百鬼あやめのイベントを50以上クリアしている。
赤い満月の夜に【鬼生門】前の広場にお団子と酒を持参してしばらく待つ。
「さて、今日が約束の日だったよな」
俺は手に団子が入った箱と酒を持って【鬼生門】の前の広場に来ていた。
辺りは夜で人通りはあまりいない。
特にこの広場は突発的にイベントが起きる為、準備をしている人以外はあまり近づかない。
俺は夜空を見上げる。
空には赤い満月が昇っていた。
「赤い満月か…」
この前、ここで何十回目かのあやめちゃんとの戦いの後に、ある月日に赤い満月の夜にここに来るように言われた。
俺はゆっくりと広間の真ん中に進む。
すると辺りが霧に覆われ始めた。
(いつものやつだな)
俺はくすっと笑う。
あやめちゃんに会う時はいつも霧が覆われる。
俺はその場に座り込んで、団子の箱を開け酒瓶を置いた。
しばらくすると、た、た、たと誰かがこちらに歩いてくる音が聞こえてきた。
「呆れた◯◯◯様だな。
余が来る前に始めようとするとは」
ぱっと霧が晴れた。
声がした方を見ると、肩に大太刀をとんとんいわせながら、少し呆れた顔のあやめちゃんが立っていた。
「いや、準備をしていただけですよ」
俺はそう言って笑う。
「なら、余い」
あやめちゃんはにこっと笑い近くに来て座った。
「綺麗ですね」
俺は霧の晴れた夜空を見上げて言った。
「そうだね、綺麗な満月だ余」
あやめちゃんも夜空を見上げていた。
「さ、せっかく持ってきてくれたんだ。
食べよう」
あやめちゃんがそう言って団子を見る。
「はい」
俺は笑顔で答え、あやめちゃんに盃を渡した。
「お、気が利くな、◯◯◯様」
笑顔で受け取るあやめちゃん。
俺はその盃に酒を注ぎ、自分の盃にも酒を注ごうとした。
それをあやめちゃんに止められる。
そして、あやめちゃんは俺から酒を取ると、俺の盃に酒を注いでくれた。
『かんぱ~い』
俺とあやめちゃんは酒を飲む。
「お、案外上手い」
「うむ、美味しい」
俺達はお互いを見て笑った。
俺が持ってきた酒を上手いと喜んでくれる推しがいる。
これ程、嬉しい事はない。
しばらく俺は推しとの楽しい時間を過ごした。
「それで、あやめちゃんはどうして俺を呼んだんですか?」
俺は疑問だった事を聞いた。
そう、これがイベントだったとしてもどうして選ばれたのか分からない。
「ん?
それは◯◯◯様が十分に実力を持った強者だからだ余」
あやめちゃんは盃を置いて立ち上がる。
「◯◯◯様は節分イベントには参加した?」
あやめちゃんは【鬼生門】を見ながら言った。
「節分イベントですか?」
俺は最近あったイベントを思い出す。
この【ホロライブワールド】の節分イベントは、ゲーム内日時3月3日に運営から配られる豆を装備して、良い鬼と共に悪さをする鬼を退治するといったちょっと変わったイベントだ。
(ま、鬼は外とか言ってるとあやめちゃんが拗ねちゃうだろうし)
「今回は丁度リアル仕事で参加できなかったんです」
(ま、ゲーム内日時だから割りと早くまた、次の節分イベントは来るからそっちに参加しようと思ってたし)
「そうか。
なら、そのイベントで発生した退治されなかった悪い鬼達が、どこに向かうか知ってる?」
「え?」
あやめちゃんがこちらに向いて笑う。
「さぁ、そろそろ本番だ余、◯◯◯様。
武器を用意して」
俺はあやめちゃんに言われて、団子と酒を片付けると、愛用の刀を取り出した。
あやめちゃんは【鬼生門】に背を向ける。
俺もそれに習った。
後ろでゆっくりと門が開く音がする。
(門が開く?)
