 

 どこかで聞いたようなナレーションを太郎が語り終えると、特攻野郎〇チームでお馴染みの印象的なイントロのロックアレンジverが始まった。突然の出来事で多くの人間が意味が分からず呆けている中、ネタが分かった一部の人間やBoBファンと思わしき人達は大盛り上がりだ。

 

「俺はリーダー、山田太郎。通称ドカベン。強肩強打の凄い奴。俺のような天才ドラマーでなけりゃ、陰キャ、酔っ払い、ツンデレどものリーダーは務まらん!」

 

「太郎くーん!」

「いいぞードカベン!」

 

 

「私はおきく。通称おきくさん。自慢のベーステクニックにファンはみんなイチコロさ。お酒を飲んで、作詞から作曲、ボーカルまで、なんでもこなしてみせるよ~!」

 

「おきくー!」

「飲んでもいいけど機材は壊すなー!」

 

 

「はい、おまちどうさま。つっきーよ。通称ヨ……ヨヨちゃん! ギターの腕は天下一品! 暴君? ツンデレ? だから何!?」

 

「つっきー! デレてくれー!」

「ヨヨちゃーん!」

 

 

「あっごっごごごごとりです……つっ通称ごとりちゃん……です。ギギっギターのてっ天才です……あっえっと……だっ大統領でもシバくぞ! あっでっでも青春だけはかかか勘弁してくださいっ」

 

「ひ……ごとりちゃーん!」

「うおおお! ごとり様ー!」

 

 最後のひとりの台詞が終わると、再び特徴的なイントロが流れ、観客から大きな歓声が上がる。

 

「俺たちは、ぼっちに厳しい世の中にあえて挑戦する。頼りになる神出鬼没、正体不明のBand of Bocchis! 出演依頼のある時は、いつでも言ってくれ!」

 

「いいぞー!」

「特攻野郎B(ぼっ)チーム!」

 

 

 

「……なにこれ?」

 

「あのバカ……」

 

 一部の観客の盛り上がりとは裏腹に、なんとなくあれだけの演奏技術を持つバンドは硬派なイメージを持っていた愛子が呆気にとられて星歌に疑問をぶつけると、『ライブを見れば全てわかる』なんてドヤっていた星歌は、自分が悪い訳でも無いのにばつが悪そうに小言を漏らした。

 

 先程の結束バンドの盛り上がりもあってか、観客の『ロックバンド』という物への抵抗心も和らいでいるようで、BoBを知らない人たちも興味を持って少し聴いてみようかという態勢に入っている。

 

「それじゃあ早速一曲目聴いてください。『Sky's the Limit』」

 

 

 

 だからこそだろう。自己紹介での弛緩した空気に加え、興味を持って真剣に向き合ったからこそ――観客の受けた衝撃は大きかった。

 

 

 

 

 

 伊地知虹夏はBoBの大ファンだ。特に好きなのはドラムヒーローこと山田太郎と、ギターヒーローこと後藤ひとりの二人だが、その演奏技術と楽曲の完成度の高さから廣井きくりや大槻ヨヨコの事も尊敬している。

 

 メロコアやジャパニーズパンクが好きな虹夏にとって、BoBの楽曲の中で今のところ最も好きな曲がこの『Sky's the Limit』だった。

 

 なにせこの曲のイントロは、虹夏のお気に入りの二人であるギターとドラムだけで構成されている。歌が始まるまでの四十五秒間、突風の様に駆け抜ける二人の演奏が楽しめるのだ。

 

 曲全体を見ても、吹き抜ける風のような爽やかさの中にも、どこか感傷的な物悲しさが混ざったメロディはまさにメロディック・ハードコアパンクといった物で、それが虹夏の心を掴んで離さなかった。

 

 手数の多さだけがドラムの上手さではない事は虹夏も重々承知しているが、それでもメロコア特有の疾走感に乗せて息つく間もなく奏でられる正確無比な太郎のドラムは虹夏の憧れであり目標だ。

 

 そしてなにより、虹夏はこの曲の歌詞が好きだった。『Sky's the Limit(限界は無い)』という曲名の通り、前へ前へと突き進み、上へ上へと目指していくその歌詞は、これから音楽という先の見えない道を歩んでいく自分に勇気を与えてくれるようだった。

 

 後藤ひとりが作詞を担当したと聞いた時は彼女らしからぬ歌詞に驚いたりもしたが、なるほど確かにそう言われれば、虹夏が尊敬し、目標とする人の姿が曲の向こうに見えて来るようだった。

