【ホロライブワールド】攻略情報   作:天野空

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アイテム【6枚の果たし状】を使用する


TM【ホロ剣客十番勝負 白き獣】

(5回目にもなると、馴れてくるでござるな)

私はアイテムボックスの【6枚の果たし状】を使用した。

『これからイベント【ホロ剣客十番勝負】が開始されます。

このイベントは1プレイヤー1度きりのイベントになりますが挑戦しますか?』

いつもと同じ機械音声、私はYESボタン押す。

『挑戦者確認。

では、シアターミッション【ホロ剣客十番勝負】を開始します』

そして、景色は緩やかに変わっていく。

 

 

「ここは?」

私の目の前にはどこかの神社の本殿があった。

(何故だろう?

すごく見覚えがある)

ゆっくりと本殿の周りを歩いていく。

(これから戦う場所だっていうのに、すごく落ち着く)

私は1つ目の角を曲がる。

まだ、対戦相手には出会えていない。

「ここって…」

歩いているうちに、私はこの場所の事を思い出していた。

(確かあの子の記録画像で見た事がある…

もし、この場所が見た通りの場所ならこの先に)

私は2つ目の角を曲がり、本殿の裏側に来た。

「やっぱり…」

私は本殿の奥の花壇に、水を上げている女性を見つけた。

可愛くてもふもふな白い尻尾がリズムかるに揺れ、頭の白い耳もピョコピョコ動いている。

「ふんふふんふふん」と鼻歌を歌いながら水やりをしている女性に私はゆっくりと近づいた。

「今回は気配を消してないんですね」

そう言って女性はこちらに振り向く。

「だって私は忍者ではござらんので」

私はそう答える。

「前の時は侍でも気配は消すって言ってましたよ」

「それは侍違いでござるよ」

「そっかぁ~」

そう言ってこちらに完全に向く女性。

「はい、白上フブキ殿」

私の言葉にフブキちゃんはじょうろを両手で持って微笑んでいた。

 

「ここまで来たんですね」

「はい、なんとかこれました」

向かい合ったまま2人は話をしていた。

辺りは小鳥の囀りが聞こえて、穏やかな日差しに優しい風が吹いている。

到底戦う場所には相応しくない。

「のどかですね、この場所は」

そう素直な気持ちを風丸は口にした。

「一応、白上の神社がモチーフなので」

フブキは辺りを見ながら言った。

「それで、5人目の相手はフブキ殿で間違いないでござるか」

風丸は左手を腰の鞘に添えてフブキに向けて半身になる。

柄を握ってはいないがいつでも臨戦態勢だ。

「はい、5人目はこのわたし、白上フブキがお相手しますよ」

フブキの持つじょうろが形を変えていき、白い小刀を構える。

『白き獣 白上フブキ

疾風の女侍 風丸

いざ尋常に勝負!』

野太い声の機械音声。

その後、一瞬にして2人はその場から消えた。

無数の刀の打ち合う音。

しかし、2人の姿は見えないままだ。

そして、打ち合う音が鳴らなくなった時、2人は本殿の屋根の上に姿を表した。

「すごい、スキルを使わなくても追い付けるんだぁ」

フブキは嬉しそうに微笑む。

「本気を全然出してないフブキ殿のスピードなら、何とか追い付くでござるよ」

フブキに対してそう言った風丸だが、一切スキルを使ってない訳ではない。

戦闘技の【縮地】を使い続けてフブキに追い付いていたのだ。

しかし、【縮地】は相手との間合いを瞬時に詰める技。

動きがどうしても単調になってしまう。

(やはり様子見をしている場合ではござらぬか)

「【古参の騎士】【解放】」

風丸はそう考えスキルを発動する。

前の戦いからだいぶ時間はたっている。

十分に【溜め】る事もできた。

白と青の侍衣装に変わった風丸はフブキを見た。

フブキの顔は以前、余裕の笑みだ。

「やっぱりこの位のパワーアップでは驚きもしてもらえないでござるな」

「そんな事ないよ。

今、内心ドキドキ」

風丸にフブキはそう笑って答える。

「それじゃ、こっちもきちんと力を出さないとね」

フブキの体に白い気がまとわりつき鎧へと変わる。

「狐神の力…」

「そう、そちらも本気を出してくれるみたいだから、白上もね」

ウィンクしてフブキは小刀を構える。

いや、今やその小刀は白い気によって太刀の長さに変わっている。

「それはありがたいでござるな」

風丸は天叢雲剣を持つ手に力を入れる。

(あの姿のフブキ殿はあの子が本気を出してどうにか五分に五分に持っていくのが精一杯…

勝つにはもう1つ上にいかねば。

勝負どころを間違えれば負ける)

