(常備クエスト、『羊飼いのお手伝い』はゲーム時間で、1日に1回限定)
ただし、途中1度でも失敗すると初めからになる為注意。
クリアするとアイテム【ベテラン羊飼いパートナーの証】をもらえる。
そのアイテムを所持して『羊飼いのお手伝い』のクエストを受ける。
「やぁ、いつもいつもお手伝いありがとうね」
僕はいつもの日課になっている『羊飼いのお手伝い』と言われるクエストを受けて、近くの牧草地に来ている。
そこには30匹ほどの羊と羊飼いの男性がいた。
「いえ、日課みたいなものですから」
僕はそう言って羊達を見る。
クエスト『羊飼いのお手伝い』は、単純にクエスト内容を言えば、モンスターから羊を守る事にある。
すべてのエリアの町で受けれるこのクエストは、受ける場所で現れるモンスターや強さが違う。
なので、末永くお世話になれるクエストだった。
「そういえば兄ちゃん、【ベテラン羊飼いパートナーの証】もらったんだってな」
「え?」
辺りを警戒しながらもふもふを楽しんでいると、羊飼いの男性が、そう聞いてきた。
「あ、はい、先日何か500回記念だって、羊飼いのおじいさんに」
ちなみにクエストを受ける度に羊飼いの人は変わる。
同じ人にあたる事もあるんだけどね。
「じゃ、そろそろ紹介してやるか」
「?」
羊飼いの男性が鞄をがさがさし始める。
そして、1枚の紙を渡された。
「地図?」
「そうだ。
今日の手伝いはこれでいいから、その場所にいる羊飼いの人の手伝いをお願いするよ」
「そ、そうなんですか?」
僕は地図をもう一度見る。
場所は【ふぉーす】にある牧草地になっていた。
えっと…
「すいません、【ふぉーす】ってまだ行った事なくて」
そう【ふぉーす】は他のワールドと違って空の上にある為、移動手段が極端に少ない。
なので僕もまだ行った事がなかった。
「ん?
それなら大丈夫。
その紙を、世界の壁にあるゲートのゴーレムに見せれば一瞬で行ける」
羊飼いの男性が笑って答える。
「え?
そうなんですか?」
「ああ、気をつけていきなよ」
男性は笑顔で言う。
ま、羊さんをもふもふする時間がなくなるのは少し残念だけど、せっかく進めてくれるんだし行ってみるか。
「そういえば、なぜこの場所なんですか?
何か意味が?」
僕は出発の準備をしながら男性に聞く。
「今の季節、そこが過ごしやすい場所だからなぁ」
そう言って男性は笑った。
僕は羊飼いの男性と別れて、世界の壁にあるゲートに向かった。
レベル的には1人でも世界の壁へは難なく行ける。
僕はゲートのゴーレムに羊飼いの男性から貰った紙を見せた。
ゴーレムは頷き、扉を開く。
僕は扉の開いた先、何もない霧に向かって進んでいった。
「すごい、ここが【ふぉーす】」
僕はゲートの前から見える景色に驚いた。
「本当に空の上なんだ」
僕の後ろには世界の壁はなく、ゲートとゴーレムがあるだけ。
そのゲートがある小島は空に浮いており、目の前には沢山の島が空に浮かぶ光景が見えていた。
「ってここからどうしたらいいんだろう?」
僕がいる小島にはゲートとゴーレム以外に魔方陣が1つあるだけだけど。
「入ってみるしかないかな」
僕は意を決して魔方陣の上に乗る。
すると目の前が一瞬ぼやけたと思うと、次の瞬間、目の前に牧草地が広がっていた。
「え?」
一瞬で目的地?
貰った地図と自分の居場所が表示される地図を見比べる。
同じ場所だ。
なら、ここに目的の羊飼いの人がいるはず。
僕は辺りをキョロキョロすると1匹の羊がうろうろしていた。
羊が1匹?
