シャロン准将は金でしか動かない――インサイダーは生中継で踊る 作:むーんしゃいん
≪
「どうした!いますぐ撃たないか!」
イライラとした様子でバイル大将はワイングラスを傾ける。
その原因は、ワインセラーの故障でワインの味が台無しになってしまったせいだ。
銀河の食通を称する大将だけあって、各地のラーメン屋とかを食べ歩きしている。
「今撃てば小型艇に影響が出ます」
そんな食道楽を週刊誌に小見出しにもならないけど。まあ、新米記者の初めてのネタだし載せとくか。という理由で載せられた。
そのとき、昔はうる若き奥さんに。「あんた仕事さぼって何してるのよ!」と。こっぴどく小突かれていた。この事から、今回のクーデターを思いついた。
莫大な慰謝料も離婚もせずに別居生活ができる。最高の対処法だ。
時に夫婦喧嘩は開戦理由よりも複雑怪奇になる。
「フッフッフ…。では、
そして、いま、たかだか、ラーメン
小型惑星をも粉砕するオーバーキル兵器・
「そう…。いつでも、やれるよう。そう、恐怖を味合わせてな…」
部下が、お釣りをごまかして適当にスーパーで買ってきた。
安いワインを
≪同宙域
「
たぶん。パイル中将は大学を卒業しても、円の角度を365度とか言っちゃうだろうな。
『こちら
内火艇が引っ込んだたら撃つ気満々かよ。
「こちら、艦橋。あの
シャロン准将はバリアの指示を撤回。エンジンに回せ。と指示をする。
あんなの、副長のたとえいわく。
マグロの輪切りを回して、防御してたらティラノサウルスが突っ込んできたでござる状態だ。
どうする。反撃するか。いや。しかし…。シャロン艦長はすぐに考えをまとめる。
「シャロン艦長!反撃を!」
副長がシャロン艦長に詰め寄る。
「…考える。まだ待て」
あの艦にはEDFクルーが400名は乗っている。こちらも150名のクルーを死なすわけにはいかない。
「むざむざと犬死するのですか!」
どちらが勝利しても、ただでは済まない。いや、この戦いに、そもそも勝利はない。
EDF隊員は全員、遺書と遺言書を提出済みである。
「機動艦隊の援軍は間に合わない!攻撃を」
その言葉に、シャロンは決断を下す。
「こちら艦長。
『
さあ、私は決断を下した。お前はどうする。副長?シャロン准将が悪魔の微笑で見つめる。
シャロン准将と副長のお互いの視線が交差する。
副長は、黙った。シャロン准将は、副長の額に汗がにじむ。
「で…どうする?」
「私は貴方の部下です。それに従うまで…」
「そんなことは聞いていない」
シャロン准将は、艦長席の赤い受話器を手にした。
「これは。貴方のね。副長」
受話器を副長に忍ばすようにゆっくりと。しかし、その緊張で汗ばむ手にしっかりと握らせた。
「…貴方は」
ク…ッ。ついに私までシャロン准将にのまれた。と。口に広がるほろ苦い感覚をかみしめながら。副長は緊急連絡をつないだ。