 

 それほどまでに思い入れが強かったせいだろうか、それとも同じドラマーとしての経験か、或いは両方か。今日のライブの大勢の観客の中で、唯一虹夏だけが太郎の演奏の微妙な変化を敏感に感じ取っていた。

 

「……ねぇ。今日の太郎君の演奏、なんだかいつもと違くない?」

 

「そう? 私はいつも通りだと思うけど」

 

「私もいつも通りだと思いますけど」

 

「え~、なんで分かんないかなぁ……絶対違うよ。何が違うのかはよく分かんないけど……」

 

「……伊地知先輩ってBoBの事になると、途端に面倒くさい人になりますよね……」

 

 どうにも遠慮のない喜多郁代の言葉をわざと聞き流しながら、虹夏はステージへと視線を戻す。

 

(あたしみたいに、緊張や不安からって感じじゃないのはなんとなく分かる。そういう後ろ向きな感じじゃなくて、どっちかっていうと……もっとこう、攻めてる感じ?)

 

 疾走感あふれる『Sky's the Limit』が終了すると、とりあえず小難しい考えは脇に置いて虹夏は声を上げた。同じようにフロアの所々からステージ上の四人に声援が飛ぶ。

 

「きゃー! 太郎くーん!」

「ごとりちゃーん!」

「カッコイイぞおきくー!」

「つっきー!」

 

 いつも通りに盛り上がるBoBファンや、それに慣れた様子の結束バンドファンとは対称的に、他のバンド目当てでやって来た観客は終始困惑したように静かだった。だが、これは別によく分からないジャンルだから盛り上がれなかった訳では断じて無い。

 

 強いて言うならば『高校野球の地方予選を観に来たと思ったら、メジャーリーガーが混ざっていた』という感覚が近いかもしれない。

 

 今日のライブを観に来た人間のそのほとんどは観客として(・・・・・)も素人だ。当然演奏の良し悪しだってよく分かっていない。だがそれでも、BoBが今日の他のバンドやグループと一線を画する実力を有する事は理解出来た。

 

 そんな観客の困惑を肌で感じながら、ステージ上の大槻ヨヨコは覆面の下で一つ小さく息を吐いた。

 

 屍人のカーニバルのライブ中、出番を待つ楽屋で太郎が急に「俺達(BoB)も自己紹介をやりましょう!」なんて言って、スマホで見せて来た変な曲を突貫で覚えさせられ、おかしな台詞を考えさせられた時はどうなる事かとも思ったが、とりあえず無事に進んでいる事にヨヨコは安堵する。

 

 一曲目が終わり、ステージ上の三人は当然全員が太郎の僅かな異変に気付いている。特にヨヨコはその核心近くまで迫っていた。

 

 背中に太郎の存在を感じながら、ヨヨコは結束バンドのライブ終わりの太郎の呟きを思い出す。

 

(結束バンドのライブの最後に、あいつに何か心境の変化があったのは間違いない。けど……)

 

 心境の変化があった筈なのに、ここまでおくび(・・・)にも出さずにドラムとしてバンドの演奏を支え続ける太郎を、ヨヨコは強い奴だと、タフな奴だと思った。リーダーとしてバンドを背負う人間は、こういう精神的な強さを持った人間でなければならないのかもしれないと改めて自分を戒める。だが――同時に別の考えも頭をよぎる。

 

(あなたがドラムとして私達を支えるなら、それじゃああなたを支える(・・・・・・・)のは一体誰なのよ……)

 

「一曲目、『Sky's the Limit』でした。それじゃあ続いて二曲目」

 

 何でもない風を装って二曲目を宣言する太郎の声を聞きながら、相談や愚痴すらも零さずに自分一人で抱え込む太郎の態度に、ヨヨコの内側からなにか怒りにも似た感情が沸き起こって来る。

 

私達(・・)でしょうがッ! あなたが言ったのよ山田太郎! BoBは――ステージの上では一人じゃないって!)