基本群れで移動する羊が1匹なんて。
僕はゆっくりと羊に近づく。
すると羊がこちらに気付きじっと見てきた。
うわぁ、めちゃくちゃもふもふで可愛い。
「なに見てんだ、ごらぁ」
ぶ!!
もふもふで可愛い羊が低く迫力ある声で喋ってきた。
ギャップありすぎて思わず吹いてしまった。
「このバカタレがぁ~!」
スパン!
いきなりどこからともなく現れた1人の女性が、ハリセンで羊の頭を叩いた。
「い、痛いですよ、わためぇ」
「痛いですよじゃないよ。
せっかく日頃頑張ってるわためいとの為に、簡易大召喚して日向ぼっこしてるのに、結界から抜け出しただけじゃなくて、プレイヤーさんにガン付けするなんて」
「い、いやぁ、なんかじっと見られて恥ずかしかったんです」
「分かったから早く結界に入って」
そういいながら羊を押す女性。
すると少し進んだ羊が突如ある地点に行くと消えた。
「ごめんね、うちのわためいとが」
そう言って笑う女性。
確かさっきの羊がわためぇって。
「もしかして、わためちゃんですか?」
「はい、そうです」
僕の問いに笑顔でわためちゃんは答えてくれた。
それから、わためちゃんに羊飼いの男性から貰った紙を見せると手伝いに来たのを喜んでくれて、わためちゃんが放牧している場所に案内してくれた。
と言っても少し先に進んだところだけど。
「すごい」
さっきまでは何もない牧草地が、少し進み結界の中に入ると、あちらこちらに大量の羊が好きなように生活していた。
「わたしの結界の中には、許可した人しか入れなくて、他の人は普通のエリアを移動する事になるんだよ」
そう説明しながらわためちゃんは近くの木陰に向かう。
時期的には冬になるんだけど、【ふぉーす】は空の上にある為に日光がよく当たり温かった。
「【ふぉーす】は魔法の力がはたらいてるから年がら年中暖かくていいよね~」
そう言って寝転ぶわためちゃん。
「えっと、僕はどういった手伝いを?」
わためちゃんに聞くと、わためちゃんは寝ながら答えてくれる。
「今はまだ何もないからそこに座ってていいよ。
ちなみに今回りにいる羊さんは、簡易大召喚で呼んだわためいとだから、ちょっかいかけると襲ってくるかも」
めちゃくちゃ物騒な事を言われたような。
僕はわためちゃんの横に座る。
寒くもなく暖かくもないそんな気温。
時折、眠気を誘う風が吹いていた。
ふと、横を見ると寝息をたてているわためちゃん。
それを見る僕の背にめちゃくちゃ視線を感じるんですけど…
さっと振り向くと何事もないような顔をして複数の羊がわざとらしくうろうろしてる。
なにもしないって。
本当に。
僕はもう一度わためちゃんを見た。
本当に幸せそうに寝てるな。
「め、めぇ~!」
そんな中、突如少し離れた場所から悲鳴?が聞こえた。
な、なに?
僕は立ち上がりそちらを見る。
わためちゃんもその悲鳴?で起きたようで目をこすっていた。
「なに?」
「分からないです。
でも、何かあったみたいで」
「ん~」
と伸びをした後、わためちゃんは僕に向かって「いこう」と笑顔で言った。
「はい」
僕はそう答え、2人で悲鳴?がした方に向かった。
「め、めぇ~」
「めぇ~」
現場に行くと逃げ惑う羊の中に、上半身タンクトップで真っ赤なズボンをはいた、髭を生やしたお爺さんが、羊を捕まえるとそのもふもふの毛に手を突っ込んで何か探すように手を動かしていた。
「め、めぇ~」
お爺さんにもふもふされた羊は、弱々しい声をあげた後、パタンと倒れる。
「な、なに?あれ」
僕はその惨状にポツリと呟く。
「なんだろうね」
わためちゃんも少し呆れたように言う。
「さ、きみの出番だよ。
あの不審者をどうにかして」
「ええ、僕ですか?」
驚いて聞く僕にわためちゃんは強く頷いた。
「や、やりますよ」
半分自棄になりながら、僕はお爺さんに近づいた。
「そこまで!」
僕の言葉に羊をもふもふしているお爺さんの手が止まる。
パタンと倒れる羊。
「なんじゃ?
