「なんでやぁ~!!!」
ドゴーン!
盗賊団の頭がそんな大声を出して吹き飛んでいった。
「いや、なんでやって悪さしてるからだよ」
ぼくはそう呟いて、盗賊団のアジトの中に入ってお宝を物色する。
(これで盗賊団を壊滅させるのは15回目か)
この世界【ホロライブワールド】にも他のRPGのように盗賊団が存在して、たまにプレイヤーも襲われる。
なので、ぼくが率先してこうやって盗賊団を壊滅させている。
ピコン
お宝をいくつかゲットしている時に機械音が鳴った。
「ん?」
『称号を習得しました』
「へ?」
(確かにある条件を満たすと称号がもらえるって聞いた事あるけど?)
ぼくはステータス画面を開き、称号欄を開く。
(ほんとだ)
ぼくの称号に【盗賊キラー】ってのがある。
(これを付けるとどうなるんだ?)
効果は盗賊に対して特効効果が付く。
(なるほどね。
ま、他に称号ないし付けとこう)
ぼくは称号を【盗賊キラー】にした。
(なんか、某有名なドラまたみたいになってるけどいいか)
そうして、ぼくはいくつか戦利品を回収して町に戻った。
まさか、この称号が後々大変な事になるとはその時は思ってもみなかった。
「ふぁ~」
宿屋にログインしてぼくは目を覚ます。
(ま、リアルでは目を覚ましてるけど一応、ゲーム内ではそういう事だからね。
って誰に言い訳してるんだぼくは?)
身支度を整えて宿屋を出る。
「さて、ギルドに報告に行きますか」
ぼくは昨日盗賊団を壊滅させた事をギルドに報告しに行く。
特にクエストとして盗賊団壊滅はないんだけど、ギルドに報告するといくらかの賞金がもらえる。
(さて、こんばんは何を食べようかな)
ぼくがそんな事を考えながら歩いていると。
「もし、そこのお嬢さん?」
「ん?ぼく?」
道端の占い師がぼくに声をかけてきた。
「そうそう、ちょっと気になって声をかけさせてもらったんだけど、少し時間あるかな?」
(ん~今日はギルドに行くだけだったし)
「うん、大丈夫だよ」
「じゃ、座って座って」
ぼくは占い師の前にある椅子に座る。
(なんか怪しいのは分かるけど何言われるのかも気になる)
「さて、単刀直入に言うとお嬢さんはこれから命を狙われるよ」
「はい?」
突然そう占い師に言われる。
「えっとそれってどういう?」
「ん~
俺からはそうとしか言いようがない。
対処法とか、襲ってくる相手も分からん。
ま、気を付けな」
「は、はぁ」
ぼくはそれだけ言われて占い師と別れた。
ま、いくらかの代金は置いていった。
(しかし、誰に狙われるんだろう?
って、心当たりありまくりだった。
盗賊団を壊滅させまくってるぼくだし、狙われるなら盗賊団だよねぇ)
その後、ぼくはギルドに盗賊団壊滅の報告をしてギルドを後にする。
(ギルドに占い師から聞いた事を伝えてもよかったんだけど、まだ本当かどうか分からないからなぁ。
しかし、壊滅させたはずの盗賊団から狙われるんだったら返り討ちできるんだけど、もし誰かに頼んでたりしてたら…)
ピコン
また、機械音。
『イベント【見えない刺客】が始まりました』
「え?イベント?
それも見えない刺客って」
ぼくは機械音声にびっくりして辺りを見渡す。
少し人は増えてきたけど、まだ大通りには人は少ない。
(このまま、ここで狙われたらヤバイかも)
ぼくは急いで来た道を戻る。
あそこなら大丈夫のはず。
バン!
勢いよくぼくはドアを開ける。
「あれ?
何か忘れ物ですか?」
ギルドの受付孃が聞いてくる。
「それが…」
ぼくはイベント欄を見せながら狙われている事を伝えた。
「なるほど、盗賊団ですね」
受付孃は画面を見て頷く。
「2つ程確認させてもらっていいですか?」
「あ、はい」
受付孃に聞かれて返事をする。
「1つ目なのですが、もしかして称号【盗賊キラー】をお持ちですか?」
「あ、持ってます」
「やっぱり。
あと、もしかしてその称号付けちゃいましたか?」
「あ、付けてます。
もしかして付けたらヤバイものだったんですか?」
「いえ、ヤバイ訳ではないのですが…
そうですか、分かりました。
こちらにどうぞ」
ぼくは受付孃に案内されてギルド奧の部屋に通された。
「少しここでお待ちください」
そう言って受付孃は部屋から出ていった。
(こんな部屋があるんだ、初めて知った)
トントン
ほどなくしてドアがノックされる。
「は、はい」
(緊張して声が…)
「失礼します」
そう言って入ってきたのはGM?