 

「聴いてください。『Back to Back』」

 

 腹の底から響くようなきくりのベースの重低音に続いて、ヨヨコの感情を爆発させたようなギターの音色がライブハウスに響き渡った。

 

 

 

 二曲目の演奏が始まると、『Back to Back』好きを明言していた屍人のカーニバルのメンバーがワッと沸いた。ヘヴィメタルとデスメタルが近しい関係にあるせいか、屍人のカーニバルファンもその演奏レベルの高さに圧倒されながらも盛り上がりを見せている。

 

 だがむしろ困惑したのは一部のBoBファン、とりわけ大槻ヨヨコファンだった。

 

「なんか……今日の(おお)つ……つっきーすげぇな……」

 

「ああ……鬼気迫るっていうか……迫力が違うっつーか……」

 

 明らかにいつもと気合の入り方が違うヨヨコの迫力を前に戸惑っている。しかしそれ以上に困惑しているのがやはり他の観客だった。

 

 一曲目は演奏レベルの高さに度肝を抜かれて置いて行かれたが、なるほどパンクバンドかと納得して二曲目を待ち構えていた所に、全く別ジャンルのヘヴィメタルである。何が何だか分からない。

 

 それでも徐々に、よく分からないなりにも体でリズムをとる観客たちが増えて来ているのも確かだった。

 

 力強い曲調の二曲目が終わり、一曲目と同じようにBoBへ歓声が飛ぶ中、いよいよ三曲目が宣言される。

 

「……それじゃあ三曲目。『Tomorrow is another day』」

 

 メロコアパンクの疾走感、ヘヴィメタルの力強さ、もはや次は何が来ても驚かないと身構えた観客に襲い掛かったのは、電子ドラッグと称される難解さを持ったサイケデリック・ロックだった。

 

 パンクの様な忙しさや、ヘヴィメタルの様な荒々しさがない、The Beatlesを彷彿とさせるようなゆったりとしたオールドスタイルのサイケデリック・ロックである『Tomorrow is another day』は、臼井さん達のような比較的年齢の高い人間や、アイドルやそのファンが興味を示した。

 

 先程までの鬼気迫るような荒々しいギター演奏は鳴りを潜め、三曲目のボーカルを担当するヨヨコのゆったりとした、甘く(とろ)ける、電子ドラッグの様な美しい歌声に、多くの観客が聴き入っている。

 

 噂では、この曲の歌声から大槻ヨヨコのファンになったが、SIDEROSのライブには行かず、この歌を聴く為にBoBライブのみに来ている人間が存在する。なんて話も聞く程である。

 

 そんなヨヨコの歌声だけでなく、他の三人の演奏も先の二曲とはガラリと色を変えている。

 

 サイケデリック・ロックの本家であるきくりは言わずもがな、太郎とひとりも動画投稿者として様々な曲を演奏してきた経験からか、先程の演奏と同一人物とは思えないほどの、揺蕩(たゆた)うような柔らかな艶のある演奏へと変わっていて、それがまたヨヨコの歌声をより一層引き立てていた。

 

 地下アイドルをも魅了するような三曲目が終わると、観客から堪らず感嘆の溜息のような物が漏れた。

 

「『Tomorrow is another day』でした。さて……あっという間ですが、次が最後の曲になります」

 

 三曲目が終わるとマイクの位置を調整しながら、太郎が最後の曲の宣言する。多くの人間は次の曲への期待からか気にも留めなかったその仕草を、一部の目ざとい人間、とりわけ虹夏が盛大に食いついた。

 

「……ええー!? まっまさか……でっでも、そんなこと(・・・・・)本当に出来るの!?」

 

「どうしたんですか伊地知先輩?」

 

「どうしたもこうしたも無いよ! 喜多ちゃんなら分かるでしょ!? 太郎君がマイクの位置を直した(・・・・・・・・・・)んだよ!?」

 

「はぁ……えっと、つまりどういう事ですか?」

 

「郁代がマイクの位置を調整するのはどんな時?」

 

「なんですかリョウ先輩まで……そりゃこれから歌うぞって時……ってもしかして!?」

 

 いつの間にか、観客全員(・・)が期待に満ちた熱い視線をBoBへと向けていた。そんな視線を受け止めながら、太郎は最後の曲名を口にする。

 

「ラスト四曲目、新曲です。『Where I Belong』」

 

 もうこれ以上何が来ても驚かないと思っていた観客や、BoBをよく知っている筈の虹夏やBoBファンですら、新曲が始まって驚愕した。

 

 一つ目はラップ・ロックであったこと。日本ではミクスチャー・ロックと言われるそれに比べると、『Where I Belong』で太郎の担当するラップパートはよりヒップホップに寄った曲だ。

 

 二つ目はツインボーカルとドラムボーカル。様々な理由からドラムボーカルが出来る人間は極端に少ない。加えて高いドラム演奏と歌唱を実現するともなればなおの事。更に加えて男女でのツインボーカルもまた珍しい物だった。

 

