【バーチャル】の始まりの場所、高台の噴水前にあるベンチに座る大空スバルに声をかける。
イベント『アビッグルを捕獲せよ』をクリアし、レアアイテム【呪いの尾羽】をゲットする。
イベント『シオンのお使い』中で訪れる呪術屋で、高額アイテム【呪いと藁人形】を購入する。
これでやっとスバルちゃんの願いを叶えてあげる事ができる。
俺はアイテムボックスの中を確認する。
中には【呪いの尾羽】と【呪いと藁人形】が入っている。
俺はアイテムを確認した後、約束の場所へと向かった。
ことの発端は、俺がぶらっと立ち寄った【バーチャル】の始まりの町。
そこにはあまり人がこない穴場の高台があった。
噴水とベンチが1つだけある狭い場所だが、俺はそこから見る夕焼けが好きで、何か嫌な事があるとそこによく出掛けた。
その日も俺は1人、その高台に向かっていた。
理由はリアルの仕事でトラブり、少し気分が落ちていたからだ。
高台を上がると誰かがベンチに座っているのが見えた。
ま、夕焼けの時間で夕陽のせいで、それが誰かが分からなかったので、俺は気にせずいつものように夕陽を眺めた。
夕陽が沈み、心も少し穏やかになった俺は、さっきベンチで座っていた人が気になりベンチを見た。
そこにはなんとスバルちゃんが何かを考えるように座っていた。
(え?なんで?スバルちゃんが?
ドッキリか!)
俺は思わず回りを見渡すが、ドッキリではないらしい。(後で冷静に考えるとホロメンを使ったドッキリなんてある筈がない)
俺はゆっくりとスバルちゃんに近づく。
そして、声をかけてみた。
「こ、こんにちぃ」
(噛んだ)
「ん?」
顔を上げてこちらを見るスバルちゃん。
相変わらずのボーイッシュで元気ハツラツな顔だけど、どこか元気がないような?
噛んだのが恥ずかしいが、俺はそれをなかったようにベンチに座る。
「きみは?
確か何回かイベントで会った事あるよね?」
そう言われて俺は小躍りしそうになった。
きちんと覚えてくれてるんだ。
「あ、はい。
何か落ち込んでいたみたいだったので、声をかけさせてもらいました」
「え、あぁ、そう見えちゃった?
そんな大事じゃないんだけどね」
そう言ってスバルちゃんは顔を上げて暗くなってきた空を見上げる。
「よかったら、聞きますよ」
いちプレイヤーの自分がこんな事言うのもおこがましいが、推しが悩んでいるのを見過ごせない。
「そうだね、誰かに愚痴るのも良いかもね」
そう言ってスバルちゃんは淡々と話し始めた。
「この前さ、ちょこ先が【学園】の屋上から空に飛んでお昼ごはんを食べてたんだ」
(ちょこ先生そんな事してるんですか?)
「それを見てさ、スバルも空を飛びたいなって思ったわけ」
「え?でも、スバルちゃんは確か飛べますよね?」
「ん?
ああ、【スーパースバルアーマー】の事言ってる?」
「はい」
公式サイトにも載っているスバルちゃん専用の全身アーマー
確かジェット噴射が出来るから空も飛べるはず。
「確かにそれを着れば飛べるけど、それじゃなくて自分の力で飛んでみたい。
道具に頼らず、自分の身一つで」
スバルちゃんは憧れにも似た眼差しで空を見ていた。
「初期の頃、一度アヒルにされた事があってね。
もしその時、自我があれば空を飛べたかもしれないなって今でも思うんだ」
最後にそうスバルちゃんはポツリと呟いた。
「ありがとうね、変な話聞いてもらって。
少しは元気でたよ」
そう言ってスバルちゃんは町の方へ手を振りながら戻って行った。
俺も手を振りその姿を見送った。
「空を自力で飛びたいか」
俺も空を見る。
昔、子どもの頃そんな事を考えた事があったな。
「よし!」
俺はある決意をして【学園】へと向かった。
ここは【学園】の図書室。
確かここに歴史書みたいなのがあるはず。
俺は司書さんに聞いてみる。
「歴史書ですか?