「そんなに身構えないで、楽しくやりましょ」

「な」

いきなり耳元で囁かれ、風丸はその場から飛び退く。

「あれ?」

きょとんとした顔をするフブキ。

(な、ついさっきまで間合いの外にいたのに、いつの間に)

フブキを見ながら風丸はフブキの一瞬の間合いの詰め方に恐怖する。

「ん?

さっきまで風丸くんが使ってた技ですよぉ?」

フブキはいたずらっ子のように舌を出す。

(あれが【縮地】?)

確かに【縮地】は一瞬で間合いを詰める技だが、初動作や動作後に少しの間がある。

しかし、フブキが使ったという【縮地】にはそんなものがない。

「桁が違う、という事でこざるか」

チートが使えば平凡な技もチート技と化す。

「ならば!」

風丸も【縮地】を使いフブキとの間合いを詰める。

そして、右脇腹から左肩へ逆袈裟斬り。

「残念、はずれですね」

背後から聞こえるフブキに対して風丸は回転するように体をひねり胴を薙ぎる。

が、その攻撃も一歩外で避けられていた。

「残像でござるか」

「YES!にんにんでござる」

フブキは両手で忍者の真似をして答える。

フブキは残像や分け身を使った戦闘が得意なのは、前から知っている。

味方になって戦ってくれれば相手を翻弄し、戦いやすい場を作ってくれるが、戦う相手に回ればこんなに戦いにくい相手はいない。

「では、次はこちらから」

フブキはそう言って大きく一回転して後ろに下がる。

そして、今度は一瞬ではない間合いの詰め方をする。

だが、「分け身でござるか」

そう、風丸のいう通りこちらに向かってくるフブキが1人また1人と増えていく。

『本物ど~れだ』

風丸の正面、左右、上からと4人のフブキが襲いかかる。

(どれも本物にしか見えない)

風丸は天叢雲剣の力を解放する。

「【水龍剛閃】」

天叢雲剣から大量の水が溢れだし、そのまま風丸はフブキ達を薙ぎる。

水は刃となってフブキ達を斬り裂いた。

が、(全て偽物!)

あっかんべーをしながら消えていく分け身。

そして、「背後が隙だらけ」

「く」

風丸は背後のフブキの攻撃を辛うじて剣で防いだ。

「やるぅ」

(やるぅじゃない、あの時声をかけられてなかったら確実に一撃もらっていた)

肩で息をしながら、風丸はフブキを押す。

フブキは大きく飛び退いた。

「このイベントに参加してるホロメンの力はほぼ同格なんだよ」

フブキは肩の力を抜いて話し始める。

風丸は油断しないように刀を構えながらその言葉を聞いた。

「ただ、戦い方が各々違う。

相手に求めている事も違う」

「求めている事?」

「そう、このイベントは唯一ホロメンである白上達が好き勝手にできるからね」

フブキはそう言って笑う。

「さて、風丸くんって百鬼の技使ったんだよね?」

フブキの言葉に少し考える風丸。

「あれはもう1人の私が使えたからでござるよ」

風丸は素直に答える。

「それでもすごいよ。

だから、少し練習しとこうか?」

「練習?」

風丸の言葉にフブキはもう1本、狐神の気で刀を作り出す。

「二刀流」

「そう、本家には叶わないけど、二刀流の相手はしておかないと後で困るかなって」

フブキはそう言って微笑む。

「それは暗に勝ち進めば会うと言ってるものでござるよ」

「どうかなぁ?

じゃ、行くよ」

ダン!