あやめちゃんが作り出す、特別なステージの【鬼生門】は、ステージ外の門とは違い普段は閉まったままだ。
「この門の先は、裏世界【鬼岩城】への入り口。
そして、そこに行こうとあのモノらが現れる」
「まじか」
俺は見た。
濃い霧の中から次から次へと湧き出てくる鬼を。
「まさか、これがあのイベントで退治されなかった鬼ですか?」
「そうだ余。
るしあちゃんから、今日魂を【大霊園】に送って欲しいと連絡があったから、今から討伐する余」
あやめちゃんが太刀 鬼神刀阿修羅を取り出した。
「推しと共闘出来るなんて光栄ですよ」
俺は刀を構えた。
にこっとあやめちゃんが、こちらを見て微笑む。
「では、行くとす余」
「承知!」
あやめちゃんの合図で俺達は迫る百鬼夜行へと走り出した。
自分より数倍ある巨大な赤鬼が、鉄棍棒を振り下ろす。
俺はそれを避けて、鉄棍棒を持つ手に斬りつける。
グカァァァァ
鬼は悲鳴を上げて、手を離した。
(今だ!)
「百鬼流 怒声」
俺はそのまま刀を胸のところで縦に構え、体当たりをした。
赤鬼に当たった瞬間、凄い衝撃波が赤鬼を吹き飛ばして、後続の鬼を巻き込んでぶっ飛ぶ。
「おお、さすがだ余」
手当たり次第、鬼を切り裂きながらあやめちゃんの歓声が飛ぶ。
(いや、割合的には圧倒的にあやめちゃんが倒してるんだけど…)
しかし、推しに誉められるのは悪くない。
あやめちゃんのイベントで学んだ百鬼流は、完全に使いこなせてはいないけど、だいぶ使えるようになってきた。
「じゃ、本家も見せてあげる余。
百鬼流 怒声!」
すぅ~と息を吸うあやめちゃん。
そして、わぁ~~!て声を出した。
声は衝撃波となり、あやめちゃんの目の前にいる鬼達を吹き飛ばし消滅させる。
「はは、お見事」
(本来はああいう技なんだ。
はははと笑うしかないなぁ)
まだまだ未熟だと感じる自分がいる。
ゴァァァ!
次に迫る巨大な青鬼。
(見惚れてはいられないか)
星持ちではないが、強いモンスターにはちがいない。
俺は一度刀をぎゅっと握り、肩の力を抜いた。
そして、目の前の敵を見る。
「負けてられない!」
俺はそう気持ちを新たに敵へと向かった。
「ご苦労様だ余」
座り込み肩で息をする俺に、にこやかな笑顔であやめちゃんが声をかけてくれる。
「いえ、いい修行になりました」
(しかし、さすがだなぁ。
あれだけの戦いでも息があがってない)
とすっと隣に座るあやめちゃん。
そして、2つの盃を取り出した。
1つの盃を渡してくれる。
「今回の報酬だ余」
どこからともなく取り出したお酒を、注いでくれた。
俺も持ってきた酒を、あやめちゃんの盃に注ぐ。
カチン
お互いの盃を合わせた後、お酒を飲む。
『上手い』
赤い満月の下、お互い微笑みながら勝利の美酒に酔いしれた。
お久しぶりです。
なかなか更新出来ずに申し訳ございません。
今回、多数の情報の中から百鬼あやめちゃんのイベント紹介をしたいと思います。
今回の情報提供者の方はあやめちゃんから百鬼流を習得しておりますが、イベント条件には含まれていないようなので追記しておきます。
このイベントをクリアすると、あやめちゃんから報酬として【百鬼印の盃】をもらえるそうです。
それでお酒を飲むと、一定時間全てのステータスにバフがかかる超レア物みたいなので、良ければゲット狙ってみてください。
それでは、提供情報が整理でき次第、更新していきますので、よろしくお願いします。