「初めまして、GMのリィスと言います。
今回の件について担当になりましたのでよろしくお願いします」
「あ、はい」
(それにしてもおっきい)
ふと自分のものを見た。
完全に負けてる。
「えっと?
どうされました?」
そんなぼくを見て不思議そうに聞いてくるリィスさん。
「い、いえ、何でもないです」
リィスさんに言われてソファに座る。
リィスさんもぼくの前に座る。
「さて、今回の件なのですが、結論から言いますとこのイベントをこちらから強制的に終わらせる方法はありません」
「は、はぁ」
「実を言うと、このイベントは盗賊団を壊滅させる回数が多い方への警告という形のイベントとなります」
「え?警告?」
「はい、ここからはシステム面のお話しになりますので、ご容赦ください。
この【ホロライブワールド】には盗賊団が関係するイベントもいくつかありまして、一度盗賊団を壊滅させると、何日かは復活しない仕様になっています。
ですので、あまり盗賊団を壊滅させすぎると、ゲームが成り立たなくなってしまうので、その警告としてこのイベントが発生します。
ま、このイベントがトリガーになってるイベントもあるみたいですが…
ですので、このイベントはご自身で乗り越えていただく事になります」
「は、はい」
「と言われても相手も分からず対処するのは大変でしょうから、ヒントだけ。
貴女を襲ってくる相手は沙花叉クロエさんになります」
「え?」
部屋からGMの人が出ていき、ぼくは1人部屋に残された。
(はぁ、まさか襲ってくるのがホロメンの掃除屋と言われてるクロエちゃんかぁ)
頭を抱える。
(確実にリスポーンじゃん。
それにGMの人が言ってた。
クロエちゃんに狙われる回数は壊滅させた盗賊団と同じ回数って。
それって15回リスポーン?
どうすればいいの~
怖くてこの部屋から出られない。
どうにかしてこの最悪を回避しないと。
でも、何をしたらいいんだろう?
GMの人が言ってた事でヒントと言えば、相手がクロエちゃんって事だけ。
クロエちゃん、クロエちゃんか。
そこに何か助かる方法があるの?)
ぼくはサイトを開く。
このイベントの攻略が載ってないか調べてみるけど、どこにも載っていない。
(はぁ、アイテムロストが15回。
コインを買っても破産するし、何かない~?)
そんなぼくはあるサイトでクロエちゃんの事を調べた。
そこにもしかしたらこの最悪を抜け出す方法になるかもしれない情報を見つける。
ぼくはもうその方法しか思い付かなかった。
結論から言うと、ぼくは3回のリスポーンで助かった。
本当にイベント名の通り、クロエちゃんの姿は全く見えなかった。
ただ、声だけは聞こえた。
といっても、リスポーンされる直前に「1回目」「2回目」と数える声だけど。
リスポーンされるのも1日1回。
なので、対処法はいくつかあるけど、あの声を15回も聞いてたら参ってしまう。
今回、ぼくがとった方法はシオンちゃんに頼むだった。
それはもう死に物狂いで情報を集めて、シオンちゃんの居場所を探した。
そして、【学園】の卒業クエストで会えるという情報を聞いて、ぼくは何とか【学園】に入学。
シオンちゃんに会う事ができた。
事情を話して、これからむやみやたらに盗賊団を壊滅させないと約束をして、シオンちゃんにクロエちゃんを止めてもらった。
「はぁ~
もうやたらに盗賊団を壊滅させないでおこう」
ぼくはそう独り言を呟きながら森の中を歩く。
「おい、そこに行くお嬢ちゃん。
有り金おいていきな」
勢いよく現れるむさ苦しい男達。
盗賊だ。
むやみやたらに壊滅させない。
そう約束したけど、これはいいよね?
向こうから喧嘩売ってきたんだもん。
「それってぼくの事?」
「当たり前だろ、他に誰がいる」
「へへへ、可愛い嬢ちゃんじゃねぇか。
たっぷり可愛がってやるよ」
「正当防衛って事でいいよね?」
「は、何言って」
ぼくは目の前の盗賊達に、鬱憤を晴らすべく魔法を唱える。
(本当にこれは正当防衛ですから~)
心の中でそう言いながらぼくは「吹き飛べ、ゲスやろう!」と叫び魔法を放った。
今回のクエストは沙花叉クロエちゃんのイベントとなります。
ま、きちんとクロエちゃんに会えるイベントではないんですけどね。
あと、このイベントは前回紹介したイベントのトリガーの1つにもなっていますので、挑戦される方は挑戦してみてください。
ただし、挑戦する前にどうやってリスポーンを回避するか準備してから挑むようにしてくださいね。
方法はいくつかあるようですので、そこは自力で探すということで。
では、また新しい情報が入りましたら更新します。