 そしてなにより虹夏やBoBファンを驚かせたのが、今回後藤ひとりが担当したその歌詞の内容だった。

 

 BoBの楽曲は、後藤ひとりが作詞を担当した『Sky's the Limit』。廣井きくりの『Back to Back』。大槻ヨヨコの『Tomorrow is another day』など、いずれも暗い中にも前を向いて進もうとする比較的前向きな内容だ。

 

 後藤ひとりが全ての作詞を担当している結束バンドの曲も、陰キャな中にも明るい感じが見える曲が多い。だが今回、後藤ひとりは廣井きくりから歌詞を頼まれるに当たって、ある要望を伝えられていた。

 

 

 

『ねぇぼっちちゃん。今回の歌詞はさ、ぼっちちゃんの普段思ってる事をそのまま書いて欲しいんだよねぇ~』

 

『ふっ普段思ってる事……ですか?』

 

『そうそう~。暗すぎるかも~とか明るくしなきゃ~とか考えずにさ、ぼっちちゃんが普段感じてる悩みや不安や苦しみとか……そう言うのを書いて欲しいんだ。その思いはぼっちちゃんだけじゃ無くて、私や大槻ちゃんやファンの皆、それにきっと――太郎君も持っているものだと思うから』

 

『……えっ!? たっ太郎君も、ですか?』

 

『そりゃそうだよ~。だって私達はぼっち(・・・)ずなんだから、それは太郎君だって例外じゃないよ。それでさ、その歌詞を、太郎君に歌って貰おうよ!』

 

『私の普段思ってる事を歌詞にして……太郎君に……』

 

 

 

 だから、今回の『Where I Belong』ではぼっちにしか分からない、ぼっちだからこそ分かる感情、そしてなにより――後藤ひとりの内面が隠すことなくストレートに書かれている。

 

 一人でいる事の孤独、寂しさ、虚しさ、焦燥感。己を責める気持ちと……ごくごくわずかな、周りと違うという優越感。孤独という苦痛から逃れ、癒されたいと思い、自分の居場所を求めてさまよう悲痛な叫びが、ヨヨコと太郎のツインボーカルによって歌い上げられる。

 

(凄い……ボーカルをしてるのにテンポが全くブレない……それに歌詞も……今までのぼっちちゃんが作った物とはかなり雰囲気が違う……太郎君が今日の新曲は一味違うって言ってたのはこの事だったんだ……)

 

 結束バンドの曲としては決して提出しないであろう後藤ひとりの、ぼっちと言われる人間の心中を書いた歌詞を歌う二人の、そのあまりに真に迫った歌声に、自然と虹夏の肌があわ立つ。

 

 そんな中、曲が中盤を超えた辺りで突然太郎がドラムの押し出しを強めた。

 

 ライブ開始当初から様子がおかしかった太郎がここに来て暴走したのか、それともクライマックスへ向けての演出か。きくりとヨヨコは一瞬判断に迷った――しかしただ一人、後藤ひとりだけが、一片の躊躇も迷いもなく太郎のドラムに追随する。

 

 それはドラムのミスや暴走など何一つ疑っていないような、ともすれば妄信に近い反応速度だった。

 

 ひとりが追随した事で太郎の演奏がより強くなる。その太郎の演奏(ドラムヒーロー)に引っ張られるように、ひとりの演奏のクセ(・・)もまた、より強くなっていく。それはまるで、ひとりの演奏がギターヒーロー(本来の姿)へと近づいて行くようだった。

 

 廣井きくりは、ここに来てあわや曲が崩壊するかと思われるほど突出し始めた二人の演奏と状況に歓喜していた。

 

 SICKHACKのメンバーにも、演奏にも、ライブにも、ファンにも、何も不満はない。それでも少しだけ、本当にほんのわずかだが、過ごす日々が、毎回のライブが、反復作業(ルーティンワーク)の様な物になっていたと感じる事も確かだった。

 

 つまらない人生が嫌でロックな道を選んだ。だからこそ――もう完成間近だと思っていたBoBの演奏が、太郎(ドラムヒーロー)ひとり(ギターヒーロー)の演奏が、実は底を見せておらず、今まさに天井知らずな程に伸びていく事実に、きくりの心は奮い立った。

 

(太郎君もぼっちちゃんも、まだこんな物を隠してたなんて……おもしろい!)

