裏世界【海底神殿】を1人で探索していると稀に何かを探す不知火フレアに出会う。
探し物を一緒に探すと不知火フレアに伝え、共に探索する。
今日も俺は裏世界【海底神殿】に1人で来ていた。
ここに初めて来たのは、今所属しているギルドのメンバーと一緒だった。
この裏世界は一度入ってしまえば、次からは制限無しで入る事ができる。
だから俺はちょっとした時間を経験値稼ぎとコイン集めに来ている。
「さて、どこから探すかな」
基本、このエリアでコインをゲットするには、現れるモンスターを倒す方法と、廃墟と化しているこの町の中を散策して見つける方法の2種類だ。
(まだ、この辺りに出てくるモンスターは、俺1人でもどうにかなるからな)
そんな事を考えていると現れるモンスター
ギャギャギャギャギャ
半魚人のモンスターだ。
この半魚人モンスターがこの廃墟に住み着いているという設定らしく、ほとんどが半魚人モンスターが現れる。
ただ、中には見たこともないモンスターもいるみたいだが…
俺は剣を構え戦闘態勢に入った。
(相手は一匹十分に勝てる相手だ)
「いくぞ!」
俺は勢いよくモンスターに突撃した。
「ふぅ」
半魚人は光の粒に変わって代わりにコインが落ちている。
「よし、ゲット」
このコインは【海底神殿】の最奥にあるエデンという町でアイテムと交換できる。
(だいぶ貯まったな)
コイン専用の袋に入れて、俺はまた探索を開始した。
しばらく探索をして、お昼時になった。
(一旦休憩するか)
俺はセーフティーエリアに向かう。
そのエリアは俺の所属しているギルドが作ったもので、ギルドメンバーなら自由に使う事ができる。
俺はそこに向かった。
そろそろセーフティーエリア着く頃、俺はふと崩れた建物にエルフが辺りを見渡しながら入っていくのを見かけた。
(こんなところにエルフ?)
ま、プレイヤーだったらいてもおかしくないが、この場所はあまり攻略には関係しない場所なので、人はほとんどこない。
(なのに、なんだ?)
俺はどうしてもそのエルフが気になり、エルフの入った建物の方に向かった。
(あの後ろ姿…最推しに似てる)
建物の中は暗く狭かった。
(人1人通れるくらいか)
俺は剣を抜いていつでも戦闘に入れるように進んだ。
「え?」
しばらく進むと下へと続く階段があった。
「なんで階段が?
このエリアに地下があるなんて聞いた事ない」
俺はさっきよりも慎重に進む。
(それにしてもさっき見たエルフの人と会わない)
俺はそう考えながら下へと降りていった。
そんな俺を背後から見下ろす黒い影に、俺はその時気づいていなかった。
「な、なんだこれ」
そこは巨大な空間だった。
それも水の中。
しかし、不思議と息はできている。
ただ、体を動かすのに抵抗がある。
(水の中だからか?
なら、泳いだりできるか?)
俺は足をバタバタしてみる。
すると不思議な事に体が浮いた。
(お、泳げてる)
俺は泳げているのが楽しくてしばらく泳いだ。
ふと、下を見ると空間のちょうど真ん中の地面に何か宝箱のような物があった。
(宝箱?
この秘密の場所で手に入るアイテムか?)
【海底神殿】では稀にレアアイテムが見つかる事もある。
(エルフを追いかけていたらお宝発見ね)
俺は宝箱の方に泳ぐ。
少し盛り上がった砂山の真ん中にある宝箱。
(罠って可能性もあるよな)
俺は用心しながら宝箱に近づく、宝箱まで来たが特に何もないか。
俺はゆっくりと宝箱に手をかけた。
ぐわぁ~!!!!
