魔法少女連盟活動記録   作:眠鼠

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活動記録-エコ-

 図書館でのんびりしていると、新米の魔法少女が私の元に駆けつけてきた。

 

 私の出番。あまりにも珍しい、あってはならない事態。

 

 その時が来たようだ。

 

 外で何が起きたの?って聞いたら、どうやら人都の一人間が、人の道を外れたらしい。部長達が対応してるけど、私が出る必要があるそうだった。人外化は、人都の中では禁忌だ。例外はあるけど、基本世界を滅ぼせる程の力を持つ。今回もその例だ。欲望に飲まれた人間はいつもこうなる。とりあえず、私は出撃させられる様だった。

 

 私は地上直通の発射台で、都の空高くへと射出される。と、同時に状況把握。死者零人、よかった。まぁ、見る感じ確かに部長達だときついかな。あのサイズが都にいる状態もこれ以上は都が保たない。しかも、力を吸収して、大きくなるタイプっぽいし。少なからず、これ以上の巨大化は都が危険だった。

 

『私の所に撃ち上げろ!』

 

 私は叫ぶ。戦ってた部長達が、その声を聞いた瞬間、勝ちを確信したかの様な声で

 

「「「了解!」」」

 

 って言ったのが聞こえた、と、同時に外れた者が打ち上げられる。

 

『後は任せて!』

 

 と笑顔で告げて、私と外れた者を、空中に錬成した、防壁の中に閉じ込めた。

 

【何のつもりダ?愚かな魔法少女も居たもんだナ、複数人ならともかク、単独でこの私に叶うとでモ?】

 

 と、外れた者は問いた。その容姿は人間ながらも、その瞳は黒くどこまでも深いが口が無く、代わりに胴体から下は巨大な肉塊で、その中央に、巨大な大口があった。手は何本も生えていて、その手全てに魔導書が握られていた。

 まぁだからなんだって話だけど。ちょっと挑発する。

 

『デカいだけの魔導書オタクがそんなイキんないでよ。魔導書からして、何十個も魔術が使える癖に魔法少女一人たりとも殺せなかったのにさぁ!』

【その愚かサ、後悔するガイイ!】

 

 挑発に乗った外れた者はそう言って魔導書をかざし、呪文を放つ。禍々しい紫色の炎。それは私の胴体目掛け一直線に飛び、直撃する。

 

 が、それは傷一つ付けることはなかった。

 

【ナンダ?直撃したハズだガ……一種の魔法カ…】

『何だ。やっぱり弱いじゃん。』

 

 私はちょっと笑ってから告げる。警戒している外れた者に手を振りかざし、詠唱省略。

『叩っ斬れ』

 箱の上空から鋼の剣が飛来し、魔導書をかざした腕を切り落とす。

 

【…ッ!?】

『魔術の真髄を理解してないね、こう使うんだ。』

【アハハハ!!!痛イ痛イ!だガ貰っタ!奪っタ!!!】

 

 外れた者は笑うと、新たな腕が生え、一つの魔導書が追加される。

【斬リサケ!】

 

 もう一度、今度は私に鋼の剣が飛来する。私の腕は切れ、その場に落ちる。

 

【アハハ!やはリ人は脆イ!私に楯突こうなんテ愚かな事ダ!】

 私は自分の落ちた腕を拾いながら聞く。

『なるほどね、魔術の複製か。』

【アァそうサ!私の外れた力は複製!!自分が見るカ私に向けて放っタ、力、魔術を全て記録シ、模倣すル!この力があれバ私は無敵なんダ!!!この世界ヲ支配できル!】

 ため息をついた。私がだ。残念だった。本気で戦えると思ったのに。

『そりゃあ、私が出てくるのが一番楽だけどさぁ…最終兵器を何だと思ってるんだ…』

【…?何の話ダ?】

『はぁ…何の話って』

 

 私は自分の腕を風に乗せて射出し、外れた者はそれを片手ではたき落とす。

『私の勝ちって話だよ!』

【これでカ?愚か極まりないナ!】

 

 外れた者は風の魔術を受け、新たな魔術書を取り出

 

 …せなかった。

【…何ダ!?魔導書が使えなイ!?こんな事ガある訳ガ!?】

『人外の能力も、エラーを吐く事は結構あるんだよね。例えば…容量不足?』

【どういうことダ…!?答えロ!!!】

『私の魔術は特別製ってこと。外れたばっかの奴がコピーできる代物じゃないんだよ。』

【おのれよくモ!ならば残った力で貴様ヲ…!】

 が、魔術は放たれない。

『残念、コピーに使ったマナでバッテリー切れ。魔力管理の意識が甘かったね』

【貴様ッ…】

『外れた者にも限界はあるんだよ。普通はね。』

 

 …ネタバラシをしておこう。

 

 エコ……詠唱構築体のイニシャルだが、それが私の名前。人間ではないし、人外でも無い。ただ「魔法少女連盟の図書館にある魔導書の内容を全部詠唱抜きで発動できる」何故か自我のある魔法。まぁ詠唱構築体である事で魔力無尽蔵だし、組み合わせで新しい魔術も作ってるけど。実質無限の魔術である「私」は身体の一部だとしても完全模倣できる代物じゃないって訳で。

 

 この事件は幕を閉じた。外れた対象は、人間には戻れない。討伐対象だ。

 この後何が起きたのかはあんまり言いたくない。

 

 私はいつも通り、魔導防壁に囲まれた図書館で一人紅茶を飲んでいる。

『はぁ…いつ本気が出せるのかなぁ…』

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