魔法少女連盟活動記録 作:眠鼠
今、私の身体はいつもの図書館で、いつものように紅茶を飲んでいた。じゃあ今、私の目の前に広がる世界は。
白い水平線しか無い世界はなんだ?
冷静になれ…自分以外の生命の反応が無いということは、ここは少なからず私のいる世界じゃない。魔力も検知できない。そんな世界、存在するのだろうか。いや、私の知識でもこれは経験したことが無い。知らない世界。そんなの存在するわけが……
「夢…?」
「せいかーい。」
背後から声が聞こえたので振り返る。そこには、白いローブを着た、金髪の少女。そして、その裏に、『悍ましいなにか』があった。
私は夢を見ない。人間じゃ無いから。睡眠をしないから。
「だから、干渉したのさ。あんたに。」
…?あれ?なんか言ったっけ?
「言ってないね。ここは夢の世界。獏の私にとって、なんでもできる場だ。」
獏…妖怪の一種で、夢を司るんだったっけ?
…夢を司る?
気を引き締めろ。私。今対峙してるこの少女は。
獏は。
『世界を滅ぼせる力を持っている』
「すごいね。精神への干渉ができなくなった。」
「どうも、生憎私は全知全能だからね!」
獏は本当に驚いた顔をして発言を続ける。
「あんたは特異だ。生命じゃ無いのに心がある。それで持って、夢が無いから干渉できないんだ。存在してるのに、存在していないみたいな感覚だったよ。」
「それは私もかなぁ。貴女、獏の存在は皆が言っていたから私も知ってたんだ。けれど、私も現に実体を持たない貴女に触れることすらできなかったんだよねぇ…」
「そう思っていてくれて助かった。私は、お互いの同意があれば、心の中に直接入り込むことができる。だからあんたとこうして会う場を作ることができた。安心してくれ、現実の時間は一秒すら進んでいない」
成程。お互いの総意があれば干渉不可の私たちが触れ合えるのか。じゃあ、一番の疑問を聞いてみようかな。
「なんでこうして私のところに来たの?」
「んあ、別に何がある訳じゃ無いんだ。単純に会いたかった。あと、一応弁明しておくが、さっきあんたが考えてた、『世界を滅ぼせる力』だが、確かに持ってる。けど、私はそっちじゃない。」
そして一息置いて、目を逸らしながら。自身がなさそうに。
「この世界の均衡を守りたいんだ。」
「…えぇ?貴女が?なんで?」
「簡単な話だ」
「夢を見るのが好きなのさ。」
そう彼女は、逸らしてた目をこっちに向け、笑う。きっと、本心だろう。
「なら、しょうがないかぁ。」
この子は、私とは違う。けど、どこか同じような気がした。
そんな感じで、最強な私は、最強の友達を手にいれるのだった。ちゃんちゃん。