二刀流のフブキが風丸との間合いを詰める。

そして、2本の刀がまるで各々別に振るわれているように、様々な角度から攻撃してくる。

「く!」

風丸はその攻撃を危なげに防ぎ避ける。

しかし、避けるので手一杯で反撃ができない。

「これでも、百鬼の腕にはまだまだ敵わないよ」

フブキはそう言いながら風丸に攻撃を続ける。

(このままだといつか攻撃が当たる)

「【覚醒】」

風丸はこの状況を打開する為にスキルを使った。

先程と違い受け流し、避ける速度が上がる。

そして、打ち込む余裕も出てきた。

「やるねぇ」

しかし、打ち込むもフブキは片手で攻撃を防ぎ、もう片方の刀で攻撃してくる。

決定打を与えるにはまだ足りない。

(【オーバーブースト】をするしかない)

風丸に焦りが出てくる。

【覚醒】は10分。

この膠着した攻防を続けていれば10分なんてあっという間だ。

「彼女は二刀を使っていたよ」

フブキはそう風丸に伝える。

(あの子が二刀を…)

なら、私にだってやれるはず。

フブキの言葉に風丸は新たな道を見いだす。

アイテムボックスにある、使えずしまったままにしているあの武器を、風丸は使う事にした。

フブキの攻撃を右手に持った天叢雲剣で受ける。

そして、フブキの右手からの攻撃を風丸はアイテムボックスからアダマンタイトの剣を引き上げ受けた。

「まさか、もう1本持ってるとは」

間合いを取りフブキは笑う。

完全にアイテムボックスからアダマンタイトの剣を引き抜き武器を両手に一刀ずつ持つ。

「二刀流できるの?」

フブキは風丸を見ながら言う。

「やってみないと分からないでござるよ」

天叢雲剣は普通に、アダマンタイトの剣を逆手に持ち構える風丸。

(二刀流の練習はした事はある。

だけどマスターするにはまだ至っていない。

でも、あの子もやったのなら私にも出来るはず)

「いくでござる!」

そして、風丸はフブキとの間合いを詰めた。

その風丸の行動にフブキは笑う。

その笑いは嬉しさの笑い。

風丸がまた1つ先に進んだ、その手伝いができたフブキの満足の笑みだった。

「なら、その慣らしを、私が受けて上げるよ」

フブキは真っ向から風丸の二刀流を受けてたった。

 

結論から言おう。

勝負は風丸の勝ちだった。

『勝負あり!

勝者 疾風の女侍 風丸』

ただ、もしここにプレイヤーがいたら風丸が勝利したようには見えなかっただろう。

風丸は片膝を地面につけ肩で荒い息をしていた。

一方フブキは、すっと立ち息も乱れず笑顔で風丸を見ている。

「なぜ、勝ちを譲ったのでござるか」

風丸はフブキの行動に疑問を持ち聞く。

(正直座り込みたい)

風丸はそう思うほど疲れていた。

慣れない二刀流にフブキとの戦闘。

【覚醒】が切れた後も、何故かフブキはその力を抑えて風丸より少し強い状態で相手をしてくれた。

「言ったでしょ?

各々、相手に求めているものが違うって」

フブキは纏っていた狐神の気を散らす。

「私が求めているのは、進む決意とその成長。

風丸くんはまだ先を望み。

そして、白上との戦いの中で次へと進める成長を見せてくれた。

だから、白上は負けを認めたんです」

フブキは風丸に優しい笑顔でそう伝える。

「はぁ、敵わないですよ、フブキ殿には」

「そんな事ないよ。

それにやっと半分。

ここらへんで休憩もいれないとね」

フブキはそう言うと、どこからともなく水筒を取り出した。

そして、風丸の横に座る。

「はい」

お茶の入ったコップを渡され風丸は受け取った。

暖かな日差し、暖かな優しい風。

ゆっくりとお茶を飲む風丸。

「やっぱりここは戦う場所じゃないでござるよ」

「ははは、確かに」

フブキもお茶を飲みながら風丸の言葉に同意した。




お待たせしました。
ホロ剣客十番勝負の追加情報になります。

今回の相手はホロメンの中でも神の力を使える特殊世代の1人、白上フブキちゃんです。
今回の戦いは正直勝てる気がしないと風丸さんがこぼしておりました。
その強さは本当に神の領域だったのでしょうか?
このイベントに挑戦しようと思われているプレイヤーさんは、ご自身の目でフブキちゃんの強さを確かめてください。
それではまた新しい情報が入りましたら更新します。
お楽しみに
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