突然開く宝箱。
その中には巨大な舌と無数の牙が見えた。
「だろうな!」
予想通りのミミック。
なら、俺の手のひらから無数のロープが伸びる。
そのロープはあっという間にミミックをぐるぐる巻きにした。
対ミミック専用アイテム【ドッキリ巻きマキくん】
そのグローブを装備して宝箱を開けると、その宝箱がミミックだった場合、こういう風になる。
(さてと、これははずれだったけど他にもあるかもな)
俺はゆっくりと上へと泳ぐ。
すると「早く逃げて!」
突然誰かの叫ぶ声がした。
俺はその人物を確認する事なく上へと泳ぐ。
(ヤバい、あれはミミックじゃなかった)
上へと泳いでいるのにミミックから距離がそこまでとれてない。
それもそうだ。
砂山が盛り上がってきているのだから。
(やばいやばい)
砂山が割れて巨大な口が現れる。
それは巨大なアンコウだった。
(間に合わない)
そう感じた俺に横から何かが飛んできた。
それは水の中を回転して渦になりながらこちらに飛んでくる。
それは俺を掠めるように飛んでいった。
俺はその渦に巻き込まれながら、巨大なアンコウから遠ざかる事ができた。
渦は空間の壁に当たる前に失速する。
渦もまたその影響を消した。
気分が悪くなりながらも俺はアンコウを見る。
アンコウはその巨大な目玉でこちらを見た後、ゆっくりと地面へと潜っていった。
(宝箱をエサに待つミミックかと思ったら、そのミミックまでエサだったとはな)
俺は助かった安堵感でそのまま地面へと降り立った。
「大丈夫?」
そんな俺に声をかけてくれる人。
あの危ないの声もこの人だ。
俺はその人物を見て微笑む。
「ありがとうございます、フレアちゃん」
「なんだ、分かってたんだ」
そう言ってフレアちゃんはにこっと笑った。
「でも、どうしてここに?」
「それはこっちのセリフかな」
フレアちゃんと俺はこの空間に入って来た入口に向かっていた。
「この建物に入ってすぐに背後に気配がして、隠れてたんだけど、◯◯◯が来て階段を下に降りていったからびっくりした」
「あ」
(あの時見つからなかったのは隠れてたから)
「それで、この地下は危ないから声をかけようとしたけど、なんだか真剣な顔だったから、行く理由があるのかと思って声をかけれなかったんだ」
「そ、そうでしたか」
(確かにあの時、エルフさんがいなかったから真剣な顔で辺りを見てたな)
「それでここに用があった?」
「あ、いえ、この建物に知ってる後ろ姿が入っていくのを見たので」
「あ、あたしを追ってきたの?」
「はい」
俺はフレアちゃんの言葉に素直に頷く。
「なるほどね」
にやにやするフレアちゃん。
「そんなににやにやしないでください」
「え?そんなににやにやしてる?」
フレアちゃんは笑いながら言った。
「さ、ここから出よう」
フレアちゃんの言葉に頷きながら俺達はこの空間から脱出した。
「そういえば、フレアちゃんはここで何をしていたんですか?」
地下への階段があった建物の前で俺はフレアちゃんに聞いた。
「え?
あ、ちょっと探し物をね」
「探し物?」
「そう、ここに私専用のあるモノが眠ってるって情報が入ってそれを探しに来てた」
(何か大切なモノなのだろうか?
よし!)