 

 廣井きくりはこの瞬間、酒の事も、ライブでの緊張も、将来への不安も、何もかもを忘れて――いや、そんな事(・・・・)に構っていられない程ただひたすらに、本来の演奏に近づきつつある二人の音に深く深く潜って行く。

 

 廣井きくりが二人を落ち着けて演奏を元に戻すのでは無く、むしろ自らのベースをも突出させる事で曲のクオリティを向上させながら均衡を保つ荒業をやってのけると、大槻ヨヨコは決断を迫られる事になった。

 

 すなわち、このまま自分は危険を冒さずに今の状態を維持するか、危険を冒して自らも前に打って出るかである。

 

 元々BoBの演奏は全員が同じ方向へ向かって動いているようなモノでは無く、四人それぞれが全く別の方向へ、全く同じだけの力で引き合う事によって、その中心に莫大なエネルギーが発生しているようなバンドである。これはBoB設立当初の思想である『徹底的に個を磨いていく』『我を出す』という物から自然と出来上がったものだった。

 

 青天井に上がっていく三人の演奏に、ヨヨコは今、かろうじて食らいついている。だがそれも限界が近かった。だが、三人がこのままヨヨコの限界を超えてなお突き進み、曲を崩壊させるような真似だけは決してしない事は、ヨヨコ自身が確信している。

 

 つまり、あとはヨヨコの力次第なのだ。今この時に限っては、ヨヨコの引き出せる力の強さが、そのままBoBというバンドの大きさ(・・・)を決定するのである。

 

 事前に打ち合わせの無いぶっつけ本番でこの演奏。ここまで出来れば上出来だ。次のライブは今日よりもっと上手くできる。いま危険を冒す必要は無い。ヨヨコの頭の中に次々と無難な選択肢が鎌首をもたげて来る。

 

 だが――もし今、ヨヨコが曲が崩壊する危険を冒したとしても一歩踏み出し、あの三人の演奏について行くのと同じだけの力を引き出すことができたのなら……

 

 ヨヨコは自分が後藤ひとりと遜色ない演奏が出来ると思っている。それは過信では無く事実だ。しかし、後藤ひとりにあって自分には無い物、そう言うものが間違いなく存在するという確信めいたものもあった。

 

 一流と、超一流の、その紙一重ともいえる僅かな差。

 

 刹那の逡巡。しかし、ヨヨコに迷いは無かった。不安も無かった。頭に浮かんだのは、腹が立つほどドラムが上手く、憎らしいほど頼りになる男の言葉。

 

『俺は自分が別の大きなモンに支えられてるって思ってるんです』

 

(恐れるな!)

 

 いま出来る演奏の、更に一歩先へ。

 

 力強く愛用のギターを掻き鳴らした瞬間――ぶわりとヨヨコの体中に鳥肌が立ち、全ての観客が息を飲んだ音がハッキリと聞こえた気がした。

 

 自分の演奏したギターの音色が、初めて聴く音の様な不思議な感覚。まるで四人で一つの体を淀みなく動かしているような演奏の一体感。

 

 一歩踏み出したヨヨコのギターは、三人の音と混ざり合い、大きなうねり(・・・)になって会場全体を駆け巡る。そのうねり(・・・)はヨヨコの背中を力強く後押しして、ヨヨコの演奏を更なる高みへと押し上げるようだった。

 

(ああ、もう! どうして最後の最後に、こんな演奏をさせる(・・・)のよ! もう、曲が終わる……こんな最後に……もう少し、あと少しだけ……この演奏を……この四人で……)

 

 今までに無い高揚感と幸福感に後ろ髪を引かれるような、そんなヨヨコの想いを残したまま、『Where I Belong』は終わりを迎える。

 

 結束バンドの新曲が終わった時とは対称的に、BoBの新曲が終わった時に大きな歓声は無く、ステージ上の四人の荒い呼吸と、ただひたすらの静寂が場を支配していた。

 

「新曲の『Where I Belong』でした。これで全曲終了です! 今日はありがとうございました!」

 

 太郎が終了を宣言した事で、ようやくライブが終わった事を思い出した観客達は、数瞬の沈黙の後、雄たけびにも似た歓声を上げた。

 

「うおおお! すっげぇええ!」

「うわあ……俺鳥肌立ったわ」

「最後らへんの演奏ヤバくなかった!?」

「おぎゃああああ!!?!」

 

「す、凄い凄い凄い……! 凄かったね! ってどうしたの喜多ちゃん!?」

 

「……え?」

 

 興奮冷めやらぬ状態の虹夏は小さく飛び跳ねながら、いま最も感情を共有できそうな郁代へ振り向いた。すると、地鳴りのような歓声に手を振って答えるステージ上の四人を見つめながら、気が付けばいつの間にか喜多郁代の目から涙が零れていた。