はい、ありますよ」
司書さんは図書室のマップを広げて場所を教えてくれた。
「ありがとうございます」
俺は司書さんにお礼を言って教えてもらった場所に向かう。
(しかし、ここの司書さんって綺麗だよな。
赤いショートカットの髪に、ビシッとした服装。
それになんかNPCっぽくないんだよなぁ)
「さて、初期の話はと」
俺はいくつかの歴史書を見ながら、目的の物を探す。
「あった」
一冊の本。
【ホロライブ・オルタナティブver.IF】と題名に書かれた本を手に取った。
これが本当にあった話なのか、ゲームを盛り上げるために作られた本なのかは分からないけど、スバルちゃんは初期の頃アヒルに変えられたって言っていた。
だから、ここに何かヒントがあるかも。
俺はざっと本を読んでみる。
「これか」
確かにスバルちゃんアヒルになってるわ。
そして、この事についてちょこ先生が出てきてる。
俺は本を本棚に戻し、保健室に向かった。
案外並んでるな。
保健室の前には数人、プレイヤーが並んでいた。
(ま、すぐに順番は来るんだけど。)
保健室に入るとそこはイベントなので、対応してくれるちょこ先生は基本イベント体だ。
イベント体と言っても本体と意思は繋がってるから変な事出来ない。
トントン。
保健室をノックする「はい、どうぞ」と中から声がした。
「失礼します」
俺はそう言って保健室の中に入る。
ちなみにノックも返事も待たずに入るとそこは無人の保健室となる。
「いらっしゃい」
中には微笑むちょこ先生。
「今日はどうしたの?」
俺はちょこ先生の前の椅子に座る。
そして、詳しい理由は言わないが、初期の頃にスバルちゃんがアヒルになった事について聞いてみた。
「ああ、あの時ね。
よく調べたわね。
あれは何かの呪いにかかってたみたい」
「呪いですか?」
「そう、呪い」
(呪いか)
「もし、呪いに興味があるなら詳しい人、紹介してあげるわよ」
ちょこ先生に言われて俺は頷く。
(たぶん、あの人だ)
俺はあるホロメンを紹介され納得した。
次に向かったのは、【ファンタジー】にある【迷いの森】
俺は前に1度、この森で迷い運良くあるホロメンの家に着いた。
今回、ちょこ先生からもらった【紹介状】があるから、迷わないって言われたけど。
俺はちょこ先生を信じて【迷いの森】へと入っていった。
真っ直ぐ進んでいくと、前に見たことのある家があった。
(本当に迷わないんだ)
俺は少し驚きながら、家の扉を叩く。
「はい、誰?」
ドアが開くとそこにはシオンちゃんがいた。
「こんにちは、前の時はお世話になりました」
俺がそう言うとシオンちゃんは少し考えた後。
「あ、あの時の迷子」
(いや、迷子って)
俺はその言葉に苦笑い。
シオンちゃんはそんな俺を見て笑った。
「へぇ、呪いかぁ。
どんな呪い?」
家に入れてもらい、俺はシオンちゃんに事情を話す。
「はい、出来れば鳥とか竜とか空を飛ぶ生き物なんですけど」
「空かぁ」
シオンちゃんは少し考えた後。
「そういえば、あの時にシオンのお使い行ったよね?」
「あ、はい、行きました」
迷った時に助けたお礼にシオンちゃんのお使いを受けたのだ。
「その時に、シオンがお勧めした物買った?」
「あ、買いました」
そう、あの時にシオンちゃんに「かなり値ははるけど、お金に余裕があるなら買っときなよ」と言われた物がある。
確かに高額だったが、手持ちがあったから買っておいたのだ。
「なら、いけるかも。
今から『アビッグルを捕獲せよ』っていうイベントを受けて、クリア報酬で稀にもらえる【呪いの尾羽】ってアイテム持ってきて」
「『アビッグルを捕獲せよ』ですか?」
「そう、かなり粘らないとダメだけど、頑張って」