「俺もそれ探すの手伝います」
「え?」
「ここで会えたのも何かの縁ですしお願いします」
俺はフレアちゃんに頭を下げる。
「ちょ、ちょっと、この場合手伝ってもらうのあたしの方になると思うんだけど、なんで◯◯◯が頭下げるの」
「いや、断られたらショックなんで」
俺は少し顔を上げてフレアちゃんの顔を見る。
「手伝ってくれるのはありがとうだよ。
お願いするね」
そう言ってフレアちゃんは微笑んだ。
「はい!」
俺は嬉しさのあまり大きな声で返事をする。
そんな俺を見てフレアちゃんは嬉しそうに笑った。
イベント中(フレアちゃんと【海底神殿】の散策)
「しかし、なかなか見つからないですね」
あれから俺はフレアちゃんに探しているモノを教えてもらった。
なんでも異世界魔法と呼ばれる特殊な魔法らしい。
その魔法の本をフレアちゃんは探していた。
「一応、情報があった場所を探してるんだけどね。
次で最後になるよ」
そう言って向かったのは、【海底神殿】の少し奥に進んだ廃墟になった協会。
(ここは確か、中ボスの現れる場所のはず)
中ボスは倒すと【海底神殿】のボスモンスターを弱体化させるアイテムを落とす。
だいたい、ボスモンスターを倒す前に5体いる中ボスを倒すのがセオリーだ。
「ここは中ボスが出る場所です」
俺はフレアちゃんに言った。
「分かった」
フレアちゃんは真剣な顔で頷いた後、ロングバレルのライフルを取り出す。
「かっこいいですね」
俺はフレアちゃんの銃を見て素直に言った。
装飾はほとんどなくスマートな銃だ。
「ありがと」
フレアちゃんはにこっと笑う。
「それじゃ行くよ」
「はい」
そして、俺達は協会へと入った。
協会の中はとても静かだった。
(ま、いつきても静かなんだが。
何かいつもと雰囲気が違う)
フレアちゃんも何かを感じたのか銃を構える。
そして、俺達はゆっくりと協会の奥へと向かった。
「あ、やばい」
突然フレアちゃんはそう言って俺を抱きしめ背後に跳ぶ。
「え?」
俺はわけも分からずフレアちゃんに身を任す。
「ごめん、間に合わない」
そう言ったフレアちゃんと共に俺は足元に出来た巨大な真っ黒い渦に飲み込まれた。
「大丈夫?」
「あ、はい、なんとか」
俺はフレアちゃんがさしのべてくれた手を取り立ち上がる。
「ここは?」
俺は周りを確認する。
【ふぉーす】のような浮島に俺とフレアちゃんがいるようだ。
しかし、なんだ?
空が暗い?
いや、宇宙空間みたいだ。
「当たりだったみたい」
フレアちゃんは虚空を睨みながら言った。
「当たり?」
「そう、あたしが求めていたモノがここにある」
その言葉と同時に俺達の目の前に、上空からゆっくりと降りてくる巨大な影。
「な、これはドラゴン!」
俺はその姿を見て驚く。
銀色の鱗を持ち、巨大な羽を羽ばたかせ降りてきた。
「バハムート…」
フレアちゃんが静かにそのドラゴンの名を呼んだ。
「バ、バハムート」
大抵の人が知っているその名を聞き、俺は後退りしそうになった。
しかし、そこはぐっと堪える。
目の前には絶対の強者が立つ。
しかし、俺の横にも絶対の強者がいる。
「いける?」
フレアちゃんは俺を見て微笑みながら聞いてきた。
それは無理と言えば俺だけでも逃がしてもらえる、そんな意味の言葉にも聞こえた。
(しかし、俺はフレアちゃんの力になりたい!)
「いけます!」
俺はその思いをフレアちゃんにぶつける。
「なら、異世界の最強の竜をこらしめちゃいますか」
「了解です!」
フレアちゃんの言葉に俺は武器を取り出す。
どこまで力になれるか分からないが、俺はフレアちゃんの手伝いをする。
そして、俺達は異世界の最強ドラゴンと戦闘を開始した。
お待たせしました。
今回は不知火フレアちゃんのイベントとなります。
最後まで語ってはもらえませんでしたが、お話を聞いたプレイヤーさんは嬉しそうにこの話をしてくれたので、勝負には勝ったのだと思います。
お話を聞いた後、独自で調べたのですが、このイベントをプレイヤーの誰かがクリアすると、フレアちゃんが異世界魔法【フレア】を使えるようになるみたいです。
ただ、イベント事態はプレイヤーさんの数だけ受けられるのでご安心ください。
ちなみにこのバハムートが現れる場所は、ランダムのようで今回は最後の探索場所で現れたみたいですが、運がよければ?一番始めに探しに行った場所に現れる可能性もあります。
では、また新しい情報が入り次第更新します。
お楽しみに