 

「あ、あれ? ご、ごめんなさい……違うんです。どこか調子が悪いとか、そういうのじゃ無くて……」

 

「大丈夫、私も感動した。太郎達の演奏凄かったから」

 

 涙を拭いながら、リョウの言葉に一度頷いた郁代は、再びステージに視線を向ける。

 

 演奏も確かに凄かったが、それ以上に郁代の心を打ったのは太郎とヨヨコ、二人の歌声だった。特に太郎は、人を惹きつけるのは歌唱力だけでは無い事を実演して見せたのだ。

 

 今の郁代が『Where I Belong』を歌っても、きっとあの二人の様には歌えないだろう。それはやはり、あの歌詞に真に共感する事が出来ないからだ。

 

 だが歌詞と同じ体験をする事だけが、歌詞の力を引き出す唯一の道でない事は、後藤家に泊まったあの日の夜に郁代が掴んだ確かな事だ。

 

(私がひとりちゃんの歌詞の力を100%引き出せる時が来たら、その時がきっと……)

 

 未だ何者にも成れない自分が、特別な何者かに成る時かも知れないと、ステージを見つめながら郁代は思った。

 

 

 

「おぎゃああああ!!?!」

 

「うるせぇな……」

 

 佐藤愛子はBoBの演奏が終わると叫び声を上げながらその場にへたり込んだ。

 

 ここまで聴けば、もう絶対に間違える筈が無い。特に最後の演奏を聴いてなお分からなかったというのなら、それはもう音楽ライターとしての筆を折り、自分の耳をちぎって捨てるしかないと思ってしまう程決定的だった。

 

 新宿(いち)、いや日本で五指に入るとも噂されるインディーズバンドSICKHACKのリーダーである廣井きくり。U-20(20歳以下)ナンバーワンとの呼び声も高いSIDEROSリーダー大槻ヨヨコ。この二人だけでもお釣りが来そうなのに、それに加えてあの(・・)ギターヒーローとドラムヒーローだ。

 

(何でこんな場所でライブなんてやってるのか分からないけど、これは邦ロック界……いや、世界のロック界に激震が走るわ!)

 

 お子様ランチや欲張りセットやハッ〇ーセットなんて言葉では到底言い表せない豪華メンバーの集結に大興奮の愛子は、恥も外聞もプライドもかなぐり捨てて星歌の足にしがみ付いた。

 

「うわ! 何すんだおまえ!?」

 

「BoBの拠点ってSTARRY(あんたの店)でしょ!? お願い~!! あたしにBoBのメンバーを紹介して~!!!!」

 

「やめろ! 離れろ!」

 

「ヤダー!! 紹介するって言うまで絶対に離れないから!!」

 

 

 

 こうして、結成して初めて、全くの外部の人間に招かれたBoBのライブは終わりを迎えた。

 

 興奮冷めやらぬライブハウスで様々な感想が飛び交う中、今日初めてBoBのライブを観た多くの観客は『まるでジェットコースターの様なライブだった』とSNSで語る事になる。




 今回の話は、BoB、ひいては主人公や後藤ひとりはまだ未完成である、という事を書きたかったんです。正直既に完成しているともうやる事無いのと、ギターヒーローの実力考察系の話を見てるとまだまだ未知数だと思ったので。ただちょっと作者が当初想定してたよりも凄い人なんじゃないかと思い始めて正直ブルってます。

 陰キャな中にも明るい歌詞を書く事で有名なひとりちゃんですが、多分表に出さないだけでドロドロと鬱屈した感情ってあると思うんです。そういう結束バンドの曲には出来ないような暗い気持ちを共有できるバンド(BoB)を作中でせっかく作ったんだから、コンプレックスバリバリの歌詞を書いて貰って、実は作中最もぼっちである主人公(同性の友人がおらず、バンドメンバーは全員ヘルプ。バンドが第二の家族だというのなら、主人公だけ家族がいない)に歌わせるってのは前から考えてました。

 演奏の実力関係では、ちょっとヨヨコ先輩が割を食ってる自覚はあります。ただ上にも書いた通り、ギターヒーローの底が全く見えない事と、ヨヨコ先輩はオールラウンダーとして超一流なのに加えて、求道者としての姿がなんか凄く合ってると作者は思ってます。いや、周りが凄すぎるだけで、ヨヨコ先輩の演奏も十二分に凄いんですけどね……
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