シオンちゃんはそう言って微笑んだ。
俺は「分かりました」と答えて、すぐにイベントを受けれる【ゲーマーズ】の第2の町に向かった。
イベント中(『アビッグルを捕獲せよ』で【呪いの尾羽】が出る確率は0.15%だそうです)
そして、冒頭に戻る。
目の前にはシオンちゃんの家。
ドアをノックする。
ドアはゆっくりと開き、「案外早かったね」と笑顔のシオンちゃんが出迎えてくれた。
早速シオンちゃんに2つのアイテムを渡す。
なぜか「これはいらない」と藁人形は返された。
何やら藁人形とセットのお札が必要らしい。
それからしばらくして、シオンちゃんが1枚の羽を持ってきてきた。
「これが【極・呪いの尾羽】
特定のホロメンにも効く呪いのアイテムだよ。
ちなみにプレイヤーにも問答無用に効くから、扱いには十分注意して。
使い方は…」
「ありがとうございます」
俺はシオンちゃんにお礼を言った後、最後の場所へと向かった。
「ここにいたんですね」
「あ、きみはあの時の?」
そこはスバルちゃんの悩みを聞いた場所。
【バーチャル】の始まりの町の高台。
スバルちゃんはベンチに1人座っていた。
「よかったら、この前の悩みを解決させてください」
俺はそうスバルちゃんに伝える。
「え?
もしかして自力で飛ぶってやつ?」
「はい」
「いや、無理でしょ。
スバルは人間だから」
そう、スバルちゃんは人間だ。
だけど、これを使えば。
俺はスバルちゃんの頭に【極・呪いの尾羽】を付けた。
「え?」
ぼわんっとスバルちゃんは煙に包まれ、そして、煙がなくなった先に一匹のアヒルがいた。
「ちょ、ちょっとこれってどういうこと?」
アヒルになったスバルちゃんが羽をバタバタさせて喋る。
(よし、喋る事はできる)
「いろいろと調べて空飛ぶ生き物になる方法を見つけてきました」
「それで、アヒル?
確かに初期にアヒルになったって言ったけど」
器用に羽を胸の前で組みながらスバルちゃんは、呆れたような声を出す。
「すいません、これしか思い付かなくて」
「いいよ、スバルの為にしてくれた事だし」
スバルちゃんは優しく声をかけてくれた。
「よし、せっかくだし飛んでみるか」
「応援します!」
アヒルスバルちゃんはそう言って高台の下り道を、かけ降りながら羽を羽ばたかす。
(あ、少し浮いてる)
「その調子です」
俺の言葉にスバルちゃんはなおいっそう翼を動かした。
そして、大空スバルは空を飛んだ。
「やった~
飛べたぁ」
嬉しいに声を出しながら空を飛ぶスバルちゃん。
俺はそんなスバルちゃんを下から見上げながら達成感を感じながら頷いた。
その後。
満足したスバルちゃんだったが、呪いを解く方法が分からず、アヒルのスバルちゃんと【学園】に戻り、ちょこ先生に大爆笑された。
その後、どんな呪いも解くことのできる大鏡をるしあちゃんが持っているとの事で、るしあちゃんの元へ。
そこでも大爆笑され、なんとか無事に元の姿に戻るスバルちゃん。
「もうこりごりだよ」と帰りに呟いていたスバルちゃんだったが、その横顔はなぜか嬉しそうだった。
続きまして、スバルちゃんのイベントです。
このイベントの発生条件ですが、どれから受けても問題ないみたいです。
多少イベントの進み方が変わるだけのようなので、気にしないでやりやすい条件を満たしていってください。
ちなみに今回はスバルちゃんをアヒルに変えるという選択肢を取った方法の発生条件みたいですが、方法はそれだけではないらしいので、他にこうやったよっというのがあれば教えてもらえると助かります。
その時はたぶん発生条件はスバルちゃんから悩みを聞く以外は、違ってくると思います。
それでは、また新しい情報が入り次第、更新していきます。
お楽しみに