邪魔をせんでくれ」
「いや、何してるんですか。
さっきから」
僕の質問にきょとんとした顔をしたお爺さんは、さも当たり前のように「探し物」と答えた。
「いや、探し物って、さっきから羊まさぐってるだけじゃないですか」
「そう言われても、ここらで落としたんじゃ。
間違いないんじゃ」
半泣きになるお爺さん。
「えっと…」
僕はわためちゃんを見る。
わためちゃんも手を左右に広げて「分かりません」アピール。
「な、何を探してるんです?」
「カネじゃ」
「お金?」
「違うベルじゃ」
僕の言葉にお爺さんは首を振り、言いなおす。
「あ!」
何か分かったのかわためちゃんが近づいてくる。
「もしかして、金色のベルで赤いリボンが付いてる?」
「そ、そうじゃ、それじゃ!」
わためちゃんの言葉にお爺さんは、パッと明るい顔になった。
「わためちゃん、知ってるの」
「うん、確かここに結界張る時にいた、トナカイが付けてた」
「トナカイ?」
「ど、どこに行ったんじゃ」
「たぶん、この結界の外をまだ彷徨いてると思うよ」
「結界の外?」
そうか、結界に入れない人は結界ができる前のエリアを移動するから。
??
じゃ、なんでこのお爺さんはここに?
そんな事より。
「わためちゃん、僕達を外にだせれます?」
「できるよ。
なんなら、わたしも付いてってあげる」
「本当ですか?
それは心強いです。
お爺さん、行きましょう」
「お、おう」
そして、僕達は結界の外に出る。
外に出るとそのトナカイはすぐに見つかった。
「あ、あれですか?」
「そう」
「くそう、本当じゃ。
わしの大切なベルを首に付けとる」
「は、はぁ…」
僕はもう一度そのトナカイを見上げる。
それはとてつもなく大きいトナカイだった。
イベント中…(巨大トナカイとの戦闘)
「な、なんとかなった」
僕は巨大トナカイからベルを取り戻した。
わためちゃんはほぼ応援。
お爺さんも何か魔法のようなもので援護してくれるけど、全くトナカイに効いてなかった。
「やったね」
「おお、ありがとう」
お爺さんにベルを渡す僕に、わためちゃんは激励をお爺さんからはお礼を言われた。
「これで今年も大丈夫じゃ」
そう言ってお爺さんはアイテムボックスのような物から赤い服と帽子を出した。
「え?あなたは?」
「やっぱり…」
そのお爺さんの姿を見て僕は驚く。
わためちゃんは分かってたようにお爺さんを見て微笑む。
「若いのありがとうな。
なんとか間に合いそうだよ。
これはお礼だ」
そう言ってお爺さんからプレゼントを貰う。
「23日になったら開けるとええ」
そう言ってお爺さんは姿を消した。
「わためちゃんあれって…」
消えたお爺さんを見送って?僕は隣に立っているわためちゃんに聞いた。
「なんで結界の中に入れたか分かったでしょ。
あのお爺さんもイベントキャラだから」
そう言って笑う。
僕はふとステータス画面の時計を見た。
過ごしやすくて忘れていたけど、今月は12月だった。
次にお届けするのは、わためちゃんのイベントでした。
ただ、このイベントは12月限定イベントで、他の時に来ると羊を襲ってくるスターズをわためちゃんと一緒に戦い、その後にわためちゃんから食事に誘われるというイベントです。
今回貰えた物は【聖夜の約束】と呼ばれる箱のアイテムです。
ちなみにこのアイテムは12月に特定のイベントを起こすと貰えるみたいで、他のイベントでも収入可能らしいです。
効果はお爺さんが言ったように23日に使うと分かります。
では、23日をお楽しみに。
次に新しい情報が入りましたら更新します。